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相手の心を動かす134の心理的効果を一覧で詳しく解説

目次

心理的効果・理論・法則・実験の解説は、ビジネスやコミュニケーション、恋愛において相手の心を動かします。134の心理効果の解説とケース例を、五十音順に挙げています。

社会心理学は、人々が他者との関わりの中でどのように思考し、感じ、行動するかについて研究する心理学の一分野で、個人の心理的なプロセスと社会的な環境の相互作用を理解することを目指しています。
社会心理学者は、集団内での行動、態度、信念、規範、コミュニケーションなど、社会的な現象を研究しています。

社会心理学は、個人の行動や意思決定が社会的環境や他人との関わりによってどのように影響を受けるかを探求する分野であり、このページでは134の心理用語の解説とケース例を通じて、社会心理学における様々な理解が深まることを願っています。

社会心理学の重要な概念やアプローチには次のようなものがあります。

  1. 態度と認知
    • 態度は個人の好みや嫌悪、評価などの感情的な反応を指します。社会心理学では、態度の形成、変容、影響を研究します。認知は捉え方が情報処理や知覚に関連し、人々の行動や判断に影響を与える重要な要素です。
  2. 集団の影響
    • 社会心理学は、人々が集団内でどのように行動し、他者と相互作用するかに焦点を当てます。集団内での規範、役割、権力関係、コンフォーミティ(同調)やオベディエンス(服従)などが研究されます。
  3. 社会的認知
    • 人々は他者をどのように理解し、推測するかも社会心理学の対象です。社会的認知はステレオタイプ、偏見、人間関係の形成などに関連します。
  4. 人間の心理学
    • 人々のコミュニケーションや相互作用における非言語的な要素、コミュニケーションの修辞、シグナルなどを研究します。
  5. 集団ダイナミクス
    • 社会心理学は集団内での力学やリーダーシップ、意思決定、対立、協力など、集団が持つダイナミクスにも関心を持っています。
  6. 人間関係と間柄
    • 人々の友情、ロマンチックな関係、家族間の相互作用、コミュニケーションのパターンなど、人間関係に関する研究も行われます。

社会心理学は、人々の行動や意識を個人レベルだけでなく、社会的な環境との相互作用の中で理解するための重要なフレームワークを提供します。この分野の研究は、広範な社会的問題や行動の理解、人々の意思決定への洞察を提供するのに役立ちます。

社会心理学は相手や集団の行動や意識を理解する人間関係の心理学です。コミュニケーションや恋愛において、相手の心を動かす心理的効果がある代表的な心理用語の解説とケースを、五十音順に挙げています。また、「あまり知られていない心理用語の心理的効果内容」を詳しく解説しています。

このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

心理的効果内容と心理用語の目次

あまり知られていない心理用語と心理的効果内容を公開

「あまり知られていない心理用語」をテーマにしていますが、心理的なプロセスと社会的な環境の相互作用を理解することを目指しているのは同じであり、ビジネスやコミュニケーションにおいて相手の心を動すことにテーマを置いています。あまり知られていない心理用語は比較的認知度は低いですが、重要な心理的効果があります。これから示す心理用語はメジャーではありませんので、今回はできる限り心理的理論・法則・実験の詳しい解説をしています。

9ページ目
  • アウトグループ・ホモジニティ効果(Outgroup Homogeneity Effect)
  • イノキュレーション理論(Inoculation Theory)
  • インフルエンス理論(Influence Theory)
  • カノー効果(Kano Effect)
  • ソーシャル・コンフォート理論(Social Comfort Theory)
10ページ目
  • コントラスト効果(Contrast Effect)
  • サンクコスト効果(Sunk Cost Effect)
  • ジャム実験(Jam Experiment)
  • ジグソー法(Jigsaw Method)
  • シミュラクラ現象(Simulacra Phenomenon)
11ページ目
  • タイム・プレス効果(Time-Press Effect)
  • テスティモニアル・アプローチ(Testimonial Approach)
  • デルボーフ効果(Delboeuf Effect)
  • フェアネス理論(Fairness Theory)
  • フレンドリー・インタビューテクニック(Friendly Interview Technique)
12ページ目
  • マッチング・ハイポセシス(Matching Hypothesis)
  • メディア・リテラシー理論(Media Literacy Theory)
  • リチャードソンの理論(Richardson’s Theory)
  • リチャードソンの理論2(Richardson’s Theory-2)
  • ウェルテル効果(Werther Effect)
13ページ目
  • コンコルド効果(Concorde Effect)
  • サードパーソン効果(Third-Person Effect)
  • 社会的補償理論(Social Compensation Theory)
  • 笑顔効果(Smile Effect)
  • スキーマ理論(Schema Theory)
14ページ目
  • 説得的コミュニケーション理論(Persuasive Communication Theory)
  • セルフフルフィリング・プロフェシー(Self-Fulfilling Prophecy)
  • タイム・ディレイ効果(Time Delay Effect)
  • ピークシフト効果(Peak Shift Effect)
  • ビッグフィッシュ・リトルポンド効果(Big-Fish-Little-Pond Effect)
15ページ目
  • ブルースペース効果(Blue Space Effect)
  • ポジティビティ・バイアス(Positivity Bias)
  • ネガティビティ・バイアス(Negativity Bias)
  • バックファイア効果(Backfire Effect)

