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心理的防衛機制80例

目次

ほぼ無意識な認知が先導し、感情・気分、身体症状、行動を操作しています。ネガティブな防衛機制、ポジティブな防衛機制、臨床における感情転移60例を表にしています。

不適応的言動は意識的に行っていると判断されますが、実は無意識な認知が先導し感情・気分、身体症状、行動を操作しています。1つの要因には幼少期に形成された心の核にあり心理的防衛機制が影響していると考えます。ほぼ無意識的に連動してしまう57通りの防衛機制と3つ感情移転の防衛を表にしています。

ネガティブな防衛機制

受け入れがたい状況、または潜在的危険な状況にさらされたときに、不安を軽減しようとする無意識的(意識的な場合もある)な心理メカニズムです。または、欲求不満などによって、社会に適応できない状態に陥ったときに行われる自我の再適応メカニズムのことです。

一般的には日常の欲求不満を生じる場面で防衛機制的に準じた言動(家庭、学校、職場、地域社会など)を取ることで、無難に切り抜けたり、その言動で成功する体験が重なることで身につけられていきますが、防衛機制の取捨は性格的特徴により偏りが出できます。生きづらさを回復するにはどんな防衛機制を身につけて生活を営んでいるのか、それに気づくことが大切となります。

心理的防衛機制にはネガティブな影響につながるものとポジティブ・健康な心理的防衛機制がありますが、ネガティブな防衛機制から紹介します。

このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

神経的な防衛(ストレスの対処として使われる)

抑圧
容認しがたい欲求や感情、苦痛的な体験などを無意識の中(心の奥底)に封じ込めて意識の表面に表れないように押さえつける。そのために他人に指摘されても思い出すことは難しく、修正されることも癒されることもないままに心の奥底に押し込められる。
・無意識に意識から締め出している
例:いじめられていたつらい記憶を忘れてしまっている。
抑制
意識的に不安や不快を感じるような出来事を考えないようにする。叶いそうもない願望を考えないようにする。
・意識的に忘れようとする
例:昔あった嫌なことを忘れようと努力する。相手の嫌なところではなく、良いところに注目する。
忘却
過去の情報や経験を意図的または無意識的に記憶から消すことを指します。これは情報を取り出すための一時的な障害であることもあります。
例:日常的な忘却の例には、名前を思い出せない、一時的に失くした物を見つけられない、過去の出来事を正確に覚えていない、などがあります。
置き換え(抽象化)
ある対象に向けられた欲求や感情を本来とは別な他の対象に向けて表現する。
・八つ当たり
例:いじめられても仕返しができないので弟をいじめる。
転倒/逆転
特定の対象に対する感情や欲望を正反対のものに変化させる。 愛情を憎しみに変える。受けたダメージを加工し、受け入れやすくする。
例:母親が良い意味で気になるのに、母親のせいで情けない人生があると憎んでいる
自己への向き換え
相手に向けている怒りなどの感情を自分自身に向き換える。
例:本当は相手が悪いと思っているが、それを意識できにくく自分自身を責める。
知性化
外部から受けた感情の痛みを解消するために、難解な専門用語を延々と語るなどで観念化して情緒から切り離す。
・過度に知的なことで補う
例:営業で断られている状況を感じ、専門用語を並べて話すことで優位に立ったと自分に思わせ、痛みを解消する。
外在化/外部化
自分自身で起きた内部の状況や心の対話などで起こっていることを、外部の出来事でもあると認識している。自分の出来事を外部も含めて客観的に捉えている。
