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心理カウンセリングの面接の役割と心得の重要性

目次

心理カウンセリングの果たす役割は、面接を通じて安心と信頼、希望を通じて受診の経緯、主訴、リカバリーをします。そして、症状と経過を基に診断面談、治療面談を行います。

心理カウンセリングは、クライエントとの信頼関係を築き症状や苦痛の原因を探り、適切な治療方法を提供することを目的としています。「面接」では、質問する問診よりも教えてもらう面接が基本であり、開かれた質問や共感を重視することが重要です。また、クライエントの受診理由や症状の経過、自覚症状や客観症状、そしてセルフケアについても重要なポイントであり、心理カウンセリングの面接を通じてクライエントの症状や苦痛を理解し、共に治療を進めていくことが重要となります。

面接において主たる3つの役割

心理カウンセリングには、主な3つの役割を重要としています。

関係性の役割

心理カウンセラーは、クライエントとの関係性を築くことで治療の効果を高めるための役割を果たします。クライエントとの信頼関係を築くことが重要であり、クライエントが自分自身を開示することに対し問題を解決するための安全な環境を提供することが求められます。
また、クライエントに対する適切なサポートを行うために、心理カウンセラーは、クライエントの感情やニーズに敏感に対応することが必要です。関係性の役割は、治療の成功に欠かせない要素の一つであり、心理カウンセラーの重要な役割です。

診断の役割

心理カウンセラーは、クライエントの症状や問題を評価するために診断の役割を果たします。診断はクライエントの症状を明確に理解し、その症状に対する適切な治療を決定するために必要なものです。
クライエントの話を聴きその症状や問題の背景を理解するために様々な質問を投げかけると同時に、クライエントの行動や感情に関する観察も行います。これにより、クライエントの症状や問題を分析し診断を行うことができます。

治療の役割

心理カウンセラーは、診断を行った上でクライエントの症状や問題に対する適切な治療を行うための役割を果たします。
治療はクライエントとの面接においてさまざまなテクニックを用いて行われ、クライエントの感情や行動を変えるための技術や戦略を用い、問題の解決に向けたサポートを行います。
治療には認知行動療法や対人療法など、様々なアプローチがあります。

上記のように、心理カウンセラーは関係性、診断、治療という3つの役割を果たします。これらの役割を適切に行うことで、クライエントの症状や問題を理解し、適切な治療を行うことができます。
また、関係性を築くことでクライエントが自分自身を開示しすることに対して、クライエントの情報漏洩の順守や安全な環境などを提供し治療につながることを望んでいます。
心理カウンセラーはこれらの役割を適切に行うために、専門的なスキルと知識を持つ必要があります。

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安心と信頼、そして希望

心理カウンセリングにおける安心と信頼、そして希望は診断と治療の基盤を形成する非常に重要な要素です。

安心と信頼

心理カウンセリングにおいて、クライエントは自分自身を開示するために、心理カウンセラーとの信頼関係を築く必要があります。このため、心理カウンセラーは、クライエントに安心感を与え、信頼関係を築くことが求められていますので、クライエントの話を真剣に聴き、その症状や問題を理解するために親身になって接する必要があります。
また、クライエントのプライバシーを守り機密性を保つことも重要です。安心と信頼を築くことで、クライエントは自分自身を開示しやすくなり治療に取り組むことができます。

希望

心理カウンセリングにおいて、クライエントに希望を与えることも非常に重要です。クライエントが治療に取り組むためには問題を解決することができるという希望が必要です。
クライエントが問題を解決するための自己能力を引き出すために、積極的な姿勢をとることが求められますので、クライエントの強みや資源を見つけ活用することも重要であり、希望を共有することでクライエントも治療に対して積極的に取り組むことができます。

診断と治療の基盤

安心と信頼、そして希望は、診断と治療の基盤を形成する非常に重要な要素です。
安心と信頼によって、クライエントは自分自身を開示しやすくなり、心理カウンセラーは症状や問題を正確に理解することができます。
また、希望を持てる場合もクライエントは治療に積極的に取り組むことができるようになります。このように、安心と信頼、そして希望は、心理カウンセリングにおいて非常に重要な要素であり、診断と治療の基盤を形成することができます。
心理カウンセラーはクライエントとの関係性を築きながら患者の症状や問題を正確に理解し、適切な診断と治療を行う必要があります。
安心と信頼、そして希望があることでクライエントは治療に積極的に取り組むことができ、治療につながることが期待されます。

