原因不明の運動機能や感覚機能、神経機能障害が起こる変換症/解離性神経症状性障害と身体症状症・病気不安症との比較とセルフチェック
変換症(転換性障害、conversion disorder:”DSM-5による診断名”)、または解離性神経症状性障害(Dissociative neurological symptom disorder:”ICD-11″による診断名)は、身体的な特徴として手足が動かなくなる麻痺や脱力、動作がぎこちなくなる協調運動障害のような随意運動機能や失明、視野狭窄、難聴、皮膚のしびれや感覚麻痺が起こる感覚機能などの症状が現れます。また、非てんかん性発作や昏迷状態、嚥下障害、無言症など器質的な異常が見つからない神経学的な機能障害のように現れますが、医学的または神経学的な原因が特定できない精神疾患です。これは、心理的なストレス(ストレス応答と神経内分泌の関与)やトラウマなどの心理社会的要因とされていますが、最近の研究では神経ネットワークの異常が関与する神経生物学的要因が身体症状として表出することが示唆されています。患者にとって実際に起こっている症状であり、意図的(詐病ではない)なものではありません。
症例:30歳女性、突然の歩行障害と手の震え
30歳の女性Aさんは、職場での強いストレスを感じるようになった後、突然、歩行困難と右手の震えを訴えるようになった。症状は翌日から悪化し、職場で転倒することもあった。病院での検査では神経学的異常は見つからず、MRIや血液検査も正常であった。
Aさんは職場で上司から過度なプレッシャーを受け、数か月前に大きなミスをして以来、不安を感じていた。仕事を休むことで症状が一時的に軽減したが、復帰すると再発。心理療法を受けた結果、「失敗への恐怖が身体症状として現れていた」ことが明らかになった。
認知行動療法(CBT)とリハビリを開始し、徐々に歩行が改善。半年後には仕事に復帰し、症状は消失した。
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変換症(転換性障害)臨床症状
変換症の症状は随意運動や感覚機能の障害として現れることが多く、次のように分類されます。
- 運動機能の異常
-
- 麻痺・脱力(例:片側の手足が動かなくなるが、神経学的な原因がない)
- 協調運動障害(例:歩行障害、動作がぎこちなくなる)
- 失調(例:ふらつきや平衡感覚の喪失)
- ジストニア(異常な筋緊張や不随意運動)
- けいれん(発作)(てんかん発作のように見えるが、脳波異常がない)
- 無言症・発話困難(声が出ない、または話すことが困難になる)
- 感覚機能の異常
-
- 視覚障害(例:失明、視野狭窄)
- 聴覚障害(例:難聴や耳鳴り)
- 感覚鈍麻・無感覚(例:皮膚の一部が感じなくなる)
- 異常知覚(例:しびれ、異常な痛み)
- その他の症状
-
- 偽発作(非てんかん性発作)
- 本物のてんかん発作と異なり、脳波に異常が見られない
- 目を閉じたまま痙攣することが多い(本物のてんかん発作では目を開けることが多い)
- 嚥下障害(飲み込むのが難しいが、器質的な異常はない)
- 運動障害や痛みの訴えが、解剖学的・生理学的に説明がつかないパターンを示す
- 昏迷状態(動かなくなるが、意識は保たれている)
- 偽発作(非てんかん性発作)
- 特徴と診断のポイント
-
- 心理的なストレスやトラウマと関連して症状が出現することが多い(例:事故後に歩けなくなる、家族とのトラブル後に声が出なくなる)。
- 神経学的な検査では器質的な異常が見つからない(MRI、CT、脳波などで説明がつかない)。
- 病識が薄い(la belle indifférence:症状に対してあまり不安を抱かない態度)**ことがあるが、必ずしも全員に見られるわけではない。
- 意図的に症状を作り出しているわけではない(詐病や虚偽性障害とは異なる)。
- 類似疾患との鑑別
-
- 器質的疾患(脳卒中、てんかん、多発性硬化症など) → 画像検査や神経学的検査で鑑別
