3時間無料対面カウンセリングを行っています。無料カウンセリング予約フォームでお申し込みください。ボタン

「生きる意味」の問いに心理的・哲学的に答える

目次

フランクルロゴセラピー的対話構成

フランクル「生きる意味」の語りをカウンセラーが翻訳

フランクルの哲学的表現クライエント向けカウンセラーの翻訳
「人生が我々に問いかけている」「人生って、私たちが“答えを探す”んじゃなくて、“あなたは今どう生きますか?”って問いかけてくることがあるんです」
「意味は見つけるものではなく、見出すものだ」「意味って、外から与えられるものじゃなくて、“これかもしれない”って、自分の中から少しずつ感じていくものなんだと思います」
「どんなに困難な状況でも、態度を選ぶ自由がある」「状況を変えるのが難しくても、“自分がどう向き合うか”は、まだ自分で選べることがあるんです」
「将来あなたを待っている“誰か”や“何か”がある」「今は何も見えなくても、これからの人生で、まだ出会ってない人や出来事が“あなたを待ってる”って考えたことはありますか?」
「苦しみにも意味がある」「つらい出来事って、“それ自体に意味がある”って言うより、その中で自分がどう向き合ったかに、意味が宿ることがあるんです」

ロゴセラピー的 対話構成

STEP
【初回面接】:「問い」に寄り添い、“意味”を病理化しない

目的:問いを病的ではなく、生きている証・人間らしさの表れとして受け止める

カウンセラーの語り例:

「“私は何のために生きているのか”って、すごく大きくて深い問いですよね。多くの人が、ふとしたときに感じるものです。答えが出ないままでも、こうして言葉にできるって、とても大事な一歩です。」

「今、その問いを抱えるに至った背景や、最近の気持ちを少しずつ聞かせてもらえたらうれしいです。」

STEP
【中盤面接】:「意味の種」を探る・問いを生活に結びつける

目的:ロゴセラピーの3つの価値(創造/体験/態度)をもとに、「今ここ」にある意味の可能性に焦点を当てる

質問・語り例:

「最近、“これをしてよかったな”と感じることは何かありましたか?」(創造的価値)
「逆に、誰かの言葉や出来事に“救われた”と感じたことはありますか?」(体験的価値)
「苦しいときに、自分の中で何かを“選び直した”経験ってありませんか?」(態度的価値)

「意味がすぐに見つからなくても、小さな感情や行動の中に、“かけら”みたいなものがあるかもしれませんね。」

STEP
【終盤面接】:「問いにどう向き合うか」という姿勢を育てる

目的:問いに「答える」ことより、“問いと共に生きる”構えを支援する

カウンセラーの語り例:

「“意味が見えない”って感覚は、今も続いていますか? それとも少し景色が変わってきたような感じがありますか?」

「今、〇〇さんが大切にしている姿勢や選び方があれば、それがもう“意味を生きる”ということかもしれませんね。」

「答えが見えなくても、問いをもって生き続けること――それ自体が人生への“応え方”なのかもしれません。」

ロゴセラピー的6ステップ構成プラン

ワーク × 対話で「生きる意味」と向き合うための実践的ガイド

全体目標

  • 「意味の不在」に苦しむクライエントに対し、意味を“探す”のではなく“見出す”姿勢を支援する
  • 対話と記述式ワークを組み合わせて、意味の3価値(創造・体験・態度)に気づく土壌を耕す
  • 「問いを持つ力」そのものを肯定し、答えなき問いを“生きる力”へと昇華していく
STEP
意味の問いを“病理化しない”

面接テーマ:「この問いと、どう出会ったのか?」

ワーク名:「今の心の風景を言葉にしてみる」

ワーク内容:

「最近、“私は何のために生きているのか”という問いが浮かんだ瞬間について、できるだけ具体的に思い出してみましょう。そのときの情景、身体感覚、心の中にあったことを、自由に言葉にしてみてください。」

セラピストの対話例:

「この問いが“自分の内側”から出てきたのか、“外側の何か”によって引き出されたのか…どちらに近い感じがしますか?」
「“こんなことを考えるなんて変だ”と思う人もいますが、この問いは実は、健康や成長の表れでもあるんです。」
「ここに、〇〇さんの“何かを大切にしたい”という気持ちがあるように感じます。」

1. いま、心に浮かんでいる“風景”は?

2. それは、どんな色・音・気配ですか?

3. それを言葉にすると、自分の気持ちはどんなふうに動きますか?

