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意思疎通が苦手なコミュニケーション症群の症状の理解

目次

コミュニケーション症群は発達症に含まれ、社会的相互作用や言語的コミュニケーションにおいて重要な障害を示します。言語症、語音症、吃音、社会的コミュ症がその一つです。

コミュニケーション症群(CD)の概念

コミュニケーション症は知的機能の遅れや聴覚などの感覚器官には問題がないにもかかわらず、他者と十分な意思疎通ができない状態のことを指します。症状には、発話の遅れ、発話の不自然さ、音声の不明瞭さ、語彙の貧困、文法の誤り、言語理解の困難、記憶の問題、表情やジェスチャーの不自然さ、社交的な行動の問題などがあります。分類では言語症や語音症、小児期発症流暢症(吃音)、社会的(語用的)コミュニケーション症などです。

コミュニケーション症群の分類

言語症の症状

話し言葉、書き言葉、サイン言語などの獲得や習得が困難な状態で、同年齢と比較すると単純な構文表現であり、文法的な間違いも多くなります。

  • 言葉の遅れ
    発語の遅れ、単語や文章の構成の遅れが見られることがあります。児童期に発症することが多く、周囲の子どもたちと比較して言葉の発達が遅れていることが多いです。
  • 言葉の理解障害
    周囲の言葉を理解することが困難で、指示に従うことができない場合があり、物を指し示されたときに指差されたものを理解できない場合があります。
  • 語彙の制限
    言葉の量や多様性が不足している場合があり、熟語や慣用句の理解ができないことがあります。
  • 文法の制限
    文法的な誤りが多く見られることがあり、語順や時制、単複などの文法的なルールに従わない文章を作成することがあります。
  • 発語の流暢性の問題
    文章の作成や話し方において、継続的な流暢性の問題がある場合があり、文章を作成する際にフリーズすることがあります。
語音症の症状

正しい発音に困難があるために会話に支障をきたす状態です。

  • 発声障害
    言葉を発することが困難です。声が小さく、不明瞭であることが多く、発音やイントネーションにも問題が生じることがあります。
  • 発語障害
    言葉を発することができない、または話すスピードが遅い場合があり、語彙が限定され、言葉を組み立てることが困難なことがあります。
  • 言語リズム障害
    発声や発語に際して、リズムや音の長さが不安定であることがあります。
  • 構音障害
    発音が不正確で、音が省略されたり、置き換えられたり、追加されたりすることがあります。例えば、「かわいい」を「かいい」、「リンゴ」を「インゴ」、「ヒコーキ」を「コーキ」、「オニギリ」を「オニリギ」、「イス」を「イシュ」と発音することがあるなど、音の置換、脱落、転倒、歪曲、省略が起こることが多くなります。
  • 話し言葉の遅れ
    言語の発達に遅れがあることがあります。特に、児童期において、周囲の人々とのコミュニケーションに問題を抱えることが多くなります。
小児期発症流暢症(吃音/どもり)

発話においてリズムや流暢性に問題が生じる症状で、以下のような症状が見られます。

  • 繰り返
    音や音節、単語を繰り返し発言することが多く「わ、わ、わ、わたし」「あああ、今日はあああ…」のように、同じ音節を繰り返して言うことがあります。
  • 引き延ばし
    音や音節、単語の一部を引き延ばして発言することがあり、「あの、これは、ほんとうに…」「わーーーたし」のように音を引き延ばしたり、伸ばしたりすることがあります。
  • ブロック
    発話の途中で、口が開かなくなってしまうことがあり、言葉を発する前に「・・・・・・・わたし」のように一瞬停滞するような感覚があります。また、口を開くことができないだけでなく、音を出すことができなくなることもあります。
  • 避ける行動
    流暢障害が出やすい言葉や発言の場面を避ける傾向があることがあり、流暢障害があると認識されることを嫌がることがあります。
社会的(語用論的)コミュニケーション症

社会的にコミュニケーションに言語的、非言語的使用を持続的に行うことが困難な状態です。

  • 適切な言葉の選択の困難
    語用論的コミュニケーション障害を持つ人は、特定の状況で適切な言葉を選択することが難しい場合があり、話し相手や話題に応じて適切な話し方や言葉遣いを選択することができない場合があります。
  • 社会的言語スタイルの認識の問題
    社会的(語用論的)コミュニケーション障害を持つ人は、適切な社会的言語スタイルを認識することができない場合があり、異なる社会階層や文化に属する人々との会話で適切な言葉遣いや敬語の使い方を理解することが難しい場合があります。
  • 空気を読む力の不足
    社会的(語用論的)コミュニケーション障害を持つ人は、会話の進行や相手の感情や意図を理解することが難しい場合があり、相手が興味を持っていない話題を続けたり、相手が不快に感じるような言葉遣いを使ったりすることがあります。
  • 適切なタイミングで話すことの難しさ
    社会的(語用論的)コミュニケーション障害を持つ人は、会話の適切なタイミングで話すことができない場合があり、相手の話が終わった後に返事を言ったり、相手の発言に割り込んだりすることがあります。

