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パーソナリティ障害の詳しい特徴・症状・診断は10分類(DSM-5)

目次

パーソナリティ障害/症の診断は、特徴が3つのグループと10の分類に分けられていて、幼少期の環境が要因となり言動の特徴が起きています。まっさらな心の核に無意識的に作られた価値観や信念の偏りの影響が強いと言われています。

あなたにもーソナリティの偏りは必ずあります。なぜなら、組織・細胞・器官などの「生理学的要因」+遺伝的要素の「気質」+先天的に身体に備わった「器質1」+後天的に身体に影響を受けた「器質2」+本人の「養育環境」+「社会環境」+「環境への相性」が統合されて、世界に一つしかないパーソナリティが出来上がっているからです。
このように個々がパーソナリティの特徴を持っていて完璧はありませんが、特徴的には世界に1人かいません。今後も死に至るまで様々な経験や体験が加えられ、知識、知能、情緒、道徳観、倫理観などが組み込まれ、パーソナリティだけではなく総合的な人格形成へと変化していきます。

以下の10分類は18世紀から研究を積み重ね、診断的特徴を10分類まで絞っています。この中にはぴったりと当てはまることはないにしても近いと思う自己のタイプが見つかります。

DSM-5によるパーソナリティ障害の3つのグループと10分類のタイプ

アメリカ精神医学会のDSM-5の診断精神疾患の診断、統計マニュアルでは、パーソナリティ障害をクラスター(グループ)と言い、3つのクラスターの分類、A群、B群、C群と分けています。

クラスターグループ・タイプ・特徴
A群奇妙で風変わりなグループ
・オッドタイプ
非現実的な考えに捉われやすく、新しい関係を築くのが苦手で人に溶け込もうとしない特徴があります。独特の考え方や懲り深い生活様式を持つことで一人の行動が多くなり、周囲から風変わりな人に見られます。社会適応が難しいため、自分からは社会と関りを避けることが多くなりますが、問題意識は持っていません。
B群演技的、情緒的で移り気なグループ
・ドラマチックタイプ
情緒や感情の起伏が激しく適正ではないために、周囲の人を巻き込んで振り回しやすいタイプです。劇的で過激な振る舞いで、トラブルを起こしてまで周囲の注目を集めようとすることもあります。社会的ルールを犯したり攻撃的で派手な言動をとりますが、心の底には不安定さを抱えています。
C群不安で内向的なグループ
・アンクシャスタイプ
自己主張が控えめで、自分に自信がなく対人関係に不安を持っています。他者本位で人に頼ってしまって、問題に立ち向かう事や他者からの評価を避けようとします。逆に、自分のルールを守ろうとするあまり、他者を無視した振る舞いをするケースもあります。基本は控えめで目立つことを嫌うタイプなので、日本人の特徴には合っています。

