心理カウンセラーと社団法人メンタルケア研究室(仮称)設立の発起人(社員)理事長・理事・協力者メンバーや法人、団体の募集
非営利型一般社団法人設立準備室「心の支援を未来へつなぐ仲間を募集しています」
— 3時間対面無料カウンセリングの灯を、次の世代へ —
- 設立発起人:社員(個人・法人・団体)理事兼任可(数名)
- 事務所無償・低賃貸料での貸与、または法人や団体事務所一画の無償利用などを希望しています。
- 代表理事:1名
- 理事:業務執行理事(数名)・非職務執行理事;臨床心理士・公認心理士・業務経験心理カウンセラーなど
- 「人の心に寄り添う」理念に共感いただける方
- 低報酬でも、社会的意義を感じて活動できる方
- 監事:1名
- 業務委託(フリーランサー):臨床心理士・公認心理士・業務経験心理カウンセラー
- 正会員・準会員・会員:会費はまだ未定
将来の連携・共催事業に発展しやすい法人や団体の協力
- 理念・活動目的が共鳴する法人
- 例:心理支援・教育・福祉・地域活動・医療・ボランティア・社会的包摂など
- 営利法人であっても社会的使命を共有している会社
- 例:教育関連企業、医療系会社、メンタルヘルス関連事業者など
- 人的ネットワーク
- 例:大学・研究機関・NPO・地域コミュニティ団体など
- 一部関連する内容
- 例:結婚相談関連や心理研修など面談する個室があり、心理支援が必要な施設など
- 理念・背景
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私たちは、“いきづらさ”に対する支援の情報不足や経済的理由、孤立などのために「相談すること」さえあきらめてしまった方々に、一度でも“安心して話せる時間”を届けたいという思いから、対面3時間での無料メンタルケア、および心理カウンセリングを行ってきました。
この活動は、心の痛みや生きづらさを抱える方々が「初めて安心して話せた」「生きる力を取り戻せた」「こころの整理ができた」と語ってくださる声に支えられ、10年以上続けています。しかし、年齢的な節目を迎え、今後5年以内にはこの取り組みを次の世代へ継承する必要を感じています。
そのため、2027年~2028年度内には非営利型の一般社団法人を設立し、代表理事もお願いすることで「誰もがこころを許せて安心して話せる社会」の継続的な仕組みづくりに挑戦したいと考えております。 - 法人設立の目的
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- 無料カウンセリングの継続と拡充(初回3時間無料の対面セッション)
- カウンセラーの育成・支援体制の構築
- 地域社会における“心の孤立”の減少
- 「精神付添人」の資格出願と検定
- 利益を追求せず、社会還元を目的とする非営利運営
- 法人格を持つことで信頼性と透明性を高め、協働者を増やす
非営利型とは:利益が得られた場合でも、すべてカウンセリング活動と心の支援事業に還元されます。
- 募集職種・役割
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- 設立発起人・設立時社員(個人または法人:2以上の個人・法人)
- 共同にて定款作成や役員の選任など設立手続き、所在時の決定などにおける役割を担っていただきます。個人または法人が設立時社員の対象となります。
- 法人の設立完了後は社員総会の議案を提出できるなど、議決権を行使できる社員となります。また、理事になることも可能です。
- 理事長、理事、監事メンバー(6名以上)
- 法人運営に関わる中心メンバーとして理念形成や運営方針に携わっていただきます。
- 日常業務やカウンセリング業務など業務執行を委嘱される代表理事や専務理事、常務理事などとなります。
- 代表理事や業務執行理事の職務執行の監督や理事会の構成員としての役割を担う非業務執行理事(平理事)も検討しています。
- 協力(業務委託)カウンセラー(臨床・公認心理士、民間資格の経験者)
- 当法人と業務委託(フリーランサー)の契約をして、初回無料カウンセリングや低料金セッション、精神付添人活動を実施していただきます。
- 協力カウンセラーは月会費のご契約によって、社団法人の名称の使用(業務委託であることを明記)と法人のカウンセリングルームを自由に使用できます。
- 協力カウンセラーは、法人のホームページなどに提携カウンセラーとして掲載することが出来ます。
- 職員サポートメンバー(事務・広報・資金調達など)
- クラウドファンディング、広報、資料作成、資格出願などをお手伝いくださる方。
- 設立発起人・設立時社員(個人または法人:2以上の個人・法人)
- 活動概要(将来の法人ビジョン)
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- 初回3時間無料カウンセリングを継続するが、2回目以降は法人の規定する低料金でのカウンセリングを行う。
- 協力カウンセラーは業務委託・フリーランス契約制による業務提携(要月会費)することで、法人内で有料カウンセリングはできるが、3時間対面無料カウンセリングと精神付添人業務は希望者のみとする。
- 協力カウンセラーは、法人で複数の相談室を設けていることから、法人の時間内では常時使用を可能とし、法人名(業務委託であることを明記)を使用して活動可能となる。
- 法人のホームページなどで協力カウンセラーを掲載することで、法人からの紹介やクライエントとのマッチングサービスが利用できる。
- 「精神付添人」の資格出願と検定を行う。
- 研究・教育・広報活動を通して社会への還元を行う。
- 得られた利益はすべて本法人の活動費・支援制度に充てる。
- 求める人物像
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- 「人の心に寄り添う」理念に共感いただける方
- 無償または低報酬でも、社会的意義を感じて活動できる方
- 将来の世代に“やさしい社会”を残したいと考えている方
- 公認心理士・臨床心理士・民間カウンセラー等の有資格者、または支援経験者歓迎
- 心の支援を“職業”だけではなく“使命”として考えられる方
- ご協力の形(例)
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- 設立時の理事・監事として関与
- 初期の企画・設計・事業計画の共同立案
- 事務所無償・低賃貸料での貸与、または法人や団体事務所一画の無償利用などを希望
- クラウドファンディングや寄付金活動への協力
- 将来、運営や教育、資格検定、広報に関わる継続的な支援
- メッセージ
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「誰にも話せない苦しみを、たった一度でいいから安心して話せる場所がある」
