
クライエントの実際の臨床3回分のまとめ
クライエントからの3回分の相談内容を「一貫しているテーマ」「変化してきたポイント」「現在最優先の課題」に整理し、モラハラ/ガスライティング問題の臨床的な位置づけを明確にしました。
【総まとめ】3回の相談から見える全体像
A. 表面の悩み(毎回登場しているテーマ)
| 領域 | 内容 | 共通の特徴 |
| 人間関係(職場) | 上司の不快・モラハラ的態度、疎外感、怒り/恐怖 | 「気分に左右される権威的な男性」への過敏さ |
| 自分への違和感 | 理想の自分 vs 今の自分、抑圧感、仮面、承認欲求 | 「注目されたいが、注目されるのが怖い」両価性 |
| 生活・将来不安 | 転職への葛藤、借金、健康管理 | 「何とかなるさ」と「焦燥感」の両極 |
→ いずれも「自己価値と境界線」が関連している。
B. 内面の核(潜在的な課題)※面接で浮かび上がった部分
| 分類 | 内容 | 臨床的特徴 |
| 幼少期体験 | 夫婦不和、父の怒り、母の不安定、性的いたずら、留守番、倒産体験 | 「恐怖の記憶 × 親を支える役割(大人役)」 |
| 両親からの影響 | 父の自慢・過保護、母の愚痴の聞き役 | 親に振り回されながら守る子ども役 |
| 自己形成のゆがみ | 男だったらよかったのに/人前で恥をかかせられる | 「褒められる道具」「誇示の対象」 |
| 感情の扱い | 寂しさ、怒り、嫉妬、恐怖 | 感情を抑える→過食・身体症状へ |
→ 「親に気を使う子ども役」が固定化し、大人になっても再演している。
C. 職場上司への反応は、過去の再演(トリガー)
| 職場での刺激 | 過去の体験との結びつき |
| 気分で態度が変わる | 父の怒り/母の人格変化 |
| 自分の成果を奪う・支配 | 父の誇示・支配 |
| ため息・視線で緊張 | 夫婦喧嘩の予兆を察知していた幼少期 |
| 注目されたい/怖い | 「娘=父の武器」だった記憶 |
| 疎外感・笑い声が刺さる | 家庭の崩壊・留守・孤立感 |
→ 「権威的な存在 × 感情が読めない × 理不尽」に強い過覚醒・恐怖反応を示している。
D. 3回目(現在)のテーマ:ガスライティング/モラハラの線引き
本人の主訴:「モラハラなのか、心理操作なのか、私の思い込みなのか、線引きしたい」
臨床的解釈:
- 現在の上司の態度は事実として不適切
- ただし、反応の強さは過去の体験が増幅
- → 現状は「モラハラ × トラウマ反応の重なり」
つまり、「被害ではなく過剰反応でもない。被害経験を持つ人が、現在の被害に強く反応している状態」
これはPTSD/C-PTSD複雑性心的外傷後ストレス文脈の典型。
E. 臨床上の最優先課題
❶ 退職までの安全と心の保全(数ヶ月)
- 過覚醒を下げるスキル
- 接触を最低限にする心理的・言語的境界
- 仕事に集中する範囲の明確化
❷ 「モラハラの線引き」を客観化する
- 被害と過去のトリガーを区別する
- 操作ではなく「相手の未熟さ」へのラベリング変更
❸ 「助けられなかった子ども役」を終わらせていく作業
- スキーマ療法(他人志向性/自己犠牲/承認懇求/不安定な自己感)
- 感情処理と言語化
| 【臨床での短い結論 】 |
| あなたの反応は「弱さ」ではなく、 |
| 過去の敏感な感受性が、現実の不適切な上司に反応している自然な防衛です。 |
| そして、これは治療の出発点であり、人生後半の再スタートの合図です。 |
現在の臨床的見立て(心理状態)
「症状名の診断」ではなく、臨床的理解(作用機序・心の力学・脆弱性と強み)としてのまとめとなります。
- ① 現在の心理状態:トラウマ反応+境界の揺らぎ+人生移行期の危機
-
現在の上司のモラハラをきっかけに、
幼少期の“恐怖・孤独・役割負担”の記憶が再活性化していると考えられます。- 身体症状(肩こり、疲労、過覚醒)
- 思考の混乱(ガスライティング感、過敏な読み取り)
- 感情のフラッシュ(恐怖、不安、怒り、孤独)
これらは 過剰反応ではなく「過去の記憶が現在に重なっている反応」です。
現実のストレス × 過去の傷つき体験のフラッシュバック
→ 現在の苦痛が増幅されている - ② 心のメカニズム(作用機序)