パーソナリティ障害の3群クラスターと10分類に分けられるタイプ の特徴と原因となる背景
※DSM-Ⅳによる診断基準と有病率

A群クラスター:奇妙で風変わりなグループ・オッドタイプ
妄想性(猜疑性)パーソナリティ障害
強い猜疑心と対人不信感を特徴とするもので、自分が悪意や敵意にさらされ攻撃を受けていると思い込むことや、人はいずれ裏切るので信用できないという信念を抱いています。
自己中心的で個人的事情を優先するため周囲との不和や摩擦を起こしやすい特徴を持っています。これは、もともと妄想性パーソナリティの傾向を持った人がリーダーになったときに現われてしまうものです。 
診断基準:他人の動機を悪意のあるものとして解釈するといった、広範な不信と疑いの深さが成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下のうち4つ以上によって示される。
⑴十分な根拠もないのに、他人が自分を利用する、危害を加える、またはだますという疑いをもつ。
⑵友人または仲間の誠実さや信頼を不当に疑い、それに心を奪われる。
⑶情報が自分に不利に用いられるという根拠のない恐れのために、他人に秘密を打ち明けたがらない。
⑷悪意のない言葉や出来事の中に、自分をけなす、または脅す意味が隠されていると読む。
⑸恨みをいだき続ける。つまり、侮辱されたこと、傷つけられたこと、または軽蔑されたことを許せない。
⑹自分の性格または評判に対して他人にはわからないような攻撃を感じ取り、すぐに怒って反応する、または逆襲する。
⑺配偶者または性的伴侶の貞節に対して、繰り返し道理に合わない疑念をもつ。
養育や環境の背景
非難や責めを伴う親の環境で育てられた影響があります。特に父親、または兄弟にも同一化していますので、家族にも安心感を持てず、いつ貶められるかといつも警戒心を持っています。そのために社会でも同じような言動をとることになります。
有病率は0.6〜3.1%で男性に多く、妄想性障害、妄想型統合失調症の合併がしやすい
診断基準と有病率はDSM-Ⅳ-TR  精神疾患の診断・統計マニュアル新訂版:高橋三郎・大野裕・染矢俊幸(訳)/2004医学書院より抜粋(下表に続く)
統合失調質症(シゾイド)パーソナリティ障害
他者への関心が乏しく、自分の世界感があり孤独が性に合っていて、喜怒哀楽の感情も乏しい傾向にあります。
周囲の評価にも無頓着で、親しい人も少なく異性への関心もなく、コミュニケーションが苦手で引きこもりになるケースがあります。ただし、感情が鈍感だからではなく敏感な面もあるため人との接触は苦痛を伴います。
診断基準:社会的関係からの遊離、対人関係状況での感情表現の範囲の限定などの広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下のうち4つ以上によって示される。
⑴家族の一員であることを含めて、親密な関係を持ちたいと思わない、またはそれを楽しく感じない。
⑵ほとんどいつも孤立した行動を選択する。
⑶他人と性体験を持つことに対する興味が、もしあったとしても、少ししかない。
⑷喜びを感じられるような活動が、もしあったとしても、少ししかない。
⑸第一度親族以外には、親しい友人または信頼できる友人がいない。
⑹他人の称賛や批判に対して無関心に見える。
⑺情緒的な冷たさ、よそよそしさ、または平板な感情。
養育や環境の背景
幼少期から人間接触が少なく、成長過程で特に母親からの適切な愛情や親密さ、ぬくもりなどの養育を受けることができなかったために、他人に対しても愛情を期待しなくなります。
また、母親の事情で留守にする期間が多かったり、里親や施設に預けられたようなケースでは表情や感情が乏しく集団生活になじめないといったケースもあります。
親が冷淡で感情を抑えている傾向があるならば、親も統合失調症だった可能性があります。
有病率は0.6〜3.1%で男性に多く、うつを併発することもあります。
統合失調型(スキゾタイパル)パーソナリティ障害
非現実的で奇妙な信念や妄想に近い思い込みがあり、思考が曖昧で過度に抽象的です。コミュニケーションでは感情が狭いため、活動が空回りで会話もかみ合いません。
非社交的な点では統合失調症パーソナリティ障害と近縁性がありますが、統合失調症は孤独で内に籠った静かなライフスタイルが特徴です。一方、統合失調型も対人関係には消極的なのですが、いざ関係すると無理をしているがために不適切で型破りなエネルギーを放出してしまいます。
