愛着の見捨てられ不安症状の恋愛の整理と関係性の回復・離別に向けたセルワークとステップシートで感情の可視化
幼少期からの愛着の不安定さ(恐れ-回避混合型など)を示唆していて、強い見捨てられ不安と愛着の傷つき、経済的・心理的な依存関係、自己評価の低さや過去のトラウマ体験(抜毛症・いじめ)が絡み合った、非常に丁寧な支援が求められるケースです。
このケースでは、フランスの精神分析医 ボウルビィの愛着理論や、スキーマ療法、インナーチャイルドワーク、DBT的な自己調整スキルを統合的に取り入れたワークを行います。
33歳の女性です。彼のことで相談します。お付き合いをして5年経過しましたが、彼からの愛情がなくなってきているのが感じられるために、別れるのが怖く一時的に距離を置いてます。
私は幼少期の経験から見捨てられ不安がとても強く、彼に対しても嫉妬心が強く表れてしまいます。
小学生の頃から髪の毛を抜いてしまう癖があり、思うようにいかない場合やストレスが溜まると強迫的に抜いてしまいます。現在は抜く量が多くなってきています。そのこともあり、精神科を受診し、抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬を使用しています。
彼とは遠距離恋愛ですが、金銭面に問題があるということで会えなくなっています。
ラインのやり取りも少なくなり、愛を感じられない文面に変わりました。
彼からは別れるの言葉はありませんが、背後には女性がいるように感じられます。
今すぐにでも彼に会いに行きたいところですが、会ってしまったら別れを切り出されるのではないかと行動に移せません。
私は彼を失うことは考えられません。どんなことがあっても恋愛の修復を望んでいます。
悲しみも寂しさも強く、別れるくらいなら死んでしまいたいと考えるようになっています。
万が一別れる結果になった場合、立ち直れないかもしれません。
このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

全体像の把握:構造的に見るポイント
全体像の把握:構造的に見るポイント
領域 | 説明 |
愛着 | 強い「見捨てられ不安」や「嫉妬深さ」は、幼少期からの愛着の不安定さ(恐れ-回避混合型など)を示唆。 |
自己評価 | 「私なんて…」という無価値感がベースにある可能性(抜毛症・いじめ・パワハラ歴)。 |
対人関係 | 「修復できないと死にたい」など感情の強度が非常に高く、感情調整困難性(情緒不安定性)も検討を。 |
不適応的スキーマ | 「情緒的剥奪」「見捨てられ」「服従」「欠陥/恥」「愛情を得るために犠牲になる」などが疑われます。 |
回避と依存 | デパスの使用・相談機関への接触がない点から、自己処理と依存のあいだで揺れている状態が推察されます。 |
初期対応:5つのステップ
- 感情強度100、死にたいという表現が出ているため、まずは 安全確保と支えのネットワーク確認が最優先です。
- 次を確認:
- 今までに自傷・自殺未遂歴は?
- 現在の生活環境(ひとり暮らしか、誰か同居しているか)
- デパスは誰に処方されているのか(精神科未受診なら主治医か)
- 支えになる友人・家族・相談先はあるか?
