発達症に併発する常同運動症は無意味な行動の反復を繰り返し、重度では自傷の危険性もあります。また、言葉の常同言語症や情動姿勢症の特性も反復です。
常同運動症(SMD)の概念
無目的な同じ運動や行動を繰り返す状態です。これが言葉の反復であれば常同言語症で同じ姿勢の反復であれば常同姿勢症となります。幼児期の常同行動は珍しいものではなく、「不満や不快感の欲求を訴えている」「不安や刺激の遮断などで精神的な安定を求めている」「興味や刺激を求めている」などの理由で常同行動を起こしていることがあります。ただし通常は、成長していくにつれ行動が少なくなっていきます。
常同運動症の軽度や中等度では、うなずく、頭を振る、口の開閉、歯ぎしり、掌の開閉、手を揉む、指の曲げ伸ばし、腕を振る、腕の上げ下げ、身体を叩く、爪を噛む、指をしゃぶる、足を揺する、身体をうねらす、立つ座る、うろうろする、身体の回転、ドアの開閉などをします。特に重度な運動や行動の常同運動症の場合には、頭を打ち付けたり、身体や唇や手を嚙むなどで自傷につながったり、指で目を突いてしまい失明の恐れもあります。
常同行動は人により特性があり、パターンが様々で複数の組み合わせまであります。また、時間の間隔も数秒から数十分、一日に数回起きるものから月に何度かなど様々ですが、欲求や刺激、不安などが影響していることもあり、特に発達症の発達性協調運動症、注意欠如・多動症、チック症、学習症の人に多いとされています。
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常同障害(運動症・言語症・姿勢症)の特徴
発達症(特に自閉スペクトラム症など)に併発しやすい常同障害は、「常同的(stereotyped)」な行動の反復という特徴を持ちます。これらの行動は、「自己刺激行動(self-stimulatory behavior / stimming)」と呼ばれ、不安の軽減、感覚調整、自己統制の手段であることが多くなります。完全な排除よりも、安全性の確保と適応的代替行動への誘導が望まれます。常同運動症、常同言語症、常同姿勢症のそれぞれについて臨床的な特徴を解説します。
常同運動症(Stereotypic Movement Disorder)
■ 定義
意図や目的のない、反復的でリズミカルな身体運動を持続的に行う状態。
■ 主な症状
- 手をひらひらさせる(hand-flapping)
- 体を前後に揺らす(rocking)
- 頭を打ち付ける(head banging)
- 指をねじる、手を繰り返したたく
- 自傷的行動(例:かみつき、皮膚を引っかく)
■ 臨床上の留意点
- 通常、3歳以前に出現
- 緊張や刺激過多、興奮時に強まる傾向
- 自閉スペクトラム症、知的発達症に併発しやすい
- 安全面での配慮や、自傷の有無の評価が必要
常同言語症(Stereotypic Speech / Palilalia / Echolalia)
■ 定義
同じ語句・文を反復的に発話する行動。言語的に無意味または文脈にそぐわないことが多い。
■ 主な症状
- エコラリア(反響言語):他者の言葉をそのまま繰り返す
例:「お名前は?」→「お名前は?」とオウム返し - パリラリア(自己反復言語):自分の発した言葉を何度も繰り返す
例:「行くよ、行くよ、行くよ……」 - 固定されたフレーズを文脈に関係なく使う(例:「電車来るかな?」を頻繁に使う)
■ 臨床上の留意点
- ASDに典型的で、対人コミュニケーションの困難と関連
- 単なる言葉の反復でなく、緊張緩和や自己刺激の手段となっていることがある
- 音韻や語調の面白さに惹かれて繰り返すことも
常同姿勢症(Stereotypic Posturing)
■ 定義
特定の姿勢を持続的に保つ、または奇妙な姿勢を繰り返しとる行動。
■ 主な症状
- 手足を特定の位置に固定する
- 不自然な体勢を長時間とる
- 指先を特定の形にして保持する