そんな場を次世代へつなぐために、あなたの力をお貸しください。
現在のAIによる心理カウンセリングは進んでいて、AIでの会話は心を癒してくれます。また、ワークなども適切で悩みに対する情報は専門職より進んでいると思います。
しかし、私たちの「心理カウンセリングは、人のこころ(生きづらさ)を観て、人のこころ(温かさの力)で癒すものだから、心理療法だけではなく、『心に寄り添う“精神付添人”の存在』が一助を担うことも少なくない」と考えています。
私たちは、この小さな光を絶やさず、社会へ広げていきたいと願います。 - 【体験のご案内】まずは体験から ― 3時間無料カウンセリングのご案内
-
私たちの活動にご関心をお持ちになられた方には、
まずはぜひ、実際の「3時間対面無料カウンセリング」を体験していただきたいと考えています。この時間は、理念を説明するための場ではなく、
一般のクライエント様と同じ条件(通常の無料フォーム)で、ストレスや生きづらさなど心の内を安心して話していただける時間です。なぜ、この無料カウンセリングが多くの方の心を動かしてきたのか——
その理由を、言葉ではなく、“体験”として感じて欲しいと思っています。体験後に「この活動を一緒に未来へつないでいきたい」と思われた方は、
改めて発起人・協力メンバーとしてのご連絡をお待ちしております。どうぞお気軽に、まずは“カウンセリングの空間”を感じていただきたいと思います。
一般のクライエント様と同じく、当研究室には非公開(オフレコ)で3時間対面無料メンタルケアサービスのご予約フォームからお申し込みいただけます。
社団法人が行う「精神付添人(仮称)」の理念と臨床的意義
「精神付添人」の日常同行型メンタルケアの学術的整理
Ⅰ.基本理念:治療よりも「共に歩む」支援
「精神付添人」とは、精神療法の枠を超え、クライエントの日常生活や自然環境の中に“同行”という形で寄り添う支援者である。
この支援は、心理カウンセリングとソーシャルサポートの中間領域に位置づけられ、“治す”ことよりも“支える”“共に考える”ことを重視する。
現在のAIによる心理カウンセリングでの会話は心を癒してくれるばかりでなく、ワークなども適切で悩みに対する情報は専門職より進んでいると思うが、精神付添人はクライエントの「今ここ」の体験に立ち会い、散歩・外出・喫茶・旅行・趣味活動などの非臨床的場面(サードプレイス)での対話を通じて、心の閉塞をゆるやかに解きほぐし、自己受容・行動変容への準備を促すことが出来る。
Ⅱ.学術的背景:心理臨床とコミュニティ心理学の接点
1. 行動療法的基盤
- 暴露法(Exposure Therapy)
恐怖や回避の対象と直面する際に同行し、安心安全な環境を確保しながら段階的に体験を支援する。 - 行動実験(Behavioral Experiment)
社会不安症や強迫症などにおいて、信念検証を支援するパートナーとして現場同行を行う。 - 現実エクスポージャー(In vivo Exposure)
クライエントが回避してきた場所・状況に同行し、「できた経験」の再体験を促進する。
2. 認知的再体制化への支援
会話や体験の共有を通して、「自分は一人ではない」「行動できる」という認知的再構築を促す。
これは認知行動療法の要素(Cognitive Restructuring)を、対話と行動体験の中で自然に行うプロセスである。
3. 実存的・体験的心理療法との連続性
ヴィクトール・フランクルのロゴセラピー、西田幾多郎の「純粋経験」に通じるように、
人が“生きている今”を取り戻す場として、共に過ごす時間を重視する。
言葉による分析ではなく、身体感覚・風景・自然との共鳴を通じた気づきを支援する。
4. コミュニティ心理学的視点
孤立やセルフネグレクト、ひきこもり状態など、
社会的空間から切り離された個人に「第三の場(Third Place)」を提供する。
これは地域社会における“心のソーシャルインクルージョン”を具現化する実践でもある。
Ⅲ.活動の二本柱
| 分野 | 内容 | 臨床的意義 |
| 臨床的同行支援 | 暴露法・行動実験・現実エクスポージャー・注意シフトトレーニングなどを、クライエントと共に現場で実施 | 恐怖・不安・回避への対処能力(ストレスコーピング)の強化 |
| 生活同行支援(ストレス解消型) | 散歩・パワースポット巡り・映画・美術館・喫茶など非臨床的場面での同行対話 | 自己回復力・感情調整・日常快の再発見 |
Ⅳ.専門的機能:精神付添人の3つの役割
- ストレスコーピング・サポーター
ストレス対処行動の模索を支援し、「行動による癒し」のきっかけをつくる。 - 行動変容ファシリテーター
行動実験や段階的暴露など、心理療法を現場で体験的にサポート。 - 共感的コンパニオン(Companion Facilitator)
孤立しがちなクライエントに“話せる他者”“安全な他者”を提供する。
これは、単なる「話し相手」ではなく、臨床知に基づく共感的立ち会いである。
Ⅴ.臨床対象領域と有効性の想定
| 症状・状態 | 支援アプローチ例 |
| パニック症・広場恐怖 | 段階的暴露同行(電車・商業施設など) |
| 社交不安症 | 注意シフトワーク同行・現場対話訓練 |
| 強迫症 | 暴露反応妨害法同行・行動記録支援 |
| PTSD | 現実エクスポージャー(安全環境下) |
| ひきこもり・セルフネグレクト | 在宅訪問・短時間外出同行による社会再接続支援 |
| 抑うつ・孤独・喪失 | 散歩・自然体験・趣味活動同行による情動再活性化 |
Ⅵ.「精神付添人資格」構想(検定資格化の方向性)
1. 資格名称
メンタルケア精神付添人®(Mental Care Companion Counselor)
2. 概要
心理学・臨床理論・対人援助技術に基づき、同行型メンタルケアを安全かつ倫理的に実践できる専門資格。
3. 想定カリキュラム
- 基礎理論:臨床心理学・ストレス理論・認知行動療法・実存分析
- 応用技術:暴露法同行実践、対話的傾聴、感情支援スキル
- 倫理:守秘義務・境界線・安全配慮・同意手続き
- 実践演習:散歩同行・サードプレイスワーク・行動分析演習
- 資格認定:筆記+実地+倫理審査
4. 資格の社会的意義
- 臨床心理士、公認心理師が行う心理療法を補完する行動支援型アシスト職能
- 高齢者・ひきこもり・災害被災者などへの柔軟な支援モデル
- 社会的孤立の予防、メンタルヘルスリテラシー向上への貢献
Ⅶ.学術的まとめ
精神付添人(Psychological Companion / Mental Care Facilitator)とは、
臨床心理学・行動療法・実存療法・コミュニティ心理学に基づき、クライエントの日常場面に同行し、共感的対話と体験的支援を通じて心理的安全性・社会的再接続・行動的回復を促進する心理援助職能である。
