3時間無料対面カウンセリングを行っています。無料カウンセリング予約フォームでお申し込みください。ボタン

LGBTQ+とSOGIの知識と理解

目次

普通ってなんだ!人間の心も個性もグラデーションであり表現も自由です。性についてはLGBTQ+で表していますが、マイノリティも多様性も受け入れられる環境が当たり前のことです。

LGBTQ+の人々が社会に存在することは、特別なことではなく当たり前と認め、差別や偏見を撤廃する社会的な動きが進んでいます。近年、LGBTQ+の人々が抱える問題についての認識が高まり、世界的には同性婚や性別違和(性同一性障害)の性別適合手術の医療費の公的負担など法的保護や社会的な支援が進んでいます。
また、SNSやインターネットの普及により、LGBTQ+の人々が自分を表現する場が広がったことも一因となって、社会に浸透するようになりました。さらに、自分を表現することが許容される社会への変化に伴い、LGBTQ+に関する情報や知識を広く共有することが求められるようになってきて、LGBTQ+に関する話題がより一般的になり、最近では、LGBTQQIAAPPO2Sの性的指向や性自認を表す用語も使われるようになっています。ここまで進んでいて、マジョリティの人々も理解を深めることができるようになっています。

このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

「L・G・B・T・Q・+」の用語解説

LGBTQ+とは、性的指向や性自認に関する多様性を含む、性的マイノリティに属する人々のコミュニティを指しますが、ここでは17用語について詳しく説明します。
これらの用語は、LGBTQ+またはLGBTQIAの多様性を表すものの一部であり、個人によってその定義や解釈が異なり正確に当てはまるものではありません。また、下記以外にも性的指向や性自認の違いによる広い多様性や変化があり、LGBTQ+のコミュニティに属する人々は、自分を認識する自己決定権があるため、自分の性的指向や性自認を自由に表現しています。しかし、最近では「LGBTQQIAAPPO2S」で表すようにもなっています。

LGBTを表現する際によく使われる表現は次の通りです。

レズビアン(Lesbian)
女性同士が恋愛や性的な関係を持つことを自己認識する人を指します。LGBTQ+の中で「L」に該当します。
女性同性愛者のことを指し、女性同士のロマンティックな愛情や性的な魅力を感じる人を表します。レズビアンは同性的指向の一つの存在です。
ゲイ(Gay)
男性同士が恋愛や性的な関係を持つことを自己認識する人を指します。LGBTQ+の中で「G」に該当します。
男性同性愛者のことを指し、男性同士のロマンティックな愛情や性的な魅力を感じる人を表します。ゲイは同性的指向の一つの存在です。
バイセクシャル(Bisexual)
同性、あるいは性自認が異なる人との恋愛や性的な関係を持つことを自己認識する人を指します。LGBTQ+の中で「B」に該当します。
異性と同性に対して、ロマンティックな愛情や性的な魅力を感じることができる人を指します。
トランスジェンダー(Transgender)
生まれたときに割り当てられた性別と自己認識する性別が一致しない人を指します。厳密には性同一障害とは異なり、性別越境といわれLGBTQ+の中で「T」に該当します。
生まれつきの体の性別と異なる性自認を持つ人々を指すことや、生まれたときの体の性別と異なる性別に属することを自己認識する人を表します。トランスジェンダーには、異性装をするクロスドレッサーや、外見や性格を変えるドラァグクイーンなども含まれます。
・身体的性は男性、性自認は女性「MtF」であるケース
・身体的性は女性、性自認は男性「FtM」であるケース
上記のケースは、身体的性と性自認が不一致であり、外科的手術を望んでいるか、または終えているセクシャリティのことです。
クィア(Queer)
性的指向や性自認が一般的な範疇に当てはまらない人々を指し、自己認識する人がクィアを認めるかは個人によって異なります。LGBTQ+の中で「Q」に該当します。
クエスチョニング(Questioning)
自分の性的指向や性自認について決められなく、迷っている人を指します。LGBTQ+の中で「Q」に該当することもあります。
インターセックス(Intersex)
身体的性において男性と女性の両方の性別を有しています。LGBTQIAの中で「I」に該当することもあります。性分化疾患(DSD)と呼ぶこともありますが、解剖学上において、先天的に男性、女性と異なる性器や染色体、ホルモンのいずれか、または複合的に異なっている状態の総称を指しています。そのため、LGBTの表現には適切でないといわれてもいます。
アセクシャル(Asexual)
性的な魅力や欲求を持たないことを自己認識する人を指します。LGBTQIAの中で「A」に該当することもあります。
Aロマンティック
恋愛に興味を持たないことを自己認識する人を指します。LGBTQIAの中で「A」に該当することもあります。
デミロマンティック
恋愛に対してある程度の感情を持つが、深い感情は持たないことを自己認識する人を指します。
デミセクシャル
特定の条件が揃わないと性的な魅力や欲求を持たないことを自己認識する人を指します。
グレイロマンティック
恋愛には興味があるが、その程度は強くないことを自己認識する人を指します。
グレイセクシャル
性的な魅力や欲求があるが、その程度は強くないことを自己認識する人を指します。
ロスロマンティック
恋愛に対してロマンティックな感情を持たないことを自己認識する人を指します。
リスセクシャル
性的な魅力や欲求を持たないことを自己認識する人を指します。
Xジェンダー
男性と女性の二元的な性別分類に当てはまらない、あるいは自己の性別を特定しない人々を指します。Xジェンダーはトランスジェンダーの一部であり、性自認において男女二元論の男性または女性に当てはまらない人を指します。
パンセクシャル
性的指向の一つで、男性、女性、トランスジェンダーの人々に対して、性的魅力や感情を持つことができる人を指します。パンセクシャルはバイセクシャルと似ていますが、バイセクシャルは男性と女性に対してのみ性的魅力や感情を持つことができる人を指すのに対して、パンセクシャルは男性、女性、トランスジェンダーを含めた全ての性別に対して性的魅力や感情を持つことができる人を指します。