-
● 過覚醒(Hyperarousal)
- 上司の表情・ため息・声に神経が張りつく
- 場の空気を読みすぎて疲労
→ 幼少期、怒鳴る父、人格が変わる母を「先に察して守っていた」習慣
● 境界線の弱さ(Boundaries)
- 注目されたい(承認欲求)
- でも注目されると怖い(否定される恐怖)
→ 親の期待に合わせて自己を抑えた子の構造
● 認知的脆弱性(気分依存の自己評価)
- 上司の機嫌=自分の価値
- 他者評価に敏感
→ 幼少期の「親の機嫌を支える子ども役」を再現
● 感情コントロールの偏り(抑圧→身体症状・過食)
- 怒りを自分に向ける(過食、疲れ)
- 寂しさと孤独を外に言語化できない
→ 過去に「子どもが大人の話を聞く役割」を担っていた
- ③ 人生移行期(子どもの巣立ち)によるアイデンティティの揺らぎ
-
息子が独立したことで、
- 頼られる役割の喪失
- 自分自身をどう生きるかという課題
- 親的役割から個の人生へ(アイデンティティ再構築)
これらが、過去の寂しさ・家族の不安定さの記憶と結びつき、心理不安を増幅している。
子どもが巣立った今、
「役割で生きてきた自分」から「自分自身として生きる自分」へ移行する時期。 - ④ 強みと脆弱性(臨床的バランス)
-
領域 内容 強み 現実的判断、仕事の維持能力、適応力、洞察力、責任感、向上心 脆弱性 男性的権威への恐怖、見捨てられ不安、承認欲求、境界線の揺らぎ 保護因子 家族との良好な関係、息子の自立、スキーマ療法への関心、言語化意欲 危険因子 職場環境の継続、大きな承認欲求と拒絶への恐怖、自己価値の低下 → 強みがあるからこそ回復可能で、今は方向性と支えが必要な時期。
- ⑤ 臨床的結論(見立て)
-
現在の心理状態は、モラハラを契機として生じた複雑性トラウマ反応であり、人生の移行期に伴うアイデンティティ再構築の過程にある。 要するに、今の苦痛は過去からのメッセージ 壊れているのではなく、再構築しようとしている段階
癒しの言葉がけ(臨床スクリプト)
音楽を聴きながら、目を閉じてゆっくり聴いてもらうための癒しの言葉がけ(臨床スクリプト)
過去の努力への肯定、安心、安全、境界線、自分の未来への「静かな希望」をテーマにしています。
女性への癒しの言葉がけ(朗読スクリプト)
深く鼻から4秒間息を吸って…
口から8秒かけて細い息で吐いてください。
もう一度・・・
身体の重さを感じてみてください。
何も頑張らなくて大丈夫です。ただ、呼吸に身をまかせていればいい。
今まで、あなたは本当に、たくさんのことを抱えて生きてきました。
誰にも相談できないまま、仕事、家庭、子育て、両親のこと…
たくさんの役割を背負ってきましたね。
そのひとつひとつに、心を込めて向き合ってきました。
嬉しい日も、不安な日も、疲れた日も…ちゃんと向き合って生きてきたあなたがいます。
今、少しだけ、そんな自分をいたわってあげてもいい時間です。
息を吸って…吐くたびに、肩の力がぬけていきます。
あなたは、もう十分、頑張ってきました。
その努力は、誰にも奪えない「人生の証」です。
子どもを育てたこと。家族を支えてきたこと。苦しくても働き続けたこと。
それらは「当たり前」ではなく、あなたの生き方の美しさです。
今、心が疲れているのは、弱いからではありません。
大切なものを守ろうとしてきたから。
真面目に向き合いすぎてしまったから。
人を傷つけずに生きてきたから。
だから、心が悲鳴をあげているのです。
もう、守らなくていいもの、抱えなくていい重荷を
そっと、下ろしていく時期が来ています。
これからのあなたは、誰かの期待のためでも、役割のためでもなく、
自分の心が安らぐ場所を選んでいい。
あなたは、選び直していいのです。
何度でも。いくつになっても。
人生の後半は、「自分のために生きる時間」。
それは、急ぐ必要もなく、大きく変える必要もなく、ただ、少しずつ整えていけばいい。
あなたにとって心地よい仕事、安心できる人間関係、穏やかな日々。
その先にある未来が、今、あなたを待っています。
あなたが望むなら、あなたのペースで近づいてきます。
深く息を吸って…
ゆっくり吐きながら、心の中でこうつぶやいてみてください。
