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心の悩み・憂鬱のメンタルケアは一人でできる心理療法「内的円環図法」

目次

欲求と感情に焦点をあて、認知の歪み・偏りのバイアスを修正する「内的円環図法」はセラピーの実践で効果をあげている。また、クライエント本人が自分でできるように設計されている心理療法でもある。

心を分析する精神療法では、幼児期に問題を解決するために形成された防衛機制が無意識にあり、出来事や対人関係に個人特有の認知が対処しているという考え方と、幼児期に親など養育者から刷り込まれた中核信念が根源にあり、出来事や対人関係に対し自動的に沸き起こる自動思考が感情や行動に影響を与えているという考え方があります。
このことからも現在生じている生きづらさや問題行動は、幼児期には適応的であった無意識の「心的防衛機制」に反応した認知が、成人した自己の言動に不適応的に反応して問題が起きていることや、幼児期に刻まれた「認知の歪み」「スキーマ」が自動思考に湧きあがって言動しているといえます。いずれの捉え方も無意識からの影響で言動していますのですので、意識的に自分で不適応に気づくことが困難となります。
このことは「認知や自動思考」が変われば、「気分や感情」「行動」「身体反応」も変わるということであり、「環境や状況、対人関係」に対し、認知を通して4つの要素が常に相互作用し、適応的または不適応的に循環しているということになります。

「内的円環図法」の心理療法とは

起こってしまった状況や出来事、また直面した対人(相手)の言動や考えは変えられませんが、ストレッサーの受け取り方である自己の認知・自動思考は変えられます。
しかし、私たちは無意識に起こる防衛機制も否定的な認知やスキーマに気づかず、悩んだり不適応的な行動をしていることには間違いありません。
「内的円環図法」は、コラム法や認知再構成法をもとに考案した心理療法です。特に出来事・状況・人間関係エピソードなどの思考記録を重要視し、自己でも気付きにくかった欲求と感情を表出させ、認知のバイアス視点を傍観し、内的自己の円環図を作成し分析します。その円環図から自己を大切にする考え方を身につけるトレーニングのアプローチです。
「内的円環図法」は、個人が出来事・状況・対人関係に対し、逃避や攻撃、フリーズで否定的に対処していた認知や自動思考がありました。その否定的対処の中でも素直で覗きやすい感情と欲求を表出させ、バイアスと比較しながら傍観していくことで自己の不適応を認識していく精神療法です。

まずは最初に、円環関係の中では生きづらさを比較的表現しやすい「感情」の情報に注目します。感情は出来事に対し瞬時に湧く一次感情と、変化や継続的にネガティブで苦しめられる二次感情、三次感情があります。感情を引き起こす「認知」はもちろんですが、「欲求」も大きく関与しています。欲求が満たされないと不快感情が現れ、欲求が満たされると快感情が現れるという関係にもなっています。
このように「認知」は無意識に潜む防衛機制やスキーマですので自己で探求するのはとても難しいため、自我状態の非機能的な認識や不適応的なスキーマに感じるストレッサーの不快の対象を「感情」の注目、「欲求」の対象、「認知」の否定的な考えを起こすバイアスの分析が問題解決への近道であると考えています。

内的円環図法は一人でできるように「プルチックの感情の輪・気分感情例」「心理的欲求」「認知再構成法」を組み合わせて解説しています。この手法は用意されたカテゴリーごとの選択肢で自己に当てはめながら進められ、その都度自己を認識、整理することで心の不快感の悩みを解消できるように設計されています。

内的円環図法の「STEP8」

STEP
非機能的な「状況・出来事・対人関係」を明らかにする

つらい、悲しい、苦しい、怒りなど非機能的な出来事・状況を「いつ、どこで、誰と、何を、なぜ、どのように」など具体的に時系列で書きだします。
※日時を特定して、5W1Hで文章にします。
また、説述として出来事や状況、対人(相手)関係との直後の非機能的な問題だけではなく、その後の非機能的なエピソード「自分を主役」として、物語的に、思うがままに、すべて吐き出すように書いてみます。
状況下の最中や直後の状態、また、数日経過後に頭に浮かんだこと、直後と移り変わった感情の他、考え、傷つき、感情、欲求や望んだこと、行動したこと、相手や応援者、相談者のこと、周りの反応、過去に同じような経験の有無、今後に対しての考えなど、多くのことを自由に書き出します。