トランスジェンダーのセルフチェックリスト

トランスジェンダー(Transgender)の自己評価のためのセルフチェックリストは、性同一性やジェンダーに関する感情や経験を理解するのに役立ちます。次に30問のセルフチェックリストを示します。各質問に対して、各質問に対して、「はい」か「いいえ」で回答してください。

トランスジェンダーのセルフチェックリスト30問
1.自分の性別に違和感を感じることが多い。
2. 自分が本来の性別とは異なる性別であると感じる。
3.子供の頃から現在の性別に違和感を覚えていた。
4.自分の体の性別的特徴に不快感を持っている。
5. 性別に関する考えや悩みが日常生活に影響を与えている。
6.他人が自分を本来の性別で見てくれると感じると嬉しい。
7.自分の性別を隠すために行動を変えることがある。
8.自分の性別を表現することが困難だと感じる。
9. 性別に関する悩みが精神的なストレスを引き起こす。
10.現在の性別に違和感があり、別の性別になりたいと思うことがある。
11. 自分の性別を他人に理解してもらうのが難しいと感じる。
12.自分の性別を表現するために服装や外見を変えることがある。
13.他人が自分の性別について正しく認識していないと感じることが多い。
14.自分の性別について他人に説明するのが難しいと感じる。
15.自分の性別に違和感を感じることで、社会的な場面を避けることがある。
16.性別に関する悩みが自尊心に影響を与える。
17.自分の性別についての考えが日常生活の大部分を占める。
18.自分の性別を理解してくれるコミュニティやサポートグループを探している。
19.他人から自分の性別を否定されることが恐怖である。
20.自分の性別を認めることが精神的な解放感をもたらすと感じる。
21.性別に関するカウンセリングや支援を受けたいと考えている。
22.自分の性別に違和感を感じることで、家族や友人との関係が影響を受けている。
23.性別を変更することについて真剣に考えたことがある。
24.自分の性別について話すときに不安や恐怖を感じることがある。
25.自分の性別を正しく表現することができると感じる瞬間がある。
26.自分の性別についての悩みが職場や学校でのパフォーマンスに影響を与える。
27.性別を変更するための医療や手術について考えたことがある。
28.自分の性別に対する他人の反応が気になる。
29.自分の性別を正しく認識してもらうことが、幸せや満足感に繋がると感じる。
30.自分の性別に関する悩みや不安を共有できる信頼できる人がいる。
トランスジェンダーのセルフチェックリスト30問

このセルフチェックリストを通じて、自分の性同一性やジェンダーに関する感情を振り返り、必要であれば専門家の助けを求めることを検討してください。ジェンダーに関する悩みや疑問は非常に個人的で複雑なものであり、専門的なサポートやカウンセリングを受けることで、自分自身の理解を深め、適切なサポートを得ることができます。