最初で見極めたい3つの軸
軸 | 観点 |
安全性 | 自傷や希死念慮の強度/孤立度 |
愛着と関係性 | 過去の愛着体験・依存と回避のパターン |
感情調整 | 感情の波/耐性/自己対処スキルの有無 |
- まずは「ここに来てくれたことの意味」に焦点を当て、見捨てられない安全な関係を体験してもらうことが必要です。
- 境界線の曖昧さ(彼の気持ちが曖昧 → クライエントの不安を増大)に対し、カウンセリング空間では明確な境界線を保つことで、感情の整理の足場を作ります。
- 例:「この場は、あなたが自分の気持ちを見つめるための場所。誰かを説得するためではなく、あなた自身に優しくなるための時間です」
- 強い感情(不安・嫉妬・怒り・絶望)のトリガーや行動との関係性を、図やシートで可視化していく(例:「感情ログ」「自動思考のABC分析」など)。
- 不適応スキーマをやわらかく探索していく(例:「いつからそう感じるようになったのか?」など)
- 抜毛症やいじめ体験など、「否定されてきた自己」や「不安定な愛着の記憶」と対話していく段階。
- インナーチャイルドワークや、イメージ療法、パーツワークなどが有効。
- 時には「愛を得るには私が我慢しなければ」という信念が出てくるかもしれません。
- 修復 or 別れ、どちらに進むにせよ、
- 感情調整スキル(DBTなど)
- 愛着スタイルの理解
- 自己価値の再構築
を支援していく必要があります。
- 例:
- 「いまの気持ちを10段階で数値化すると?」
- 「5年後のあなたが今のあなたに手紙を書いたら、どんな言葉を送ると思う?」

「見捨てられ不安」と愛着回復のためのセルフワーク
「見捨てられ不安」と愛着回復のためのセルフワーク
~安心とつながりを育てる7つのステップ~
このワークは、フランスの精神分析医 ボウルビィの愛着理論や、スキーマ療法、インナーチャイルドワーク、DBT的な自己調整スキルを統合的に取り入れたものです。
幼少期から愛着の不安定さや否定的な自己像を抱えやすい方に適した、安全な関係性を育て直すためのステップ型ワークです。
目的:「見捨てられ不安」を〈漠然とした不安〉から〈理解できる感情〉にする。
- 次から選んで〇をつけてください(複数可):
- ひとりにされるのが怖い
- 私は愛されないと思う
- 必死にしがみついてしまう
- 捨てられるなら最初から壊したくなる
- 私より優れた人に行ってしまうのが怖い
- 相手の気持ちが少しでも曖昧だと耐えられない
書き出し例:「わたしは、___されるのがいちばん怖い」
目的:「今の不安」が、どこから来たものかをたどってみる。
- 幼少期・学生時代・成人してからの記憶で、「見捨てられた」「否定された」「一人ぼっちだった」経験を思い出して書いてみる。
- 年齢/出来事/そのときの気持ち/そのとき思ったこと を並べて記入。
年齢 | 出来事 | 感じたこと | 思ったこと |
7歳 | 母に怒られて部屋に閉じ込められた | 寂しい・怖い | 私が悪いから嫌われたんだ |
10歳 | 友達に仲間外れにされた | 悲しい・不安 | 私は誰にも必要とされてない |
パターンに気づいたら書いてみてください:「私は〇〇なとき、〇〇と思いやすい」
目的: 愛されなかった記憶の中にいる「インナーチャイルド」と関係を築く。
- つらい場面を思い出したら、そこにいる「小さなわたし」をイメージしてください。
- 今のあなたが、その子にどんな言葉をかけてあげたいか書いてみましょう。
例:「あの時、本当は怖かったよね」「あなたが悪いんじゃなかったよ」
目的: 見捨てられ不安が出たときの「自分を落ち着かせる言葉」を持つ。
- 次の中からピンとくる言葉を選んでみてください。
- 「今の私は、過去と同じ状況にいるわけじゃない」
- 「私は私を見捨てない」
- 「大丈夫、この不安はただの波」
- 「私は誰かに必要とされる価値がある」
- 「私は安心できるつながりを築いていける」
自分の言葉で作ってもOKです。
目的: 期待と現実を分け、過度な依存や幻想に気づく。