「私はもう、無理をしなくていい」
「私は、自分を守っていい」
「私は、自分の未来を選んでいい」
その言葉が、あなたの心の奥に静かに届きます。
今はただ、音楽に身をゆだねて、心にやわらかい休息を。
未来の準備をする前に、まずは、心を休める時間を自分にプレゼントしてあげてください。
あなたの物語は、ここから、静かに美しい続きへ向かっていきます。
ゆっくり、穏やかに。
あなたの人生が、あなたの心のリズムでこれから進んでいきます。
あなたは、もう大丈夫です。
自分を守りながら、未来へ進む準備ができています。
モラハラ?思い込み?線引きセルフチェック
職場での不快感を「事実・影響・相手の意図・自分の反応」に分ける
【回答方法】直近1〜2か月の状況を思い出しながら0〜2点で選んでください。
点数選択: 0点-なし / 気にならない 1点-たまにある / あいまい 2点-よくある / 明確に感じる
① 事実に基づく言動(攻撃性・不公平性)
| No | 質問 | 点 |
| 1 | 他の人にはしない不機嫌な態度・ため息・嫌味が、私にだけ向けられる。 | 0 1 2 |
| 2 | 私の成果を上司が自分のものとして扱ったり、手柄を奪うことがある。 | 0 1 2 |
| 3 | 仕事の説明や指示が意図的に曖昧で、失敗を誘うように感じる。 | 0 1 2 |
| 4 | 注意・指摘が人格攻撃(性格・容姿・価値観)に及ぶ。 | 0 1 2 |
| 5 | 他者の前で侮辱・嘲笑・過小評価がある。 | 0 1 2 |
| 小計:____点 |
② 相手の意図(操作性・支配性)
| No | 質問 | 点 |
| 6 | 自分が上に立とうとする支配的態度やマウンティングを感じる。 | 0 1 2 |
| 7 | 上司の機嫌や評価を気にさせることで従わせようとする意図を感じる。 | 0 1 2 |
| 8 | わざと情報を与えず、困らせ、依存させようとする。 | 0 1 2 |
| 9 | 仲間外れ(挨拶無視・会話から排除)が一種のコントロールに見える。 | 0 1 2 |
| 10 | 「立場の違い」を盾に感情をぶつけてくる。 | 0 1 2 |
| 小計:____点 |
③ 自分の反応(過去のトラウマ影響)
| No | 質問 | 点 |
| 11 | 上司の声・表情・ため息に身体が固まる・呼吸が浅くなる。 | 0 1 2 |
| 12 | 相手の怒鳴りや暴力がなくても、強い恐怖が湧く。 | 0 1 2 |
| 13 | 子どもの頃の親や過去の嫌な人が思い出される瞬間がある。 | 0 1 2 |
| 14 | 相手の機嫌=自分の価値、能力のように感じてしまう。 | 0 1 2 |
| 15 | 疎外感や笑い声に過剰に反応してしまう。 | 0 1 2 |
| 小計:____点 |
✔ 合計点
①+②+③ = ____ / 30点
解釈ガイド(モラハラ vs 過敏反応 vs 両方)
| 25〜30点:モラハラ+心理的支配が強い |
| 明確に攻撃性・支配性がある |
| 心理的安全の欠如・退職準備は合理的 |
| 今は「耐える」でなく「消耗しない出口戦略」 |
| 対処軸:境界線・記録・距離・最小労力 スキル提供可能:「安全な距離の作り方シート」 |
| 18〜24点:モラハラ要素あり+過去トラウマが増幅 |
| 相手の問題が主軸だが、反応が強くなる背景に幼少期の記憶が関連 |
| 退職は合理的、同時に心のケアをすると今後の人間関係が楽になる。 |
| 対処軸: |
| 加害に対抗するより「巻き込まれない術」 |
| 感情と事実の切り離し(C-PTSDケア) |
| 次に適したワーク:「トリガー分離ワーク」 |
| 12〜17点:モラハラ色もあるが、一部は過去の再演 |
| 体験の記憶が上司に重なり「危険度」を膨らませている状態。 |
| 過去由来の恐怖に働きかけると、同じタイプに巻き込まれにくくなる。 |
| ポイント: |
| 退職が悪い選択ではない。ただし「逃げ」ではなく「自分を守る選択」へ変換する。 |
| 次に適したケア:愛着・自己価値の回復 |
| 0〜11点:モラハラは薄く、認知・感受性の影響が大きい |
| 上司の未熟さはあるが「心理的ハラスメント」とまでは言い切れない範囲 |