例:会社で起こしたミスは自分だけが悪いわけではないと客観視し、普段はミスしないのにたまたま寝不足の影響であると納得する。
反動形成
自分の欲求や感情を正反対のものに置き換え行動をとることにより不安から逃れる。
・正反対の態度
例:心の奥底では強い憎しみを抱いている相手に対して、あえて親切に振る舞う。
打ち消し/取り消し
罪悪感や恥の感情を呼び起こす行為をした後で、それとは逆の意味を持つ類似の思考、行動をとることで打消しをしようとする。
・償い
例:相手を非難した後で、相手をしきりに褒めるなどして機嫌を取る
解離
【解離性健忘】心的ストレスにより出来事の記憶をなくします。記憶は数日に戻ることがほとんどですが、長期にわたる場合もあります。
【解離性遁走】苦悩などの一連の過程を避けるために、一時的に自分の精神を遁走(逃げ出す)する。例えば、健康な解離は学校の授業中だが白昼夢を見て授業の内容を思い出せない。病的遁走は自分が誰かという感覚が失われ、自分の行動についての記憶を失っています。
【解離性同一障害】多重人格のように自分の中にいくつかの人格が現れる状態です。
【離人症】自己が分離し二重化することにより、自分を外から眺めている感覚となります。
例:電車で移動している際に目的地で降りなければならないのに、意識が抜けていたように目的地を過ぎてしまっていた。寝ていたわけではないのに時間が飛んでしまったようだ。
隔離/分離
受け入れがたい観念とそれに伴う感情(思考と感情、感情と行動、思考と行為)と分離(切り離す)する。自分ではおかしな行為だと気づいているが、その行為が止められない(脅迫行為)
・感情を忘れ事実だけを残す
例:何度も施錠など確認行為を繰り返す。衝動的に誰かを殺してしまうのではないかと頭から離れない。とても肥満を気にしているのに、高カロリーの食事を食べる。
分離
感情や思考、経験を切り離して、それらを意識的に分離し、扱いやすい状態にすることです。
例:親しい人がなくなっても、悲しい感情が出てこない。
逃避
ストレスや困難な場面や状況から逃げることで、不安感や不快感から自分自身を守ろうとする。処理するべき問題があるのに、関係のないことに没頭して気持ちを紛らわせる「現実逃避」、未来を想像するなどの「空想逃避」高熱や下痢などの疾病への「病気逃避」
・現実逃避
例:明日の大切なプレゼンをまとめなければならないのに、大掃除を始めてしまう。
離脱
離脱は、個人が自己の感情や現実から遠ざかる防衛機制です。これは感情や出来事に対する感覚的な切り離しを指します。
例:トラウマ体験をした人が、その出来事を感じないように自己を切り離すことが離脱の一例です。
代償(代理)
本来の目的が達成できない欲求を代替となるもので自分を納得させる。
・類似した他のことで補う
例:欲しかったブランドのバックを買えず、似たようなバックで我慢する。
補償
ある一面、特定の劣等感をほかの分野での優越感で補おうとする。
例:自分はスポーツが不得意な分、勉強を頑張って埋め合わせをしている。
合理化
満たされなかった欲求に対し、理論化して考えることにより自分を納得させること。 自分の都合で理屈付け、言い訳をすることで自分の失敗や欠点を正当化する。
・言い訳・正当化・理屈付け
例:異性に振られてしまったが、正解だった、あんな奴と付き合わない方が自分のためになると思う。
操作
不安や葛藤を最小化するために、過剰に出来事や対象、環境を管理したり調整したりする。
統制
完全主義者に多く、他者や出来事、状況を過度に管理することや統制すること。統制しないと自身の脆弱性から身を守ることが出来ないという信念を持っている。
例:自分の恋人を過度に束縛してコントロールすることで守ると信じている。