STEP
苦しめている「気分や感情」の移り変わりを表現する

「出来事・状況」に対してや「対象者」「自分」「他者」に対し、瞬時に浮かび上がった気分や感情(一次感情)を思い出せるだけ書きだします。時間経過後に湧き出る二次感情や今現在の感情も書き出します。感情は自尊心の持ちようからくる悲鳴でもあり、この感情理解が自己の理解にもつながっています。
※気分・感情の強度を0~100%で表し、存在の大きさを明確にします。

STEP
自分が求めていた気づかなかった「欲求」を感じる

「出来事・状況・相手」に対し、「認めて欲しい・欲しかった」「優位に立ちたい・立ちたかった」「要求を受けたい・受けたくなかった」など、自分では気づかなかった何らかの欲求が湧いていたはずです。今も湧きだしているかもしれませんので、その欲求を感じていきます。
※欲求リスト64分類から合致する欲求内容を選択し欲求名と自分と照らし合わせた内容を書きます。

STEP
頭に浮かんだ「考え(自動思考・認知)」を表現する

「出来事・状況・相手」に対しての受け取り方や考え方(認知・自動思考)は個人差があります。非機能的につらい、悲しい、苦しい、怒りなど現在も強く残っているのようであれば、認知のバイアス(歪み・偏り)があるかもしれません。
満たされない認知・自動思考の連想例を参考にして、STEP1⃣の状況、出来事、対人関係の記録文章を読み返しながら、感情や欲求が湧く直前に頭に浮かんでいたこと、時間経過後に浮かんだ否定的な考えを自分・他者・今後に対して書き出してみます。
・自分に対しての否定的な考え
・他者(状況)に対しての否定的な考え
・今後に対しての否定的な考え

STEP
STEP1⃣~4⃣を分析し、自己の「認知のバイアス(偏り・歪み)」を考察する

考え(認知・自動思考)の検討をします。STEP1⃣の状況、出来事、対人関係の記録文章を読み返しながら、自己の考えがその通りであったことの事実を示し、認知の歪み・偏りリストから根拠の理由(何がそう思わせたか)として当てはまるバイアスを選択します。
・自分に対しての「事実」と「バイアス」
・他者に対しての「事実」と「バイアス」
・今後に対しての「事実」と「バイアス」

STEP
認知・自動思考の検討

非機能的「状況・出来事・人間関係」を客観的な立場から、もう一人の自分が見つめている感覚(傍観)で事実を検討してみます。
認知・自動思考の検討は、①.STEP4⃣の「自動思考・認知(否定的な考え)で、強度の強かった◎の項目をあげてください」~ ⑫.STEP4⃣の「この状況下に直面している自分に対して、客観的に何といってあげますか」までの12の質問を設けています。

STEP
内的適応円環図の作成により、作成済みの内的不適応円環図と比較

認知・自動思考の検討が終わったら、新たな円環図「内的適応円環図」を作成します。最初に作成した「内的不適応円環図」と比較することで気持ちが楽になり、肯定的思考ができるようになったら終了です。その後は内的不適応円環図と内的適応円環図をスマホで撮影しておき、必要に応じて見られるようにしておきます。そして、今後の同じようなケースで立ち止まった際には、肯定的になれる自己の認知を応用するようにします。しかし、今後起きる非機能的「状況、出来事、対人関係」ケースが当てはまらない場合は、STEP1⃣から内的円環図法を行います。

STEP
ストレスコーピングとサポート資源

「出来事、対人関係、状況」など不適応的な捉え方や感情は変化してきていると思います。円環図法のように自己の意思で対処できるのは認知ということになります。
STEP7⃣の円環図法の比較の繰り返しで、非機能的出来事のストレッサーを多面的に捉えられるようになることで行動や言動も自己で変えることが出来るようになっています。

STEP1⃣〜STEP4⃣までのワークのやり方については2⃣ページ目をご覧ください。

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