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パーソナリティの偏り要因となる誕生から成人期までを時系列で探る

目次

エリクソンの心理的発達、ピアジェの認知の発達、マーラーの発達理論からパーソナリティの偏りの要因や原因を時系列に当てはめてみます。合わせて、大きく影響する児童虐待について探ります。

パーソナリティの形成には、気質と生育環境が影響しています。乳児はまっさらで海綿のように吸収する心を持っていて、その心が吸収する生育環境が認知の発達に大きく影響を及ぼすことになります。
愛着/アタッチメントは乳幼児が本能的に母親や養育者を求め、母親も子供を求める双方向の相互関係であり情緒的な絆です。母親は授乳だけでなく、視線を合わせ声がけするマザリーズをし、乳児もそれにこたえるように匂いをかぐ、後追いする、視線を合わせるなどエントレインメントをしてコミュニケーションをします。
人見知りや分離不安では母親を安全基地として利用します。さらに愛着が形成され、母親の信用、安心感ができると自立できるようになります。
この大切な時期に不適切な養育や虐待などによって愛着形成に支障が生じると、不安に耐える力が無くパーソナリティに障害や素行症、反抗挑発症、アタッチメント障害などに展開してしまいます。

パーソナリティの偏りの要因や原因を素質、養育、器質、社会、環境などに絞り時系列で見てみます。

エリク.H.エリクソン、ピアジェ、フロイト、メラニークラインを主として

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誕生出生直後から素質的にそれぞれが持っている固有の性質、「気質」がある。
神経質な子、おおらかな子、活発な子、静かな子など個性が現れる。(エリクソンE.H)
心理・社会的発達
(ピアジェJ)
認知発達
精神などの発達
遺伝的要因
両親のDNAからの
遺伝子
乳児期:口唇期
誕生直後~1歳頃
母子関係において、乳児が不信「良い」か信頼「悪い」かの感覚を獲得する。
同じ母親のオッパイでも、お乳がよく出るオッパイは「良いオッパイ」、出ないオッパイは「悪いオッパイ」である。自分の欲求を満たしてくれる瞬間の満足と、瞬間の不満足を感じる。信頼・満足
vs
不信・不満足

・「希望」をもつ
・愛着関係の形成


感覚運動期(0〜2歳)
・循環反応
・対象物の永続性
・シンボル機能
・言葉はなく互換の刺激でどうか調整の繰り返し
・自己と他者視点の区別はつかない
部分対象関係
部分的または瞬間の満足、不満足を対象

全体対象関係
相手の都合や気持ちを受け止め、良いと悪い部分を含めた全体を対象
母親・代理
幼児初期:肛門期
1歳~3歳頃
離乳時期から母親の存在は一人の独立した存在で、自分の欲求を常に満たしてくれることではないと知る。そのため、自分の欲求や都合だけでなく母親への配慮も考えられるようになる。排泄のしつけを通して一人でできる自律的な意思を身につける。過度な叱責や過保護は挑戦意欲を削ぐことになる。自律
vs
恥・疑惑

・「意志」をもつ

・自己中心性


我慢することを身につける時期であり、現実的、合理的に判断する自我(エゴ)が発達し、自己規律への影響を及ぼす両親・代理
幼児期:男根期
遊戯期
3歳~6歳頃
男女の意識をする。異性の親には近づき、同性の親を敵対視するエディプスコンプレックスがはじまる。
倫理や道徳、目的意識に不適切な対応や厳しい躾などに罪悪感を感じる。自主性・積極性
vs
罪悪感

・「目的」をもつ

・第一反抗期
前操作期(2〜7歳)
・思考は自己中心的
・言葉の獲得
・運動機能の発達
・自己イメージでものごとの区別をする
超自我(スーパーエゴの発達(母子関係が重要な意味を持ち生後1年以内)から形成へと向かう
・異性の親に接近し、同性の親に敵対心を持つエディプスコンプレックス
家庭・関係者
学童期
6歳~12歳頃
勤勉・達成能力・計画達成などにより自信や能力発揮につながるが、進まないと劣等感や不全感を抱く。勤勉性
vs
劣等感

・「競争」「適格」を意識
ギャングエイジ
具体的操作期(7〜11歳)
・他者の視点の獲得
・客観的思考
・具体的事象を理論的操作
・数値的概念の理解
超自我にリビドーは抑圧され、性的発達は一時安定する近隣・学校
青年期
12歳~20歳頃
自己の役割や価価値観の確信から所属する仲間を意識できる。自己のアイデンティティを確立することで社会での役割と自己の受容ができる。統合されなければ居場所も役割も自己概念も見つけられづらい。自我同一性
vs
自我混乱・同一性拡散