書き込み欄例:

  • そのときの場所/時間/状況:
  • 心に浮かんだ言葉や感覚は?:
  • 誰かの顔が浮かんだ?浮かばなかった?:
  • それは「問い」でしたか?それとも「気づき」でしたか?:
  • 質問例:「“生きる意味”という問いが浮かぶとき、どんな気持ちになりますか?」
  • 意味の問いを否定・解釈しすぎず、共に立ち止まる姿勢を大切にする
  • フランクルのコペルニクス的転回の翻訳版(前述)を紹介
STEP
問いを「存在の証」として聴く

面接テーマ:「この問いは、どんな“存在の願い”から生まれたのか?

ワーク名:“こんなふうに生きたかった”を聴く

ワーク内容:

「『私は本当は、こんなふうに生きたかった』という想いや希望が、問いの奥に隠れていることがあります。たとえ今はそれが叶っていなくても、その“願い”の存在を大切に聴いてみましょう。」

セラピストの対話例:

「“こんなふうに生きたかった”という気持ちが、今の問いの形をとって表れているのかもしれませんね。」
「その願いがあるからこそ、苦しんでいるのかもしれません。だからこそ、大切なものだとも思えます。」

1. 本当はどんなふうに生きたかった?

2. それを思い出したとき、どんな気持ちになりますか?

3. 今、その願いはどこにありますか?

書き込み欄例:

  • 本当はこんなふうに生きたかった、という願いは?:
  • それを思い出したとき、どんな気持ちになりますか?:
  • 今、その願いは、どこにあると思いますか?消えてしまった?まだ残っている?:
STEP
「価値との接点」を見つめる

面接テーマ:「自分にとって“価値”があると感じた瞬間は?」

ワーク名:“意味の芽”だったかもしれない場面を思い出す

ワーク内容:

「過去に“ちょっとだけ心が動いた瞬間”“これは大切だったかもしれない”と感じた場面を思い出してみましょう。それが、あなたにとっての“価値”との接点かもしれません。」

セラピストの対話例:

「“意味があるかないか”は、外から与えられるものではなく、あなた自身が“感じたこと”の中にあります。」
「ささいな瞬間でも、それが“生きる意味の芽”になることもあるんです。」

1. 最近(または昔)、ふと心が動いた出来事は?

2. そのとき何が“価値あること”に感じられましたか?

3. それは今のあなたとどうつながっていますか?

書き込み欄例:

  • 最近(または昔)、ふと心が動いた出来事は?:
  • そのとき、何が“価値あること”のように感じられましたか?:
  • 誰かとの関係/何かを作る・伝える/ただ感じる…どの価値のタイプでしたか?:
  • それは、今のあなたとどうつながっていますか?:
価値
意味の“かけら”を探る(体験的価値)

面接テーマ:「受け取ってきたものの中に、何かはあるか?」

ワーク:「感動・安心・癒しを感じた場面」を思い出す

  • 質問例:「最近、“心が動いた”体験はありますか?」
  • 最近、心が自然と動いた出来事(感動、癒しなど)はありますか?
  • 子どもの頃、大切に思っていた場所や時間はありますか?
  • あなたが「大切にされている」と感じた経験はありますか?
  • あなたの中に残っている「忘れられない言葉」はありますか?
  • 誰かとの関係の中で、「生きていてよかった」と感じた瞬間は?
  • 美しい風景・音楽・芸術などに触れて、救われたことはありますか?

映画・景色・誰かの言葉など、「受け取る価値」への感受性を開く。
“意味を感じる力”がまだ生きていることに気づいてもらう

価値
「創造的価値」を再発見する

面接テーマ:「何をしていると、自分でいられる気がするか?」

ワーク:「これをやってよかった」と思えることリスト

  • 質問例:「今までの人生で、“これをやって誇らしかった”経験はありますか?」
  • 最近、「これをしていると自分らしい」と思える活動はありますか?
  • あなたが時間を忘れて没頭できることは何ですか?
  • 誰かに「ありがとう」と言われて、心に残っていることはありますか?
  • 今までの人生で「これはやってよかった」と思える挑戦は何でしたか?
  • 自分が役に立った、貢献できたと感じた瞬間はいつですか?
  • 「もし1日自由に過ごせるなら、どんなことに取り組みたいですか?」

仕事・家庭・趣味・人との関係性など、自分の力で“生み出したこと”に目を向ける

価値
「態度的価値」としての意味

面接テーマ:「どうにもならない中で、自分は何を選べるか?」

ワーク:「苦しみの中で、自分が選んだもの」

  • 質問例:「変えられなかった状況の中で、“自分で選んだ姿勢”ってありましたか?」
  • 苦しい状況の中で、何を支えにしてここまで来られましたか?
  • 「あのとき逃げなかった」「踏みとどまった」自分を覚えていますか?
  • 変えられない現実に対して、自分が選んだ“向き合い方”は何でしたか?
  • 「これは意味があった」と思える苦しみはありますか?
  • あなたが“あえて選んでいる姿勢”はどんなものでしょう?
  • 絶望しそうなとき、自分にどんな言葉をかけてきましたか?

