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スキーマ療法のワーク最終は行動実験とスキーマ/モードの概念図化

目次

ひとりでできるスキーマ療法の最終ワークの№9は実際に行動にうつす行動実験です。まとめとしてワーク№10はワーク前のスキーマとモードの概念図作成とワーク後のスキーマとモードの概念図作成で終了となります。

行動実験シート/ワーク№9

不適応的スキーマの思い込みや信念を変えるためにも、新しいハッピースキーマの反応を増強するにも現実に行動するほど強力に身につける方法はありません。

スキーマの知識を身につけワークはしてきたのに「頭ではわかっているが、まだ信じられない」といったような方もいます。そこで、現実に実験を通じて新しいスキーマの認知に確信を持てるようになれば、気分は改善し安定してきます。この行動実験シートは行動実験を計画する中で生じそうな問題や対処を考えたうえで、まずは実験をイメージすることからはじめて、実験を実行するようにデザインされています。また、実験が「うまくいかなかった」(不適応的スキーマを変えられないとか、ハッピースキーマやヘルシーアダルトモードを強めることができなかった)場合にも、その結果をもとにもっと現実に適応した考えを導き出すことができます。

  • 実験的行動(実験設計)
    • ある特定のスキーマやモードで行動を変えてみることで、異なる結果が得られるかどうかを実験的に試みる方法です。これにより、クライエントが特定の行動について自分で考え、評価し、変更を促すことができます。
  • 逆説的課題
    • クライエントが望む反応を得るために、特定のスキーマやモードにより、逆に行動することを要求する方法です。これにより、クライエントが自分のパターンを自覚し、問題を解決するための新しい方法を模索することができます。
  • 行動実験
    • 実際にクライエントが問題のあるスキーマやモードにより行動を実践してみて、その行動がどのような結果をもたらすかを確認する方法です。これにより、クライエントが問題行動を放棄し、代わりに新しい行動を獲得することができます。
  • パターンの変更
    • 特定のパターン(例えば、自己犠牲的なスキーマやモードによるパターン)を変えることに焦点を当てる方法です。これにより、クライエントが新しい行動パターンを獲得し、より健康的な関係を築くことができます。

ワークは「中核的感情欲求と早期不適応的スキーマとは」№1・№2・№3・「コーピングとモードとは」・№4~№10と内容が続いているため、№1質問用紙90問から順序にワークすることを奨励します。

注意点

➀ 実験は細分化し段階を分けて行うようにします。
➁ 新しいハッピースキーマ、ヘルシーアダルトモードを心から受け入れるまでは、実験を何回も繰り返す。
➂ 実験というものは、成果を得るためだけではなく、何か新しいことを試みた時に実際に何が起こるのかを調べるために行うものです。思うような結果が出なかった時には、あきらめるのではなく少しでもハッピーになる次の手を考えてみることなのです。

➀試してみたい ハッピースキーマ名 そのスキーマの解説
強化されたヘルシーアダルトモード名そのモードの解説
                              

   
➁その考えの実験前の信頼度 (0~100%)

   
➂実験計画(いつ、どこで、誰を相手に、何をするか)             

 
➃いつも通りの 不適応的スキーマ名 そのスキーマの解説         

➃実験の予測(どんな結果、反応が得られるか)             

➄行動実験を行うにあたって予測される問題           

 
➅問題が起きた場合の対処法         

   
➆実験の結果(どんな結果、反応が得られたか)           

 
➇(➀について、実験後の 信頼度(0~100%)

 
➈この実験から学んだこと


       

     

スキーマ療法後の概念図/ワーク№10

今までお付き合いいただきまして、ありがとうございます。とても長い時間をお使いいただいたと思いますが、少なくともスキーマの知識を学び、スキーマの質問用紙に応えていただき、自己のスキーマの見当もついていると思います。
必要とされるハッピースキーマやヘルシーアダルトモードも備えていて、不適応的スキーマや非機能的コーピングとも多少なりとも仲良くなれているはずです。
そこで最終段階として、もととなる中核的感情欲求とスキーマ、コーピングが関連していることを次の図でまとめてみます。
先ずは以前を振り返るつもりで、ストレスとなっている環境、状況、出来事の内容で【負】のスキーマとモードの概念図を作成してみます。次に同じ環境、状況、出来事の内容で増強した現在の【正】の概念図を作成してみます。
驚くように思い込みやルールがやわらかくなっていると思います。「生きずらい」が「生きやすい」に変化していると思います。生きやすいにまだ遠いという方は、ワークを繰り返してください。
きっと生きやすさがわかる概念図が作成できる日が必ず訪れます。

【負】のスキーマとモードの概念図➀

環境(ストレッサー) 状況・出来事・対人関係など 
 



自動思考  
気分・感情  
身体反応  
行動  
満たされなかった中核的感情欲求

   
早期不適応スキーマ名(信念)解説/強度%          
   

 
    

不適応・非機能・傷つきモード名(コーピング)解説/強度%                   
    

    

【負】のスキーマとモードでの表現「生きづらさ」内容




         

【正】のスキーマとモードの概念図➁

環境(ストレッサー) 状況・出来事・対人関係など


 
自動思考    
気分・感情  
身体反応  
行動  
早期不適応スキーマ名/解説/強度%身につけたハッピースキーマ名/解説/強度%
   
     
   
     
非機能的・不適応的モード名/解説/強度%身につけたアダルトヘルシーモード/解説/強度%
     

   
     

   
【正】のスキーマとモードでの表現「生きやすさ」内容
     



         

すべてのワークが終了の方は、スキーマ療法の全体的な基礎知識を網羅をご覧ください。

参考・引用文献

自分でできるスキーマ療法ワークブックBook2:伊藤絵美/星和書店
認知行動療法実践ガイド基礎から応用まで第2版₋ジュディス・ベックの認知行動療法テキスト:翻訳伊藤絵美、神村栄一、藤澤大介/星和書店
スキーマ療法₋パーソナリティの問題に対する総合的認知行動療法アプローチ:ジェフリー・E・ヤング、ジャネット・S・クロスコ、マジョリェ・E・ウェイシャー(共著)伊藤絵美(監訳)/金剛出版
スキーマ療法入門₋理論と事例で学ぶスキーマ療法の基礎から応用:伊藤絵美(著・編集)・津高京子・大泉久子・森本雅理(著)/星和書店
スキーマの概念とスキーマ療法のレビューに関する一考察₋スキーマの修復に関する人材開発手法の研究のために:加藤雄士/研究ノート
慢性化した抑うつ症状を訴える男性に対する総合的認知行動療法₋スキーマ療法を併用した症例報告:佐野正剛/大阪径大論集・第68巻第6号

・自傷行為とつらい感情に悩む人のために:ボーダーライン・パーソナリティ障害(BPD)のセルフマニュアル 著者ロレーヌベル/誠信書房   

・中核的な思い込みスキーマより75問の引用と15問を作成、追加しています。

https://www.wikihouse.com/cognitive/index.php?FrontPage

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