| 過去の体験が「危険予測」を過敏にしている可能性が高い |
| ケア軸: |
| 境界線の作り方 |
| 「自分がすべてを背負わなくていい」学習 |
| 次のテーマ:自己保護=自分を大切に扱う練習 |
モラハラ?思い込み?線引きセルフチェック
あなたは弱いから苦しいのではなく、大切に扱ってこなかった心が、やっと助けを求めてくれているのです。
モラハラか思い込みか、どちらでも“苦しい”と感じた時点で、自分を守る権利があります。
これは逃げではなく、“自分を守る選択の練習”です。
「ハラスメント気質に巻き込まれやすい特性 × 自分の境界線」セルフチェック
「境界線のゆらぎ」と「巻き込まれやすさ」を知るチェック
※ 各項目に、以下から選んでください。0点:ほぼない|1点:ときどきある|2点:よくある
【Ⅰ】承認と期待に縛られやすい(承認依存・自己犠牲)
| No | 質問 | 点 |
| 1 | 褒められないと、自分の価値が下がったように感じる。 | 0 1 2 |
| 2 | 頼まれると断れない。 | 0 1 2 |
| 3 | 何かしても感謝されないと、寂しさや怒りを感じる。 | 0 1 2 |
| 4 | 「役に立たない自分」に不安を感じる。 | 0 1 2 |
| 5 | 自分より他人を優先する方が安心する。 | 0 1 2 |
| 6 | 「嫌われたくない」「期待に応えたい」が行動の理由になる。 | 0 1 2 |
| 7 | 自分の気持ちより相手の都合を考えてしまう。 | 0 1 2 |
| 8 | 注目されたいと思うが、注目されると怖い。 | 0 1 2 |
【Ⅱ】境界線がゆらぎやすい(Noの不安・距離の難しさ)
| No | 質問 | 点 |
| 9 | 上司や身近な人の機嫌に敏感になってしまう。 | 0 1 2 |
| 10 | 相手の怒りや落ち込みを、自分の責任のように感じる。 | 0 1 2 |
| 11 | 距離を置きたくても、罪悪感でできない。 | 0 1 2 |
| 12 | 相手が不機嫌だと、理由を探し続けてしまう。 | 0 1 2 |
| 13 | 不満があっても、言うべき言葉を飲み込んでしまう。 | 0 1 2 |
| 14 | 上司や立場の強い人を過度に理想化したり、逆に恐れすぎたりする。 | 0 1 2 |
| 15 | 「正しく距離を取る」と「冷たくする」の違いが分かりにくい。 | 0 1 2 |
| 16 | 相手の言動が、頭から離れず引きずりやすい。 | 0 1 2 |
【Ⅲ】過去の体験が現在に重なりやすい(再演・フラッシュ反応)
| No | 質問 | 点 |
| 17 | 理不尽な態度に出会うと、昔の記憶が一瞬よぎる。 | 0 1 2 |
| 18 | 声のトーンや表情だけで身体が緊張する。 | 0 1 2 |
| 19 | ため息や視線に、強い恐怖や不安が湧く。 | 0 1 2 |
| 20 | 「どうせ信じてもらえない」と黙る習慣がある。 | 0 1 2 |
| 21 | 昔の“親役”のように、人をなだめてしまう。 | 0 1 2 |
| 22 | 自分を守るより、相手を落ち着かせようとしてしまう。 | 0 1 2 |
| 23 | 今の相手の言葉が、過去の誰かの言葉に似ていると感じる。 | 0 1 2 |
| 24 | 「話が通じない人」に出会うと無力感が強くなる。 | 0 1 2 |
【Ⅳ】自分の価値の揺らぎ(自己否定・価値の混乱)
| No | 質問 | 点 |
| 25 | 認められないと、自分の能力まで否定してしまう。 | 0 1 2 |
| 26 | 問題の原因をすべて自分のせいだと感じる時がある。 | 0 1 2 |
| 27 | 迷惑をかけてはいけないという思いが強すぎる。 | 0 1 2 |
| 28 | 「自分なんて」と思う瞬間がある。 | 0 1 2 |
| 29 | 自分の感情より、見た目の“正しさ”を優先してしまう。 | 0 1 2 |
| 30 | 理不尽でも「私が我慢すればいい」と考えがち。 | 0 1 2 |
| 31 | 感情を抑える自分が、当たり前になっている。 | 0 1 2 |
| 32 | 嫉妬や怒りを感じると、自分が嫌になる。 | 0 1 2 |