LGBTQQIAAPPO2Sの表現

最近では、LGBTQQIAAPPO2Sの性的指向や性自認を表す用語も使われるようになっています。それぞれの文字は次のように表現しています。

LGBTQQIAAPPO2S
L:
レズビアン
女性同士の性的魅力や感情的な関わりを持つ女性を指します。
G:
ゲイ
通常、男性同士の性的魅力や感情的な関わりを持つ男性を指しますが、時には広義で同性愛者を指す場合もあります。
B:
バイセクシュアル
男性と女性の両方に性的魅力や感情的な関わりを持つ人を指します。
T:
トランスジェンダー
自己の性自認が生まれたときの生物学的性別と異なると感じる人を指します。性別の違いを感じています。
Q:
クエスチョニング
自分の性的指向や性自認について不確かさや疑問を抱えている人々を指します。
Q:
クィア
かつては侮蔑的な意味で使われた言葉でしたが、多くの人が肯定的な意味で使い、多様性や性的指向、性自認の多様性を包括的に表す言葉として使用しています。
I:
インターセックス
生物学的に、一般的な男性または女性の定義に合致しない性的特徴を持つ人々を指します。これは染色体、生殖器、ホルモンレベルなどで表れます。
A:
エーセクシュアル
性的な魅力や欲求が極めて少ないか全くない人々を指します。性的指向のスペクトラムにおいて、性的吸引や関心が乏しいことを特徴とします。
A:
アロマンティック
恋愛的な魅力や欲求が極めて少ないか全くない人々を指します。恋愛関係に対する興味や関心が乏しいことを特徴とします。
P:
ポリアモリー
一度に複数のパートナーシップを持つことを肯定する関係形態を指します。
P:
パンセクシュアル
性的魅力や感情的な関わりを、性別や性自認によらずに感じることができる人々を指します。「全性愛」であり、相手のセックスやジェンダーを意識していません。
O:
オムニセクシュアル
性的魅力や感情的な関わりを、性別や性自認によらずに感じることができる人々を指します。「全性愛」ですが、相手のセックスやジェンダーを意識しています。例えば、男性・女性らしい容姿を意識しているなどのような場合も該当します。
2S:
2スピリット
元々は北アメリカの先住民コミュニティにおける性や性自認に関連する伝統的な概念です。この用語は、男性と女性の性的な特性、またはジェンダーの両方を結集した人々を表すのに使用されます。

SOGI(性的指向と性自認)とは

「SOGI」(ソジ)とは、Sexual Orientation and Gender Identity(性的指向と性自認)の略語で、LGBTQ+の人々が抱える性的指向や性自認に関する問題を包括的に扱う用語です。
LGBTQ+の人々が直面する差別や偏見は、性的指向と性自認が異なることによるものが多いため、SOGIという用語で人々が抱える問題を包括的に扱うために用いられています。
SOGIには、性的指向や性自認に対する理解の欠如による偏見や差別、家族や友人、職場や学校でのカミングアウトの困難さ、性的指向や性自認によるヘイトクライムや暴力など、さまざまな問題が含まれます。

SOGIに関する啓蒙活動や法制度の整備が進むことで、LGBTQ+の人々が自分を自由に表現し、安心して生きられる社会が実現することを目指しています。

性自認

法律上の性別と性自認については国や地域によって異なりますが、一般的に法律上の性別は、出生時の生殖器の形態に基づいて決定されます。つまり、生まれた時に医師が確認した性器の形状によって男性か女性かを判断し、法律上の性別としています。もう少し詳しく言うと、身体的特徴の他に、染色体、遺伝子、性ホルモンの影響によって決定されます。

一方、性自認は、個人が自分をどのように認識するかということで、自分が男性、女性、あるいはどちらでもないと感じるかということです。性自認と法律上の性別が一致しない場合に、個人は法律上の性別によって扱われるため性自認が認められなく心の葛藤ばかりではなく、社会から差別や不平な扱いを受けることにつながってきました。

近年は多くの国や地域で、性自認に基づく性別の選択が認められるようになっていて、法律上の性別を変更する手続きが設けられたり、公的な証明書や文書で性別を変更できるようになったりしています。また、一部の国では、性自認に基づいて法律上の性別を選択できるようになってきていますが、まだ多くの国や地域で性自認に基づく法的な保護が不十分であるため、個人の人権を守るために改善が必要とされています。