受容、共感、自己一致

心理カウンセリングにおいて、受容、共感、自己一致は、非常に重要な概念であり、患者との信頼関係を築き、治療の効果を高めるために必要不可欠なものです。

受容、共感、自己一致
受容
「受容」とは、相手の思いや感情を受け止め無条件に受け入れることを意味します。
心理カウンセリングにおいては、クライエントの話を遮らず、否定せず、ただ静かに聴き、受け止めることが重要であり、行動や思考に対しても批判や非難をするのではなく、その人自身を受け入れる姿勢が必要です。
受容が行われることで、クライエントは自分を受け入れ、自己肯定感が高まるようになります。
共感
「共感」とは、相手の感情や思考に対して理解を示すことを意味します。
ただし、共感は単に理解することではなく、相手の立場に立って共感することが重要です。
共感的理解を示すことで、クライエントは自分の気持ちや感情を表現しやすくなり、自己理解が深まります。
また、クライエントが自分を受け入れることができるような、温かく包み込むような空気が醸し出されます。
自己一致
「自己一致」とは、自分の内面と外面が一致していることを指します。
つまり、自分自身の気持ちや思考に自覚があること、また自分が持つ価値観や信念に基づいた行動をとることができることを意味します。
心理カウンセリングにおいては、クライエントが自己一致を感じるように自分の内面と向き合い、自己理解を深めることが求められます。
また、カウンセラもあるがままの自分に気付き、それを受け入れた自己概念を持てている自己一致をしていることが原則となります。自己一致が高まることで、自己肯定感が高まり自己実現の道が開けることがあります。
成長、適応、健康へと向かう潜在的な力
人間は成長、適応、健康へと向かう潜在的な力を持っていると考え、カウンセラーが「受容」「共感」「自己一致」という態度を示すことで、 人間は自己の成長や適応に必要な情報や経験を自己中心的に受け入れ、それを統合して自己実現の方向に向かって進んでいくとされています。
この自己実現の過程において、カウンセラーが受容、共感、自己一致の態度を持つことで、クライアントの成長や適応、健康に対する潜在的な力を引き出すことができると考えています。

診断面接、治療面接

診断面接

診断面接は、クライエントの問題や症状を正確に把握するための面接です。
心理カウンセラーはクライエントに対して適切な質問を行い、症状や問題の背景、発生原因などを探ります。
また、クライエントの人生に関する情報や過去の経験、家族歴などを収集することで、診断のための情報を得ることができます。診断面接は、正確な診断を下すための役割を担っています。

治療面接

治療面接は、クライエントとの信頼関係を築くことを目的とした面接です。
治療面接では、クライエントの症状や問題に対して具体的なアドバイスや指導を行うわけではなく、むしろコミュニケーションを通じて、クライエント自身が問題を解決するための自己理解や自己肯定感を高めることを目的としています。
治療面接は、クライエントの自己肯定感や自己効力感を高め、治療に積極的に取り組むことができるようにするための役割を果たします。

心理カウンセラーは、診断面接と治療面接の両方を通じて、クライエントの問題や症状を正確に把握し適切な治療を行うための情報を収集することが求められます。また、クライエントとの信頼関係を築くことで治療に積極的に取り組むことができるようにすることも重要です。

質問する問診ではなく、教えてもらう面接が基本

心理カウンセリングにおける面接には質問する問診ではなく、クライエントに話をしてもらい教えてもらうことを基本としていて、クライエント自身が問題や症状について考え、自分の気持ちや思考を整理することを目的としています。
この教えてもらう面接では、クライエントに対して開いた質問をすることが重要です。
開いた質問とは、クライエントが自由に話せるように促す質問であり、クライエント自身が話すことで自己理解や自己肯定感を高めることができます。
具体的には、「どんなことで悩んでいるんですか?」や「その気持ちはどんな感じなんですか?」などにあたります。