・「忠誠」を意識
・自我同一性の確立
・第二反抗期
形式的操作期(12歳~)
・抽象的思考、理論的推理、実験的思考
・仮説、理想、未来の志向
性的欲求が成熟期を迎え、異性を対象にするリビドーの出現仲間集団・外集団
ロールモデル
前成人期
20歳~30歳頃
アイデンティティの融合により友情、性愛などの親密さを得る。社会の中で人間関係が重要となるが、維持できなければ孤立や孤独となる。親密
vs
孤独・孤立

・「愛」を感じる
ポスト形式的操作期
(成人期~)
・視点に対する複数の事実
・矛盾する精神的内容の統合
友情・性愛・社会のパートナー・競争
 エリクソン・ピアジェの心理社会的発達理論、他参考 

マーガレット.S.マラーの発達理論

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生後1〜4ヶ月
「未分化」
自他未分類で母親と新生児は正常な共生の段階で絶対依存期であり、乳児は心理学的には誕生の段階では生まれていないような母子一体感、共生に包まれています。
1〜2ヶ月は自他の区別ができなく外界の知識もなく、母子は幻想的な一体感を感じる「正常な自閉期」です。・自己と外界の区別がない
3〜4ヶ月になると母親の授乳や保護の安心感を与えられることが、乳児と母親を二者統一体と認識する「正常な共生期」になります。・自己の内在化への注意
生後5〜8ヶ月
「分化期」
母親と自己が異なる存在であることを認識し始め、乳児の母親と他者を比較するようになり「人見知り」を行うようになります。
・外界への興味
生後9〜14ヶ月
「練習期」
母親のそばを少しでも離れたりして、分離不安を克服しようと外界を探索しながら不安を和らげようとする練習を繰り返します。
・母親の特定化・一時的に母親から離れる
生後15〜24ヶ月
「再接近期」
練習期後半には立って、歩いて、離れて、そして出戻りを繰り返します。これは分離不安を和らげるために出戻りと言われる母親への再接近が見られます。これは分離意識の自信と分離不安の挫折の葛藤に悩んでいると言うことです。・飛び出し、積極的に母親に接近
生後24〜36ヶ月
「固体化期」
母親を安定したイメージとして内在化し安心することで、距離的にも時間的にも固体化が確固となるための力になります。これが母親との分離不安体制と自我形成を作り始め、段階的に自立的な心理の発達時期となります。・現実吟味・母親不在の耐性・長時間遊べる
生後36ヶ月以降
「情緒的対象恒常性の確立」
生後36ヶ月頃までの発達段階を「分離-個体期」と呼びます。これ以降は母親や父親、祖父母、親戚などの自分を守ってくれるイメージが形成され、心的内面を支えてくれる対象の恒常性が内在化されます。このことで分離不安の耐性ができ、意欲的に行動範囲も広がります。
・同一人物対象に良い、悪い面の総合的体験
乳児期の発達理論(分離個体化):マーガレット・マラー

パーソナリティの形成には気質と生育環境で作り出された症状(例えば、分離不安症、被虐待児症候群、選択性緘黙、排泄症群)なども影響します。乳幼少期に愛着関係が築かれない、虐待などで信頼や愛情が見出せなかったりすると安心感が持てないばかりではなく恐怖も感じ、心理の発達を妨げることになります。
その他、器質的要因があげられますが、一つは先天的な脳の器質(例えば、発達障害として知的能力障害、コミュニケーション症群、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、学習症、発達協調運動症、チック症群や障害など)に加え身体的な障害です。また、後天的器質として分娩時の問題、病気や外傷、心的外傷が含まれます。
このような生物的問題を抱えている児童は育てにくい傾向があり、親は厳格にしなければいけないことでいら立つ場面が多くなります。そのことで過保護や過干渉、養育放棄や虐待などを生じやすくしていると言うことです。
ただし、必ずパーソナリティの偏りをもたらすという意味ではなく、むしろ厳しい環境でたくましく育つケースもあります。これは気質と生育環境の相性が関係するものだとも言われています。 