【Ⅴ】安全な距離づくりが苦手(巻き込まれやすさ)
| No | 質問 | 点 |
| 33 | 不快な人ほど、気にかけてしまう。 | 0 1 2 |
| 34 | 対立より、自分を犠牲にすることで関係を保とうとする。 | 0 1 2 |
| 35 | 振り回す人に、逆らうより合わせてしまう。 | 0 1 2 |
| 36 | 闘わず、避けず、ただ我慢してしまう。 | 0 1 2 |
| 37 | 反論したいのに、言葉が出てこない。 | 0 1 2 |
| 38 | いつか理解してもらえると期待してしまう。 | 0 1 2 |
| 39 | 相手が変わることを信じたい気持ちが強すぎる。 | 0 1 2 |
| 40 | 「自分を守る」という発想より、「相手を察する」が先に出る。 | 0 1 2 |
合計点: ____ / 80点
| 詳しい臨床解釈ガイド(4タイプ) |
| 60〜80点:境界線が大きく揺らいでいる × トラウマ再演型 |
| 幼少期の “親を落ち着かせる子ども役” が持続 |
| 権威・支配的な相手 → 怖さ+従属+自己否定が混ざる |
| モラハラに巻き込まれやすく、ガスライティング的支配の影響が強い |
| 臨床方針 |
| 闘うことではなく 「安全な撤退スキル」 が必要 |
| 自分を責めない「撤退=回復」 |
| トリガーと現実を切り離すワークが有効 |
| 45〜59点:モラハラ反応+境界の未形成 |
| 相手の問題が主軸だが、反応が増幅される |
| 過去の恐怖と現在が絡み、混乱(=ガスライティングに近い主観歪曲が起きやすい) |
| 臨床方針 |
| 境界線+自己保護の練習 |
| 退職判断は合理的。 |
| 来職者へ:“問題を解決するのでなく、巻き込まれない学習” を提示する。 |
| 30〜44点:人の影響を受けやすい × 傷つきやすい |
| モラハラではない場面でも過剰適応 |
| 安全な人間関係でも疲労しやすい |
| 「良い人」ポジションが防衛として強い |
| 臨床方針 |
| 自分を大切に扱う練習(自己受容) |
| Noを言える言葉リストを練習 |
| 「理解されなくても自分を守る選択」を強化 |
| 0〜29点:境界線は比較的安定 → ただし疲労は蓄積 |
| モラハラではなく未熟な上司の可能性 |
| 本人の感受性・責任感で疲弊している |
| 臨床方針 |
| 境界線維持+自己肯定 |
| 退職は「逃避」ではなく「環境適応」 |
| 過剰な責任感をほどく |
ハラスメントに巻き込まれるのは、弱いからではありません。
人を大切にしすぎる人が、自分を大切にする方法をまだ知らないだけです。
境界線は、攻撃ではなく、自分を守る静かな優しさです。
退職までの心を守る距離づくりシート
― モラハラ/心理操作から、巻き込まれないための実践ワーク ―
【① 現状の整理】
※今の職場で、あなたが守りたいものに丸をつけてください。
☑ 心の安定
☑ 体調
☑ 仕事の評価や実績
☑ 最低限の人間関係
☑ トラブル回避
☑ 退職まで穏やかに過ごす
▶ 今、一番大切にしたいこと(1つだけ):
__________________
【② 距離づくりの目標】
以下から 当てはまる優先型に丸をつけてください。
| タイプ | 目標 | 該当 |
| A | 距離を置く(接触を最小に) | ☐ |
| B | 淡々とこなす(割り切り) | ☐ |
| C | トラブル回避(刺激しない) | ☐ |
| D | 記録しながら静かに退職準備 | ☐ |
▶ あなたの優先型: 型
【③ 心のバリア:接触のルールを決める】
※無理なく続けられるものにチェック
■「話す距離」を守る
☑ 上司に“相談・世間話・賞賛”をしない
☑ 必要な報告のみ、短く事実だけ伝える
☑ 雑談・愚痴・評価話に巻き込まれない
■「受け取る距離」を守る
☑ 表情・ため息・機嫌を深読みしない
☑ 相手の解釈や評価を鵜吞みにしない
☑ 反応せず、呼吸に戻る(深呼吸3回)
■「感情の距離」を守る
☑ 感じた怒りや悲しみを、家に持ち帰らない
☑ 心の中で「この人は未熟」とラベリングする
☑ 自分の価値を、職場の人に預けない
▶ 今週から始める3つ:
①______ ②______ ③______
【④ 怒り・恐怖の対処:巻き込まれない呼吸】
相手に反応しそうになったら
⬇
次の言葉を“心の中で唱える”
「私は飲み込まれない」
深呼吸:鼻から 4秒吸う → 口から 8秒吐く
(※反応せず時間稼ぎ、沈黙は最強の防御)
【⑤ 退職準備:静かに進める計画】
| やること | 期日・期限 | 完了 |
| 記録をつける(日時・言動・証拠) | __月__ | ☐ |
| 次の仕事の情報収集・応募 | __月__ | ☐ |
| 退職の伝え方 → 事実だけ | __月__ | ☐ |
| 引き継ぎは「最低限」 | __月__ | ☐ |
| 感謝・過度の美化は不要 | 常に感情の距離を守る | ☐ |
【⑥ 最後の心の宣言】
以下から しっくりくる言葉を選び、丸をつける
☑ 「私は、自分を守る選択をする」
☑ 「私は、無理をしない」
☑ 「私は、巻き込まれない」
☑ 「私は、淡々と去る」
☑ 「私は、未来の自分を大切にする」
▶ 一番大切にしたい宣言:
__________________
ワーク:不快の見える化(書きながら会話)
| 項目 | セラピストの誘導例 |
| 事実 | 「その時、言われた言葉・見た行動を“録画映像のように”書くと?」 |
| 受け取った意味 | 「その言葉を、どう受け取りましたか?」 |
| 感情 | 「その瞬間、何を感じましたか?」 |
| 身体反応 | 「体はどんな反応をしていましたか?」 |
モラハラ/ガスライティング/トラウマ反応の線引き
| 例 | 目的 |
| 「これは“攻撃”ですか?」 | モラハラ性の判断 |
| 「現実を否定されたり、混乱させられましたか?」 | ガスライティングの判断 |
| 「ため息だけで恐怖が湧くとしたら、それは過去の記憶に触れている可能性があります。」 | トラウマ反応の解説 |
退職までの安全戦略(境界の言葉スキル)
| 状況 | 言ってはいけない言葉(巻き込まれる) | 守る言葉(境界)反応しない言い方 | 解説 |
| ①曖昧な指示 | 「どうすればいいんですか?」 | 「確認したいのですが、AとBどちらですか?」 | 事実だけ確認 |
| ②評価攻撃 | 「そんなつもりじゃ…」 | 「はい、承知しました。作業に戻ります」 | 不要な感情交流を断つ |
| ③ため息・嫌味 | 「何か問題が…?」 | ※無反応/呼吸に戻る | “沈黙は防御” |
「未来フォーカス:働き方の再設定」
| 過去(義務で働いた理由) | 未来(自分のための働き方) |
| 家計・役割のため | 心の安全のため |
| 我慢・適応 | 尊厳・安心 |
| 期待に応える | 自分を守る |
「誰のために働くか」から「自分のために働く」へ移行
「静かな転職準備チェック表」
| 項目 | 期限 | 状況 | 誘導 |
| 求人の情報収集 | 1ヶ月以内 | □ | 月に何件見ると負担にならず続きますか? |
| スキル整理(過去の成果まとめ)自己PR・経歴整理 | 1ヶ月以内 | □ | 何をしてきたからこそ、今のあなたがいるのでしょう? |
| 退職タイミングの決定 | 〇月 | □ | 体調・気力に合わせて決めてよいのです。 |
| 引き継ぎ計画(最小限) | 退職前 | □ | 必要最低限でよいのです。 |
| 感謝の言葉は“形式的に最小” | 当日 | □ | 形式的に最小でよいのです。 |
【この一連のセッションの臨床的意義】
| 効果 | 根拠 |
| 被害から“再演”を切る | 未完の親子関係の投影を断つ |
| 役割から自由になる | “期待に応えるための労働”からの解放 |
| 自己肯定が回復 | 逃避ではなく「自己保護の選択」 |
| 未来に軸が戻る | トラウマ反応→未来志向へ |
戦うことが正しいのではなく、傷つかずに離れることが、時に最も強い生き方です。
境界線は攻撃ではなく、自分を守る静かな優しさです。
あなたが去っても、その職場は何も変わらない。
だから、自分だけでも守っていい。
来年の転職に焦点を戻す支援セッション
「来年の転職に焦点を戻す支援セッション」 の内容を、構成(全5回想定)+各回のスクリプト+ワーク
