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ガスライティングとモラルハラスメントの違い

目次

ガスライティングとモラルハラスメント(モラハラ)の違いの解説と4種のチェックリストに加え実際の臨床

ガスライティングとは、相手の認知・感情・記憶・判断を意図的に揺さぶり、現実感(リアリティテスト)を弱らせる心理的虐待です。
最終的には、被害者が 「自分の方が間違っているのでは?」 と自信を失い、加害者に依存しやすい状態に陥ります。

一方、モラルハラスメント(モラハラ)は、道徳的な価値観に基づく不当な行為や言動により、他者が心理的な苦痛を感じる状況を指します。これは個人の道徳、宗教的信念、人種・性別の平等に関する立場など、個人の価値観に対する攻撃が該当します。

  • ガスライティング=“現実をゆがめる心理操作”
    • ガスライティングは、あなたの“現実や感情”を否定して混乱させる技術です。
    • 「あなたがおかしい」「言ってない」と言われ続けることで、自分を信じられなくなります。
  • モラルハラスメント=“人格を傷つけ支配する総合的な心理的暴力”
    • モラルハラスメントは、そのような技術を含む“関係全体の暴力”です。
    • 無視、批判、支配、孤立化などが組み合わさり、あなたが弱らされていきます。
  • ガスライティングは、モラハラの“中核技術”になりやすい。
    • 簡単に言うと:ガスライティングは“やり方”、モラハラは“関係のパターン”です。
    • ガスライティングが繰り返されると、関係全体がモラハラ化します。

つまり、ガスライティング ⊂ モラハラ(ガスライティングはモラハラの一部)という関係です。

ガスライティング

「あなたの現実は間違っている」と否定して、混乱させ、支配する
例:

  • 「そんなこと言ってない」
  • 「また勘違いしてるの?」
  • 「被害妄想じゃない?」

目的:混乱・疑念の植え付け

モラルハラスメント

 人格・尊厳を攻撃し続け、相手を従わせる“関係全体の暴力”
例:

  • 無視・過剰な批判
  • 威圧・過小評価
  • 経済的支配
  • 孤立化
  • 感情的攻撃(怒鳴る・皮肉・暴言)

目的:支配・優位性の維持

① 焦点:ガスライティングは「認知操作」、モラハラは「関係支配」

項目ガスライティングモラルハラスメント
主な目的混乱・自己疑念の誘発支配・服従・人格破壊
主な領域認知(記憶・判断)人格・行動・感情・生活
手段否定・矛盾・事実の書き換え無視、暴言、威圧、経済強要、孤立化など多岐
影響自己感の揺らぎ、混乱自尊破壊、生活全体の崩壊

ガスライティングは“技術”、モラハラは“関係パターン”

モラハラ加害者が使う「多数の手法」のうち、最も破壊力が強いのが ガスライティング(現実操作) であり、ガスライティングはモラハラの中心的な武器となります。

  • まず人格攻撃(モラハラ)
  • 被害者が反論→「それはお前の勘違いだよ」(ガスライティング)→ 反論できなくされる

このように、ガスライティングはモラハラを成立させる“鍵”になります。

感情への影響の違い

  • ガスライティング:あなたの「現実」を壊す
    • “自分が間違っている感覚”が強くなる
    • 不安・混乱・自己否定
  • モラハラ:あなたの「尊厳と人生」を壊す
    • 恐怖・怒り・屈辱
    • 孤立・無力感
    • PTSDやC-PTSDに発展しやすい

このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

ガスライティング

1. なぜ「ガスライティング」と呼ばれる?

── 現実を疑わせる“火の調整”の比喩

1940年代の映画『Gaslight』で、夫がガス灯の火を弱め、妻に「あなたの気のせいです」と否定し続ける場面から派生した名称です。
つまり、行為者は 小さな違和感を積み重ねて相手の現実検証力を奪うのです。

2. ガスライティングの特徴(臨床的ポイント)

特徴
① ゆっくり段階的に進む
  • 最初は軽い否定や冗談のように始まる
  • 徐々に「相手のセルフイメージを壊す」方向へ
特徴
② 相手の弱い部分(不安・罪悪感)を狙う
  • 過去の失敗を持ち出す
  • 「あなたはいつも敏感すぎる」
  • 「また勘違いしてるの?」
特徴
③ 外からは見えづらい
  • 言葉だけで成立する
  • 証拠が残りにくい
  • 周囲からは「ただの言い合い」に見える
特徴
④ 被害者の“自己修復力”が削られていく
  • 自己評価の低下
  • 現実検討能力の低下
  • 判断の外部委託(相手に聞かないと決められない)
  • うつ・不安・心身症の発症