- 身体の一部を非対称に動かしたまま止まる
■ 臨床上の留意点
- 多くの場合、感覚刺激(固有感覚・視覚・触覚)へのこだわりが関係
- 他者には意味不明でも、本人にとっては安心や快感を得る行為
- カタレプシーや緊張病(カタトニア)との鑑別が必要なこともある
常同障害の「病因」:原因の理解
- 神経発達の異常
- 自閉スペクトラム症(ASD)、知的発達症(ID)、注意欠如・多動症(ADHD)など、神経発達症群における脳の成熟や接続異常が関与。
- 特に、前頭前野(行動制御・抑制)や線条体(習慣・運動の制御)の機能異常が示唆されている。
- ドーパミン系の異常
- 常同運動や反復行動は、ドーパミンの過活動(特に線条体領域)と関連しているとされる。
- 薬理研究では、抗精神病薬(ドーパミン遮断)によって常同行動が軽減することから、神経伝達物質の関与が考えられる。
- 感覚処理の異常(Sensory Processing Dysfunction)
- 感覚過敏または感覚鈍麻があり、自己刺激的行動(stimming)として常同行動を使うことで感覚を「調整」している。
- 例:鈍感な触覚を補うために指先を刺激し続ける、聴覚過敏を鎮めるために反響言語を使うなど。
- 環境的要因と学習理論的側面
- 常同行動が注目を引いたり、不快な状況を回避する手段として機能していることもある。
- 強化されると、習慣的に持続するようになる(オペラント条件づけの枠組み)。
常同障害の「病態」:状態の理解
- 制御の難しさ(行動の自発性と抑制困難)
- 常同行動は意識的に制御できないことが多い。行動の発現において「抑制」が効きにくい脳の状態。
- 前頭前皮質の発達遅延や機能障害により、抑制・選択的注意の困難が生じている。
- 感情調整の手段
- 不安、緊張、興奮、退屈などの状態に対して、自己調整的に常同行動が起きる。
- 例:不安が高まったときに手をひらひらさせて落ち着く → 学習されて持続
- 動作・言語・姿勢それぞれの側面での現れ
- 常同運動症:筋緊張の異常、感覚入力に対する過反応/低反応
- 常同言語症:聴覚フィードバックへのこだわり、言語処理の異常経路
- 常同姿勢症:固有感覚や運動計画の異常、自己身体イメージの歪み
関連する脳領域(神経生物学的モデル)
機能 | 関連脳領域 | 病態への関連 |
---|---|---|
行動の抑制と選択 | 前頭前野(特に背外側前頭前野) | 衝動や反復行動の抑制困難 |
習慣・運動制御 | 大脳基底核(線条体・尾状核) | 常同運動の出現と持続 |
感覚処理 | 頭頂葉・感覚連合野・小脳 | 感覚過敏・鈍麻により行動が維持される |
感情調整 | 扁桃体・帯状回・島皮質 | 情動調整としての常同行動 |
病態の臨床的意義
常同行動は「問題行動」として捉える前に、本人の神経系の適応的な表出である可能性を考慮する必要があります。抑制・消去を目指すだけでなく、「行動の目的と機能(Function of Behavior)」をアセスメントし、安全で社会的に受け入れやすい代替行動を導入することが望ましいです。
常同障害(運動症・言語症・姿勢症)のチェックリストと観察項目
常同運動症・常同言語症・常同姿勢症のチェックリストおよび行動観察項目を提供します。
臨床場面でのアセスメントや保護者・支援者への聞き取りにも活用しています。
使い方のポイント
- 評価は「✓(あり)/×(なし)」だけでなく、「頻度」「状況」「持続時間」などを併せて記録すると臨床的価値が高まります。
【常同運動症】チェックリスト&行動観察項目
項目 | 評価(✓ or × / 回数・頻度) | 備考・例 |
---|---|---|
手をひらひらさせる動作が見られる | 喜びや興奮時などに頻出 | |
身体を前後または左右に揺らすことがある | 椅子に座っているときなど | |
頭を繰り返し打ちつける(頭突き、自傷) | 怒りや不快時に強まる | |