- 「私が彼に求めていたもの」リスト(自由に追加OK)
- 無条件に受け入れてくれる存在
- いつでも連絡が取れる関係
- 絶対に離れていかない保証
- 私だけを愛してくれる証拠
書き出し後、それが「誰にも100%満たせない理想」か「関係性で話し合える願い」か、2つに分けてみてください。
目的: 相手に委ねすぎていた安心感を、自分の内側に育てる。
- 今日、私が「私に優しくできる」ことを1つ書いて実行する。
- 例:温かい飲み物を入れて深呼吸する/鏡に向かって「ありがとう」と言ってみる/悲しい気持ちを否定せずノートに書く
- 次から1つ選び、週に1度、やってみる。
- 信頼できる人に1つだけ本音を言ってみる
- 安心できるカフェや場所に30分だけ通ってみる
- SNSで安心感や共感を感じられる人の投稿を読む(過激なものは避ける)
再構築する余地があるかの段階的アプローチ
失った愛情を取り戻す」ことについて、心理的・関係的アプローチから試してみる方法はいくつか考えられます。ただしこれは「元通りに戻す」ことを保証するものではなく、「再構築する余地があるか」を探る感情的なリスクを伴う取り組みになります。
失われた愛情の背景にあるもの(例:経済的困難・心理的距離・依存的関係・相手の葛藤)を踏まえ、以下のような段階的アプローチが考えられます。
失った愛情を「戻してもらう」ことを前提にすると、関係は支配的・試験的になります。
そこでまずは、自分の中の「こうしてほしい」「こうでなきゃいけない」という期待・不安を一時的に外に置いてみる必要があります。
▶ 試してみること
- 相手からの返信や態度に「評価をつけない」日を設ける
- 「今の私の価値は、相手の態度で決まらない」と紙に書いて貼る
- 「愛されていない」ではなく、「今は相手に余裕がない」と見てみる
このプロセスは、見捨てられ不安を和らげる準備段階でもあります。
愛情が減ったと相手が感じている場合、たいてい「圧」「責め」「疲労感」「無力感」が関係の中にあります。
▶ 試してみる言葉(LINEや手紙も可)
- 「責めてしまってたらごめん。〇〇くんが何か大変な時期だったのかもしれないって、今は思える」
- 「私はまだ好きな気持ちはある。でも今は、無理に戻ることより、あなたの気持ちをちゃんと知りたいと思ってる」
- 「距離が空いたことで見えたものがあるの。いつか、それを話せたらいいなと思ってる」
→こうした非侵襲的で共感的なスタンスは、失われた信頼感を少しずつ戻す鍵になりえます。
相手は、「このままだとまた同じことで苦しくなるのでは?」という予防的な回避をしている可能性もあります。
▶ 試してみる方法
- 「私は今、見捨てられ不安に気づいて、自分の軸を取り戻そうとしてる」と言葉にする
- 心理的ワークや相談に取り組んでいることを伝える(依存ではなく成長として)
- 自分の人生を主体的に歩もうとしている姿勢をSNSなどでも“静かに”見せる
→安心と尊敬の回復は、愛情の再燃につながることがあります。
相手が「愛されているのに苦しい」状態だと、そこには重さがあります。
愛情を再構築するには、あえて相手に「選択できる自由」を与えることが不可欠です。
▶ 試してみる言葉
- 「無理に関係を戻すのではなく、今のあなたにとっての自然な関係を大切にしたい」
- 「私はまだ好き。でも、あなたの気持ちを大事にしたいから、焦らずいきたい」
→このような「コントロールしない関係性」ができて初めて、相手は本当の意味で戻る選択ができます。
失われたと感じる愛情は、形を変えて残っていることもあります。
焦って元に戻そうとするよりも、「今のふたりにとって、どんな関係ならやさしいか?」を育てる視点のほうが、結果的に“再び近づける”ことにつながりやすいです。
愛情が薄れてきた相手とのLINEで使える文例集
愛情回復のためのLINE文例集
愛情が薄れてきた相手とのLINEで使える文例集をご用意しました。
目的別に分け、心理的効果(非侵襲性・共感・安心感・選択の自由)を盛り込んであります。
※短文で送れるように工夫しています。状況や関係性に合わせてご調整ください。