ここで初めて「苦しみの意味」に触れるが、肯定や美化を避けることが重要

STEP
苦悩と意味」を結び直す

面接テーマ:「この苦しみに、“意味があるかもしれない”としたら?」

ワーク名:苦しみが問いかけてきたことを言葉にしてみる

ワーク内容:

「今抱えている(または過去に経験した)“苦しみ”が、もし何かをあなたに問いかけていたとしたら、それはどんな問いだったと思いますか?」

セラピストの対話例:

「苦しみを、“ただの傷”としてではなく、“問い”として聴き直すことで、少し違う景色が見えてくるかもしれません。」
「意味のすべてが今見えなくても、“意味があるかもしれない”という仮の視点を持つことで、自分との関係が変わっていくこともあります。」

1. 苦しかった出来事は?

2. その苦しみを通して、自分に問われていたことは?

3. “意味があるかもしれない”としたら、どんな意味?

書き込み欄例:

  • 苦しかった出来事、または今苦しんでいることは?:
  • その苦しみを通して、自分に問われていたと感じることは?:
  • 「この苦しみの意味は、〇〇かもしれない」と思えることがあるとしたら?:
  • 今、それをどう受け止め直したいと思っていますか?:
STEP
“問いと共に生きる”という意味

面接テーマ:「答えがないことを、どう生きるか」

ワーク名:“意味の不在”との関係を見つめ直す

ワーク内容:

「“意味が見えない”“わからない”と感じるとき、自分はどう感じて、どうふるまう傾向があるのか――過去と現在をふりかえりながら、“意味の不在”との付き合い方を見直してみましょう。」

セラピストの対話例:

「“意味が見つからない”という時期は、実は誰の人生にもあります。」
「それを“自分のせい”にしてしまう方も多いけれど、意味の“空白”は成長の通過点でもあるんです。」
「問いとともに生きている、そのプロセス自体がすでに“応答”だと思いますよ。」

1. “意味が見えない”と感じたときの体験は?

2. そのとき、どんなふうに自分と向き合っていましたか?

3. “意味のなさ”と、どう付き合っていきたいですか?

書き込み欄例:

  • “意味が見えない”と感じた出来事は?(過去/最近):
  • そのとき、自分の気持ち・考え方・行動は?:
  • それは「避ける」「耐える」「受けとめる」どの傾向だったと思いますか?:
  • 今、どう向き合ってみたいですか?:
  • 質問例:「“意味が見えない”とき、自分はどう過ごしてきたか?」
  • フランクルの語りを再度紹介し、「生きている限り、意味の可能性はある」と共有する
STEP
いま見えてきた“自分の意味”と今後

面接テーマ:「“自分にとっての意味”に、今どこまで触れられたか?」

ワーク名:今の自分にとっての“意味の仮説”を書く

ワーク内容:

これまでのプロセスをふり返って、“今の自分にとっての意味”を仮の言葉で構いませんので書き出してみましょう。

セラピストの対話例:

「“完璧な意味”じゃなくていいんです。いま、“仮の意味”を持って生きていくことの方が大切かもしれません。」
「問いの始まりに戻ってみると、あのときと“今の自分”はどんなふうに変わりましたか?」
「この仮説は、これからの日々のなかで“問い直しながら育てていくもの”でもあると思うんです。」

1. これまでをふり返って、どんなことが印象に残っていますか?

2. 今の自分にとって“意味”とは何でしょう?

3. この“意味の仮説”をこれからどう育てていきたいですか?

  • 最終回で初めて「意味」という言葉を再定義
  • 質問例:「今、“意味”という言葉に、どんなイメージを持っていますか?」
  • 書き出し例:「まだわからないけれど、私にとっての意味は…かもしれない」

西田哲学に基づく「生きる意味」と向き合う面接

西田幾多郎の思想(特に「生きることの意味」「矛盾の中で生きる」「死を意識することによる生の意味」)をベースにした、臨床で使える対話スクリプトを示します。

対話スクリプト:西田哲学に基づく「生きる意味」と向き合う面接

テーマ:「自分はなぜ生きているのか?」

STEP
【導入】問いに共に立つ

CL(クライエント)
「…正直、生きている意味がわからなくなってしまうんです。」

TH(セラピスト)
「はい…。それはとても大きくて、誰にとっても答えのない問いですね。」
「“なぜ生きているのか?” “何のために生きるのか?”――それを考えること自体、苦しい時間だったかもしれません。」

(少し間をおいて)

「実は西田幾多郎という哲学者も、“人間のもっとも深い疑問は、生まれた理由と死ぬ意味がわからないことだ”と語っています。」
「その問いと向き合う時間こそ、生きている証でもあるのかもしれません。」