その活動は「治療」と「生活支援」の橋渡し領域に位置づけられ、精神的苦痛の緩和、行動変容、自己理解の深化、レジリエンス強化を目的とする。
Ⅷ.法人目的における記載例(定款・登記用文案例)
当法人は、心理カウンセリング及びメンタルケア支援の普及を図るとともに、「精神付添人®」の育成・資格認定及び同行型メンタルケアの社会的啓発を行い、心の健康増進と社会的孤立の予防に寄与することを目的とする。
精神付添人®資格制度設計書
Ⅰ.資格制度の理念
「精神付添人®」とは、
クライエントの人生・行動・感情・体験に“同行”し、治療よりも「共に生きる」関係性を通して心の回復力を支援する専門職である。
本資格は、心理療法と生活支援のあいだをつなぐ同行型メンタルケアの新領域を確立し、“誰もが孤立せずに心を整えられる社会”の創出を目的とする。
Ⅱ.資格区分
| 区分 | 対象 | 主な活動領域 |
| 初級(認定付添人) | 心理・福祉・教育・看護等の基礎知識を持ち、実践的傾聴を学ぶ者 | 日常同行、傾聴支援、軽度ストレスサポート |
| 中級(実践付添人) | カウンセリング経験者または関連有資格者で実践3年以上 | 暴露同行・行動実験支援・感情調整支援 |
| 上級(臨床付添人) | 臨床心理士、公認心理師、精神科医等 | 臨床暴露・PTSD支援・専門同行カウンセリング |
| 指導者(主任付添人) | 上級資格保持3年以上 | 後進育成・研修講師・法人認定機関指導員 |
Ⅲ.資格認定の目的と社会的役割
- 心理的安全性の確保
- カウンセリング空間以外でも、安心して話せる場を提供する。
- 行動変容の促進
- 行動療法的アプローチを日常生活で実践する。
- 社会的孤立の予防
- 対話と同行による再社会化支援。
- 生きる意味と自己理解の回復
- フランクル的・実存的対話を通して生の価値を再発見する。
Ⅳ.資格認定体制
| 機関名(想定) | 役割 |
| メンタルケア研究室(本部) | 資格認定・更新・倫理管理 |
| 資格認定委員会 | カリキュラム審査・試験監督・講師承認 |
| 倫理審査委員会 | 守秘義務違反・苦情処理・資格停止審査 |
| 教育研修部 | 研修企画・教材開発・指導員養成 |
Ⅴ.資格取得の流れ
| ステップ | 内容 | 備考 |
| ① 受講申込 | 所定の申請書・履歴書を提出 | 書類審査あり |
| ② 受講 | 基礎理論+同行実践(計40時間以上) | オンライン・対面併用可 |
| ③ 実地研修 | クライエント同行実習(10時間以上) | スーパービジョン必須 |
| ④ 認定試験 | 筆記+実地+面接 | 倫理・応用問題含む |
| ⑤ 登録 | 合格者を「精神付添人®名簿」に登録 | 登録証・認定カード発行 |
| ⑥ 更新 | 3年ごとの更新講習・倫理研修受講 | 研修5時間以上必須 |
Ⅵ.カリキュラム構成(全体40時間)
| 科目分類 | 主な内容 | 時間目安 |
| 基礎理論 | 臨床心理学概論、ストレス理論、感情調整理論 | 8時間 |
| 実践理論 | 行動療法(暴露法・行動実験・現実エクスポージャー)、認知行動理論 | 10時間 |
| コミュニティ心理学 | サードプレイス支援、社会的包摂、孤立対策 | 4時間 |
| 実存・対話技法 | ロゴセラピー、ナラティブ的対話、共感的立ち会い | 4時間 |
| 同行実践 | 散歩・外出・行動同行実習(実地訓練) | 10時間 |
| 倫理・安全管理 | 守秘義務、境界線、クライエント保護、危機対応 | 4時間 |
Ⅶ.倫理綱領(精神付添人®行動規範)
- クライエントの尊厳と自律を尊重する。
- 守秘義務を厳守し、個人情報を保護する。
- 依存関係を避け、対等で安全な関係を築く。
- 宗教・政治・販売・個人的勧誘を行わない。
- 身体的接触・金銭授受など倫理的リスクを避ける。
- 危機的状況では専門機関に速やかに連携・紹介する。
- 自己研鑽を怠らず、常に臨床的・倫理的成熟を目指す。
Ⅷ.認定更新制度
- 有効期間:3年間
- 更新条件:
① 倫理研修5時間以上
② 実践報告書提出(2件以上)
③ 継続教育単位10単位(講座・学会等) - 更新手数料:実費相当額(非営利扱い)
Ⅸ.資格者証と称号使用
- 合格者には「精神付添人®」資格証および認定カードを交付。
- 称号使用例:
- メンタルケア精神付添人(初級)
- 登録精神付添人(中級)
- 臨床精神付添人(上級)
- 名称使用は登録期間内に限る。資格失効後の使用は禁止。
Ⅹ.安全・リスクマネジメント体制
- 活動範囲の明確化
医療行為・診断行為を行わず、必要に応じ医療機関・専門家と連携する。 - 同行時の安全確保
場所・移動・時間帯を事前合意の上で設定する。 - トラブル発生時の報告義務
活動記録・危機報告を法人へ即時報告。 - 保険制度整備
資格者全員に対人事故・損害賠償保険を適用(団体加入可)。
Ⅺ.広報・社会貢献活動
- 「心の同行支援月間」など啓発キャンペーンの実施
- 公共施設・地域団体・教育機関との連携講座
- ボランティア付添活動の支援と報告会
- 研究成果発表・講演・学会報告による社会的認知拡大
Ⅻ.資格制度の発展的展望
- 大学・専門学校との連携による単位認定講座化
- 地方自治体・福祉機関との地域同行支援プロジェクト化
- 国際的認知を目指したメンタルケアコンパニオン国際資格構想(IFMCC)
- 臨床心理士・医療従事者との協働によるハイブリッド支援モデル構築
結語
「精神付添人®」は、クライエントの“語られない痛み”に寄り添い、治療でも助言でもなく、共に歩むことそのものを支援の力とする存在である。
科学的心理学と人間的共感を結ぶ新たな専門職として、社会に「心の同行文化」を広げることを使命とする。
一般社団法人メンタルケア研究室(仮称)定款(雛形)
第1章 総則
(名称)
第1条 本法人は、一般社団法人メンタルケア研究室(仮称)(以下「本法人」という。)と称する。
(主たる事務所)
第2条 本法人は、主たる事務所を東京都○○区○○町○丁目○番地に置く。
2 必要に応じて、理事会の決議により従たる事務所を設置することができる。
(目的)
第3条 本法人は、心理カウンセリング、心理教育、心のケア及び社会的孤立の防止に関する活動を通じて、人々の心の健康と安心できる社会づくりに寄与することを目的とする。
(事業)
第4条 本法人は、前条の目的を達成するため、次の事業を行う。
- 心理カウンセリング及び心理相談事業
- カップルカウンセリング、家族相談等の人間関係支援事業
- 心理教育・講演・セミナー・ワークショップ等の開催
- 「精神付添人」の資格出願、検定
- 心理支援に関する調査研究・出版・情報発信事業
- カウンセラーの養成・支援及びスーパービジョン事業
- 行政、教育機関、医療機関、地域団体等との連携・協働事業