補足アドバイス
- 文量は短めに・感情は穏やかにが基本です。
- 相手の気持ちを問わないことが大切です(「どう思ってる?」は避けましょう)。
- 一方的な謝罪ではなく、自分の気づきとして語ると◎。
- 「返事が来なくても、それで関係がすべて終わるわけじゃない」と、自分にも言ってあげてください。
- 「最近いろいろあって、余裕ないんじゃないかなって思ってた。話さなくても大丈夫、そう感じてるだけだからね。」
- 「無理に連絡しなくていいよ。きっと今は、自分のことで手一杯な時期だよね。あなたのペースを大切にしてね。」
▶ 心理効果:責められていないと感じ、安心感が生まれる。逃げ場ではなく“余白”が生まれる。
- 「私、自分の気持ちが強すぎて、あなたを責めるような言い方になってたかもって思ってる。ごめんね。」
- 「自分の不安をあなたの言葉で埋めようとしてたかもしれない。ちょっとずつ、自分で安心できるようになりたいなって思い始めたよ。」
▶ 心理効果:相手に“変化の兆し”を見せることで、警戒心が少し下がる。
- 「今もあなたのことが大切だと思ってる。でも、どうしようもない時はあるよね。」
- 「離れてる時間、私にとってはとても意味があるものになってる。少しずつ、考えられるようになってきたよ。」
▶ 心理効果:「好き」だけで押し付けない。成長をにじませることで、相手に尊重感が伝わる。
- 「無理に戻ろうとは思ってないよ。あなたにとって自然な形でいてくれるのがいちばん嬉しい。」
- 「私はまだ気持ちはある。でもそれ以上に、あなたが心地よくいられることの方が大切だと思ってる。」
▶ 心理効果:相手は「選ばされていない」と感じることで、関係の負担感が下がる。
- 「いろいろあったけど、今も感謝してるよ。あなたが私にくれた時間や言葉、ちゃんと覚えてる。」
- 「距離ができても、あなたのやさしさを思い出すことがある。そういう人と出会えてよかったなって思う。」
▶ 心理効果:「価値ある人間として扱われている」感覚が関係の再接続を促す。
- 「急に送ってごめんね。読んでくれただけでもありがとう。返事は気にしないでね。」
- 「気持ちが伝えられてよかった。今はそれだけで十分です。あなたの時間、大切にしてね。」
▶ 心理効果:押しつけ感を避けることで、相手の中に“心地よい余韻”を残す。
距離をおいた関係性の回復ステップシート
「距離をおいた関係性の回復」のためのステップシートを、心理的プロセスと実践的行動の両面から整理しました。
このステップは、「見捨てられ不安」や「愛着の痛み」を抱えた方が、感情に飲み込まれすぎず、慎重に関係を見つめ直す助けとなります。
距離をおいた関係性の回復 ― ステップシート
● 想定対象:恋愛関係・親密な人間関係
● 想定状況:「関係性の一時的な距離」「相手の愛情が揺らいでいる」「自分の不安が強い」
● 目的:自分と相手の両方に負担をかけすぎず、回復の可能性を探ること
- □ 自分が「不安だからつなぎとめようとしている」と気づく
- □ LINEや連絡の回数を制限する(感情で動かず、時間を置く)
- □ 相手の沈黙=拒絶とは限らないと認識する
キーワード:見捨てられ不安/不安の“鎮静”が先
- □ 自分の時間・日常生活に意識を戻す(睡眠・食事・趣味)
- □ 1日1回、自分の感情を記録する(日記やワークシート)
- □ 「あの人がいないと私はダメ」という思いを、少し距離から見つめる
キーワード:自己の回復/“依存の鎖”を少しずつゆるめる
- □ 今の不安や嫉妬は、過去の体験(育ち・傷つき)と重なっていないか?
- □ 自分の中に「わかってほしかった子どもの私」がいることに気づく
- □ 抜毛症やいじめ経験など、過去に“見捨てられた感覚”があったか振り返る
キーワード:内的ワーク/痛みの“再演”を止める
- □ 相手もまた、何らかのストレスや防衛(経済不安など)を抱えていないか?
- □ 相手の「黙っている理由」を、自分の不安だけで解釈していないか?
- □ 「愛されている証拠がほしい」という態度が相手にどう映っているか?