診断基準:親密な関係では急に気楽でいられなくなること、そうした関係を形成する能力が足りないこと、および認知的または知覚的歪曲と行動の奇妙さのあることの目立った、社会的および対人関係的な欠落の広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下のうち5つ以上によって示される。
⑴関係念慮(関係妄想は含まない)
⑵行動に影響し、下位文化的規範に合わない奇異な信念、または魔術的思考(例:迷信深いこと、千里眼、テレパシー、または第六感を信じること;小児および青年では、奇異な空想または思い込み)
⑶普通でない知覚体験、身体的錯覚も含む。
⑷奇異な考え方と話し方(例:あいまい、回りくどい、抽象的、細部にこだわりすぎる、紋切り型)
⑸疑い深さ、または限定された感情
⑹不適切なままたは限定された感情
⑺奇異な、奇妙な、または特異な行動または外見
⑻第一度親族以外には、親しい友人または信頼できる人がいない。
⑼過剰な社会不安があり、それは慣れによって軽減せず、また自己卑下的な判断よりも妄想的恐怖を伴う傾向がある。
養育や環境の背景
暴力や虐待などの生育環境化にあったか、親が無関心で冷たく、十分な刺激や親密な体験がなかったと想定されます。また、親の統合失調症、統合失調型の遺伝的要因の可能性があります。
有病率は0.6〜3.9%で成人早期までに始まる。近親者に統合失調症の人がいる。
B群クラスター:演技的、情緒的で移り気なグループ・ドラマチックタイプ
境界性パーソナリティ障害
感情や対人関係に対して変動が激しく、自己制御ができないのが特徴です。絶望感や拒絶される感覚などの不安定さが付きまとい、短時間のうちに別人のようになります。そのことが人間関係を不安定にし、問題行動に駆り立てられます。
自分が何者かというアイデンティティに自信が持てず不安を抱いています。この背景には不安や恐怖、怒りがあります。また、常に見捨てられるのではないかと心の奥底で不安を抱いて、相手の些細な見振りや言葉から自分を見捨てようとしているなどと極端な結論を出してしまいがちです。さらに自分が相手にとって存在価値がないと感じていて、そうなることを避けるために相手にしがみつこうともします。
自傷行為や自殺企図、アルコール依存、過料服薬、過食、浪費も激しくなります。
診断基準:対人関係、自己像、感情の不安定および著しい衝動性の広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下のうち5つ以上によって示される。
⑴現実に、または想像の中で見捨てられることを避けようとするなりふりかまわない努力
⑵理想とこき下ろしとの両極端を揺れ動くことによって特徴づけられる、不安定で激しい対人関係様式
⑶同一性障害:著名で持続的な不安定な自己像または自己感
⑷自己を傷つける衝動性で、少なくとも2つの領域にわたるもの(例:浪費、性行為、物質乱用、無謀な運転、過食)
⑸自殺の行動、そぶり、脅し、または自傷行為の繰り返し
⑹顕著な気分反応性による感情不安定性(例:通常は2〜3時間持続し、2〜3日以上持続することはまれな、エピソード的に起こる強い不快気分、いらただしさ、または不安)
⑺慢性的な空虚感
⑻不適切で激しい怒り、または怒りの制御の困難(例:しばしばかんしゃくを起こす、いつも怒っている、取っ組み合いの喧嘩を繰り返す)
⑼一過性のストレス関連性の妄想様観念または重篤な解離性症状
養育や環境の背景
精神分析では、マーガレットマーラーやカンバークは母親との母子分離の時期、特に最接近期時の母子分離のつまずきだといわれています。また、マスターソンは母親から子供が離れていくことに不安をいだき、母親が自分の意のままに支配することによるものだともしています。
コフートは自己対象の形成不全を説いています。これらの分析からも乳児期に母親が十分な関心を持てなかったことや、持て余してしまうこと、また反対に過保護や支配力で自立させられなかったような場合、自己に空虚感をもつようになります。
※詳しくは別ページで説明しています。
有病率は0.5〜5.9%で女性に多く、うつ病、双極性障害、アルコール依存症、物質使用障害などを合併しやすい。
自己愛性パーソナリティ障害
周囲の人への思いやりや共感する態度が欠如していて他者を軽視しています。自分は特別な存在だという誇大自己の意識が高く、周囲には称賛を求め、傲慢、尊大な態度を見せます。
他者の感情は気にせず、損得勘定や自尊心が満たされるかで判断しています。しかし、心の中にある劣等感も感じていて、コンプレックスを打ち消すために万能の自己像を作り上げ称賛を受けることで平常心を保っています。そのために批判を受けたり無視されたりすると、自己愛的怒りを暴言や暴力などで示します。また、理想の自己像とのギャップが大きいことを知っていて周囲の評価が悪くならないように過剰に気にしていて、謙虚で消極的な振る舞いをすることもあります。そのギャップで悩み引きこもりになることがあります。