- その他、目的を達成するために必要な事業
2 本法人は、前項の事業を日本全国で行うことができる。
第2章 社員
(社員の資格)
第5条 本法人の社員は、本法人の目的に賛同し、入会を承認された個人または団体とする。
(入会)
第6条 本法人の社員になろうとする者は、所定の入会申込書を提出し、理事会の承認を得なければならない。
(会費)
第7条 本法人の社員は、総会で定める年会費を納入しなければならない。
(退会)
第8条 社員は、退会届を提出することにより、任意に退会できる。
(除名)
第9条 本法人は、社員が本法人の名誉を著しく傷つけたときは、理事会の決議によりこれを除名することができる。
第3章 役員
(役員の設置)
第10条 本法人に次の役員を置く。
- 理事 5名以上
- 監事 1名(任意)
(役員の選任)
第11条 理事及び監事は、社員総会の決議により選任する。
(役員の職務)
第12条 理事は理事会を構成し、本法人の業務を執行する。
⒉ 理事のうち1名を代表理事とし、本法人を代表する。
⒊ 監事は、本法人の業務および会計を監査する。
(任期)
第13条 理事および監事の任期は2年とし、再任を妨げない。
第4章 会議
(社員総会)
第14条 社員総会は、本法人の最高意思決定機関とする。
⒉ 定時総会は毎事業年度終了後3ヶ月以内に開催する。
⒊ 臨時総会は、理事会の決議または社員の請求により開催できる。
(理事会)
第15条 理事会は、代表理事が必要と認めるときに開催する。
⒉ 理事会は、出席理事の過半数で議事を決する。
第5章 資産及び会計
(資産の構成)
第16条 本法人の資産は、次の各号に掲げるものをもって構成する。
- 会費
- 寄附金及び助成金
- 事業に伴う収入
- その他の収入
(会計年度)
第17条 本法人の会計年度は、毎年〇月1日に始まり翌年〇月31日に終わる。
(剰余金の分配禁止)
第18条 本法人は、いかなる場合も社員に対して剰余金の分配を行わない。
(残余財産の帰属)
第19条 本法人の解散時における残余財産は、社員総会の議決を経て、公益性の高い法人または地方公共団体に寄附するものとする。
第6章 附則
(設立時社員)
第20条 本法人の設立時社員は、次のとおりとする。
⒈
⒉
(設立時役員)
第21条 本法人の設立時代表理事および理事は、次のとおりとする。
- 代表理事
- 理事
(施行期日)
第22条 本定款は、本法人設立の日から施行する。
備考
- 定款は、登記時に「公証役場で認証」
- 代表理事印(法人実印)を作成
- 設立後、「登記簿謄本」と「印鑑証明書」を取得し、銀行口座開設・税務届出
※設立時社員は、当法人の目的を達成するため、それに必要な経費を支払う義務を負う。
運営合意書(倫理・理念共有書)仮」
一般社団法人メンタルケア研究室 理事・社員向け 運営合意書(倫理・理念共有書:雛形)
第1条(目的)
本合意書は、一般社団法人メンタルケア研究室(以下「本法人」という。)の理事および社員が、本法人の理念・使命・運営方針を共有し、信頼と尊重に基づいた協働を継続するために定めるものである。
本書は定款の補足として機能し、法人の根幹となる価値観・倫理・姿勢を明確にすることを目的とする。
第2条(理念)
- 私たちは、人が安心して自分の心を語れる社会を実現することを使命とする。
- 心理カウンセリング・心理教育を通じて、苦しみ・孤立・偏見を減らし、尊厳ある関係を広げていく。
- 営利を目的とせず、得られた利益はすべて社会とクライエントへの還元に用いる。
- 法人の存在そのものが「心の支援文化」を未来へ継承することを目的とする。
第3条(基本姿勢)
- 理事および社員は、互いの人格と専門性を尊重し、対等な立場で意見を交わす。
- 常に「クライエントの利益」「社会的使命」「法人の信頼性」を最優先に判断する。
- 個人の価値観や利益よりも、法人の理念と公共性を優先する。
- 内部での意見対立があった場合も、誠実な対話を通じて合意形成を図る。
第4条(守秘義務)
- 理事および社員は、法人の業務上知り得た個人情報・相談内容・内部情報を厳重に守秘する。
- 法人外への情報開示は、代表理事の承認を経てのみ行う。
- 退任後も同様の守秘義務を負うものとする。
第5条(倫理・行動指針)
- クライエントを傷つける言動・差別的対応・宗教・政治・金銭的勧誘を一切行わない。
- カウンセリング活動においては、科学的根拠と倫理的配慮を重視する。
- 理事・社員は自らの心理的健康を保ち、専門職としての自己研鑽を継続する。
- 法人名を使用して個人的な利益活動を行ってはならない。
- 万一、倫理的問題・不正・苦情が生じた場合は、速やかに代表理事へ報告し協議する。
第6条(意思決定)
- 法人運営に関する重要事項は、理事会の協議と社員総会の承認をもって決定する。
- 少数意見も尊重し、理念に基づく合意形成を原則とする。
- 代表理事は、理事会の合意なく重大な契約・決定を行わない。
第7条(役職と責任)
- 代表理事は法人の代表としての責任を果たし、透明で公正な運営を行う。
- 理事は各自の専門性を活かし、法人事業の遂行を支援する。
- 社員は法人の理念に賛同し、活動を支える一員として協働する。
第8条(利益相反の禁止)
- 理事・社員は、法人の利益と自己の利益が相反する行為をしてはならない。
- 不可避な場合は、事前に理事会に報告し、承認を得る。
第9条(透明性)
- 法人の財務・会計・活動報告は、すべての理事・社員に公開される。
- 外部への広報・報告においては、事実・誠実・敬意を重んじる。
第10条(継承と学び)
- 理事・社員は、法人の理念・方法・ノウハウを共有し、次世代へ継承する責任を負う。
- 新たに加わる理事・社員には、本合意書の内容を説明し、理解と署名を求める。
- 定期的に理念確認ミーティングを開催し、初心を共有する。
第11条(退任・除名)
- 理事・社員が理念に反する行為を行った場合、理事会は協議の上、退任・除名を決議できる。
- その際も、人格を尊重し、対話と説明責任を尽くす。
第12条(改訂)
本合意書の内容を変更する場合は、理事会の全会一致をもって行う。
第13条(署名)
本書は、理事・社員全員が理念を共有し、誠実に協働することを約束して署名する。
署名欄
| 氏名 | 役職 | 署名・押印 | 日付 |
| 代表理事 | (印) | 令和〇年〇月〇日 | |
| 理事 | (印) | 〃 | |
| 社員 | (印) | 〃 | |
| 社員 | (印) | 〃 |
契約カウンセラー用 守秘義務・業務委託契約書(仮)
一般社団法人メンタルケア研究室契約カウンセラー用 守秘義務・業務委託契約書(雛形)
第1条(契約の目的)
本契約は、一般社団法人メンタルケア研究室(以下「甲」という。)が実施する心理カウンセリング事業において、カウンセリング業務を行うカウンセラー(以下「乙」という。)との間で、業務の内容および守秘義務その他の事項を定め、相互の信頼と責任のもとで誠実に業務を遂行することを目的とする。