性別意識・性別同一性と指定された性別・性別役割

性別意識・性別同一性
・主観的認識として、自分がどちらの性別がふさわしいか、どうあるべきかという意識
指定された性別・性別役割
・性別に関連して社会から指定された役割、生物学的性別がその形成に大きく影響する

性的指向(異性・同性・両性・無性愛)とは

性的指向(性的方向)とは、個人がどのような性別の人に興味を持つかを表す概念であり、自己が捉えている性的魅力や欲求に対する向き合い方の傾向です。

異性愛
(ヘテロセクシュアル)
異性に対して性的魅力や欲求を感じる人を指す
同性愛
(ホモセクシュアル)
同性に対して性的魅力や欲求を感じる人を指す
両性愛
(バイセクシュアル)
異性と同性の両方に対して性的魅力や欲求を感じる人を指す
無性愛
(アセクシュアル)
性的魅力や欲求を感じない人を指す
SOGI
性的指向(性的方向)

性的指向は個人にとって自然であり健康的であると考えられていますので、性的指向に基づく差別や偏見は、人権の侵害とされています。
一方で、性的指向は個人差が大きく、同じ性的指向でも性的魅力の対象や欲求の強さについては人によって異なるだけではなく、性的指向は時として変化することもあります。

性的指向についての理解は、性的マイノリティの権利を尊重し、偏見や差別をなくすために重要です。

性表現

性表現は性的マイノリティの方々にとって、外部からの偏見や差別を受けることがあるため、その自由を制限されることがあります。性表現の自由は人権の一つであり、性的マイノリティの権利を尊重し偏見や差別をなくすために重要です。

性表現

性表現とは、個人が自分を性的に表現する方法のことを指します。個人の性表現には、身体的な特徴や外見、服装、言葉遣い、行動、または性的行為などが含まれます。

性表現には、社会的期待や性別役割に従って男性らしい行動や女性らしい行動といったステレオタイプが存在することがありますが、性表現は個人によって異なるため、社会的期待やステレオタイプに捉われず自分の思うがままに表現できることが期待されます。

18歳未満の性違和感の検討(拮抗薬療法)

性別違和感(Gender Identity Disorder, GID)に対する治療の一環として、18歳未満の患者で性別違和感を軽減するために行われる治療として、脳下垂体からのゴナドトロピンを抑制する方法について解説します。この治療は通常「ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)拮抗薬療法」と呼ばれます。

治療の目的

主な目的は、患者が性別違和感を軽減し、十分な時間をかけて性同一性を確認することです。この治療を受けることで、二次性徴の発現を一時的に遅らせ、患者が将来的に(例えば、性別適合手術を行うかどうかなど)検討する時間を確保します。この治療を中止すれば、二次性徴は再開されますので安心です。

ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)拮抗薬とは

GnRH拮抗薬は、脳下垂体から放出されるゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)の作用を抑制する薬です。GnRHは性腺に対して刺激を与え、性ホルモンの分泌を引き起こします。この治療法では、このGnRHの作用を一時的に抑制し、性ホルモンの分泌を制御します。

治療の進行
  1. 評価と診断
    まず、患者は心理的な評価と性同一性障害(Gender Dysphoria)の診断を受けます。
  2. 家族との協力
    家族のサポートが重要であり、治療の成功において協力が得られるようにします。
  3. 医師の管理
    医師がGnRH拮抗薬の投与を管理し、患者の健康状態をモニタリングします。
注意点とリスク
  1. この治療は一時的なものであり、患者が治療を中断すれば、通常は性ホルモンの分泌が再開されます。
  2. 未成年者における性同一性に関する重要な意思決定は慎重に検討されるべきであり、家族や専門医のサポートが必要です。
継続的なサポート

心理療法やサポートグループへの参加が推奨され、患者が性同一性に関する感情や認識を探る手助けとなります。

この治療法は、性同一性に関する意思決定を患者にゆっくりと時間を与え、十分なサポートが提供される中で行われるべきです。医師、心理療法士、家族などが緊密に連携し、患者の個々の状況に合わせたアプローチが求められます。

LGBTQ+に関する法律関係/性別再適合手術/LGBTQ+の割合の統計/LGBTQ+の困難や苦痛を経験する場面/LGBTQ+の改善に必要な国民の行動や政治、法律は/LGBTQ+に関する「まとめ」については次ページ2⃣でご覧ください。

1 2
目次