児童虐待の定義と種別

種類児童虐待防止法定義具体的な例
身体的虐待保護者が児童の身体へ意図的に外傷が生じる暴行をする殴る、揺する、投げる、火傷をさせる、熱湯をかける、溺れさせる、ベランダに出す、カッターで切りつける、首を絞めるなどの暴行
性的虐待児童にわいせつな行為をすること、またはわいせつな行為をさせること性交、性的行為の強要、性器や性交を見せる、性器を触らせる、ポルノ素材を見せる、ポルノ制作に関与させる、性的に不適切な非接触行為、誘惑など
ネグレクト心身の正常な発達を妨げる著しい減食、長時間の放置、虐待行為の放置、保護者としての監護義務の怠慢、養育や育児の放棄栄養不良、ひどい身なり、汚れを強いた衣服、食事などの世話を怠ることや医療の欠乏、愛情を遮断する
心理的虐待家庭内の暴力、心身に有害な影響を及ぼす言動、児童に著しい心理的外傷を与える言動無視、脅かし、他の兄弟との著しい差別をする。子供の心をひどく傷つける、DVを見せるなど自尊心を傷つけることなどの継続 
種類その他の虐待
ミュンヒハウゼン症候群親が子供の身体に意図的に傷をつけたり、病気になるように仕組んだうえで、献身的に看病する親を演じて周囲の同情や注目を集めようとします。子供を自身の代理として倒錯した心理状態にある親の精神疾患です。
乳児揺さぶられっ子症候群新生児から6カ月頃は首の筋力が弱く、脳と頭蓋骨に隙間があります。この身体的特徴があるのに、泣き止まないとかイライラするとかで故意的に強く揺さぶって衝撃を与えて損傷を起こさせてしまう事です。
医療拒否子供に関心が無く医療ネグレクトをしているケースがあります。また、保護者が子供に適切な医療を受けさせず、痛みをこらえている子供の姿に喜びを感じている場合もあります。生命や身体だけではなく精神にも重大な障害を負う事もあります。
成長障害/心理社会的小人症甲状腺のホルモンのバランスや骨の異常などでも起きますが、親などから精神的や身体的虐待を受けて育つと身長が伸びないケースがあります。虐待化にある場合は期待はできませんが、早めに気づいて病院による治療で身長の促進はできる場合が多くあります。
DVの目撃ドメスティックバイオレンス被害者である母親を目撃することは、恐怖や不安を感じる恐怖体験と同じです。母親は本来子供を守ってくれる唯一の存在です。母親の辛そうな姿を見ることでトラウマや心の傷が大きくなる経験をしてしまいます。
兄弟の暴行、暴言、無視など本来兄弟は信頼し合いながら助け合っていくものですが、兄弟からの身体的、精神的暴力や性的暴力まで及ぶこともあります。また、お小遣いを巻き上げる、勉強用具、洋服など様々なものにいたずらを超えた内容を継続的に行っているようなこともあります。そのことをだれにも相談できずにいるケースが多くあります。

エリクソンの発達漸成図/発達段階のステージ

エリクソンの発達漸成図/発達段階のステージと遺伝的や養育環境により脳・精神に影響
希望・意志・目的・適格・忠誠の乳児期~青年期の発達が重要視されます。
病名などは遺伝、環境による影響があると思われる仮定で掲載しています。
スクロールできます
乳児期
0〜1歳
幼児前期
1〜2歳
幼児後期
2~6歳
学童期
6〜13歳
青年期
13〜21歳
成人前期
21〜35歳
壮年期
35〜65歳
老年期
65歳~
染色体異常
先天性代謝
ミオクロニーてんかん局所性学習症強迫症➡成人前期まで解離性健忘➡青年期うつ病
青年⇔老年期
アルツハイマー➡老年期認知症
壮年期後半
欠失症候群
共生幼児精神病➡反抗挑発症・素行症➡青年早期トランスジェンダー➡老年期双極性障害学童⇔老年期パニック症青年⇔壮年前期
ためこみ症➡老年期
英知
ミトコンドリア病
小児期破壊性障害➡反応性アタッチメント摂食障害・学童⇔
壮年前期
統合失調症➡壮年前期病気不安症世話総合性
VS
絶望
 ウエスト症候群選択制緘黙➡老年期チック症群➡成人期社交不安
成人前期
離人感
醜形恐怖
世代性
VS
停滞性
総合性
愛情遮断症候群➡コミュニケーション症群➡学童期学習障害
老年期
排泄症群←幼児後半忠誠親密性
VS
孤立
次世代
継承
知的能力障害➡老年注意欠陥・多動性
老年期
トゥレット症➡成人期適格自我同一
VS
自我拡散
親密さ
自閉スペクトラム症➡
老年期
分離体験目的勤勉性
VS
劣等感
同一性
被虐待児童症候群➡
学童
意志自発性
VS
罪悪感
勤勉性
希望自律性
VS
恥・疑惑
自主性
信頼
VS
不信感
自律性
精神の
発達過程  

基本的信頼

乳児期
0〜1歳
幼児前期
1〜2歳
幼児後期
2~6歳
学童期
6〜13歳
青年期
13〜21歳
成人前期
21〜35歳
壮年期
35〜65歳
老年期
65歳~
年齢とともに発症する精神に関連する障害と精神の発達過程のテーマ

参考図書
パーソナリティ障害がわかる本:岡田尊司/法研
パーソナリティ障害:岡田尊司/PHP研究所
メラニー・クライントゥデイ:スビリウスE.B(著):松木邦裕(監訳)/岩崎学術出版社
精神分析辞典:小此木啓吾他/岩崎学術出版社
パーソナリティ障害:林直樹(監修)/法研
標準精神医学第8版:尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院
乳幼児の心理的誕生:マーガレットS.マーラー・高橋雅士他/黎明書房


インターネットより
大学生の怒りの感情制御方略とクロニンジャーのパーソナリティ理論との関連について冨岡美咲・平井正三郎論文


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