キーワード:視点の転換/相手を“コントロール”しない視点
- □ 自分の気持ちを整理してから送る(感情で突発的に送らない)
- □ 相手に答えを強要しない文面にする(例:「返事はいらないよ」など)
- □ 連絡後は“待たずに戻る”ことを意識する(期待で自分を縛らない)
キーワード:非侵襲/信頼の“空気”を取り戻す
- □ この関係が「一方通行」でないか、冷静に見つめてみる
- □ 自分の成長が、関係の“自然な回復”につながるかを考える
- □ 関係を手放すとしても、それは“価値のない私”を意味しないと理解する
キーワード:自己尊重/“手放す力”も回復の一部
感情100→70→50までを可視化する感情記録シート
「感情100→70→50までを可視化する感情記録シート」です。
このシートは、強烈な感情の波をそのまま放置せず、“見える化”することで少しずつ沈静化することを目的としています。
特に、見捨てられ不安・恋愛による心の動揺が激しい時期に有効です。
使い方のヒント
- 感情スコア100の時に使うことを前提にして構成しています。
- 1日1回の記録でもOKですが、感情が高ぶったときにその都度使うのが最も効果的です。
- クライエントが繰り返し使う場合は、週ごとに「どの感情が多かったか」を集計しても良いです。
- 今日の日付・時間:_____
- 現在の感情:
□ 悲しみ □ 怒り □ 不安 □ 嫉妬 □ 孤独 □ 焦り □ 自責 □ その他:_____ - 感情の強さ(0~100): ☑︎___/100
- その感情に点数をつけた理由は?
→_____________________
感情スコア | 身体の感覚 | 頭の中の声 | 衝動・イメージ |
100 | 例:胸がギュッと締めつけられる、呼吸が浅い | 「終わりだ」「もうだめ」「連絡しなきゃ」 | 泣きたい、死にたい、責めたい |
70 | 例:重い、落ち着かない | 「どうしてあんなこと言ったんだろう」「連絡がほしい」 | 相手のSNSを見たくなる、何か送ってしまいそう |
50 | 例:少し楽になっている/気をそらせる瞬間が出てくる | 「少し冷静に考えてみよう」「本当に私だけの問題?」 | 深呼吸できる、他のことをしてみようと思える |
→ あなたの今の位置に●をつけてください:
🔘 100 🔘 90 🔘 80 🔘 70 🔘 60 🔘 50 🔘 40 🔘 30 🔘 20 🔘 10 🔘 0
- 今の感情を70に下げるために「今できそうなこと」は?
→(例:深呼吸する/LINEを書いても送らず保存する/散歩する)
_____________________ - それをやってみたら、気持ちは何点になった? → ☑︎___/100
※無理に下げなくてもOK、少し変化があれば十分です。
- 感情に飲まれていた自分にかけたい言葉:
→「_____________________」
(例:「よく耐えたね」「ちゃんと気持ち見てあげられた」「次はもう少し優しくできる」)
『愛されたい私』と『自由でいたい相手』の対話ワーク
「『愛されたい私』と『自由でいたい相手』の対話ワーク」です。
このワークは、“心の中にいる2人”の声を分離して聴くことで、感情の葛藤を整理し、相手との関係に柔軟性を生み出すことを目的としています。
特に、「見捨てられ不安」と「相手の愛情が減っていくことへの恐れ」が強くなる恋愛場面で効果的です。
内的対話ワーク:「愛されたい私」と「自由でいたい相手」
目的
- 相手の心を無理にコントロールせずに、「自分の内側の声」に耳を傾ける
- 「愛されたい気持ち」が責めや依存にならないよう、共感的に整える
- 相手の「自由でいたい気持ち」を否定せず、自分と並べて眺める
このワークのポイント
- 書くことで「感情の統合」が起こりやすくなります
- 相手の心を無理に動かすのではなく、自分の内側にある複数の声を調和させることが第一ステップです
- 定期的に書くことで、「衝動」や「不安」ではなく、「成熟した選択」から関係性を見直す余地が生まれます
パート | キャラクター化(例) | その人の望み |
A:「愛されたい私」 | 小さな女の子/抱きしめてほしい子 | 愛される実感がほしい、そばにいてほしい、拒絶されるのが怖い |
B:「自由でいたい相手」 | 風のような青年/少し距離のある大人 | 責められずにいたい、自分のリズムを守りたい、静かに考えたい |
🖊️ それぞれ自分なりのイメージに変えてOK
→ Aのキャラクター:________________
