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自己のヘルシーアダルトモードの形成・外在化とリフレーミングで強化

目次

スキーマが適応的な状態をつくるために、健康な大人モード「ヘルシーアダルトモード」をイメージで形成し外在化します。さらにリフレーミングによって確信できるモードに増強します。ワーク№7・№8

モードワークとは、スキーマ療法において、特定の状況や関係性における個人の感情、思考、行動のパターンを理解するために、各モードを活性化させる作業を指します。

スキーマとは、活性化されたスキーマには非機能的コーピングで反応しますが、しかし、活性化されたスキーマとコーピング反応の「特性」に焦点をあてただけではなく、「スキーマモード」という状況に対する今の「状態」に焦点を当てた概念で説明しています。
スキーマ療法では、過去の養育体験に基づく中核的スキーマが、現在の関係性に影響を与え、健康的な行動を阻害する可能性があるとされています。モードワークは、これらの中核的スキーマをアクティベートさせ、それに関連する感情、思考、行動を明らかにすることで、個人の問題の本質を理解し、治療を促進することを目的としています。
スキーマモードにはチャイルドモード・不適応対処モード・非機能的ペアレントモード・ヘルシーアダルトモードの4分類があります。その中で、ヘルシーアダルトモードは健康な大人の状態を表しています。そのため、自己を客観的にモニターし、自己の中核的感情欲求も理解したうえで欲求を適切な形で対処しています。ただし、ヘルシーアダルトモードの力が弱ければ、他のモードに巻き込まれてしまいます。そこで、ヘルシーアダルトモードの形成をして増強のイメージづくりをするワーク№7をします。

モードワークにより、健康的な対処法を見出せるように自己理解を促し、より健康的な思考や行動を促進することが期待されます。

モードのイメージワーク・ステップ

イメージワークは、クライアントの自己認識を向上させ、健康な大人のモードを促進するのに役立ちます。イメージモードワークで考えられることを上げてみます。

STEP
リラクゼーション

クライアントは、快適なイメージに入るために、深呼吸を奨励します。目を閉じ、リラックスして体を緩めることが大切です。

STEP
安心感の場所

クライアントは、安心感を感じる場所を想像します。これは具体的な場所である必要はありません。森、ビーチ、山、あるいはどこか安心感を感じる場所であってもかまいません。この場所を詳細に描写し、その場所で感じる感情や身体的な感触を探ります。

STEP
健康な大人のイメージ

クライアントは、健康な大人のモード(ヘルシーモード)を象徴するイメージを思い浮かべるようにします。これは人、キャラクター、動物、神様などの形で表現されるものです。クライアントは、そのイメージの特徴や性格、外見などを詳細に考えます。

STEP
対話

クライアントは、健康な大人のイメージと対話します。この対話によって、自己観察を深め、健康な大人のアドバイスやサポートを得ることができます。健康な大人のイメージに質問し、アドバイスを受け取ることができます。

STEP
イメージの強化

クライアントは、このイメージを日常生活で活用する方法について考えます。具体的対象によって、ストレスの緩和や健康的なサポートとして、このイメージを活用する方法を見つけることができます。

STEP
フィードバックと振り返り

イメージワークが終了した後、クライアントとセラピストや友達はこの体験について話し合います。クライアントがどのような気付きを得たか、健康な大人のイメージが役立つかどうかなどについてフィードバックを行います。

ワークは「中核的感情欲求と早期不適応的スキーマとは」№1・№2・№3・「コーピングとモードとは」・№4~№10と内容が続いているため、№1質問用紙90問から順序にワークすることを奨励します。

【モード(状態)】ワーク№7

新たなモード、健康な大人モード「ヘルシーアダルトモード」の形成と増強のイメージを作ります。

安全なイメージづくり(リソースアンカー)の際に参考にした「ポジティブな気持ち/感情リスト」やサポーター・人とのつながり・思い出・好きなもののイメージリスト過去形から現在形にしてヘルシーモードの外在化に利用してください。