その他の心理的効果20例

16ページ目
  • マンデラ効果 (Mandela Effect)
  • クレショフ効果 (Kuleshov Effect)
  • バンドワゴン効果 (Bandwagon Effect)
  • エスカレーター効果 (Escalator Effect)
  • カチッサー効果・カチスタ効果 (Click-Whirr Effect)
  • ロミオとジュリエット効果 (Romeo and Juliet Effect)
  • ネームレター効果 (Name-Letter Effect)
  • サブリミナル効果 (Subliminal Effect)
  • オノマトペ効果 (Onomatopoeia Effect)
17ページ目
  • フォールス・コンセンサス効果 (False Consensus Effect)
  • ホーソン効果 (Hawthorne Effect)
  • シンメトリー効果 (Symmetry Effect)
  • レストルフ効果 (Von Restorff Effect)/孤立効果 (Isolation Effect)
  • ブックエンド効果 (Bookend Effect)
  • リンゲルマン効果 (Ringelmann Effect)
  • マム効果/沈黙効果 (MUM Effect)
  • シャルパンティエ効果 (Charpentier Effect)
  • バタフライ効果 (Butterfly Effect)
  • カラーバス効果 (Color-Base Effect)


1. 「アイヒマン実験(服従実験)」服従の心理メカニズム

アイヒマン実験(または服従実験)は、心理学者スタンリー・ミルグラムによって行われた、服従の心理的メカニズムを調査するための実験です。この実験は、第二次世界大戦中のナチス・ドイツの親衛隊指導者であるアドルフ・アイヒマンの言動を背景に、一般人が権威に服従して他人に害を加える可能性を探求するために行われました。

実験の概要
被験者(「教師」とされた一般人)は、学習のために他の被験者に電気ショックを与える役割を担当します。被験者はショックの強さを段階的に上げていくよう指示されますが、実際には電気ショックは与えられておらず、受ける側は演技を行っているだけでした。実際には、一般人の「教師」の被験者がテスト対象であり、その反応を観察することが主な目的でした。

結果として、多くの被験者が権威の指示に従い、他の被験者に強力な電気ショックを与えることを続けました。この実験結果は、人々が権威や指示に従い、道徳的な判断や倫理観を無視して他人に害を加える可能性があることを示唆しました。

アイヒマン実験は、服従や権威に従う傾向を調査する上で重要な実験の一つとされています。この実験は、個人の行動を社会的圧力や環境の影響から理解する上での示唆に富む内容を提供しています。

2. 「アドバイス・シーキン」他者からアドバイスを受ける

アドバイス・シーキン(Advice-Seeking)

「アドバイス・シーキン」とは、個人が他者からアドバイスや意見を求める行動を指します。人々は知識や情報を得るためや意思決定をサポートするため、自身の行動や選択肢を検討するためにアドバイスを求めることがあります。この行動は社会的なコミュニケーションの一部として捉えられ、相手の専門知識や経験を利用することで、より良い判断の助けとなります。

例: ある人が新しい仕事のオファーを受けたとします。しかし、その仕事には複雑な業務内容や将来のキャリアについての不確定要因があり、決断が難しいと感じています。この人は友人や家族に相談し、アドバイスを求めます。そして、最終的に友人からのアドバイスによって、その人はより多くの情報や視点を得て、自身の意思決定をサポートすることができるようになります。

あるいは、ある学生が大学進学のための専攻を選ぶ際にも、教師やキャリアカウンセラーにアドバイスを求めることが考えられます。専門家の意見を得ることで、将来の経路をより良く計画する手助けができます。

アドバイス・シーキンは、個人の自己効力感を高めることや、意思決定の不確実性を軽減することにも繋がります。また、アドバイスを提供する側も、自分の専門知識を活かす機会となり、相互の関係を深めることができます。

3. 「アフォーダンス理論」環境が示す使い方や行動のヒント

アフォーダンス理論(Affordance Theory)