第2条(業務の内容)
- 乙は、甲の委託を受け、次の業務を誠実に行うものとする。
(1)初回3時間無料カウンセリングの実施
(2)継続クライエントへの有料カウンセリングの実施
(3)カウンセリング記録の作成および報告
(4)心理教育・講座・ワークシート等の提供補助
(5)その他、甲が必要と認める付随業務 - 乙は、甲の理念・方針に沿った形でカウンセリングを行うものとし、
独自の判断で甲の信用を損なう行為をしてはならない。
第3条(業務の独立性)
- 乙は、甲から業務を委託されるものであり、甲の雇用者ではない。
- 乙は、自己の裁量と責任において業務を遂行し、甲の指揮命令には従わないものとする。
- 本契約は労働契約法上の雇用関係を生じさせない。
第4条(契約期間)
- 契約期間は、令和〇年〇月〇日から令和〇年〇月〇日までの1年間とする。
- 期間満了の1ヶ月前までに双方からの解約通知がない場合、同一条件で自動更新されるものとする。
第5条(報酬および支払方法)
- 乙への報酬は、甲が定める規程に基づき、業務の実績に応じて支払う。
- 支払は、翌月末日までに乙指定の口座に振込により行う。
- 振込手数料は甲の負担とする。
- 報酬には源泉所得税を含むものとし、税務上の申告は乙が行う。
第6条(守秘義務)
- 乙は、業務上知り得たクライエントおよび関係者の個人情報、相談内容、記録、甲の内部情報について、
いかなる場合も第三者に漏洩してはならない。 - 乙は、業務終了後または契約終了後も同様の守秘義務を負う。
- 乙は、クライエントに関する記録・資料等を自己の裁量で持ち出し、または複製・保存してはならない。
- 乙が守秘義務に違反した場合、甲は損害賠償を請求できるものとする。
第7条(個人情報保護)
- 乙は、「個人情報保護法」および甲の個人情報管理規程に従って情報を取り扱う。
- 紙媒体・電子媒体を問わず、情報の紛失・漏洩・破損を防止するよう適切に管理する。
- 乙が使用する端末・メール等にはパスワード等を設定し、セキュリティを保持する。
第8条(倫理・禁止事項)
乙は以下の行為を行ってはならない。
- クライエントへの宗教・政治活動・商品販売・個人的勧誘
- カウンセリングを超えた私的関係の形成・金銭授受
- 法令・倫理規範に反する行為、またはクライエントに不利益を与える行為
- 甲の名称・資料を無断で使用し、独自に営利活動を行うこと
第9条(トラブル・事故の報告義務)
乙は、カウンセリング中またはその後にクライエントとの間でトラブル、事故、心理的危機等が発生した場合、
速やかに甲に報告し、指示を仰がなければならない。
第10条(契約解除)
甲は、乙が次の各号に該当する場合、本契約を即時解除できるものとする。
- 守秘義務または倫理規範に違反したとき
- クライエントから重大な苦情があり、信頼関係を損なったとき
- 法人の名誉を著しく毀損したとき
- 正当な理由なく業務を放棄・怠慢したとき
第11条(損害賠償)
乙が故意または重大な過失により甲またはクライエントに損害を与えた場合、乙はその損害を賠償する責任を負う。
第12条(契約終了後の取り扱い)
契約終了後、乙は保有しているすべての業務関連資料・データ・書類を速やかに甲へ返還し、個人で保持してはならない。
第13条(契約の変更・解釈)
- 本契約の内容変更は、甲乙双方の書面による合意によって行う。
- 本契約に定めのない事項または疑義が生じた場合は、甲乙誠実に協議し、信義に基づいて解決する。
第14条(管轄裁判所)
本契約に関して訴訟の必要が生じた場合は、甲の所在地を管轄する地方裁判所を専属管轄とする。
署名欄
| 当事者 | 氏名・役職 | 署名・押印 | 日付 |
| 甲(委託者) | 一般社団法人メンタルケア研究室 代表理事 | (印) | 令和〇年〇月〇日 |
| 乙(受託者) | 契約カウンセラー | (印) | 令和〇年〇月〇日 |
寄附金・支援金管理規程(仮)
一般社団法人メンタルケア研究室
寄附金・支援金管理規程(雛形)
第1条(目的)
本規程は、一般社団法人メンタルケア研究室(以下「本法人」という。)に寄せられる寄附金及び支援金の受入れ、管理及び使用に関する基本的事項を定め、寄附者・支援者・社会に対して透明性の高い運営を行うことを目的とする。
第2条(寄附金・支援金の定義)
- 「寄附金」とは、法人の目的・活動に賛同し、対価を求めずに提供される金銭または物品をいう。
- 「支援金」とは、特定の事業・キャンペーン・基金等を目的として寄せられる金銭をいう。
- 「助成金」「補助金」「クラウドファンディングによる資金」も、本規程の定めに準じて管理する。
第3条(受入れの原則)
- 寄附金・支援金は、本法人の目的及び活動趣旨に賛同する者からのみ受け入れる。
- 次のいずれかに該当する場合は受入れを拒否することができる。
(1)法人の理念に反する団体または個人からの提供
(2)政治的・宗教的目的を有するもの
(3)特定の見返りや影響力行使を意図したもの
(4)資金源が不明確で社会的信用を損なうおそれのあるもの
第4条(寄附の受付および記録)
- 代表理事は、寄附金・支援金を受け入れる際に、寄附者の氏名(法人名)、金額、日付、使途区分を記録する。
- 1万円以上の寄附については、受領書(領収書)を発行する。
- 現金による寄附は原則として受け付けず、銀行振込またはクラウドファンディング決済によるものとする。
- 受領した寄附金・支援金は、速やかに法人の指定口座に入金する。
第5条(寄附金の区分)
寄附金・支援金は、次の区分で管理する。
- 一般寄附金:法人全体の運営及び活動に充当する。
- 特定寄附金:特定の目的(例:無料カウンセリング基金・研究費・被災者支援など)に限定して使用する。
- 物品寄附:書籍・備品・機器等は、受入時に資産登録簿へ記録する。
第6条(管理及び会計処理)
- 寄附金・支援金は、法人の会計帳簿上、他の事業収入と明確に区分して記録・管理する。
- 寄附金・支援金の管理は、代表理事の指揮のもと、会計担当理事が責任を持って行う。
- 年度末には、寄附金・支援金の収支状況をまとめ、会計監査を受けた上で社員総会に報告する。
- 必要に応じて、寄附者に対して報告書または活動成果を提供する。
第7条(使用の原則)
- 寄附金・支援金は、本法人の目的達成に必要な事業経費、施設維持費、人件費、資料作成費、広報費などに使用できる。
- 特定寄附金は、寄附時に示された目的以外には使用してはならない。
- 使用にあたっては「社会的使命」「寄附者の意図」「公益性」を尊重する。
第8条(基金の設置)
- 無料カウンセリング継続のため、寄附金・支援金の一部を「無料カウンセリング基金」として積立てることができる。