すべて モラハラ線引き/ガスライティング判別/トラウマ反応分離/転職準備 を含みます。
【第1回】現状の苦しさを整理し “外側に置く”
冒頭(感情の安全場面づくり)
「今日は、頑張ってきた自分を責めるのではなく、いま起きている事を “あなたの外側に置いて眺める” ことから始めてみます。これは闘うためではなく、未来に進む準備です。」(※ここで深呼吸3回を誘導)
ワーク:不快の見える化(書きながら会話)
「では、最近の出来事から、一つずつ書いていきます。
ここでは、“感情抜きの事実”と“感じたこと”を分けてみます。」
| 項目 | セラピストの誘導例 |
| 事実 | 「その時、言われた言葉・見た行動を“録画映像のように”書くと?」 |
| 受け取った意味 | 「その言葉を、どう受け取りましたか?」 |
| 感情 | 「その瞬間、何を感じましたか?」 |
| 身体反応 | 「体はどんな反応をしていましたか?」 |
まとめの言葉(外在化)
【第2回】モラハラ/ガスライティング/トラウマ反応の線引き
導入「苦しさの正体を分けて、あなた自身を責めないための線引きに取り組みます。」
ワーク:3つの区別(※以下を紙に三分割して書きながら)
| 例 | 目的 |
| 「これは“攻撃”ですか?」 | モラハラ性の判断 |
| 「現実を否定されたり、混乱させられましたか?」 | ガスライティングの判断 |
| 「ため息だけで恐怖が湧くとしたら、それは過去の記憶に触れている可能性があります。」 | トラウマ反応の解説 |
言葉(誤解をほどく)
「苦しんでいる理由は、弱さではなく、“過去の敏感さ+現在の不適切な態度” が重なったからです。」
【第3回】退職までの安全戦略(境界の言葉スキル)
導入
「闘うためではなく、巻き込まれないための言葉を練習します。」
ワーク③「境界線マニュアル(実践練習)」実践:言い換え練習
| 状況 | 言ってはいけない言葉(巻き込まれる) | 守る言葉(境界)反応しない言い方 | 解説 |
| ①曖昧な指示 | 「どうすればいいんですか?」 | 「確認したいのですが、AとBどちらですか?」 | 事実だけ確認 |
| ②評価攻撃 | 「そんなつもりじゃ…」 | 「はい、承知しました。作業に戻ります」 | 不要な感情交流を断つ |
| ③ため息・嫌味 | 「何か問題が…?」 | ※無反応/呼吸に戻る | “沈黙は防御” |
指導の言葉
「“説明しすぎ”は餌になります。説明しない・深掘りしない・穏やかな無表情が、最大の防御です。」
「正しさで闘うより、距離で守ることが今は必要です。」
呼吸の練習(反応封じ)
「心の中で、“私は飲み込まれない”と唱えながら、鼻4秒、口8秒。」
【4回目:来年の転職に気持ちを戻すセッション】
ワーク④「未来フォーカス:働き方の再設定」
| 過去(義務で働いた理由) | 未来(自分のための働き方) |
| 家計・役割のため | 心の安全のため |
| 我慢・適応 | 尊厳・安心 |
| 期待に応える | 自分を守る |
「誰のために働くか」から「自分のために働く」へ移行
言葉
「ここからの仕事は、あなたの尊厳を守るために選べます。」
「これからの仕事は、“役割を果たすための仕事” から、“自分を大切にするための仕事” に変えていいです。」
【第5回】転職準備+未来計画
導入
「最後は、静かに“出口”を作る時間です。」
ワーク⑤「静かな転職準備チェック表」
| 項目 | 期限 | 状況 | 誘導 |
| 求人の情報収集 | 1ヶ月以内 | □ | 月に何件見ると負担にならず続きますか? |
| スキル整理(過去の成果まとめ)自己PR・経歴整理 | 1ヶ月以内 | □ | 何をしてきたからこそ、今のあなたがいるのでしょう? |
| 退職タイミングの決定 | 〇月 | □ | 体調・気力に合わせて決めてよいのです。 |
| 引き継ぎ計画(最小限) | 退職前 | □ | 必要最低限でよいのです。 |
| 感謝の言葉は“形式的に最小” | 当日 | □ | 形式的に最小でよいのです。 |
最終メッセージ(セルフ価値の回復)
「あなたは逃げるのではありません。あなたは、自分を大切にする選択をしているのです。
これからの仕事は、あなたの尊厳と安心を守るためにあります。」