アフォーダンス理論とは、エコロジカル・心理学の一部であり、ジェームズ・J・ギブソンによって提唱された理論です。この理論は、環境が提供する行動の機会や可能性を強調し、物体や環境の特性がどのように行動を引き起こすかを考えるアプローチです。

アフォーダンスとは、物体や環境がどのような行動を促すかという、個体と環境の相互作用に関連する概念を指します。要するに、物体や環境が提供する「使い方」や「行動のヒント」のことを指します。

例:

  • 椅子は座るためにアフォーダンスを持っています。形状や高さが座ることを容易にし、その特性から「座れる」という行動が引き起こされます。
  • ドアノブは回すためのアフォーダンスを持っています。この形状が「回せる」という行動を示唆し、ドアを開ける行動が促されます。
  • 歩道や階段は歩くためのアフォーダンスを持ちます。それらの環境は「歩ける」という行動を支援し、歩行が容易になります。

アフォーダンス理論は、人間の知覚と行動が環境との相互作用によって形成されることを強調します。個体は周囲の物体や状況の特性から直感的に適切な行動を選択し、その行動に関連する情報を得ることができるとされています。この理論は、認知心理学や人間工学などの分野で実際の設計や行動の理解に応用されています。

4. 「アンダーマイニング効果」外部報酬が動機付けや意欲を弱めてしまう

アンダーマイニング効果(Undermining Effect)

アンダーマイニング効果とは、ある人が報酬や報償を期待して特定の活動を行っていた場合、その活動に対する外部報酬が与えられると、内発的な動機付けや興味が低下する現象を指します。言い換えると、外部からの報酬が内部の意欲を阻害させるという概念です。

例: ある子供が自分の好きなおもちゃで遊んでいるとします。この遊びは子供自身の興味と内発的な動機に基づいています。しかし、親がその子供にお小遣いを与えておもちゃで遊ぶことを促したとします。すると、おもちゃで遊ぶ行動は外部からの報酬に関連付けられ、子供の内発的な興味や動機付けが減少している可能性があります。結果として、子供はおもちゃで遊ぶことへの楽しみを失い、お金を得ることが主な目的となってしまうことがあります。

アンダーマイニング効果は、内発的な動機付けを重視する場面において重要な考え方です。外部からの報酬や認識が内発的な意欲や興味を阻害することがあるため、効果的な動機付けを促進するには、個人が自分自身の興味や達成感から行動を起こす環境を整えることが重要です。

5.「アンダードック効果(負け犬効果)」 弱者や劣勢の立場を応援する

アンダードック効果(Underdog Effect)

アンダードック効果、または負け犬効果とは、競争的な状況において、弱者や劣勢の立場にある個人やチームが逆境を乗り越えて成功を収める現象を指します。アンダードックは、通常は優れた力や能力を持つ対抗者に対して不利な立場にある存在を指します。アンダードック効果は、人々が劣勢の立場にある者に共感し、応援する傾向があることを示します。

例: スポーツ競技において、優れた成績を持つチームと対戦する劣勢なチームが、意外な勝利を収める場合があります。このような場面で観客や応援者は劣勢なチームを応援し、その成功を讃えることがあります。この現象がアンダードック効果と呼ばれます。

また、選挙においてもアンダードック効果が見られることがあります。一部の候補者が圧倒的な支持を集める中で、劣勢な立場にある候補者が地道な努力や熱意を示し、予想外の支持を獲得する場合があります。このような候補者に対して、一般の選挙民は共感を抱き、応援することがあります。

アンダードック効果は、劣勢な立場にある者が逆境を乗り越えて成功を収めようとする姿に感動を覚え、その成功を称賛する傾向があることを示しています。この現象は人々の感情や共感の側面を反映し、社会的な文脈において重要な影響を持つことがあります。

6. 「アンカリング効果」最初の提示が意思決定に影響する

アンカリング効果(Anchoring Effect)

アンカリング効果とは、人々が情報を受ける際に最初に提示される数値や情報(アンカー)に影響を受けて、その後の判断や評価に影響を及ぼす現象を指します。アンカリング効果により、最初の情報を与えた影響が強くなる傾向があるため、アンカリング効果は人々の判断や意思決定において一貫性の欠如やバイアスをもたらすことがあります。

例: 商品の値段設定でアンカリング効果が見られることがあります。ある商品が元々高額で売られていた場合、期間を待てばセールで割引された価格で買うことができるとしても、元の高額な価格がアンカーとして機能し、実際には高めの価格でも高額情報の価値観に惑わされ、割引前に購入する可能性があります。

また、交渉の場面でもアンカリング効果が発生することがあります。交渉相手が最初に提示した価格や条件がアンカーとなり、その後の交渉での妥協点や判断がそのアンカーに引っ張られることがあります。