3. ガスライティングの典型的な手口

手口
① 記憶の否定
  • 「そんなこと言ってない」
  • 「あなたの記憶は間違ってるよ」
手口
② 感情の否定/嘲笑
  • 「被害妄想だよ」
  • 「大げさすぎる」
  • 「気にしすぎ。普通の人は気にしない」
手口
③ 矛盾を利用する
  • 前日に言ったことを翌日には否定
  • 曖昧な表現で相手を混乱させる
手口
④ 孤立化
  • 「みんなあなたのことを変だって言ってた」
  • 周囲からのサポートを遮断する
手口
⑤ 罪悪感の植え付け
  • 「あなたのせいでこうなった」
  • 「俺(私)を怒らせたあなたが悪い」

4. ガスライティングが被害者に与える影響

状態
① 自信喪失・自己否定

何を信じればよいかわからず、
「私が悪いのでは?」 と自己責めへ。

状態
② 感情麻痺・認知のゆがみ

怒り・悲しみ・不安が麻痺し、状況判断が不正確に。

状態
③ 相手への依存(学習性無力感)
  • 相手の機嫌や言葉が“唯一の基準”になる
  • 「反論する方が悪い」という誤学習
状態
④ トラウマ反応
  • 過緊張
  • 解離傾向
  • フラッシュバック
  • 睡眠障害
  • 身体化(頭痛・腹痛・めまい)

5. ガスライティングが起きる場面別の特徴

環境
① 職場
  • 権力差がある(上司→部下)
  • 評価や異動を握られている
  • 周囲が沈黙しやすい
    問題が“相手の性格”ではなく構造化されているため長期化しやすい。
環境
② 家庭
  • 経済・生活・子育てなど依存関係が強い
  • DVとの併発が多い
  • 夫婦間では「モラハラ」として現れやすい
環境
③ 恋愛
  • 愛情を利用して境界線を破壊する
  • “優しさ”を混ぜて操作する(ホット&コールド)
  • 離れにくい心理が形成される

6. ガスライティングを見抜くための“6つのチェックポイント”

  1. 会話後にいつも自分が悪かった気になる
  2. 相手の前ではっきり話せなくなる
  3. 自分の感情や記憶に自信がなくなる
  4. 本来必要のない“謝罪”が増える
  5. 周囲に相談できず孤立していく
  6. 相手の言い分が矛盾しているのに、なぜか納得してしまう

7. ガスライティングから身を守るための初期ステップ(臨床で使える)

STEP
① 言われた言葉・起きた事象を「記述」する
  • 日記
  • メモ
  • ログ
    感情の解釈ではなく、事実の記録が重要
STEP
② 自分の感情を“正当化”する
  • 「怒って当然」
  • 「不快さは間違っていない」
    → セラピストがここを支持することで被害者の心理的安全性が強まる。
STEP
③ 境界線(バウンダリー)を意識する
  • 「今の言い方は受け入れられません」
  • 「事実と違う点は確認します」
STEP
④ 第三者の視点を入れる
  • 信頼できる人
  • 相談機関
  • カウンセラー
    → 現実検証が回復する。

8. 臨床での説明文としてまとめ

ガスライティングとは、相手がわざとあなたの記憶や感情を否定し、「あなたの方がおかしいのでは?」と感じさせる心理的虐待です。
被害を受けると、自己否定や混乱、うつ症状が生じやすくなります。
あなたの感じている不快感・違和感は正当なサインであり、まずは事実を記録し、信頼できる相談相手を確保することで心の安全が回復していきます。

ガスライティング自己チェックリスト(全40項目)

ガスライティングの特徴を6領域に整理し、40項目で網羅した構成です。該当するものすべてに ✔ を入れてください。
これは診断ではありませんが、ガスライティングによる心理的影響の程度を把握する指標です。