診断基準:誇大性(空想または行動における)、称賛されたいという欲求、共感の欠如の広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下の5つ以上によって示される。
⑴自己の重要性に関する誇大な感覚(例:業績や才能を誇張する、十分な業績がないにもかかわらず優れていると認められることを期待する)
⑵限りない成功、権力、才気、美しさ、あるいは理想的な愛の空想にとらわれている。
⑶自分が‟特別”であり、独特であり、他の特別なまたは地位の高い人たちに(または施設で)しか理解されない、または関係あるべきだ、と信じている。 
⑷過剰な賞賛を求める。
⑸特権意識、つまり、特別有利な取り計らい、または自分の期待に自動的に従うことを理由なく期待する。
⑹対人関係で相手を不当に利用する。つまり、自分自身の目的を達成するために他人を利用する。
⑺共感の欠如:他人の気持ちおよび欲求を認識しようとしない、またはそれに気づこうとしない。
⑻しばしば他人に嫉妬する、または他人が自分に嫉妬していると思い込む。
⑼尊大で傲慢な行動、または態度
養育や環境の背景
コフートは、乳幼児期の「自己愛」の成熟過程が妨げられたことにより、成人になっても幼い自己愛が残存していると説いています。
自己愛は万能感を抱いたうえで、理想化された親のイマーゴが投影されています。この投影された「中核的自己」が欲求を妨げられて「自己断片化」になり、まとまりが失われた状態です。
幼児には自己の万能感の顕示的欲求を母親が受け止め共感することが重要です。同時に理想化できる両親の存在があることでバランスよく均衡を保つことで心を正常に形成できます。
また、成長過程に否定されたり蔑まれた経験などにより、コンプレックスを抱えて傷つくことに敏感になっています。それを防御するためにも万能な自己像が必要となるわけです。
※詳しくは別ページで説明しています。
有病率は1.0〜6.2%で男性に多く、うつ病、アルコール依存、物質依存を合併しやすい。
演技性パーソナリティ障害
他者の注目や関心を集めるために、派手な外見や大げさな振る舞いにエネルギーを傾けます。外見を美しく華やかに保つ努力をして異性にアピールします。
他者を引き付けるために芝居がかった話し方をしますが、一貫性も無く思わせぶりな態度もします。これは注目や関心を浴びていないと無価値になるという思い込みからきています。ただし、関心や注目を求めるあまり、自分を損なったり信用を無くしています。
表面は明るく魅力的な振る舞いをしていますが、傷つきやく空虚感に襲われたりもします。その場合に他者に依存したり、取り巻きを求めて立ち直ろうとします。
診断基準:過度な情緒性と人の注意を引こうとする広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。以下のうち5つ以上によって示される。
⑴自分が注目の的になっていない状況では楽しくない。
⑵他者との交流は、しばしば不適切なほど性的に誘惑的な、または挑発的な行動によって特徴づけられる。
⑶浅薄で素早く変化する感情表出を示す。
⑷自分への関心を引くために絶えず身体的外見を用いる。
⑸過度に印象的だが内容がない話し方をする。
⑹自己演劇化、芝居がかった態度、誇張した情緒表現を示す。
⑺被暗示的、つまり他人または環境の影響を受けやすい。
⑻対人関係を実際以上に親密なものとみなす。
養育や環境の背景
母性愛の剥奪や愛情不足、関心不足を経験していて、女性の場合は異性である父親を理想化し愛情を求め、男性の場合は母親の関心を引き付ける術を学びます。また、両親に愛情不足を感じて兄弟で補い合っている場合もあります。
母親の愛情が少ない際に母親を引き付けるために、良い子であるというアピールで認められたい一心を持ちます。ただし、アンビバレントですので、母親から離れた際には負の感情があふれ出てしまい大きな不信に駆られています。
有病率は0.3〜1.8%で女性に多く、うつや不安障害の合併や過呼吸が多い。また、性的遍歴を続けるようなこともあります。 
反社会性パーソナリティ障害
法律、社会の規範意識がなく、他者の権利を無視、侵害する行動や向こう見ずで思慮に欠け攻撃的行動に走るが、良心の呵責もなく反省することは稀です。
共感性もなく自分の欲求の為であれば傷害や窃盗、暴行、詐欺、強盗、強奪、強要、放火、動物虐待などの犯罪行為をします。
柔軟性にかけ打算的で絶対的なので、強さや勝ち負けのこだわりがあり、自分の力を示すことにエネルギーを使います。