- 基金の運用および使用は、理事会の決議を経て行う。
第9条(情報公開)
- 本法人は、毎年度終了後に寄附金・支援金の収支報告を作成し、ホームページ等で公開する。
- 寄附者の匿名希望を尊重するが、社会的透明性の確保のため、匿名寄附は総額として公表する。
第10条(返還)
- 一度受け入れた寄附金・支援金は、原則として返還しない。
- ただし、寄附目的が達成不能になった場合など、特別な事情があるときは理事会の決議を経て返還することができる。
第11条(会計監査)
寄附金・支援金の管理及び使用状況は、毎事業年度に監事が監査を行い、その結果を社員総会に報告する。
第12条(改訂)
本規程の改訂は、理事会の議決をもって行う。
付則
- 本規程は、法人設立の日より施行する。
- 本規程の管理責任者は、代表理事とする。
実務運用について
| 観点 | 実務上の工夫 |
| 寄附の信頼性確保 | 「寄附・支援金の使途報告」を年1回HPで公開(概要で可) |
| 税務リスク回避 | 「収益事業」扱いを避けるため、寄附と事業収益を帳簿上区分 |
| 匿名寄附の扱い | 「匿名希望(公開不可)」欄をフォームに設け、内部記録のみ保管 |
| クラウドファンディング時 | 使途・期間・報告方法を事前明示。プロジェクト終了後は報告書をWeb掲載 |
一般社団法人運営での重要事項と注意点
【1】構成メンバーの人選と「信頼関係リスク」
リスク
- 設立時社員(理事・発起人)が将来的に理念から離れる、または方向性に意見の相違が出る。
- 役員の交代・退任手続きが滞り、法人が機能不全に陥る。
予防策
- 「理念共有書」または「運営合意書」を定款とは別に作成。
→ 「この法人は営利を目的としない」「無料カウンセリングの継続を使命とする」等、行動原則を明文化。 - 発起人は人格・姿勢・倫理観を最優先で選定(資格や経歴よりも信頼重視)。
- 将来のトラブルに備え、「理事会・社員総会の決議ルール」を定款で明確化(過半数ではなく3分の2以上など)。
【2】「非営利型」維持のルールと税務上の落とし穴
リスク
- 知らないうちに「収益事業」とみなされ、法人税が課税される。
- 利益が出た際の使途が曖昧で、非営利型認定を外される可能性。
予防策
- 活動の中心が「社会的目的」であることを明示。
- カウンセリング収益も「事業継続・支援活動への再投資」であることを明文化。
- 会計帳簿を法人用(複式簿記)で記録・保存。
- 毎年、税務署に「非営利型法人に該当する旨の申告」を提出。
- 税理士に「非営利型一般社団法人としての収益構成」で確認してもらう。
【3】ガバナンス(意思決定構造)の明確化
リスク
- 「代表理事の独断」または「理事会の空文化」により内部統制が崩れる。
- 意見の相違が対立化し、解任・除名をめぐるトラブルへ発展。
予防策
- 重要事項(定款変更・大口契約・事務所移転など)は「理事会+社員総会の二段階決議」に設定。
- 理事会議事録を必ず作成・保管。
- 代表理事の判断権限と理事会の承認範囲を明確に分ける。
【4】カウンセリング事業特有の「倫理・守秘・個人情報リスク」
リスク
- カウンセラー間で守秘義務意識の差がある。
- 契約カウンセラーが個人情報を持ち出す。
- 苦情・事故(クライエントの自死やトラブル)が起きた際の責任所在が不明確。
予防策
- 法人規約として「倫理綱領」「守秘義務規程」「個人情報保護規程」を制定。
- 契約カウンセラーと業務委託契約書+守秘誓約書を必ず交わす。
- 万一のために「専門職賠償責任保険(心理職向け)」に加入。
- トラブル発生時は法人代表が窓口となり、個人判断で対応しない仕組みを構築。
【5】事務所・拠点に関する法的・経営上の注意
リスク
- 住居併用で事業を行う場合、賃貸契約上の制限(「事業利用禁止」など)。
- カウンセリング室の防音・安全対策・消防法基準などの不足。
予防策
- 不動産契約は「法人登記・心理カウンセリング業可」と明記できる物件を選ぶ。
- 火災保険・損害保険の加入。
- 個人宅併用の場合、「事務所機能」と「居住空間」を明確に分離(契約・登記上も分ける)。
【6】ボランティア参加・無償協力に関するリスク
リスク
- 「善意による協力」が長期化し、疲弊や不満が生じる。
- 実質的に労働行為とみなされる可能性(無償労働問題)。
予防策
- 「ボランティア参加規約」または「業務委託契約書(謝礼あり)」を明確化。
- 活動報告書を毎回作成し、貢献を可視化・感謝を表明。
- 「理念に基づく参加であること」「報酬発生の範囲」を双方で確認しておく。
【7】クライエントからの寄附・支援金の扱い
リスク
- 寄附が「事業収益」とみなされ課税対象になるケース。
- 匿名寄附や多額寄附がトラブル化する可能性。
予防策
- 「寄附金受領規程」を定め、使途を明示(例:無料カウンセリング基金など)。
- 年1回の活動報告・会計報告書をホームページで公開(信頼性の可視化)。
【8】代表者個人への過度な依存
リスク
- 「代表理事=事業そのもの」となり、継承困難になる。
- 病気・引退などで法人が機能停止する。
予防策
- 「副代表理事」や「運営委員会」を設置し、運営ノウハウを共有。
- すべての資料・マニュアル・契約・ワークシートを法人名義で保存。
- 定期的に「後継者育成・理念共有会」を開催。
まとめ ― 安心して続けるための3つの指針
| 指針 | 意味 |
| 透明性 | 収支・意思決定・活動内容をすべて開示すること。 |
| 理念共有 | 言葉でなく「文書」で共有すること。 |
| 法的整備 | 契約書・規程・会計帳簿を必ず整えること。 |
社団法人の社員とは
一般社団法人の「社員」とは、構成員であり社員総会で議決権を持つ人です。これは一般的な株式会社などの会社員や団体などの従業員や職員とは異なり、法人の方向性を決める最高意思決定機関である社員総会で、重要な事項を決定する役割を担います。例えば、株式会社でいう「株主」に似た立場に近いところがありますので、社団法人のオーナー的立場とも言えます。社員には、法人への参加や運営に関する権利(議決権など)と義務(会費の支払いなど)があります。
社団法人の社員と職員・従業員との違い
- 社員:法人の構成員で、社員総会で議決権を持つ。法人の運営に参画する権利がある。
- 職員・従業員:法人で働くスタッフであり、雇用契約を結んで日常業務を担当する。
社員の特徴
- 任期がない(理事は2年、監事は4年)
- 設立時は2名以上必要だが設立後は1名でも可能
- 理事や監事になることもできる
社員の権利
- 議決権:社員総会の開催時に、法人の重要事項(定款変更、役員選解任など)について議決する権利。
- 招集請求権:社員総会の招集を請求する権利。
- 議題提案権:社員総会の議題や議案を提出する権利。
- 閲覧請求権:定款、社員名簿、議事録、会計帳簿などを閲覧する権利。