ガスライティング自己チェックリスト(全40項目)
A. 記憶・事実の否定(Reality Distortion)
1.相手は、私が覚えていることを「そんなこと言ってない」と否定する。
2.話したはずのことを「初めて聞いた」と言われる。
3.証拠があるのに「あなたの勘違い」と片付けられる。
4.相手の言ったことが日によって変わる。
5.会話の内容を意図的にすり替えられる。
6.私の言葉の一部だけを切り取って、「ほら、矛盾してる」と責められる。
7.私の“事実の認識”よりも、相手の“主張”が正しいと押し付けられる。
B. 感情の否定・嘲笑(Emotional Invalidation)
8.私の怒り・悲しみ・不安を「大げさ」「過敏」と言われる。
9.「普通そんなことで怒らない」など、感情を比較される。
10.私が傷ついたと伝えても、笑われたり軽く扱われる。
11.「また被害妄想?」と言われることがある。
12.感情を伝えると、逆に「あなたの方こそ問題だ」と責められる。
13.相手が不機嫌になったとき、原因は“必ず私のせい”にされる。
14.私の気持ちを語ると、話題をそらされる、無視される。
C. 混乱させるコミュニケーション操作(Communication Manipulation)
15.同じ話をしているのに、相手の説明が毎回変わる。
16.具体的に説明を求めると、逆に怒られる。
17.会話の途中で論点を次々と変えられ、気づくと“私の落ち度”にされている。
18.相手の矛盾を指摘すると、「揚げ足取りだ」と言われる。
19.意図的に曖昧な言い方をされ、私が誤解すると責められる。
20.話し合いがあると、終わる頃には私が謝っていることが多い。
21.会話を録音しておけばよかったと思うことがある。
D. 自己否定・自己疑念の誘導(Self-Doubt Induction)
22.相手と話すと、自分の判断が間違っている気がする。
23.自分の感覚や記憶に自信を持てなくなっている。
24.「私が悪いのでは?」と常に考えてしまう。
25.自分の感情を表現するのが怖くなってきた。
26.以前はできた判断(買い物・選択)が不安でできない。
27.相手の機嫌や言葉が“正しい基準”のように感じることがある。
28.自分の価値を感じられなくなった。
E. 控え込み・孤立化の進行(Isolation & Silencing)
29.相手の前で本音を言うと、後で責められると感じる。
30.私が誰かに相談すると、相手が不機嫌になる。
31.「みんなあなたがおかしいと言っていた」など、周囲の名前を使われる。
32.友人や家族との関係が以前より疎遠になった。
33.相談相手がいない、または相談しにくいと感じる。
34.相手から「他の人には言うな」と釘を刺されたことがある。
35.自分の味方がいないように感じる。
F. 支配・コントロールの強まり(Control Dynamics)
36.私が決めようとすると「考えすぎ」と否定される。
37.相手が私の行動や予定を細かくチェックする。
38.私の意思より相手の都合が優先されることが多い。
39.相手は自分のミスを認めず、すべて私のせいにする。
40.相手と話すたびに、心のエネルギーを吸い取られるように感じる。

ガスライティング・チェック結果の解釈ガイド

ガスライティング・チェック結果の解説
このチェックリストは、あなたが今どれほど“心理的な揺さぶり”を受けているかを知るためのものです。
診断ではありませんが、あなた自身を守るヒントになります。

  • 0〜10項目:警戒レベル。早期の境界線設定が有効。
  • 11〜20項目:要注意。心理的影響が進み始めている。
  • 21〜30項目:中等度リスク。自己否定・混乱が強く、サポートが必要。
  • 31〜40項目:高リスク。心理的虐待の可能性大。早期の保護・専門介入が望ましい。

総合スコア別の臨床的解釈

0〜10項目:軽度(Early Warning / 境界線の弱まり)

少しストレスがたまっている状態

  • あなたの中に「違和感」が生まれ始めています。
  • 相手の言い方や態度に振り回されていないか、一度振り返ることが大切です。
  • いまから境界線(バウンダリー)を作ると悪化を防げます。

臨床的特徴

  • まだ構造的な支配は強くない
  • 「自己主張の困難」「罪悪感の過剰」「相手への過度な配慮」が背景にあることが多い
  • 依存関係・職場の権力差が原因で“異常に気づきにくい”段階

介入ポイント

  1. 境界線トレーニング(バウンダリー)
  2. 感情ラベリングの精緻化(怒り・不快感の正当化)
  3. 現実検証の強化
  4. 相手とのコミュニケーションでの「曖昧さ」「不一致」の指摘練習
11〜20項目:中等度前期(Reality Confusion / 現実の揺らぎ)

注意が必要な状態

  • 自分の気持ちや感覚が否定される経験が増えているようです。
  • 「私が悪いのかな?」と考えがちになっていませんか?
  • 事実をメモする習慣が、あなたの心を守る助けになります。

臨床的特徴

  • 記憶・感情の否定から、自己疑念が強まっている
  • 「私が悪いのでは?」が常態化
  • 相手の顔色判断が増加
  • 職場・カップル・家庭いずれでも、“モラハラ構造の入り口”

介入ポイント

  1. 事実の記録化(ログ化)
  2. 相談者自身の認知の再構築(自責的解釈の修正)
  3. 一次感情へのアクセス(怒り・悲しみ)
  4. 「これは操作である」と認識させる心理教育

→ この段階は“気づくこと”そのものが強い治療介入になる。

21〜30項目:中等度後期(Identity Erosion / 自己の侵蝕)