診断基準:他人の権利を無視し侵害する広範な様式で、15歳以前に発症した行為障害の報告があり、その人は少なくとも18歳以上である。
以下の3つ以上によって示される。
⑴法にかなう行動という点で社会的規範に適合しないこと。これは逮捕の原因になる行為を繰り返し行うことで示される。
⑵人をだます傾向。これは繰り返し噓をつくこと、偽名を使う事、または自分の利益や快楽のために人をだますことによって示される。
⑶衝動性または将来の計画を立てられないこと
⑷いらただしさおよび攻撃性。これは身体的な喧嘩または暴力を繰り返すことによって示される。
⑸自分または他人の安全を考えない向こう見ずさ
⑹一貫して無責任であること。これは仕事を安定して続けられない、または経済的な義務を果たさない、ということを繰り返すことによって示される。
⑺良心の呵責の欠如。これは他人を傷つけたり、いじめたり、または他人の物を盗んだりしたことに無関心であったり、それを正当化したりすることによって示される。
養育や環境の背景
養育者が定まっていなかったなど養育環境の不安定さが指摘されますが、特に両親の愛情の過不足やネグレクト、虐待を受けていた原因があります。このように幼いころから攻撃や否定を絶えずさらされ続けていたということです。
また、養育環境で両親の養育不足を感じた祖父母や第三者が不憫に思って甘やかしたなどのケースや家庭などが反社会的な考え方、行動様式がある中で育ったという背景があることもあります。
その他、児童の発達障害によって育てにくかったために、適切な養育ができなかったことなどの問題も挙げられます。また、青年期までに素行症と判断されることが診断するための条件とされています。
有病率は0.6〜3.8%で男性に多く、アルコール依存、物質使用障害を合併することが多くあります。
C群クラスター:不安で内向的なグループ・アンクシャスタイプ
回避性パーソナリティ障害
周囲からの拒絶や批判されること、失敗することを恐れ、そのような強い刺激をもたらす状況を避けチャレンジもしません。
人間関係でも苦手意識や不安感、緊張感が強くあり、消極的になってしまい自信がないような生彩を欠いたしぐさになります。恋愛関係や性的関係にも消極的になり、自信のなさから避けるような態度をとってしまいます。
進学や就職、結婚など大イベントのチャンス到来を避けてしまい、実力以下の損する選択をしてしまいます。
診断基準:社会的制止、不全感、および否定的評価に対する過敏性の広範な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下の4つ以上によって示される。
⑴批判、否認、または拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動を避ける。
⑵好かれていると確信できなければ、人と関係を持ちたいと思わない。
⑶恥をかかされること、または馬鹿にされることを恐れるために、親密な関係のなかでも遠慮を示す。
⑷社会的な状況では、判断されること、または拒絶されることに心がとらわれている。
⑸不全感のために、新しい対人関係状況で制止がおこる。
⑹自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、または他の人より劣っていると思っている。
⑺恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険をおかすこと、または何か新しい活動に取りかかることに、異常なほど引っ込み思案である。
教育や環境の背景
遺伝的に消極的で不安や緊張を感じやすい内気な気質があります。成長過程では、幼児期に親の期待を背負っていたにもかかわらず挫折したり、親や身近な大人、教師などから強く否定、またはいじめを受けるなど強い対人不安となる体験をしています。
人前で恥をかかせられるような体験が発端となり、自分の行動に自信が持てなく極端に憶病になっています。
有病率は0.8〜2.4%で社交不安症の合併症が多くみられます。
依存性パーソナリティ障害
自己に無力感があり、一人では生きていけないという思い込みが根底にあります。自らの行動や決断にいつも他者の助言や支持を求めるような過度な依存をしていないと不安になります。
「受動的タイプ、幼児型・ペット型」は、自立心や生活力が乏しく顔色を伺いながら判断や支持に従っています。衣食のことや進学、就職などまで保護を受けています。依存する相手は親や配偶者、恋人、友人などで、相手が横暴でも性的暴力を受けていてもしがみつくしかないと思い込んでいます。