指をこすり合わせたり、ねじったりする | 手先のこだわりが強い | |
走り回る・くるくる回るなどの動作が多い | 空間認識や興奮調整に関連 | |
特定の物(紐、布、タイヤなど)を回し続ける | 感覚刺激を求めて行う場合あり | |
行動が自発的かつ目的をもたないように見える | 他者とのやりとりとは無関係に発現 |
【常同言語症】チェックリスト&行動観察項目
項目 | 評価(✓ or × / 回数・頻度) | 備考・例 |
---|---|---|
他人の発話をそのまま繰り返す(反響言語) | 「お名前は?」→「お名前は?」 | |
自分の発話を何度も繰り返す(自己反復) | 「バナナ、バナナ、バナナ……」 | |
特定のフレーズを日常的に使用し続ける | CM、アニメのセリフなど | |
会話の文脈に合わない語句を挿入する | 意味よりも音やリズムを楽しんでいる | |
他者とのやり取りを目的としない発語がある | 独り言的な使用が目立つ | |
単語や音の抑揚、リズムに固執する傾向 | 特定の語尾を引き延ばすなど | |
感情調整の場面で発語が頻発する | 不安・興奮時に多く見られる |
【常同姿勢症】チェックリスト&行動観察項目
項目 | 評価(✓ or × / 回数・頻度) | 備考・例 |
不自然な姿勢を長時間保つことがある | 片足立ちや腕を上げたままなど | |
指先や手を特定の形にして固定する | ピースサイン、輪を作るなど | |
動作の中で一瞬固まったように静止する | 動作の途中で止まることがある | |
他者が不快と感じるほど不自然な身体の角度を取る | 前屈しすぎ、首を傾けすぎなど | |
姿勢を変えることに抵抗がある(こだわる) | 動かすように促しても拒否する | |
感覚刺激(光、音、匂い)に反応して姿勢をとる | 見つめる・耳を塞ぐ際の身体反応 | |
姿勢保持が情緒状態に連動しているように見える | 緊張→体を硬直させる、安心→弛緩 |
常同障害(運動症・言語症・姿勢症)の治療
常同障害(常同運動症・常同言語症・常同姿勢症)に対する治療は、「完全に消すこと」ではなく、機能的な生活を可能にすることを目標とします。治療は多面的で、環境調整・行動療法・感覚統合・薬物療法などが組み合わされます。
基本方針:なぜ「治療」するのか?
- 本人の生活・学習・対人関係に支障がある
- 自傷行動など、安全のリスクがある
- 周囲からの誤解や排除を受けやすく、社会的孤立や二次障害(うつ・不安)につながる
治療方針の考え方
軽度〜中等度 | 重度または自傷・破壊的 |
● 環境調整 ● 行動療法 ● 感覚統合 | 左記+ ● 薬物療法 ● 医療的介入 |
◆ 目的
安心できる環境を作ることで、常同行動を予防・緩和する。
◆ 具体例
- 予測可能なスケジュール、視覚的サポート(タイムテーブル、絵カードなど)
- 感覚過敏のある子には照明・音・においを調整
- 興奮しやすい場面を避ける(例:騒がしいイベント)
◆ 目的
常同行動の機能(理由)を分析し、代替行動を教える。
◆ 介入方法
方法 | 説明 |
機能的行動評価(FBA) | 常同行動が「何のために出ているか」を分析(例:注目を引くため、不安を和らげるため) |
消去(Extinction) | 強化されないように、行動に対して反応しない・無視する(※慎重に) |
差し替え訓練(DRA) | 同じ目的を持つ適応的な代替行動を教える(例:ストレス時に深呼吸) |
強化法(Reinforcement) | 適切な行動がとれたときに褒めたり報酬を与える |
◆ 目的
常同行動が感覚刺激の調整手段である場合、より適切な方法で感覚を満たす支援を行う。
◆ 実施例(作業療法士などが担当)
- 揺れや圧迫などの「心地よい刺激」で落ち着ける環境を作る
- 手先を使った遊び(スライム、ビーズ遊び)で指先の常同行動を代替
- 音楽やリズム遊びで反響言語を自然な形に誘導
◆ 対象