「離れることは、負けることではありません。
これからは ‘自分を守る働き方’ を選んでいいのです。」
【この一連のセッションの臨床的意義】
| 効果 | 根拠 |
| 被害から“再演”を切る | 未完の親子関係の投影を断つ |
| 役割から自由になる | “期待に応えるための労働”からの解放 |
| 自己肯定が回復 | 逃避ではなく「自己保護の選択」 |
| 未来に軸が戻る | トラウマ反応→未来志向へ |
価値ベース未来設計
| 項目 | 問いかけ(台詞) | 記入例 |
| 未来の働き方で守りたい価値 | 「働くうえで“絶対に守りたい価値”は何でしょう?」 | 心の安全・誠実な人間関係 |
| その価値を守るための基準 | 「その価値を守るために、職場に求めたい基準は?」 | 無理をしない/境界線/誠実な職場 |
| 職場選択のチェックポイント | 「面接のとき何を見れば、その価値が守られると感じますか?」 | 評価制度、言葉遣い、面接の態度 |
| 小さな行動 | 「その未来に向けて、まずできる小さな一歩は?」 | 求人選び、質問リスト作り |
未来は、何が起きるかではなく、どんな価値を中心に生きるか で選ぶことができます。
質問リスト例(価値基準に基づいて)
- 「御社では、困ったとき誰に相談できますか?」
- 「職場の雰囲気や対話は、どのような特徴がありますか?」
「未来の希望・価値観」を取り戻すための 臨床セッション
否定的未来観=悲観スキーマ と厳格基準=過度の自己批判スキーマ に対して、
「未来の希望・価値観」を取り戻すための 臨床セッション+スクリプト+ワーク
ゴール は、「失敗しない未来を探す」のではなく、「価値ある未来を選び取る自分に戻ること」。
【第1回】「悲観のメガネ」を外すセッション
導入スクリプト
「今までの人生で、あなたは“失敗しないための努力”をたくさんしてきました。今日は、失敗を避ける未来でなく、大切なものを守る未来 を見つけてみましょう。」
ワーク①:ネガティブ・フィルターを外す
問:最近、自分の未来に対して出てくる不安や心配は何ですか?
例)「また同じ嫌な職場になるかも」
「今、未来に対して感じている“心配や不安”を1つ書いていただけますか?」
次に質問:「では、その不安が “100%必ず起きる” という証拠は、ありますか?」
「そうならない可能性もありますね。何%くらい、そうならない可能性があると思いますか?」
「その“そうならない未来”のために、今できる 小さな安全の行動 が1つあるとしたら、何でしょう?」
(※例:求人の情報をゆっくり見る/相談できる人に話す 等)
まとめ言葉
言葉がけ(再選択の視点)
「未来に起きるかもしれない不幸を予測する力は、あなたが生き延びるために身につけた知恵です。
これからは、その知恵を 危険予測ではなく“未来の安全をつくる力” に変えていきましょう。」
【第2回】価値観を発見するセッション(バリューマップ)
導入スクリプト
「未来は、“何を避けたいか” ではなく、何を大切にしたいか で決めることができます。
今回は、あなたの価値観を再発見する時間にしていきます。」
ワーク②:価値マップづくり
紙を横に使い、3つの項目を書かせる。
① 過去で大切にしてきた価値
「今まで、どんな価値を大切にしてきましたか?
誠実さ、責任、真面目、親を思う気持ち、人を傷つけないこと…
それらの中から、あなたに響くものを選んでみましょう。」
② これから大切にしたい価値
「では、これからは何を大切にしたいでしょう?
心の安全、誠実な仕事、落ち着いた人間関係、自分を守る選択…」
③ 避けたい価値(価値観の裏側)
「逆に、これから避けたい価値は何でしょう?
誰かを支配する働き方、感情に振り回される職場、不誠実さ…
そうしたものを“避ける価値”として書きましょう。」
価値の統合作用スクリプト
最後に伝える臨床メッセージ(効果統合)締めの言葉
「あなたが悲観をしてきたのは、弱いからではありません。
大切なものを守りながら生きてきたからです。
これからは、守る相手を “自分自身” に変えるだけです。」
未来を変えるのは、希望ではなく、価値です。
そして、あなたにはすでに、その価値があるのです。