つらさが強まり始めています

  • 感情がわからなくなる、判断に自信がなくなるなど、
    心のエネルギーが削られている可能性があります。
  • ひとりで抱えないで、相談できる人を必ず確保してください。
  • あなたの感じている不安・怒り・悲しみは“正常な反応”です。

臨床的特徴

  • 自己感の曖昧化
  • 判断力の低下
  • 相手の意見に依存する傾向
  • 解離性症状・睡眠障害・身体化が目立つことも多い
  • 典型的な「学習性無力感」の形成段階

介入ポイント

  1. 安全確保(心理的・物理的)
  2. トラウマインフォームド面接
  3. 対人トラウマへのアプローチ(CPT, EMDRの前段階)
  4. 「自分の正常性」を回復する支援(validation)
  5. 行動活性化(生活の再構築)
  6. 孤立の解除(第三者を巻き込む)

→ この段階では“相手の変化”よりも“相談者側の回復”を優先。

31〜40項目:重度(Coercive Control / 支配と洗脳)

非常に負担が大きい状態

  • 強い心理的ストレスのもとで生活しているサインです。
  • 言葉による否定や混乱で、あなたの“当たり前の感覚”が揺らいでいる状態です。
  • あなたは悪くありません。相手の言動に問題があります。
  • 心理的安全を確保し、可能であれば専門家と一緒に対処していきましょう。

臨床的特徴

  • 深刻な心理的虐待の可能性が高い
  • DV・経済的支配・性支配を伴いやすい
  • PTSD・C-PTSDの症状
  • 「抜け出せない感覚」「自分の判断が信じられない」
  • 逃げようとすると相手が攻撃・懐柔の両方で揺さぶる(ホット&コールド)

介入ポイント(最重要)

  1. 安全計画(Safety Plan)作成
  2. DVリスクのスクリーニング
  3. 解離のモニタリング
  4. サポート資源との連携(家族・支援機関)
  5. 関係遮断の検討(職場・夫婦・恋愛)
  6. 回復の長期ロードマップ提示
  7. 自尊感情の構造的再構築

→ この段階では、相談者は「自責」「混乱」が極度に強いため、臨床家の一貫した肯定と安定性が治療の核になる。

6領域別の詳細解釈

解説
記憶・事実の否定が多い場合

→ 現実検証機能(Reality Testing)の侵蝕
→ 認知的トラウマ反応が進行中

介入:

  • ログ化(日時+言動+自分の感情)
  • 録音の検討(職場・恋愛)
  • 認知再評価の強化
解説
感情否定が多い場合

→ “自己感情の正当性”を失っている
→ 感情麻痺・感情混乱の兆候

介入:

  • 感情バリデーション
  • 安全な感情表現の練習
  • 「怒りの権利」の心理教育
解説
コミュニケーション操作が多い場合

→ 実質的な“論理支配”
→ IQ・言語能力に関係なく陥る

介入:

  • 論点整理(One issue at a time)
  • 会話の枠組み設定
  • 言語化サポート(反すり替え)
解説
自己疑念が多い場合

→ Identity erosion(自己侵食)
→ 早期介入が最も効果的な領域

介入:

  • 自己肯定感の再構築
  • 安全な関係の再体験
  • トラウマ臨床の導入
解説
 孤立化が多い場合

→ 加害者は「唯一の情報源」になっている
→ 離脱困難の主要因

介入:

  • 社会的支援の復活
  • 安全なネットワークづくり
  • 隠れた支援者の探索
解説
支配・コントロールが多い場合

→ コアサーション(強制力)
→ DVの心理的側面と重なる

介入:

  • 安全計画
  • 行動上の境界線設定
  • 関係の再評価

モラルハラスメント40項目チェックリスト

ガスライティングとの重なりも考慮しつつ、モラハラ特有の“関係支配・人格攻撃・孤立化・恐怖・経済的圧力” を明確に切り分けています。該当する項目に ✔ を入れてください。
これは診断ではありませんが、モラハラ構造の“深さ”を知る参考になります。