自分の行動にある程度気づける児童・成人(ASD・ADHDを含む)
◆ アプローチ
- 常同行動に気づく練習(自己モニタリング)
- 行動を起こすトリガーを理解する(「不安になったときにやっている」など)
- ストレス対処スキル(コーピングスキル)の訓練
◆ 適応場面
- 重度の常同行動が学習・対人関係に著しい影響を及ぼしている場合
- 自傷・攻撃的行動が併発している場合
◆ 主な薬剤
薬剤 | 目的・効果 |
リスペリドン(Risperidone) | 常同行動・攻撃性の抑制(FDA承認) |
アリピプラゾール(Aripiprazole) | ASDに伴う刺激性・多動の軽減 |
SSRI(例:フルボキサミンなど) | 強迫的反復行動・不安への効果 |
ADHD薬(メチルフェニデート等) | 衝動性の制御、集中力改善による間接的効果 |
※副作用・依存性への配慮と、医師との綿密な相談が必要です。
- 保護者が行動の背景理解を深め、強化しない関わり方を学ぶことで、日常場面での対応力が向上します。
- 「叱らずに流す」「必要なときだけ構う」などの技法を家庭で活用可能。
常同障害 支援者向けワークシート
常同障害に対応する支援者向けワークシート(記入式)のフォーマットです。臨床現場、学校、家庭での支援計画の立案や共有に活用できます。
項目 | 内容記入 |
氏名 / イニシャル | |
年齢 / 学年 | |
診断名(ある場合) | |
評価・観察者 | |
記入日 |
行動タイプ | チェック | 具体的な行動例・状況 |
常同運動症 | □ | 例:手をひらひら、体を揺らす、回転するなど |
常同言語症 | □ | 例:反響言語、独り言、同じフレーズの繰り返し |
常同姿勢症 | □ | 例:不自然な姿勢を保つ、静止するなど |
その他 | □ |
観察項目 | 内容記入 |
いつ(When) | どの時間帯・状況で出やすいか |
どこで(Where) | 家、学校、療育、公共の場など |
だれと(Who) | 一人のとき、特定の人と一緒のときなど |
なにをしているとき(What) | 例:待っているとき、移動中、嫌な課題の前など |
どうやって(How) | 突発的?繰り返し?自発的? |
どれくらいの頻度(Frequency) | 回数、1日の中の時間割合など |
仮説 | 該当 | 備考・具体例 |
感覚刺激を求めている(自己刺激) | □ | 指を見つめる、音のリズムを繰り返す など |
不安・興奮を鎮める(情動調整) | □ | パニック前に出現、緊張時に強まる など |
注目を集めたい(対人操作) | □ | 親や先生の注意を引く行動として現れる |
避けたい状況から逃げるため | □ | 苦手な課題の前に現れる、回避の手段として |
習慣的な癖/無意識 | □ | 状況によらず常に同じ動作が出る |
対応方法 | 実施しているか | 効果の評価(◎◯△×) | コメント |
無視・反応しない | □ | ||
他の活動へ誘導(ディストラクション) | □ | ||
強化子を使って別行動を促す | □ | ||
感覚刺激の代替を与える(例:クッション、スライム) | □ | ||
スケジュールの予告や視覚支援 | □ | ||
医療的介入(服薬など) | □ |
- 代替行動(差し替え行動)案:
例)手を叩く → 手遊び歌/不安時の反響言語 → 呼吸法を教える - 発現前の予防策(環境調整):
例)スケジュールの予告、イヤーマフの携行 - 保護者・支援者の関わり方の統一ルール:
例)注目しない/安全を優先して制止/一定時間後に声かけ
常同運動症の診断基準:DSM-5とICD-11の診断基準
DSM-5の診断基準
- 反復し、駆り立てられるように見え、かつ外見上無目的な運動行動(例:手を震わせるまたは振って合図をする、身体を揺する、頭を打ち付ける、自分の身体を嚙む、自分の身体を叩く)
- この反復性の運動行動によって、社会的、学業的、または他の活動が阻害され、自傷を起こすこともある。