- 身体症状症(旧:身体化障害) → 多臓器にわたる慢性的な身体症状が主
- 詐病・虚偽性障害 → 意図的な症状の操作がある
- 解離性障害 → 記憶やアイデンティティの障害が中心(例:解離性健忘、解離性同一性障害)

診断基準(DSM-5およびICD-11)
変換症(転換性障害、Conversion Disorder)は、DSM-5とICD-11の両方で診断基準が定められています。
DSM-5の診断基準(精神疾患の診断と統計マニュアル,第5版)
A. 随意運動または感覚機能の1つ以上に影響を及ぼす症状が存在する
- 例:麻痺、けいれん、視覚・聴覚障害、感覚の喪失、歩行障害など
B. 臨床的評価の結果、その症状が神経学的または医学的疾患と一致しない
- MRI、CT、脳波などの神経学的検査を行っても異常が見つからない
C. 症状は医学的または精神的な疾患では十分に説明できない
- 身体疾患、他の精神疾患(解離性障害、統合失調症など)では説明できない
D. 症状は日常生活、職業、社会的活動などに重大な苦痛や機能障害を引き起こしている
- 運動症状の優勢なもの
- 麻痺、脱力、失調(運動失調)、異常運動(ミオクローヌス、ジストニア、振戦など)
- 発作またはけいれんが優勢なもの
- 非てんかん性発作(偽発作)
- 感覚症状が優勢なもの
- 失明、視野狭窄、聴覚喪失、しびれ、感覚麻痺など
- その他の症状
- 無言症、嚥下障害、運動失調、失声(声が出ない)など
- 急性エピソード(発症して6カ月未満) or 持続性(6カ月以上続く)
- 心理的ストレス因子の有無
- 例えば、事故後に発症した場合は「ストレス因子あり」と特定
ICD-11の診断基準(国際疾病分類,第11版)
ICD-11では、「解離性神経症状性障害(Dissociative neurological symptom disorder)」
として分類されます。これは従来のICD-10の「転換性障害(Conversion Disorder)」に相当します。
- 身体的な機能(随意運動または感覚)に影響を与える神経症状がある
- 麻痺、運動失調、けいれん、視覚・聴覚障害、感覚異常など
- 症状が既知の神経学的または身体的疾患によるものではないことが医学的に確認されている
- 神経学的または他の医学的疾患では説明できないが、症状は患者にとって実際に起こっているものとして認識される
- 詐病(意図的な症状の操作)ではない
- 日常生活、社会的・職業的機能に著しい影響を与えている
- 運動障害型(例:麻痺、失調、異常運動)
- 発作型(非てんかん性発作)
- 感覚障害型(視覚・聴覚障害、感覚麻痺)
- 混合型(複数の症状が併存)
DSM-5とICD-11の違い
比較項目 | DSM-5 | ICD-11 |
---|---|---|
診断名 | 変換症(転換性障害, Conversion Disorder) | 解離性神経症状性障害(Dissociative Neurological Symptom Disorder) |
分類 | 身体症状関連障害(Somatic Symptom and Related Disorders) | 解離症群(Dissociative Disorders) |
主な症状 | 運動・感覚機能の異常 | 運動・感覚機能の異常 |
心理的要因の強調 | 以前は必須だったが、DSM-5では明確な心理的ストレス因子がなくても診断可能 | 心理的要因の影響を認めるが、必須ではない |
サブタイプの違い | 運動・感覚・発作型など | 運動・発作・感覚型など(大枠は共通) |
✅ 診断のポイント
- 随意運動や感覚の異常があるが、神経学的・医学的な原因では説明できない
- 心理的ストレスが関与することが多いが、必須ではない
- 患者にとって本当に起こっている症状であり、意図的なものではない(詐病ではない)
- 症状が日常生活に重大な影響を及ぼしている
変換症(転換性障害)の疫学・病因・病態
疫学(有病率・発症率・人口分布)
病因・病態生理(なぜ起こるのか?)