モラルハラスメント40項目チェックリスト
A. 人格攻撃・侮辱(人格否定系)
1.人格を否定する言葉(「お前はダメだ」「価値がない」等)を日常的に言われる。
2.些細なミスを人格に結びつけて攻撃される。
3.からかい・皮肉・嘲笑で屈辱感を与えられる。
4.他人の前で恥をかかされる言動がある。
5.「普通はこうする」「お前だけおかしい」など比較して貶められる。
6.自分の成功・努力がまったく評価されない、または貶される。
7.相手は自分の非を絶対に認めず、責任を私に押しつける。
B. 無視・支配的沈黙(コミュニケーション遮断)
8.話しかけても無視される、返事が極端に遅い。
9.都合が悪い話題になると沈黙で圧をかけられる。
10.話し合いが成立せず、何時間も“沈黙の罰”を与えられる。
11.私の話は一方的に遮られ、相手だけが話す。
12.私の意見・提案を最初から否定する態度がある。
C. 過度な批判・コントロール(行動・価値観への介入)
13.私の行動・言葉・生活習慣を細かく批判する。
14.行動・服装・交友関係・SNSの使い方まで口出しされる。
15.相手の機嫌によってルールが変わり、合わせるのがつらい。
16.相手は「あなたのため」と言いながら支配してくる。
17.私の自由時間やプライベートがほぼない状態になる。
18.相手が私の予定・外出・買い物を監視・管理する。
D. 感情操作・恐怖(支配の強化)
19.機嫌の急変(急に怒る・冷たくなる)があり、常に気を使っている。
20.相手が怒り出すのではと恐怖を感じることが増えた。
21.罪悪感を利用して従わせようとする。
22.私が反論すると、怒鳴る・脅す・物に当たるなど威圧する。
23.「別れる」「離婚する」「解雇する」などを脅しとして使う。
24.私の弱点(過去の失敗・コンプレックス)を繰り返し攻撃される。
25.私の喜び・安心につながることを妨害される。
E. 孤立化・関係遮断(支援の奪取)
26.友人・家族と会うことを嫌がったり、妨げたりする。
27.「あなたには友達がいない」「誰も理解しない」と言われる。
28.周囲に私の悪口を言い、信用を奪おうとする。
29.私が誰かに相談しようとすると怒る、または不機嫌になる。
30.自分以外の人間との関係を弱らせようとする。
F. 経済的・生活的支配(生活基盤のコントロール)
31.お金の使い方を厳しく制限される。
32.生活費を渡さない、または極端に少なくする。
33.家事・子育て・仕事の負担を一方的に押しつける。
34.私の収入・財産・貯金に勝手に干渉される。
35.経済的に相手に依存するように仕向けられていると感じる。
G. 言動の二重性・外面の良さ(外部操作)
36.外では優しい・完璧な人を演じるが、家では別人のようになる。
37.周囲は相手の“本性”を知らず、味方になってくれないと感じる。
38.私が被害を訴えると「大げさ」「信じられない」と言われる。
39.外面の良さを利用して、私の信用を下げる。
40.助けを求めにくい雰囲気を作られている。

モラルハラスメントチェックリスト結果の解釈ガイド

このチェックリストは、あなたがどれくらい“心を傷つけられ、支配されているか”を見つけるためのものです。
診断ではありませんが、あなたを守るための大切なヒントになります。

【スコアの目安】

領域別の臨床的示唆

① 人格攻撃が多い → 自尊心破壊/スキーマ刺激

  • 自尊心再構築
  • 感情ラベリング
  • 価値観ワーク

② 無視・沈黙が多い → “凍結(フリーズ)反応”の誘発

  • 安全な会話モデル
  • 回避・凍結の解除
  • センシティブな支持的面接

③ 支配・管理が多い → 境界線の崩壊

  • バウンダリーワーク
  • “許可”を相手に渡しすぎる構造の修正

④ 怒り・恐怖の操作が多い → トラウマ構造

  • 身体反応へのアプローチ
  • ソマティックな安定化
  • 解離のモニタリング

⑤ 孤立化が多い → 逃れにくい関係の形成

  • 支援ネットワークの回復
  • “唯一の判断基準”状態の解消

⑥ 経済的支配が多い → DVと同一レベルの支配

  • 法的・福祉資源の検討
  • 経済的自立の再構築
解説
0〜10項目:グレーゾーン(初期段階)
  • 境界線が弱まり始めている
  • 不快感の正当化が重要
解説
11〜20項目:要注意(関係の偏りが生じている)
  • 自己否定が増え、相手中心の生活になりやすい段階
  • 記録・相談・支援者確保が必要
解説
21〜30項目:中等度(心理的虐待の可能性高い)
  • 恐怖・孤立・自尊低下が強まる
  • トラウマ反応が出やすい
  • 専門支援がほぼ必須
解説
31〜40項目:重度(支配関係)
  • 恐怖・混乱・無力感が慢性化
  • DV(精神・経済・社会的)との境界がほぼない
  • 安全確保・逃離計画の検討が必要

詳細な解釈ガイド

0〜10項目:グレーゾーン(境界線の弱化・初期支配)

気づき始めの段階

  • 相手の言動に「なんかおかしい」と感じ始めている段階です。
  • いま違和感に気づけたことは、とても大事な第一歩です。
  • あなたが悪いのではありません。
  • 小さな境界線(嫌なことは嫌と言う)を意識していきましょう。