- 発症は発達期早期である。
- この反復性の運動行動は、物質や神経疾患の生理学的作用によるものではなく、他の神経発達症や精神疾患(例:抜毛症、強迫症)ではうまく説明されない。
現在の重症度を特定する
軽度 | 症状は、感覚的な刺激や気晴らしによって容易に抑制される。 |
中等度 | 症状は、明確な保護的手段や行動の修正を要する。 |
重度 | 重大な自傷を防ぐために、持続的な監視と保護手段が必要となる。 |
文献:「DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル」医学書院

ICD-11(国際疾病分類第11版)では、常同運動症(Stereotypeic Movement Disorder、略称SMD)は、神経発達障害の一種として分類されます。以下は、ICD-11におけるSMDの診断基準の詳細です。
ICD-11の診断基準
- 常同的な運動のパターンが現れること。
- その常同運動が、日常生活の様々な活動において不適切であるか、またはその活動を妨げること。
- その常同運動が、他の精神障害、神経学的な障害、薬物の使用、薬剤中毒、またはその他の物質の使用によるものではないこと。
- その常同運動が、少なくとも4週間以上継続していること。
ICD-11におけるSMDの診断基準では、常同的な運動のパターンが現れることが必要です。また、その常同運動が日常生活の様々な活動において不適切であるか、またはその活動を妨げることが必要です。診断にあたっては、他の精神障害、神経学的な障害、薬物の使用、薬剤中毒、またはその他の物質の使用によるものではないことを確認する必要があります。さらに、その常同運動が少なくとも4週間以上継続していることが必要です。
SMDは、通常、幼児期に発症し、自己刺激的な行動や繰り返し行動を示すことがあります。例えば、頭を振る、体を揺らす、指を吸うなどがあります。SMDの原因は不明であり、神経発達障害の一つと考えられています。治療法は確立されていませんが、行動療法や薬物療法が一部の患者に有効であるとされています。
常同運動障害の治療法
- 薬物療法
ドーパミンの量を調整する薬物療法が一般的に使用されます。ドパミン作動薬や抗精神病薬などが使用されることがあります。 - 行動療法
症状を引き起こすストレスや不安を減らすためのリラクゼーションやストレス管理技術、または深呼吸などの呼吸法が行われます。 - 物理療法
常同運動障害によって身体的な症状が生じた場合には、物理療法が行われることがあります。ストレッチング、マッサージ、温熱療法、電気療法などが使用されます。 - 心理療法
心理療法では症状を引き起こす原因を特定し、その原因に対する対処法を学びます。また、自己認識や自己肯定感の向上など、精神的な側面にも対応します。
治療法は、患者の症状や状況に合わせて個別に決定されます。
常同運動症( SMD)セルフチェックリスト
次の40問のセルフチェックリストを使用して、ご自身の常同運動症(SMD)の可能性を評価できます。各質問に対して「はい」または「いいえ」で答えてください。
このチェックリストは自己評価のためのものであり、正式な診断を行うものではありません。疑わしい場合は、専門の医療機関や心理カウンセラーに相談してください。
№ | 常同運動症( SMD)セルフチェックリスト |
---|---|
1. | 同じ動きを何度も繰り返すことがある。 |
2. | 頭を叩く、揺らす、または振るような動きをすることがある。 |
3. | 手を振る、指を鳴らすなどの動きを繰り返すことがある。 |
4. | 自分の髪を引っ張る、ねじる、または抜くことがある。 |
5. | 繰り返し足を揺らすことがある。 |
6. | 指を吸う、噛む、またはかむことがある。 |
7. | 鏡の前で同じ動きを繰り返すことがある。 |