スキーマモードの詳しい内容はこちら

新たな「ヘルシーアダルトモード」のイメージ

【傷ついたチャイルドモードに対して】
辛くさせている脆弱、傷つき、怒れるチャイルドモードのありのままを受け止め、傷つきを理解し、癒し、回復に導く営み「治療的再養育」を試み、中核的感情欲求を満たすことを通じて、傷ついた子供をもう一度育て直し、成長できるようなイメージをとる必要があります。
【傷つける機能不全ペアレントモードに対して】
傷つけるペアレントモード(父親、母親、教師、祖父母、親戚の大人、近所の大人、その他)の声がモードとなったものです。このモードの声には耳を傾ける必要がありません。声を聞くたびに、声を鵜呑みにするたびにさらに傷つくだけです。言い分を一切聞く必要はありませんので、沈黙してもらえなければ、闘ったり、お引き取り願ったりするイメージです。
【非機能的コーピングモードに対して】
このモードは対処(コーピング)が非機能的と「わかっているのにやってしまう、やめられない」の状態です。そのため相手を傷つけないように配慮しながら、その対処は機能的ではないことを伝えて、真に早期不適応的スキーマを克服できるよう導いていくイメージです。

ヘルシーアダルトモードのイメージの例

イメージは、クライアントが健康な大人のモード(ヘルシーアダルトモード)を強化し、自己認識と自己成長を促進するのに役立ちます。クライアントは、自分自身にとって最も意味のあるイメージを選び、それを活用して健康な大人としての自己を強調します。また、選択したイメージは、クライアントの個人的なニーズや価値観に合ったものであるべきです。セラピストや友達は、クライアントの選択をサポートし、必要に応じて誘導します。

あなたのハッピースキーマ
すでに出来上がっている「ハッピースキーマ」をキャラクター化したものは推奨です。
神様や女神様
イメージ:自分の弱いところも困っていることもすべてを知っていて、なお、常に見方で守ってくれている。
神様や女神様は、保護と導きの象徴として捉えることができます。信仰に基づいている場合、神様や女神様のイメージは自分を守り、サポートしてくれる存在として感じられます。
想像上の親
イメージ: 自分が理想とする親の特徴や性格を考え、それをイメージします。
このアプローチは、自己観察と自己受容に役立ちます。理想の親のイメージは、自分を愛し、導き、サポートしてくれる存在として捉えるのに役立ちます。
自己の未来の姿
イメージ: 未来の自分自身のイメージを描きます。健康で成功し、幸福な自分を想像します。
未来の自分をイメージすることは、目標設定と自己成長に役立ちます。このイメージは、クライアントが望む方向に向かって前進する助けになります。
健康な友人やメンター
イメージ: 優れた友人や導師の特徴を考え、それをイメージします。
健康な友人やメンターのイメージは、クライアントが健康な大人のモードに移行し、サポートとアドバイスを受けるのに役立ちます。
有名なメンターまたはヒーロー
イメージ: 有名な指導者、哲学者、芸術家、スポーツ選手、歴史的な人物など、クライアントが尊敬するメンターまたはヒーローのイメージ。
有名なメンターまたはヒーローのイメージは、クライアントにとっての理想的な導師として機能し、目指すべき倫理的な価値観を示すことができます。
動物のイメージ
イメージ: 自分に共感する動物のイメージ。例えば、猫の自立心や犬の忠誠心を象徴することができます。
動物のイメージは、シンプルで直感的な性格特性を強調し、自己の資質を強化するのに役立ちます。
優れた教育者
イメージ: 優れた教育者や指導者の特質を反映するイメージ。
優れた教育者のイメージは、知識と知恵を導入し、クライアントが学び続ける意欲を促進します。
自然の要素
イメージ: 自然の要素、例えば大きな木、清流、星空など。
自然の要素は、安定感、調和、自然のリズムに合わせた生活を象徴し、クライアントのバランスと平和を促進します。
自己の内なる賢者
イメージ: 自己の内なる賢者または賢い老人のイメージ。
理由: 自己の内なる賢者は、自己認識と叡智を象徴し、クライアントの内なるガイドとして機能します。
優れた恩師
イメージ: クライアントが尊敬し、感謝している恩師または教育者のイメージ。恩師の知識、指導、理解力を象徴できます。
恩師のイメージは、学び、成長し、指導される経験を強調し、クライアントの自己啓発に貢献します。
亡くなった信頼できた人
イメージ: クライアントが亡くなったが、信頼できる存在であった友人、親戚、家族などのイメージ。
亡くなった信頼できた人のイメージは、愛とサポートの象徴として機能し、喪失との向き合い方に役立ちます。
憧れの人
イメージ: クライアントが尊敬し、憧れる有名人、歴史的な人物、芸術家、スポーツ選手などのイメージ。
憧れの人のイメージは、理想的な特質や成功の象徴として機能し、クライアントの目標設定と自己啓発にプラスになります。
賢明な祖先
イメージ: クライアントの家族の歴史や祖先についてのイメージ。賢明で愛情深い祖先の特質を反映します。
賢明な祖先のイメージは、クライアントのルーツと結びつけ、自己認識と自己アイデンティティの強化に役立ちます。
聖なる存在
イメージ: クライアントの信仰や宗教的信念に基づいて、聖人、聖女、守護聖人などの聖なる存在のイメージ。
聖なる存在のイメージは、信仰と導きの象徴として機能し、クライアントの精神的な成長をサポートします。