■ 臨床的特徴

  • まだ明確な支配構造は形成されていない
  • しかし「不快感・恐怖の前兆」が出ている
  • クライエント側の過剰適応・自己犠牲が背景にあることが多い

■ 優先すべき介入

  1. バウンダリー(境界線)強化
  2. “違和感は正しい”という感情バリデーション
  3. 「モラハラ構造」の早期心理教育
  4. 小さな自己主張の練習(Assertiveness)
11〜20項目:要注意(支配関係の進行)

要注意の状態

  • 批判やコントロールが増え、精神的に疲れやすくなっていませんか?
  • 自分の感情よりも“相手の機嫌”を優先しがちになっているかもしれません。
  • 言われたことや感じたことを記録して、自分を守る準備をしましょう。
  • 一人で抱えないで、相談できる人を確保してください。

■ 臨床的特徴

  • 批判・侮辱・感情操作が明確に見られる
  • クライエントが「自分が悪いかも」と自責モードに入りやすい
  • 相手中心の生活になってきている
  • モラハラ構造が“常態化”し始めている

■ 優先すべき介入

  1. 言動の記録化(ログ・日記)
  2. 認知の修正(自責の再構築)
  3. 自己効力感を奪われている部分への支援
  4. 必要に応じて **支援者ネットワーク(家族・外部機関)**を確保
  5. 「逃げるか・境界線を張るか」の選択肢を整理(まだ安全に話し合える段階)
21〜30項目:中等度(心理的虐待の可能性が高い)

つらさが強くなっている状態

  • 恐怖や混乱、無力感が増えている可能性があります。
  • これは“あなたに問題があるから”ではなく、相手の支配によるものです。
  • 心と身体が疲れ切っているサインです。
  • できれば専門家と一緒に、あなたの心の回復を進めていきましょう。

■ 臨床的特徴

  • 恐怖・怒り・混乱が慢性化
  • 自分の感情・判断に自信がなくなっている
  • 外面の良さとのギャップで援助希求がしづらい
  • 学習性無力感・回避・解離が見られやすい
  • 生活機能(睡眠・食事・集中力)が低下しがち

■ 優先すべき介入

  1. 心理的安全性の確立(まず安心できる関係を作る)
  2. トラウマインフォームドの面接
  3. 孤立の解除(第三者の視点の導入)
  4. 安全計画(Safety Plan) の作成
  5. 「自己破壊的解釈(私が悪い)」の修正
  6. 必要なら 医療(睡眠・不安)との連携
31〜40項目:重度(支配・恐怖・凍結状態)

非常に危険でつらい状態

  • 強い精神的虐待の中にいる可能性があります。
  • 恐怖で動けなくなる、何をしても責められる、外では良い顔をされて孤立する…
    そうした状況はあなたの責任ではありません。
  • あなたの心と生活を守るために、専門家や支援機関とつながることが有効です。
  • 安全を確保しながら、一緒に出口を探していきましょう。

■ 臨床的特徴

  • 精神的DV・経済的DVと境界がない
  • 恐怖による凍結反応
  • 判断力・発言力が著しく低下
  • PTSD/C-PTSD症状
  • 逃げようとすると相手が“懐柔 → 攻撃”の操作(ホット&コールド)で揺さぶる
  • 長期間の心理的支配

■ 優先すべき介入

  1. 安全確保(最優先)
  2. 危険度アセスメント(DVリスク)
  3. 必要なら 関係の遮断・退避の検討
  4. 地域支援・弁護士・DVセンターなどとの連携
  5. クライエントを責めない徹底的なバリデーション (“あなたは悪くない”)
  6. 長期的支援(トラウマ回復のプロセス)

モラハラ+ガスライティング統合版リスク評価シート

目的:

  • 「危険度の見立て」を明確にする
  • 「支配構造の全体像」を整理する
  • 「安全計画の必要性」を判断する
  • ガスライティング(認知操作)+モラハラ(関係支配)の両面を同時に評価する

回答形式:
0=該当なし
1=ときどきある
2=よくある
3=ほぼ毎回/慢性的

【A】ガスライティング(認知・現実操作)の評価

A1:現実否定・記憶否定(0〜12点)

  1. 「そんなこと言ってない」と記憶を否定される
  2. 話の内容が日によって変わる
  3. 証拠を示しても「あなたが間違っている」と言われる
  4. 自分の“認識”より相手の“主張”が優先される

合計(0〜12):____ 点

A2:感情否定・嘲笑(0〜12点)

  1. 「大げさ」「被害妄想」と言われる
  2. 悲しみや怒りを伝えると嘲笑・無視がある
  3. 「普通の人はそんなこと感じない」と言われる
  4. 感情表現が怖くなっている