- 役員責任追及権:理事や監事が不正を行った場合に、責任を追及したり、解任を請求したりする権利。
- 自益権・共益権:剰余金配当請求権などの自益権(ただし非営利法人では制限あり)と、社員総会での議決権などの共益権に大別される。
社員の義務
- 会費の支払い:法令により、社員は定款で定められた会費を支払う義務を負う。
- 経費の支払い:社員個々が法人の経費を直接支払う義務はない。
一般社団法人設立のステップ(協力者と一緒に検討・整理)
目的・活動内容を明文化
- 法人の目的を明確に記載(定款の冒頭に必須)
例:「心理カウンセリング・心の支援を通じた社会的孤立の緩和および心の健康の促進」 - 活動内容を列挙(例:カウンセリング・研修・講座・広報活動・出版など)
法人の性格を決定
- 非営利型(営利目的ではない)
- 社員(構成員)2名以上が必要(理事・代表理事は社員の中から選出)
| 区分 | 人数要件 | 主な役割 |
| 社員(発起人) | 2名以上 | 法人の構成員。議決権を持つ。 |
| 理事 | 5名以上 | 実際の運営責任者(代表理事を含む) |
| 監事(任意) | 1名 | 会計や運営の監査を行う(信頼性向上) |
社員=理事であっても構いません。信頼できる協力者(例:心理士仲間、事務職の方など)で構成可能。
定款に必ず記載する項目
- 名称(例:一般社団法人 メンタルケア研究室)
- 目的(活動の理念)
- 主たる事務所の所在地(カウンセリングルームでも可)
- 社員資格・入退会に関する規定
- 役員構成(理事・監事など)
- 事業年度(通常は4月〜翌年3月)
- 公告の方法(官報掲載またはWeb)
定款認証
- 公証役場で「定款認証」を受ける必要があります。
(公証人手数料:約5万円+印紙代4万円=約9万円) - オンライン登記を利用すれば印紙代4万円が免除。
- 一般社団法人は資本金制度がありません。
- 初期運転資金は「会費」や「寄附」「預り金」で賄います。
- 先生のように非営利を掲げる場合、定款に「剰余金の分配を行わない」旨を記載します。
提出先
- 本店所在地を管轄する法務局
必要書類
- 登記申請書
- 定款(公証役場認証済)
- 設立時理事・代表理事・社員の就任承諾書
- 印鑑届出書
- 登録免許税(6万円)
提出後、通常1〜2週間で登記完了となり、法人格が正式に発生。
| 内容 | 備考 |
| 銀行口座開設 | 法人名義の通帳を作成(登記簿謄本+印鑑証明が必要) |
| 税務署・都道府県への届出 | 設立届出書・非営利申告などを提出 |
| 社会保険加入(必要に応じて) | 常勤者がいれば要検討 |
| 会計処理・決算 | 非営利でも会計帳簿は必須(収支報告など) |
- 条件を満たせば、法人税の軽減・寄附金控除が可能になります。
- そのためには、
① 理事の過半数が親族関係でないこと
② 残余財産を公共目的に帰属させること
③ 剰余金の分配を行わないこと
…などの要件を満たす必要があります。
- 継続費用の主な内訳:
- 事務所家賃・光熱費
- 登記簿謄本・印鑑証明などの発行手数料
- 会計ソフト・税理士費用
- 資金源:
- 有料カウンセリング(2回目以降)
- カウンセラー契約料(月会費)
- 寄付・クラウドファンディング
- 「精神付添人」の資格検定
- 講座・研修・出版
| 項目 | 概算費用 |
| 定款認証費用 | 約5〜9万円 |
| 登録免許税 | 6万円 |
| 設立代行報酬(行政書士などに依頼する場合) | 約5〜10万円 |
| 合計 | 約15〜25万円(自力設立なら半額程度) |
設立時社員に「法人」を加えることは可能か
1.設立時社員に「法人」を加えることは可能か
一般社団法人の社員(発起人)は個人でも法人でも構いません。
(一般社団法人及び一般財団法人法 第2条・第57条参照)
「法人社員」を含める意義
- 対外的な信用度が上がる(実績のある団体が名を連ねると、社会的信頼性が高まる)
- 活動協力・場所提供・資金支援など、実務的な連携がしやすい
- 複数法人が参加すると、将来の連携・共催事業に発展しやすい
2.法人社員の選定方針
最も望ましいタイプ
- 理念・活動目的が共鳴する法人
- 例:心理支援・教育・福祉・地域活動・医療・ボランティア・社会的包摂など
- 営利法人であっても社会的使命を共有している会社
- 例:教育関連企業、医療系会社、メンタルヘルス関連事業者など
- 人的ネットワークを提供できる法人
- 例:大学・研究機関・NPO・地域コミュニティ団体など
避けた方がよいタイプ
- 明らかに営利目的で「影響力確保」を狙う法人
- 政治的・宗教的活動を行う団体
- 社団法人の理念や価値観と方向性が異なる事業者
- 金銭的出資・見返りを前提に参加したい法人
3.法人が社員になる場合の注意点
| 観点 | 内容 |
| 代表者名の記載 | 法人が社員になる場合、定款・登記・社員名簿には「法人名+代表者職氏名」を記載します。 |
| 議決権 | 法人も個人社員と同等の1票を持ちます。代表者が出席し議決します。 |
| 印鑑 | 契約・議事録署名時は法人印を使用します。 |
| 法人変更時 | 法人の代表者変更や登記移転があった場合、社員名簿を更新する必要があります。 |
| 社員資格喪失 | 法人が解散・破産・合併により消滅した場合、自動的に社員資格を失います。 |
実務上
法人社員を入れる場合は、定款に次のような文言を追記します。
「社員は、個人または法人とし、法人の場合は代表者を通じて権利義務を行使する。」
4.所在地の共有(法人所有・使用許可の一室を主たる事務所にできるか
可能となる条件
- 所在地使用の許可を正式に受けていること
- 使用許諾書(覚書)を交わすことが望ましい。
(例:「株式会社〇〇は、一般社団法人〇〇に対し、当社所在地の一部を事務所として無償使用を許可する。」)
- 使用許諾書(覚書)を交わすことが望ましい。
- 実際に業務実態があること
- 机・電話・書類保管スペースがある、郵便物が届く、など。
- 登記簿上の所在地記載に法人の許可があること
- 公証役場・法務局の確認でトラブルを防げます。
注意点
- 建物登記や賃貸契約上、「転貸禁止」「事業利用禁止」の規定がないか要確認。
- 同一住所に複数法人登記がある場合、部屋番号・区画名を明示して区別します。
例:「東京都〇〇区〇〇町1丁目2番3号 〇〇ビル3階A室」 - 使用許諾書があれば、法人登記・銀行口座開設ともに問題なし。
5.まとめ
| 目的 | 実務判断 |
| 「同理念の法人が関わる」 | 非常に好ましい(信頼性・社会的意義UP) |
| 「異業種だが協力関係がある」 | △ 可だが、理念共有を文書で明確化(運営合意書に追記) |
| 「法人の事務所を借用したい」 | 使用許諾書を作成し、登記に使用可 |