「能動的タイプ、服従型・献身型」は、自立できる経済力が十分にあり生活力もあるのに、一人では生きていけないという思い込みに縛られて、自分を犠牲にしてでも依存対象に尽くすタイプです。対象は報われることがない反社会性、DV、アルコール依存、自己愛性、ひもなどの夫や恋人などにも献身的です。また、宗教団体やカルト宗教の信者になることも多額の献金をするというケースもあります。
どちらのタイプも背景は自立心の乏しさや思い込みが無力感や孤独感を引き出し、常に誰かに依存してしまいます。
診断基準:面倒を見てもらいたいという広範で過剰な欲求があり、そのために従属的でしがみつく行動をとり、分離に対する不安を感じる。成人早期にまでに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下のうち5つ以上によって示される。
⑴日常のことを決めるにも、他の人達からのありあまるほどの助言と保証がなければできない。
⑵自分の生活のほとんどの主要な領域で、他人に責任をとってもらうことを必要とする。
⑶支持または是認を失うことを恐れるために、他人の意見に反対を表明することが困難である。
⑷自分自身の考えで計画を始めたり、または物事を行うことが困難である(動機または気力が欠如しているというより、むしろ判断または能力に自信がないためである)。
⑸他人からの愛育および支持を得るために、不快なことまで自分から進んでするほどやりすぎてしまう。
⑹自分の面倒をみることができないという誇張された恐怖のために、1人になると不安、または無力感を感じる。
⑺1つの親密な関係が終わったときに、自分を世話し支えてくれる基になる別の関係を必死で求める。
⑻自分1人が残されて、自分で自分の面倒をみることになるという恐怖に、非現実的なまでに捉われている。
養育や環境の背景
成長過程で、親が常に支配し自立を妨げるような言動をしていたり、自立を促す時期になっても過保護であったために自立能力が身につかなく自分に自信が持てなくなってしまっています。
また、親が子離れを怖がり、自立を図る行動には拒否し、親に服従するときだけ認める状況で育てられたケースがあります。その他、親が病弱であったり、精神的に問題を抱えていたことで親の状態や気分に振り回されて育った人にもみられます。
その人に病気などの事情があり、自立を促しにくい状況下で依存関係が長引くということも考えられます。
有病率は0.1〜0.5%で女性に多く、うつ病やパニック障害を合併します。
強迫性パーソナリティ障害
一定の秩序やルール、流儀、慣例、規則、しきたり、予定、計画などを保つことへの固執やこだわりをもち、融通性に欠け真面目で責任感が強く、完璧、潔癖すぎるために社会に支障をきたしてしまいます。几帳面で手順、安全手技や細部への拘泥があり、納期に間に合わなくなったりもします。また、自分の考えや基準、姿勢を押し付けるために支配的に振舞います。
自己に強く意識が向いているために他者からの評価を気にし、激しい怒りや物事に対して過度に懐疑的にもなります。
旅行などでもスケジュールにこだわり、目の前の景色や体験を楽しむことができません。これは常に不安を感じているため、自分の行動や姿勢を極端に規制してしまいます。
診断基準:秩序、完全主義、精神および対人関係の統一性にとらわれ、柔軟性、開放性、効率性が犠牲にされる広範囲な様式で、成人早期までに始まり、種々の状況で明らかになる。
以下の4つ以上によって示される。
⑴活動の主要点が見失われるまでに、細目、規制、一覧表、順序、構成、または予定表にとらわれる。
⑵課題の達成を妨げるような完全主義を目指す(例:自分自身の過度に厳密な基準が満たされないという理由で、1つの計画を完成させることができない)。
⑶娯楽や友人関係を犠牲にしてまで仕事と生産性に過剰にのめりこむ(明白な経済的質要請では説明されない)
⑷道徳、倫理、または価値観についての事柄に、過度に誠実で良心的かつ融通がきかない(文化的または宗教的同一化では説明されない)
⑸感傷的意味のないものでも、使い古した、または価値のないものを捨てることができない。
⑹他人が自分のやるやり方どおりに従わない限り、仕事を任せることができない、または一緒に仕事をすることができない。
⑺自分の為にも他人のためにも、ケチなお金の使い方をする。お金は将来の破局に備えて貯えておくべきものと思っている。
⑻堅苦しさと頑固さを示す。
養育や環境の背景
厳しく育てられるなどして、強い罪悪感や不安を抱えているという事があります。そのため自己の行動や姿勢を極端に規制してしまいます。
有病率は1.9〜7.9%で男性に多く、うつや心身症、強迫症障害と合併することが多くあります。社会的機能レベルは比較的高い傾向があります。