一方、閉じた質問は答えがはっきりしている質問であり、質問者の意図が明確に伝わる場合に使用されます。
例えば、「あなたは今、どのような感情を感じていますか?」や「どのような状況でその感情が起こるのですか?」などが挙げられます。
開かれた質問と閉じた質問は、どちらも面接において有効な質問方法であり、適切なタイミングで使用することが重要です。開いた質問を適切に使用することで、クライエントが自分自身の気持ちや思考を整理することができ、閉じた質問を使用することで、より詳細な情報を収集することができます。

受診の経緯、主訴、リカバリー

心理カウンセリングにおける面接では、受診の経緯や主訴を聞くことが重要です。
受診の経緯にはどのような状況で受診を決めたのか、何がきっかけとなったのかを聞き、主訴についてはクライエントが抱えている問題や苦痛について詳しく聞き取り主観的な感覚を理解することが目的です。
具体的な例としては、うつ病や不安障害、人間関係のトラブル、仕事のストレス、身体的な不調などが挙げられます。

また、クライエントの精神状態や自覚的な苦痛、生活に関わっている障害についても聞き取ります。これによって、クライエントの状態や問題の深刻度を把握し、適切な治療や支援を行うことができます。

さらに、心理カウンセリングでは、クライエントがどうなりたいかについても重要な視点です。
クライエントが回復するために必要なことや、達成したいことなどを聞き取り、そのための具体的な目標やアクションプランを一緒に考えることをします。このように、多様性のあるリカバリーを支援することが心理カウンセリングの目的の一つとなります。

症状と経過

心理カウンセリングの面接で、症状と経過については、「症状の経過を明らかにする」「自覚症状の体験症状と主観症状」「他覚所見の行動症状と客観症状」の聞き取りが重要となります。

心理カウンセリングの面接においては、症状と経過についての聞き取りが重要となります。
症状の経過については、いつからどのような症状が出始めたか、症状がどのように変化してきたか、どのような要因が影響したのかなどを詳しく聞き取ります。これによって、症状の原因や状態の深刻度を把握し、適切な治療や支援を行うことができます。

症状には、自覚症状と他覚所見の2つのタイプがあります。
自覚症状は、クライエント自身が感じる症状であり、例えば「落ち込んでいる」「不安で眠れない」「食欲がない」などが挙げられます。
他覚所見は、周りの人がクライエントに対して観察した行動や症状であり、例えば「無口になった」「動作が鈍くなった」「痩せた」などが挙げられます。

クライエントの面接の理由

クライエントの面接受診は症状があるからではなく、症状が苦痛を通じて行動に影響され、生活に障害がでて、生きづらさを感じているからです。
心理カウンセリングの面接において、クライエントが受診する理由は単に症状があるからではなく、その症状が生活に影響し、生きづらさを感じているからです。
この影響は、自覚的な苦痛として現れることが多く、クライエントが自分自身の気持ちや感情を理解することが必要になります。
この自覚的な苦痛は、社会生活にも影響を与えているはずです。例えば、うつ病では、仕事や学業に集中できなくなることがあり、社会的孤立感を感じることがあります。

まとめ

心理カウンセリングは、精神医学において不可欠な役割を果たしており、クライエントとの信頼関係を築き、症状や苦痛の原因を探り、適切な治療方法を提供することを目的としています。
面接では、質問する問診よりも教えてもらう面接が基本であり、開かれた質問や共感を重視することが重要です。
また、クライエントの受診理由や症状の経過、自覚症状や客観症状、そしてセルフケアについても重要なポイントです。心理カウンセリングを通じて、患者の症状や苦痛を理解し、共に治療を進めていくことが大切です。
心理カウンセリングにおいて、受容、共感、自己一致は、非常に重要な概念であり、クライエントとの信頼関係を築き、治療の効果を高めるために必要不可欠なものです。
人間は成長、適応、健康へと向かう潜在的な力を持っていると考え、カウンセラーが受容、共感、自己一致という態度を示すことで、クライエントが自己成長することを助けることができると考えています。
これらのことが問診ではなく面接という臨床技の心得だと自覚しています。

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