CDをICD-11の定義では

コミュニケーション症群・障害(CD)は、社会的相互作用や言語的コミュニケーションにおいて重要な障害を示す神経発達障害の一群です。ICD-11では、以下のように定義されています。

  • 社会相互作用の障害(SCI)
    社会的相互作用の能力が明らかに低下しており、同年齢の人々との間の相互作用が制限されている。
  • 言語コミュニケーションの障害(LCI)
    言語の獲得、理解、使用、およびコミュニケーションに関する能力が明らかに低下しており、言語的コミュニケーションの適切な使用が制限されている。
  • 社会的・言語的コミュニケーションの混合障害(MCI)
    社会相互作用と言語コミュニケーションの双方について、明らかな障害が認められている。

これらの障害は、幼少期に始まり、成人期に至るまで持続する可能性があります。また、この障害には、個人の興味や専門分野、知的能力などに対する特定の偏りがある場合があります。

CDの治療には、個々の症状に応じた多様なアプローチがあります。たとえば、言語療法、行動療法、社会的スキルトレーニング、職業訓練などが一般的な治療法です。また、合併症の治療に焦点を当てた薬物療法も有効とされることがあります。

ICD-11では、CDの診断に関して、以下のような注意点が挙げられています。

  • 診断は、マルチプロフェッショナルアプローチに基づく包括的な評価を必要とする。
  • 診断のためには、言語、社会的相互作用、コミュニケーション能力などの包括的な評価が必要である。
  • 診断は、個々の人々の文化的背景、言語的背景、教育、社会的状況などに合わせて行われるべきである。
  • 診断は、身体的な状態や他の精神障害に関して、適切な評価を含む必要がある。

CDは、重度の社会的、言語的および学校上の問題を引き起こすため、早期発見および治療が重要です。特に、幼少期に始まる場合、早期干渉により、CDの症状を改善することが可能です。

CDは、発達障害の一部であるため、ICD-11では、自閉スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)などの他の発達障害と関連することがあります。CDは、ASDやADHDと同様に、さまざまな要因が原因となる複雑な障害です。したがって、CDの治療には、個人の症状、状態、およびニーズに応じた包括的かつ多面的なアプローチが必要です。

コミュニケーション症群の治療

  • 言語療法
    言語療法は、発達障害や言語障害、流暢性障害などのコミュニケーション障害に対して、言語療法士が患者の言語能力の評価や、適切な治療計画の策定、言語療法の実施などを行います。
  • 認知行動療法
    認知行動療法は、社交不安障害や自閉症スペクトラム障害などの社会的コミュニケーション障害に対しておこないます。構音や発声の異常が気になり他者との話す意欲が低下してしまうなどの要因から自己評価が低下していますので、認知行動療法は思考や行動のパターンを変え、自信をつけるためのトレーニングや、ストレス管理などを行います。
  • 薬物療法
    注意欠陥多動性障害(ADHD)や抑うつ症状がある場合には、薬物療法が有効な場合があります。
  • ソーシャルスキルトレーニング
    社会的コミュニケーション能力の向上を目的としたトレーニングで、コミュニケーション技術や社交技能の習得、相手の気持ちを理解するためのエンパシーのトレーニングなどが含まれます。
  • セラピー犬やセラピー動物を使用した治療
    自閉症スペクトラム障害などの社会的コミュニケーション障害に対して有効です。動物に触れることでストレスが軽減され、コミュニケーション能力の向上につながるとされています。

治療方法は、患者の症状や状況に合わせて個別に決定されます。

標準精神医学第8版:尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院
成重竜一郎:多動性障害(注意欠如/多動性障害ADHD)・精神科治療学
金生由紀子、浅井逸郎:チックのための包括的行動介入セラピストガイド/丸善出版
次良丸睦子、五十嵐一枝:発達障害の臨床心理学/北大路書房
柴崎光世、橋本優花里:神経心理学/朝倉書店
村上宣寛:IQってなんだ・知能をめぐる神話と真実/日経BP社
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 高橋三郎・大野裕監修/医学書院

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