合計(0〜12):____ 点

A3:混乱誘導(コミュニケーション操作)(0〜12点)

  1. 会話の論点をすり替えられる
  2. 反論すると怒られ、謝らざるを得なくなる
  3. 相手の言動に明らかな矛盾がある
  4. 会話後に「私がおかしいのか」と感じる

合計(0〜12):____ 点

▶ A領域(ガスライティング)合計(0〜36点): ______ 点

【B】モラルハラスメント(支配・人格攻撃)の評価

B1:人格攻撃・侮辱(0〜15点)

  1. 人格否定・価値否定
  2. からかい・暴言・大声
  3. 他者の前での侮辱
  4. 努力や成功を貶める
  5. 相手は絶対に非を認めない

合計(0〜15):____ 点

B2:恐怖・威圧(0〜15点)

  1. 怒鳴る・物に当たる
  2. 機嫌が急変し、恐怖を感じる
  3. 「別れる」「解雇する」などの脅し
  4. 弱点(過去・家族・容姿)を攻撃する
  5. 「あなたが悪いからこうなる」と責任転嫁

合計(0〜15):____ 点

B3:支配・コントロール(0〜15点)

  1. 行動・予定・交友関係の監視
  2. 生活ルールが相手の気分で変わる
  3. 「あなたのため」と言い支配する
  4. 自由時間・プライバシーが奪われている
  5. 決定権がほぼ相手にある

合計(0〜15):____ 点

B4:孤立化・関係遮断(0〜12点)

  1. 友人・家族との関係を弱める
  2. 相談相手がいない状態に追い込む
  3. 周囲に悪口を流す
  4. 支援者の存在を嫌がる

合計(0〜12):____ 点

B5:経済的・生活的支配(0〜12点)

  1. 生活費を制限する
  2. 貯金・収入に勝手に介入
  3. 経済的に依存させようとする
  4. 家事・育児の負担が一方的

合計(0〜12):____ 点

▶ B領域(モラハラ)合計(0〜69点): ______ 点

総合スコアの臨床的評価

0〜20点:軽度(Early Warning / 境界線の弱化)
  • 関係の偏りが始まっている。
  • クライエントの自己犠牲傾向が背景にあることが多い。
  • 境界線トレーニング+感情バリデーションが中心。

少し無理をしている状態

  • あなたが悪いのではありません。
  • 今気づけたことが大切な第一歩です。
  • 小さな違和感を大事にしてください。
21〜40点:注意(支配の芽が存在)
  • ガスライティングの痕跡が明確。
  • 自責思考が強まり、判断の自信が揺らいでいる。
  • 言動の記録、認知再構築、第三者としての現実検証が必要。

心が削られ始めています

  • 相手の言動が、あなたの自信を奪っている可能性があります。
  • 記録をつける、誰かに相談するなど、自分を守る準備が大切です。
41〜60点:中等度(心理的虐待の可能性が高い)
  • 恐怖・混乱・無力化が進んでいる状態。
  • 孤立が進み、精神的な逃げ道が少ない。
  • トラウマインフォームド面接+安全計画の作成が必須。

つらさが強くなっています

  • 心のエネルギーが消耗しているサインです。
  • 一人で抱えず、専門家と協力して乗り越えていきましょう。
61〜80点:重度(Coercive Control / 支配関係)
  • 精神的DVとほぼ同等。
  • 経済的・生活的支配、外面の良さによる孤立が目立つ。
  • 危険度高。安全確保と関係調整・退避の検討必要。

かなり危険な状態です

  • 相手の支配が強く、あなたの心と生活を脅かしています。
  • あなたは悪くありません。まず安全を確保しましょう。
81〜105点:最重度(High Risk / 離脱困難)
  • PTSD/C-PTSDの発症リスク極めて高い。
  • 被害者は“逃げることすら怖い”状態。
  • 早急な安全支援、法的サポート、外部機関との連携が不可欠。

非常に深刻な状態です

  • 強い心理的虐待の可能性があります。
  • 恐怖や混乱は“あなたのせい”ではありません。
  • 信頼できる専門家・支援機関と一緒に、心と生活を守る方法を探していきましょう。

夫婦・恋愛・職場・親子関係」別のカスタム評価版

①ガスライティング + ②モラハラ(支配構造) の両軸で整理し、各関係特性に合わせています。

関係別カスタム評価シート(4カテゴリ × 各12項目)
いずれも 0=なし / 1=ときどき / 2=よくある / 3=ほぼ毎回
合計点で「軽度〜重度」を判定できます。