→ Bのキャラクター:________________
例:
A:「愛されたい私」
「どうしてそばにいてくれないの? 前みたいに大事にしてくれなくなって、すごく寂しいよ。」
B:「自由でいたい相手」
「君のことを大事に思ってるよ。でも今は、自分のことで精一杯なんだ。責められると、もっと離れたくなるんだ。」
🖊️ あなた自身の対話を書いてみましょう:
A:「愛されたい私」:
→ ____________________________
B:「自由でいたい相手」:
→ ____________________________
このワークの本質は、「対立する2つの声の間に立つ第3の存在=“今ここにいるあなた自身”」が調停者になることです。
調停者のあなたは、どちらも否定せずにこう言ってみます:
- 「どちらの気持ちもわかるよ」
- 「“愛されたい”と“自由でいたい”は、矛盾じゃなくて、両方あっていい」
- 「この気持ちを整理してから、相手に言葉を選んで伝えてみよう」
🖊️ あなたの言葉で書いてみましょう:
調停者としての私の声:
→ ____________________________
この対話を通じて、自分の中の感情や願いが少し整理されたなら、次の行動が変わってきます。
- 例1:「LINEを今すぐ送る代わりに、まず自分の気持ちをノートに書き出そう」
- 例2:「“寂しさ”を癒すのは相手だけじゃなく、他の人や自分もできるかもしれない」
今の自分にできそうなことを一つ書いてみましょう:
→ ____________________________
別れの後の感情回復ワークシート
愛着や喪失感、自己否定、未練や混乱などを丁寧に整理し、少しずつ「感情の回復」と「意味の統合」へ向かう構成になっています。
「回復は、直線ではなく波」
- 寂しさ、後悔、怒り…それは波のようにやってきます。
- 大事なのは「波が来たときに、自分を否定せず抱えてあげる」ことです。
- このワークは何度でも使ってください。段階によって、響く問いが変わります。
「別れの後の感情回復」ワークシート:~心の整理と再出発のための6つのステップ~
次にチェックしてください(複数可):
- 寂しさに押しつぶされそう
- まだ信じられない/現実感がない
- 自分が悪かった気がする
- 怒りや納得できない気持ちがある
- また同じことが起きそうで不安
- 未来に希望が持てない
今の気持ちを一言で表すなら:「_________________」
思い出すのがつらい場合は、やさしく自分に許可を出してから行ってください。
- 関係の中で嬉しかったこと・安心できたこと(3つ以上)
・___________________________________
・___________________________________
・___________________________________ - 関係の中でつらかったこと・我慢していたこと(3つ以上)
・___________________________________
・___________________________________
・___________________________________
- 「私はこの関係で〇〇が欲しかった」
- 「私は〇〇されることで、自分の〇〇を癒したかった」
書き出し例:
- 「私は、安心して頼れる居場所が欲しかった」
- 「私は、いつも見捨てられる不安を癒したかった」
感情の整理がある程度できた段階で行ってください。
- 「この経験を通して気づいたことがあるとすれば、それは_____________________」
- 「私は次の関係で、もっと〇〇を大事にしたいと思う」
未練・後悔・怒り・疑問などがあれば、ノートや紙に出してみてください。
書き出し例:
- 「私はまだ〇〇が心に残っている」
- 「どうして〇〇だったのか、わからないままだ」
- 「もし話せるなら、〇〇と伝えたい」
書き出したら、自分にこう言ってみてください:
「この気持ちがあるのは自然なこと。今はまだ終わっていなくていい」
未来に向けて、「今日からできるほんの小さなこと」を選んでみてください:
- 朝、ゆっくり深呼吸をする
- 自分にやさしい言葉をかける
- 安心できる人と10分でも話す
- これからやってみたいことを1つメモに書く
- 「別れた私も価値がある」と紙に書いて貼っておく
今日、自分にかける言葉を選んでみましょう:
「_______________________________」