未熟な防衛(未成熟に優位)無意識的・意識的

退行
耐え難い事態に直面したときの衝動を適切に処理するのではなく、一時的、または長期的に幼い時期の発達段階に戻してしまう。未熟段階の低次な思考や行動をする。
・赤ちゃん返り
例:赤ちゃん返りで泣いたり、怒ったり感情のコントロールが難しくなる。不安を感じている時など、他者の意見を鵜呑みにするとか、依存的になる。
行動化
抑圧された衝動や葛藤が問題行動や反社会行動として表出すること。意識したくないことを無意識レベルの葛藤などで回避すること。
「物質嗜癖」:摂取嗜癖で薬物、覚醒剤、アルコール、ニコチン、カフェインなどを使用する。
「行動嗜癖」:暴言、暴力、過食、浪費、万引き、ギャンブル、性的逸脱行動、自傷行為、自殺企図などが上げられる。
例:会合や授業などに遅刻することや休むこと。パチンコにのめり込んでやめられない。
攻撃
破壊的行動や反抗的態度で欲求不満を解消しようとする。自分に向くと自傷行為や性的異常、自殺まで発展する。間接的攻撃は、相手ではなく別の対象者に向けられ、陰口などに転じる。
途絶/遮断
意識障害ではありませんが、感情を意識として認識しないように思考や行動を突然停止させる。
例:談話を突然中断する。
病気不安症
深刻な病気への過度の心配や思い込みの状態。
例:検査の結果は異常がないにもかかわらず、複数の病院で再検査をする。風邪などを大きな病気ではないかと思い込む。
同一化・同一視
一定の対象やその属性、他者の中にある感情や観念、価値観などを自分に取り入れる。 他人の業績を自分のことと思いこみ自我拡大で満足する。自他の区別がつきにくい人間になる。
・真似る・代理的に満足
例:上司に叱られて苦痛だと感じた攻撃性を取り入れ、他者に攻撃的になる。
受動的攻撃行動
怒りや不満を直接的に表現せず、意識的、無意識的にかかわらずに「話さない」「意志を見せない」「ゆっくり行動する」消極的なさぼりのような拒否的な行動で相手を困らせる。ようするに受け身的な態度で反抗や抵抗をする。
例:気分が沈んだ状態を見せて、相手を困らせる。
理想化⇔脱価値化
困難な感情を処理、統合できない際に、その状況や対象を分裂させ、過度に誇大視して良いものとして理想化する。分裂されたもう一方は悪いものとして脱価値化がおこる。原始的理想化は悪いものを認識しないようにする。また高次な理想化では自分の攻撃性を否認し罪悪感を取り去る。
・一目ぼれ
例:自分の彼女は間違いなく容姿端麗、性格がよく全面的に完璧だと主張する。
投影性同一視/投影性同一化
自分自身の悪い部分を相手に投影し(押し付けて)自分が善であろうとするために相手を利用する、または支配をする。そのことにより、自分を投影した相手に対して悪の憎しみ、怒り、軽蔑などの感情が表れる。
・自分の否定的な感情(自我)を相手に投影してから、その相手が投影されてしまった否定的感情をさらに操作する
例:実際は上司が時間にルーズでありながら、部下に対して「時間にルーズでだらしない」と非難して自分の嫌な部分を他人に押し付ける。
投影
自分の中にある受け入れがたい不快な感情、要素を自分以外の他人に鏡のように写し出し、他人が持っているものと知覚して他人を非難する。他人のせいにする。
・自分の否定的な感情を相手が持っている(自分が抱いている感情ではなく他者の否定的感情であると責任転嫁)
例:自分が苦手な相手だと感じているのに相手が自分のことを苦手であろうと思いこむ。
投射
外部の情報や特性を自分自身に取り込み、自己に適応する心理的なプロセスです。
例:子供が親の価値観や信念を内面化し、それを自分の価値観として受け入れる
身体化
抑圧された衝動や葛藤、否定的な感情や不安が病気に置き換わり、さまざまな身体症状として現れる。
例:検査では異常がないのに、会社の出勤日になると頭痛、腹痛、吐き気などの症状が出る。
希望的観測
信念の形態であり、証拠や合理性ではなく、好ましい結果の予測や希望に影響されて判断を行う。
例:ギャンブル好きで働かない彼だが、結婚したら働くようになると信じる。

病理学的な防衛(原始的な防衛であり、発達早期に優位)無意識的

妄想的投影
自己の中にある受け入れられない思い込みを迫害などに発展させ被害妄想を外部に写し出ことですが、これは明らかな妄想(迫害されるという被害妄想)の形をとる。「私は彼を憎む」⇒「彼が私を憎む」 自分が憎んでいる相手を憎んでいるとは意識できず、相手が憎んでいると思い恐れる。
例:以前の会社の部長に辞めさせられたとの思い込みを投影させ、部長から迫害されていると発展させていつも恐怖におびえている。
否認(否定)
不安やストレスの原因である不快な事実を否定、否認し、嘘で他者を責める場合もある。不安や苦痛など出来事自体が存在しないかのような言動をとる。また、事実から避ける、目をそらすことや嘘をつく。欺瞞(ごまかす、あざむく、だます)を利用する。
・認めない
例:医者から○○の大病であると言われても認めることはしない
歪曲
内面のニーズを満たすため、事実、現実を捻じ曲げて再構築する。 認知の歪みで、誇張的、非合理的な思考。
例:その状況の捉え方は間違っている。実際はこのように考えるべきだとのような発言が多くなる。
躁的防衛
不安や抑うつなどの不快な感情や苦痛、無力さなど後悔の意識をなくすために明るい自分や元気な自分を演じる。自分の非を受け入れる辛い状態を避けるために強がりや居直り、攻撃状態になる。抑うつポジションから抜け出し自分を守る。 感情は優越感、支配感、軽蔑感といった優位な特徴があり、自分が何でもできるとの思い込みや相手を蔑むことで不快な感情をなくそうとする。
例:自分は万能で他者を支配できると思い込んでいる。不快であるが楽しそうな振る舞いをする。
分裂
自己に対する良いイメージ、悪いイメージを別のものとして隔離すること。良い部分が悪い部分によって汚染、破壊されるという被害的な不安があるため、分けることで良い部分を守ろうとする。悪い部分はしばしば他者に投影される。
例:好きな人の悪い面は無視して見ないようにする。自分の欠点を親のせいにして責任転嫁する。
脱価値化⇔理想化
困難な感情を処理、統合できない際に、その状況や対象を分裂させ、悪いものとして脱価値化がおこる。分裂されたもう一方は過度に誇大視して良いものとして理想化する。
・期待が満たされない対象や自己を直ちに価値のないものとして過少評価する。
例:相手が自分の役に立たないと認識すれば、一変して全面的に悪人として激しい憎悪の感情を抱くこともある。
自己愛的防衛
自己の理想的な側面を保護し、限界を否認するプロセス。典型的なナルシストは自己を過大に評価する。硬直的で融通が利かない傾向がある。