「自己のヘルシーアダルトモード」の外在化/ワーク№7

自己のオリジナルでヘルシーアダルト(健康な親/大人)モードをイメージで作り上げていきます。

過去のポジティブな体験から作られた実際のヘルシーアダルトモードはもちろん、安全なイメージづくりのリソースアンカーもとにイメージして「具体的に絶対的な味方の性質を備えたモード」の名前と内容を外在化します。それがイメージで作り上げたものだとしても、実際の体験からのモードであったとしても強さは変わることはありません。

いつでも思い浮かべられることの方が大切であり、味方になってくれるはずです。

ヘルシーアダルト モード名イメージの解説
     
       
 
       
 
        
       
 
        
        

「ヘルシーアダルトモード」(機能的コーピングモード)健康な親/大人モード

マップにヘルシーアダルトモード名と解説を記入します。(ヘルシーアダルトモードの数は自由です。)
※スマホなどに保存し、いつでも見られるようにしてください。

ヘルシーアダルトモードのリフレーミング/ワーク№8

ワーク№7では、「自己のヘルシーアダルトモード」の外在化で自己のオリジナルのヘルシーアダルト(健康な親/大人)モードをイメージで作ってきました。今までは不適応対処・非機能的・傷つきモードで状態を捉えてきていましたが、新たに外在化したヘルシーアダルトモードで比較しながら「リフレーミング」で捉えてみます。非機能的モードを現在、過去、未来で想定し一つずつリフレーミングをしていきます。
さらに、リフレーミングである程度確信できているヘルシーアダルトモードの「行動ワーク」で外在化を強化します。

核となる古い不適応対処・非機能的・傷つきモード

非機能的モードについての今現在における信用度%❶ ❷ ❸ ❹ ❺ 
非機能的モードについて過去においての信用度%
非機能的モードにおいて未来に予想できる信用度%

対抗する新しいヘルシーアダルトモード/信用度%

ヘルシーアダルトモードと 自身の合致する証拠古いモードを支持する証拠古いモードのリフレーミング (古いモードにヘルシーアダルトモードを重ね、モードの見直し)
                     








             
 

参考・引用文献

自分でできるスキーマ療法ワークブックBook2:伊藤絵美/星和書店
認知行動療法実践ガイド基礎から応用まで第2版₋ジュディス・ベックの認知行動療法テキスト:翻訳伊藤絵美、神村栄一、藤澤大介/星和書店
スキーマ療法₋パーソナリティの問題に対する総合的認知行動療法アプローチ:ジェフリー・E・ヤング、ジャネット・S・クロスコ、マジョリェ・E・ウェイシャー(共著)伊藤絵美(監訳)/金剛出版
スキーマ療法入門₋理論と事例で学ぶスキーマ療法の基礎から応用:伊藤絵美(著・編集)・津高京子・大泉久子・森本雅理(著)/星和書店
スキーマの概念とスキーマ療法のレビューに関する一考察₋スキーマの修復に関する人材開発手法の研究のために:加藤雄士/研究ノート
慢性化した抑うつ症状を訴える男性に対する総合的認知行動療法₋スキーマ療法を併用した症例報告:佐野正剛/大阪径大論集・第68巻第6号

・自傷行為とつらい感情に悩む人のために:ボーダーライン・パーソナリティ障害(BPD)のセルフマニュアル 著者ロレーヌベル/誠信書房   

・中核的な思い込みスキーマより75問の引用と15問を作成、追加しています。

https://www.wikihouse.com/cognitive/index.php?FrontPage

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