STEP
矛盾の中で生きているということ

TH
「たとえば、“矛盾を抱えたままでも生きていける”ということはどう思われますか?」

CL
「矛盾って…?」

TH
「はい。“生きたい”と思いながら、“死にたい”と思う気持ちもある。“幸せになりたい”と思いながら、“自分なんか幸せになれない”とも思ってしまう…。
そんなふうに、心の中に反対の気持ちが同時にあるのは、ごく自然なことです。」

「西田は、“世界は矛盾に満ちていて、それをそのまま受け入れて生きていくのが人間だ”と言いました。」

CL
「矛盾があってもいいんですね…」

TH
「はい。どちらかに答えを出さなくても、“その矛盾を生きている自分”が、もうすでに意味のある存在なんだと思います。」

STEP
「死」と向き合うことが、生を深めることになる

TH
「…もし、“自分がいつか死ぬ存在だ”って、心から実感するとしたら――」
「“だからこそ、今この一瞬をどう生きよう?”って、何かが浮かぶかもしれません。」

CL
「たしかに、いつか死ぬって思うと、今のことが大事に思えてくる気もします。」

TH
「そうですね。西田も、“永遠の死を知ることこそ、自分が自分である理由だ”と語っています。」

「死を考えることは、ただ怖れることではなく、“今をどう生きるか”という問いへの入り口でもあるのだと思います。」

STEP
“感じること”から、生きる意味が生まれることもある

TH
「理屈ではなく、“ただ感じていた”時間ってありますか? 例えば、景色を見て心が動いたとき、誰かの言葉に胸を打たれたとき…。」

CL
「…この前、友だちの言葉で、急に涙が出てきたことがあって。」

TH
「それがまさに、西田のいう“純粋経験”に近いかもしれません。」
「言葉にならない、ただ感じたこと――それこそが、生きている意味を教えてくれることもあるんです。」

STEP
問いに“答える”のではなく、“生きる”ことそのものが答え

TH
「“なぜ生きているのか”という問いに、はっきりした答えが出ないままでも、私たちは生きています。」
「そして、時にその問いを抱えたまま、誰かとつながったり、何かを感じたり、ふと微笑んだりしている。」

「それこそが、“答え”に近づいている瞬間かもしれませんね。」

西田幾多郎の哲学的ワークシート

西田幾多郎の哲学(純粋経験、矛盾的自己同一、死と生の意識)をベースに構成した、
ワークシート『いま、自分の“生きている実感”はどこにあるか?』 を示します。

このワークのねらい

項目意図
感じたことを言葉にする純粋経験に近づくプロセス
矛盾を否定しない「矛盾的自己同一」の受容
世界との関係を意識する自己は常に世界と共にある
死を通して今を見る死を考えることで「今」に意味を見出す
言葉にできない思いも大切にする哲学的問いを“生きる体験”として扱う
ワーク
「考える前に、ただ“感じたこと”」を書いてみましょう

ふと心が動いた瞬間。うれしかった、涙が出そうになった、言葉にならないけど胸に残っている…
そんな出来事や体験を思い出してみてください。

最近「なんとなく心が揺れた」できごと:

例:道端の花に目がとまった。 誰かの言葉が妙に心に残った。音楽を聴いて涙が出た。

→ あなたの場合:

_________________________________________

_________________________________________

ワーク
「矛盾した気持ち」を正直に書いてみる

こんなふうに思う自分と、でも反対にこうも思う…。
矛盾しているけれど、どちらもあなたの一部です。

今、あなたの中にある「ふたつの気持ち」:

① _________________

② _________________

☑ 両方とも、本当の気持ちかもしれない。

ワーク
「世界とのつながり」をふりかえる

世界はあなたを苦しめることもあれば、あなたを支える何かを差し出すこともあります。
この1週間で、「世界とつながった」と感じた瞬間を思い出してみましょう。

最近、誰かや何かに「応えた」「受け取った」と感じたことは?

_________________________________________

_________________________________________

ワーク
「死を考えたとき、いま見えるもの」

あなたが“死”を思ったとき、逆に“今の一瞬”に感じるものは何でしょうか?

死を思ったとき、あらためて「大切にしたい」と感じたこと:

_________________________________________

_________________________________________

ワーク
それでも「今日、私は生きている」と思えるのは?

生きる意味は、時に“わからない”ままでいいのかもしれません。
でもそれでも「今日、自分は生きている」と思えるのは、なぜでしょう?

自分が「いま、生きている」と感じるのは、どんなとき?

_________________________________________

_________________________________________

ワーク
ふりかえりメモ(自由記述)

すぐに答えが出なくてもかまいません。
書きながら、自分の中に何が動いたか、どんな言葉が出てきたかを自由に綴ってみてください。

__________________________________________________

__________________________________________________

__________________________________________________

1 2 3
目次