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パニック症とは特に診断される身体疾患がないのに、突然理由や前触れもなく、動悸、呼吸困難、めまいなどの症状に襲われます。また、過覚醒状態となる緊張から過呼吸となる場合もあり、不安や恐怖にも襲われ、その反応としてパニックとなる発作が起きます。
繰り返し発作にみまわれ、また発作が起きるのではないかといった不安や心配が持続するため、すぐに避難できない、助けを求められないような場面、場所も避けてしまうことになります。

トラウマとは、過去に対処できないような肉体的、精神的に強烈、圧倒的な衝撃体験を受け、その脅威に曝されて被る著しい恐怖、無力感、戦慄などの心理的ストレス（心的外傷）「心の傷」のことです。
または、家庭内などで持続的な身体的、精神的にストレスが与えられ続ける体験もあります。
トラウマ反応は異常な体験ではなく、極度の危険に巻き込まれた人ならば誰にでも生じる反応ですが、反応が起きてしまう期間が問題となります。
侵入的再体験が繰り返され、回避する行動をとり続けるなど苦痛が現れることがPTSDやC-PTSDと診断されます。

社交不安症とは、人前など注目が集まるような状況下で、自分の失敗やできない自分を曝け出され、恥ずかしい思いをするのではないかという心配や不安を極度に感じてしまう状態のことです。
人前で話す、飲食する、字を書くというような場面で強い苦痛、恐怖感や不安感を感じ、極度の緊張で手や声の震え、赤面、大量の汗、動悸などのような身体症状が現われます。
この身体症状が周囲に注目されてしまうのではないかと恐れるあまり、人前で行動する場面を避けるばかりでなく、このような状況に遭遇すると恐怖のあまりにパニック発作を起こすこともあります。

強迫性症は、ドアの鍵や水道の蛇口を長時間かけて確認するとか、手洗いなど常識を超えて何度も繰り返すなどの作業を行ってしまう苦しい症状があります。強い不安やこだわり、心配性が行き過ぎて一般的には気にしなくても良いと思えることにも、きわめて強い不安感や不快感の「強迫観念」を持ち、その耐えきれない強迫観念を打ち消すための行為として「強迫行為」をしてしまいます。
強迫行為は辛いことなので、嫌悪刺激を未然に防止するために回避行動を取ります。また、強迫行為を他人に依頼する「巻き込み」行動も起きてしまいます。

認知行動療法にはアセスメントが基本であり、重要となります。ストレッサー（出来事）、自動思考、気分・感情、行動、ネガティブなコーピングを外在化し、自己を理解します。
その上で自己の体験をもう一人の自分として客観的に眺めるセルフモニタリングしていきます。
悪循環を維持している認知と行動から、解消できるポイントや問題の突破口が見えてきます。
コラム法、認知再構成法、問題解決法が中心となる療法です。

中核的感情欲求の５つは、人間にとって最も普遍的で中核的な感情欲求であり、人間の精神的健康は生育過程においてこれらの欲求が適度に満たされることで育まれます。
早期不適応的スキーマは中核的感情欲求が満たされなかったことや、幼少期の苦痛な体験と生得的気質が相互作用して現れます。
中核的感情欲求が満たされないことによって、その人の心や生き方のどの部分に損傷を受けるのかについて仮説をたて、満たすための適応的な方法を見つけ出します。