| 「法人が代表理事を兼ねる」 | 法人は理事にはなれない(社員のみ可、理事は自然人に限る) |
法人社員登録承諾書(法人側同意書)
一般社団法人設立時社員としての参加に関する承諾書
【宛先】
一般社団法人メンタルケア研究室(設立準備中)
代表理事予定者 殿
第1条(承諾の趣旨)
当法人(以下「甲」という。)は、一般社団法人メンタルケア研究室(以下「乙」という。)の設立に際し、乙の設立時社員(発起人)として参画し、乙の定款に基づく社員としての権利義務を有することを承諾する。
第2条(法人情報)
甲の概要は次のとおりとする。
| 項目 | 内容 |
| 法人名 | 株式会社(又は法人名)〇〇〇〇 |
| 所在地 | 〒○○○−○○○○ 東京都○○区○○町○丁目○番地 |
| 代表者名 | 代表取締役 〇〇〇〇 |
| 設立年月日 | 令和〇年〇月〇日 |
| 事業内容 | 例:心理教育・人材育成・地域福祉活動 等 |
| 代表電話 | 〇〇−〇〇〇〇−〇〇〇〇 |
第3条(法人社員としての参加目的)
- 甲は、乙の目的である「心理カウンセリング及び心の支援を通じた社会的孤立の緩和と心の健康の促進」に賛同し、社会的使命の実現に協働する。
- 甲は、営利目的でなく、社会貢献・教育・連携を主眼として乙の活動に参加する。
- 甲は、乙の理念および定款に定める運営方針を尊重する。
第4条(権利義務の確認)
- 甲は、乙の社員として社員総会における議決権(1票)を有する。
- 甲は、定款に定める会費を納入し、乙の活動報告を受ける権利を持つ。
- 甲は、乙の活動を妨げる行為や理念に反する行為を行わない。
第5条(代表権の行使)
- 甲は、社員としての議決権等を行使する際、代表者またはその委任を受けた代理人を通じて行う。
- 代理人を指定する場合、別途「社員代理人届」を乙に提出する。
第6条(情報の取扱い)
- 甲は、乙の会議・資料等で知り得た情報を守秘し、第三者に漏洩しない。
- 乙は、甲の情報を本契約目的以外に使用しない。
第7条(退会・資格喪失)
- 甲は、乙の定款に基づき、所定の手続きにより退会できる。
- 甲が解散・破産・合併等により法人格を失った場合、社員資格を喪失する。
第8条(有効期間)
本承諾書は、乙の設立登記完了日より効力を生じ、
甲が社員資格を保持する期間中有効とする。
第9条(その他)
- 本承諾書に定めのない事項は、乙の定款及び理事会の決議に従う。
- 本承諾書は、乙の設立登記書類の添付資料として使用できるものとする。
以上のとおり、当法人は乙の設立時社員としての参加を正式に承諾し、署名・押印する。
令和〇年〇月〇日
【甲(承諾法人)】
法人名:株式会社〇〇〇〇
所在地:〒○○○−○○○○ 東京都○○区○○町○丁目○番地
代表者職氏名:代表取締役 〇〇〇〇 (印)
【乙(受入法人・設立側)】
法人名:一般社団法人メンタルケア研究室(設立準備中)
所在地:〒○○○−○○○○ 東京都○○区○○町○丁目○番地
代表者職氏名:代表理事予定者 (印)
実務運用のポイント
| 項目 | 説明 |
| 使用目的 | 登記用の添付資料ではなく、「法人社員の同意・理念共有の証明」として保管 |
| 印鑑 | 双方とも法人印(丸印または角印)を使用。代表者個人印は不要 |
| 添付書類 | 可能であれば「法人登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」の写しを添付して信頼性を補強 |
| 保存方法 | 原本を社団法人側が保管、コピーを法人社員側が保管 |
| 署名時期 | 定款作成前〜公証役場提出前のタイミングが最適 |
補足:
法人社員は登記簿に「個人名」は記載されませんが、法務局審査で「誰が代表しているか」を示せるように、この「承諾書+登記簿写し」をセットで保管しておくと完璧です。
法人の協力による所在地使用が可能な場合の許諾書
一般社団法人設立登記用
(本社事務所所在地に関する使用承諾)
【宛先】
一般社団法人メンタルケア研究室(設立準備中)
代表理事予定者 殿
第1条(使用許諾の趣旨)
当法人(以下「甲」という。)は、甲が所有または賃借している事務所の一部を、貴法人(以下「乙」という。)が一般社団法人の設立にあたり主たる事務所所在地として使用することを承諾します。
第2条(所在地)
使用を許諾する所在地は以下のとおりとします。
〒○○○−○○○○
東京都○○区○○町○丁目○番地 ○○ビル○階○号室
(※登記予定住所を正確に記載)
第3条(使用目的)
乙は上記所在地を、一般社団法人メンタルケア研究室の「主たる事務所」として登記し、法人活動の拠点として使用することができる。
第4条(使用条件)
- 使用開始日は令和〇年〇月〇日とし、当面の間、乙の法人活動が継続する限り使用を許諾する。
- 乙は本所在地を専ら事務所として使用し、居住・販売・倉庫等の用途に使用しないものとする。
- 乙は、甲の建物の構造・設備・近隣に損害を与えないように使用しなければならない。
第5条(使用料)
本使用に関して、甲は乙からの使用料を徴収しない(無償使用)。
ただし、光熱費その他の実費負担については別途協議のうえ定めることができる。
第6条(期間及び解約)
- 使用許諾の期間は、当面の間、乙の法人活動が継続する限りとする。
- 甲または乙のいずれかが当該建物を使用できなくなった場合、または移転する場合、相互に誠実に協議のうえ使用を終了するものとする。
第7条(再許諾の禁止)
乙は、甲の承諾なく第三者に対して当該事務所を転貸または再使用許諾してはならない。
第8条(その他)
- 本書に定めのない事項または疑義が生じた場合は、甲乙誠実に協議し、円満に解決を図るものとする。
- 本書は、乙の一般社団法人設立登記申請に添付可能な書面として効力を有する。
以上の内容を相互に確認のうえ、本書2通を作成し、甲乙記名押印のうえ、各自1通を保有する。
令和〇年〇月〇日
【甲(所在地所有者/貸主)】
法人名:株式会社〇〇〇〇
所在地:〒○○○−○○○○ 東京都○○区○○町○丁目○番地
代表者:代表取締役 〇〇〇〇 (印)
【乙(使用者/社団法人側)】
法人名:一般社団法人メンタルケア研究室(設立準備中)
所在地:上記同所
代表者:代表理事予定者 (印)
実務運用のポイント
| 項目 | 説明 |
| 添付先 | 公証役場・法務局に定款認証または登記申請時に添付可(写しでも可) |
| 原本管理 | 1通を法人側で保管、1通を所在地提供法人で保管 |
| 形式 | A4 1枚、双方押印。法人印(角印・丸印いずれでも可) |
| 内容変更 | 住所移転時には「変更届」または再発行が必要 |
| 法務局確認 | 使用許諾書の形式に制限はないが、無償/有償の明記と双方の署名押印が必須 |
補足:
許諾書と一緒に「写真1枚(建物外観+表札)」または「所在地表示の名刺」を添付しておくと、登記時に審査がスムーズになります。