無意識によく使われる防衛機制(重複あり)

誇大視(Idealization)
問題を実際以上に大きくし、脅威として誇張することで対処を困難にする。
罪悪感(Guilt)
無意識に自分を責めることで、他者に対する非難を避ける。
自己中心化(Egocentricity)
他者の行動や感情を過剰に自分に関連付け、自分に対する影響だと感じる。
固定観念(Stereotyping)
自分や他者にラベルを貼ることで複雑な現実を単純化し、安心感を得る。
感情転換(Affect Conversion)
感情がそのまま現実の反映であるかのように解釈し、感情を事実と混同する。
攻撃的防衛(Aggressive Defense)
他者の中立的な行動や言葉を敵対的だと感じ、自己防衛のために攻撃的になる。
強迫(Compulsion)
完璧さを追求することで、不安や失敗への恐れを抑え込む。
自己高揚(Self-Enhancement)
自分の判断や知識を過信することで、自信を保とうとする。
引きこもり
他者からの評価や批判を避けるために、人前に出ることを避ける傾向があります。
過剰な自己批判
自分を否定することで、他者からの批判に先回りし、傷つくことを防ごうとします。
自己防衛的な攻撃
他者と関わることを制限し、自分の意見や感情を表に出さないようにします。
仮想的な関係構築
実際の関係性を避け、空想の中で理想の関係を築くことで孤立感を緩和します。
依存
他者に頼り、自分で物事を決めることや責任を持つことを避けることで、不安を和らげます。
無力感の誇張
自分では無力であると強調することで、他者に頼る正当性を確保します。
退行
子どものように振る舞うことで、周囲からのサポートを求めます。
強迫的な監視
自分が傷つくことを防ぐために、先に相手を批判したり、侮辱的な態度を取ることがあります。
分離
感情的な痛みを軽減するために、人や出来事を急激に理想化したり、逆に過度に失望したりすることで、関係性の安定を保とうとします。
退行
パートナーや他者に依存することで、安心感を得ようとする行動が見られます。
回避
近しい関係になることを恐れ、感情的な関与を避けることで見捨てられる痛みを防ごうとします。
投影
自分が受けるかもしれない否定的な感情や裏切りを他者に投影し、相手が信頼できないと感じます。
攻撃的行動
自分が傷つく前に相手に対して攻撃的な行動を取ることで、防衛します。
疑念
他者の行動や意図に常に疑念を抱くことで、不信感から自分を守ります。
抑制
自分の感情を表に出さず、感情の表現を控えることで痛みを回避します。
知性化
感情的な問題を論理的に理解しようとすることで、感情的なニーズが満たされない現実から目をそらします。
補償
自分自身の感情的ニーズを無視し、他者のニーズを優先させることで、痛みを紛らわそうとします。
過剰な防衛反応
常に危険や不安に対して過剰に反応し、予防策を取り続ける傾向があります。
同一化
特定の人物や集団と強く同一化することで、自分のアイデンティティを感じようとします。
従属
他者の期待や要求に合わせることで、自分の価値を見出そうとします。
感情的依存
自分の感情や意思を他者に委ね、自己認識を避ける傾向があります。
自己批判
自分を否定することで、周囲からの評価に対する失敗感を緩和します。
自己抑圧
自分の感情や意見を抑え込み、他人の期待に応えることを優先します。
投影的同一視
自分の価値を他者の評価に依存させ、他人の期待に合うように振る舞います。
仮面形成
自分を偽って他者に好かれるようなイメージを作り上げます。
自己愛的防衛
自分を特別視し、他人に対して優越感を持つことで自己価値を維持します。
理想化と卑下
自分を理想化し、他人を見下すことで安心感を得ます。
否認
自分の欠点や弱さを認めず、過剰な自己評価を保ちます。
衝動的行動
短期的な快楽に走り、長期的な目標を無視します。
合理化
自己統制の欠如を正当化し、問題から目をそらします。
感情の抑圧
孤独感を他人に伝えることを避け、内に秘めます。
空想
理想的な関係を空想の中で描き、実際の孤独感から逃避します。
予期的防衛
常に最悪の結果を予測し、準備することで安心感を得ます。
抑うつ的防衛
否定的な予測に固執し、過度に悲観的な考えを抱くことで希望を避けます。

ポジティブな成熟した防衛機制/臨床における防衛である感情転移については2⃣ページ目をご覧ください。

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