さらに、アンカリング効果は質問の文脈でも現れることがあります。同じ情報を別の文脈で提示すると、人々の判断や回答が異なる場合があります。例えば、「新しいコンピュータは1,000ドルですが、いくら支払う準備がありますか?」と聞かれた場合、1,000ドルという価格がアンカーとして作用し、回答に影響を受けている可能性があります。

アンカリング効果は、人々の意思決定や判断が与えられた情報に影響を受けることを示す重要な心理現象です。意識的にアンカーに惑わされないように注意することが、より客観的な判断を行うために重要です。

7. 「イエス誘導法」肯定的な「はい」を引き出す

イエス誘導法(Yes-Set Technique)

イエス誘導法は、コミュニケーションの影響力の技術の一つで、相手に「はい」と答えることを続けることで、最終的な要求に対しても「はい」と答えさせることを狙う手法です。この手法は、相手の意識下に肯定的な状態を作り出し、その流れを利用して目的の要求を通しやすくすることを目指します。

例: セールスマンが商品を販売する際にイエス誘導法を使用する例を考えてみます。セールスマンはまず、顧客に質問を投げかけて、肯定的な「はい」という回答を得ます。例えば、次のような流れで進めたとします。

  1. 「今の携帯電話をもっと使いやすくしたいですか?」(顧客が「はい」と答える。)
  2. 「カメラの機能を改善して、より良い写真が撮れるようにしましょうか?」(顧客が再び「はい」と答える。)
  3. 「それでは、新しいモデルをご案内しますね。」(顧客が前の質問に続いて「はい」と答える可能性が高くなる。)

こうした流れによって、顧客は続けて肯定的な回答を出すことで、最終的な商品の購入にも「はい」と答えやすくなるというのがイエス誘導法のアプローチです。
イエス誘導法は、コミュニケーションや説得の場面で使用されるテクニックの一つです。ただし、倫理的な側面を考慮し、相手の意志や利益に配慮しながら使用することが重要です。

8. 「ウィンザー効果」価格の設定が消費者行動に錯覚させる

ウィンザー効果(Wine Superiority Effect)

ウィンザー効果とは、高価なワインの方が低価格なワインよりも味わいや品質が優れているという錯覚を指すような心理現象です。人々は価格が高いほど品質が高いとの認識があるため、同じワインでも高価格に近いものを選ぶ傾向があるとされます。この効果は、価格情報が人々の味覚や感じ方に影響を与えることを示しています。

例: ある実験で、研究者は同じワインを異なる価格で提供しました。被験者たちは高価なワインを飲むと、その味わいや品質に関して高い評価を示す傾向がありました。しかし、実際には高価なワインも低価格なワインも同じワインであるにもかかわらず、価格情報が味覚への認知を影響させたという結果が得られました。

ウィンザー効果は、価格が人々の判断や評価に与える影響を強調するもので、食品や飲料の分野だけでなく、他の製品やサービスにおいても見られる現象です。この効果は価格が品質を示す指標として機能していることを示唆しており、消費者が商品を選ぶ際に価格に敏感であることを考慮する上で重要です。

ウィンザー効果は、消費者行動やマーケティング戦略の理解する重要な心理現象ですが、同時に消費者が価格情報に惑わされる可能性があることも示しています。

9. 「ヴェブレン効果」高価格や高級感がステータスを引き立てる

ヴェブレン効果(Veblen Effect)

ヴェブレン効果とは、一般的な需要法則に反して、価格が高いほど商品の魅力や需要が高まる現象を指します。高級品や高価格の商品が、その高価格性ゆえに望ましさや社会的ステータスを象徴するという考え方です。ヴェブレン効果は、一部の商品が人々によって所望されるために価格を引き上げる要因となることを示しています。

この効果は、アメリカの経済学者であるトルステン・ヴェブレンにちなんで名付けられました。

例: 高級ブランドのファッションアイテムや高価な車、高級レストランなどは、その高価格が一種のステータスシンボルとされ、社会層や地位を示すための手段として求められることがあります。こうした商品が高価格であること自体が、人々にとって望ましい特徴となり、購買意欲を高める要因となるのです。

ヴェブレン効果は、商品の価格が一般的な需要法則に従わない特殊な現象を表しています。通常、価格が下がることで需要が増えるとされる一般的な需要法則とは対照的です。ヴェブレン効果の影響を受ける商品は、価格が高いほど望ましさが高まるという独自の需要法則を持つとされます。

ヴェブレン効果は、特定の消費文化や社会価値観に基づく需要の特異性を示すものであり、高価格が高級感やステータスを引き立てる一因となることを示唆しています

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