10タイプでは特定が困難な特定不能なパーソナリティ障害

特定不能なパーソナリティ障害
紹介した10のパーソナリティ障害のタイプに当てはまらないパーソナリティの変化があります。それは他の極度のストレスや病気、障害がパーソナリティに組み込まれたり合併することで、基のパーソナリティ障害、またはパーソナリティが変化を起こしてしまう例です。
・アルコールや薬物の依存症である物質使用障害
・思考や情動に障害が起きてしまう統合失調症
・著しい気分の落ち込みが持続する抑うつ障害
・その他、社交不安障害や摂食障害、双極性障害などの合併
・極度のストレスや破局的な外傷体験、精神体験によって、長期にわたりパーソナリティの持続的な変化
限度を超えた変化の病態:過度の依存、引きこもり、不信感、感情の不安定、無力感、攻撃性の亢進など
その他の特定不能なパーソナリティ障害の例
受動攻撃性(拒絶性)パーソナリティ障害
通常は怒りを爆発させる攻撃性はないが、極端にゆっくり行動する、するべきことや頼まれたことを忘れたふりをする、落ち込んだふりをするなど、緘黙やサボタージュ、抑うつ的行動をすることで直接の攻撃ではなく、一歩引いて陰から攻撃をする。このことを拒否的、または受け身的な反抗や攻撃ともいう。
特定不能:抑うつ性、サディスティック、自己敗北性、精神病質など

参考図書

自己の修復ハインツ.コフート(著)本条秀次、笠原嘉(監訳・翻訳)/みすず書房

自己愛と依存の精神分析:和田秀樹/PHP研究所

自己心理学入門 コフート理論の実践:アーネスト.S.ウルフ、安村直己、角田豊/金剛出版

パーソナリティ障害がわかる本:岡田尊司/法研

パーソナリティ障害:岡田尊司/PHP研究所

メラニー.クライントゥデイ:スビリウスE.B(著):松木邦裕(監訳)/岩崎学術出版社

精神分析辞典:小此木啓吾他/岩崎学術出版社

パーソナリティ障害:林直樹(監修)/法研

標準精神医学第8版:尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院

DSM-Ⅳ-TR  精神疾患の診断・統計マニュアル新訂版:高橋三郎・大野裕・染矢俊幸(訳)/2004医学書院

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル:高橋三郎、大野裕(監訳)/医学書院

日本精神神経学会・精神神経学雑誌第124巻第4号:パーソナリティ症および関連特性群-正常なパーソナリティ機能とパーソナリティ症、パーソナリティ特性/加藤敏

精神医学61巻3号・パーソナル障害:松本ちひろ/医学書院

ICD-11・DSM-5準拠新・臨床家のための精神ガイドブック:池田健/金剛出版

自分でできるスキーマ療法ワークブックBook2:伊藤えみ/星和書店
WHO ICD-11 https://icd.who.int/

「パーソナリティ障害:実践ガイド」(JHオールダム、AEスコドル、D.S.ベンダー編)、アメリカ精神医学会出版、2019年

「パーソナリティ障害のハンドブック:理論、研究、および治療」(JFクラーキン、MFレンツェンウェガー、EMフォール編)、ギルフォードプレス、2018年

「パーソナリティ障害のオックスフォードハンドブック」(TAウィディガー編)、オックスフォード大学出版局、2012年

“Personality Disorder in Modern Life” (T. Millon, S. Grossman, S. B. Millon, Eds), John Wiley & Sons, 2004.

「パーソナリティ障害とパーソナリティの2002因子モデル」(TAウィディガー、P.T.コスタジュニア編)、アメリカ心理学会

“Personality Disorder and the Family: A Guide to Therapy and Change” (M. R. Liebman, S. W. Weston, eds), W. W. Norton & Company, 1995.

「境界性パーソナリティ障害:臨床ガイド」(J.G.ガンダーソン、PDリンクス編)、アメリカンサイキアトリックプレス社、1993年

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