① 夫婦関係版(12項目)
【A:ガスライティング評価】0.1.2.3.
1.「言ってない」「覚えていない」と配偶者が事実を否定する。
2.私の感情を「大げさ」「被害妄想」と扱う。
3.会話の論点をすり替えられ、最終的に私が悪くなる。
4.話し合いをしようとしても、怒る・黙る・無視される。
5.私の記憶・判断に自信がなくなることが増えた。
6.外面では優しいのに、家の中では別人のように冷たくなる。
【B:モラハラ(支配)評価】
7.自分の価値観・生活スタイルを押しつけられる。
8.配偶者の気分によって家の“ルール”が頻繁に変わる。
9.お金(生活費・貯金)を制限される/勝手に使われる。
10.子どもや家族を使って罪悪感を与えられる。
11.友人・家族との関係を弱められる/嫌がられる。
12離婚・別居を脅しとして使われる、または示唆される。

点数の目安(夫婦版)

  • 0〜10点:軽度(すれ違い〜境界線の弱まり)
  • 11〜20点:中等度(ガスライティング中心)
  • 21〜30点:重度(家庭内モラハラ構造)
  • 31〜36点:最重度(精神的DV/要安全計画)
② 恋愛関係版(12項目)
【A:ガスライティング評価】0.1.2.3.
1.感情や記憶を否定され、「私が悪いのかな」と思わされる。
2.機嫌が急に変わって混乱する。
3.嫉妬・疑いを正当化するために嘘や矛盾を使われる。
4.私の弱み(過去・家族・容姿)を攻撃材料にする。
5.連絡があいまい/突然消えることで不安を操作される。
6.私の感情表現を「重い」「面倒」と否定される。
【B:モラハラ(支配)評価】
7.友人・家族に会うことを嫌がる/妨害される。
8.SNS・携帯のチェック、外出の許可を求められる。
9.好意の言動(優しい態度)と冷たさの差が極端。
10.私の生活リズムを相手中心に合わせざるを得ない。
11.「別れる」「他の人の方がいい」などの脅し。
12私の成功・喜びを嫉妬して妨害する。

点数の目安(恋愛版)

  • 0〜10点:軽度(不安定な関係のサイン)
  • 11〜20点:中等度(操作・支配の兆候)
  • 21〜30点:重度(共依存/心理的虐待)
  • 31〜36点:最重度(離脱困難/高リスク)
③ 職場版(上司・同僚版:12項目)
【A:ガスライティング評価】0.1.2.3.
1.職務内容や指示を「言ってない」と否定される。
2.ミスを捏造される/事実が書き換えられる。
3.私だけに曖昧な指示や矛盾した命令を出す。
4.話し合いを求めると機嫌が悪くなる、無視される。
5.過去のミスを引き合いに出して混乱させられる。
6.「あなたの認識がおかしい」と言われ続ける。
【B:モラハラ(支配)評価】
7.周囲の前で人格攻撃・侮辱をされる。
8.他の社員を使って孤立させられる(パワハラ連鎖)。
9.相談すると「あなたのせい」と責められ、改善がない。
10.職場内で私の悪い噂を広げる。
11.仕事量・難易度を不公平に操作される。
12異動・降格・契約を脅しとして使う。

点数の目安(職場版)

  • 0〜10点:軽度(職場ストレス)
  • 11〜20点:中等度(パワハラの可能性高い)
  • 21〜30点:重度(指導でなく支配・排除)
  • 31〜36点:最重度(組織的モラハラ/要退避検討)
④ 親子関係版(毒親・心理的虐待:12項目)
※子ども側/成人子ども側どちらにも使えるように調整
【A:ガスライティング評価】0.1.2.3.
1.記憶・経験を「そんなことあるわけない」と否定される。
2.悲しい/辛いと伝えても「お前の考えすぎ」と扱われる。
3.感情表現や要求を「わがまま」と決めつけられる。
4.親自身の非を認めず、すべて子どもに責任転嫁する。
5.「あなたが悪いからこうなった」と言われる。
6.家族の問題を子どものせいにする。
【B:モラハラ(支配)評価】
7.愛情が条件付き(親の望む行動をしないと拒絶)。
8.過剰な干渉・監視・コントロールがある。
9.子どもの自立を妨害する(進学・仕事・結婚)。
10.無視・脅し・怒鳴りによる支配がある。
11.他の兄弟と比較し、劣等感を植え付ける。
12親の感情・都合を優先させられる(役割逆転・親化)

点数の目安(親子版)

  • 0〜10点:軽度(過干渉〜価値観の押しつけ)
  • 11〜20点:中等度(心理的支配の構造)
  • 21〜30点:重度(毒親的体制)
  • 31〜36点:最重度(心理的虐待/C-PTSDリスク)

実際の臨床3回分のまとめのセッションとワーク、チェクリストの提示は次ページをご覧ください。

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