8. | 特定の動きをすると安心感や満足感を感じる。 |
9. | 集中しているときや緊張しているときに繰り返し動作をすることがある。 |
10. | 他人に奇妙だと言われる動きを繰り返すことがある。 |
11. | 繰り返し動作を止めるのが難しいと感じることがある。 |
12. | 特定の環境や状況で繰り返し動作が増えることがある。 |
13. | 自分では気づかずに繰り返し動作をしていることがある。 |
14. | 繰り返し動作をしていると他人に指摘されることがある。 |
15. | 日常生活に支障をきたすことがある。 |
16. | 同じルーチンを繰り返すことがある。 |
17. | 繰り返し動作をしているときに集中力が低下することがある。 |
18. | 自分の行動が異常だと感じることがある。 |
19. | ストレスを感じると繰り返し動作が増えることがある。 |
20. | 退屈なときに繰り返し動作をすることがある。 |
21. | 特定の音や光景に反応して繰り返し動作をすることがある。 |
22. | 繰り返し動作が原因で他人とトラブルになることがある。 |
23. | 繰り返し動作を止めるために特別な対策を講じたことがある。 |
24. | 自分の繰り返し動作に対して恥ずかしいと感じることがある。 |
25. | 繰り返し動作をしているときにリラックスすることがある。 |
26. | 繰り返し動作が原因で職場や学校で問題が生じたことがある。 |
27. | 他人と話しているときに無意識に繰り返し動作をすることがある。 |
28. | 繰り返し動作をしていると他人に見られるのが嫌だと感じることがある。 |
29. | 繰り返し動作をすると自分自身を傷つけることがある。 |
30. | 同じ動きを長時間繰り返すことがある。 |
31. | 自分の繰り返し動作をコントロールできないと感じることがある。 |
32. | 繰り返し動作が日常生活の一部になっていると感じることがある。 |
33. | 繰り返し動作が原因で趣味や活動を中断することがある。 |
34. | 繰り返し動作をしているときに他人に迷惑をかけることがある。 |
35. | 繰り返し動作をしているときに他人に笑われることがある。 |
36. | 繰り返し動作が原因で身体に痛みやけがをすることがある。 |
37. | 繰り返し動作が原因で集中力が持続しないことがある。 |
38. | 繰り返し動作が原因で自分に自信を持てないことがある。 |
39. | 繰り返し動作をしているときに他人に話しかけられても気づかないことがある。 |
40. | 繰り返し動作が原因で社会的な活動を避けることがある。 |
評価
- 各「はい」に対して1点を与えます。
- 合計点を計算してください。
合計点 | 評価内容 |
---|---|
0-10点 | 常同運動症の兆候はほとんど見られません。 |
11-20点 | 軽度の常同運動症の可能性があります。専門家の診断を受けることをお勧めします。 |
21-30点 | 中度の常同運動症の可能性があります。日常生活に支障をきたす可能性があるため、専門家の診断とサポートを求めることをお勧めします。 |
31-40点 | 重度の常同運動症の可能性があります。専門家の診断と治療が必要です。 |
標準精神医学第8版:尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院
成重竜一郎:多動性障害(注意欠如/多動性障害ADHD)・精神科治療学
金生由紀子、浅井逸郎:チックのための包括的行動介入セラピストガイド/丸善出版
次良丸睦子、五十嵐一枝:発達障害の臨床心理学/北大路書房
柴崎光世、橋本優花里:神経心理学/朝倉書店
村上宣寛:IQってなんだ・知能をめぐる神話と真実/日経BP社
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 高橋三郎・大野裕監修/医学書院