変換症(転換性障害)は、心理的ストレスが無意識のうちに身体症状へと「変換」される現象と考えられています。その病因・病態には複数の要因が関与していると考えられます。
精神分析的理論(Freudの「転換」)
- フロイトは、抑圧された無意識の葛藤が身体症状として表れる「転換」として説明した。
- 例えば、攻撃的な衝動を抑圧することで「手の麻痺」が生じる。
認知行動理論
- 「ストレス → 症状の出現 → 症状による報酬(逃避・注目)→ 症状の強化」
- 例えば、職場のストレスで歩行障害が出た場合、「仕事を休める」「周囲に心配される」ことで症状が固定化する。
最近の研究では、神経ネットワークの異常が変換症に関与していることが示唆されています。
- 機能的神経回路の異常
- 運動障害型の患者では、運動制御を担う脳領域(運動皮質、基底核、前頭前野)の機能障害が確認されている。
- 例えば、運動麻痺型の変換症では一次運動野の活動が抑制されることが示されている。
- 情動調節と身体表現の関連
- 変換症の患者は、扁桃体(情動の処理)と前頭葉の機能的接続の異常が見られる。
- これにより、ストレスが適切に処理されず、身体症状として表現される可能性がある。
- 不随意運動と意識の関係
- 変換症の症状は、「意図的な運動」と「不随意運動」の脳内ネットワークの異常によるものと考えられる。
- 意識的な運動と誤認する領域(補足運動野)の活動低下が報告されている。
変換症の患者は、慢性的なストレス応答の異常が見られます。
- HPA軸(視床下部-下垂体-副腎系)の異常
- PTSDと同様に、ストレスホルモン(コルチゾール)の分泌異常が見られる。
- ストレスに対する過敏な反応が、身体症状として現れる可能性がある。
- 交感神経の過活動
- 交感神経の過剰な活動により、「筋肉のけいれん」「血流の低下(手足のしびれ)」が生じる。
要因 | 具体例 |
---|---|
心理的要因 | 抑圧された葛藤、ストレス、トラウマ |
行動学的要因 | 症状による「回避」や「注意の集中」による強化 |
神経生理学的要因 | 運動制御ネットワークの異常、扁桃体と前頭葉の機能異常 |
神経内分泌異常 | HPA軸の過剰反応、交感神経の過活動 |

変換症(転換性障害)の治療と経過・予後
変換症の治療は、多面的アプローチが必要であり、心理療法、リハビリテーション、薬物療法、社会的サポートなどが組み合わされることが多くなります。
治療方法 | 具体例 |
---|---|
心理療法(第一選択) | CBT、トラウマ療法、精神分析、DBT |
リハビリテーション | 運動療法、作業療法、ミラーテラピー |
薬物療法(補助的) | SSRI(抗うつ薬)、気分調整薬、抗不安薬(慎重に) |
教育・サポート | 健康教育、家族療法、社会的支援 |
認知行動療法(CBT)
- 変換症患者の不適応な思考や行動パターンを修正する。
- 「ストレス → 身体症状 → 逃避 → 症状の持続」という悪循環を断ち切る。
- 具体的には以下のような技法を用いる。
- 認知再構成:「私は本当に歩けないのか?」「他の対処法はないか?」
- 暴露反応妨害(ERP):回避行動を減らし、徐々に機能を回復させる。
トラウマ焦点化療法
- 変換症の患者にはトラウマ体験が背景にあることが多い。
- EMDR(眼球運動による脱感作と再処理)や持続エクスポージャー療法が有効なことがある。
精神分析的アプローチ
- フロイト的な「転換」モデルをもとに、無意識の葛藤を意識化し、症状の意味を探る。
- 自由連想法や夢分析などが活用されることもある。
弁証法的行動療法(DBT)
- 感情調整が困難な患者(境界性パーソナリティ障害を併発しているケースなど)にはDBTが役立つ。
- 感情調整スキルを高め、衝動的な行動や過剰な身体化を減らす。
運動障害型やけいれん型の変換症では、リハビリテーションが有効となります。
- 漸進的運動療法
- 歩行障害の場合、「無意識の動き」を利用する(例:後ろ向き歩行やリズム運動)。
- 徐々に動作を増やしていき、患者の「できる」という感覚を回復させる。
- 鏡療法(ミラーテラピー)
- 片麻痺のような症状の患者に対し、健側の動きを鏡で見せることで、脳の可塑性を促す。
- 作業療法
- 日常生活動作(ADL)の改善を目指す。
- 症状による「できない」感覚を減らし、「できること」を増やしていく。
変換症自体を治す薬はありませんが、併存する不安・抑うつ症状の管理には薬物が有効となります。
- 抗うつ薬(SSRI / SNRI)
- セルトラリン(Zoloft)、エスシタロプラム(Lexapro)など。
- うつ病や不安障害の併存がある場合に使用。
- 気分調整薬
- 双極性障害や感情の不安定性を伴う場合、ラモトリギン(Lamictal) などを考慮。
- 抗不安薬(ベンゾジアゼピン系は慎重に)
- 急性の不安発作が強い場合、短期間のみクロナゼパム(Rivotril)などを使用。
- 依存リスクがあるため長期投与は避ける。
- 健康教育と心理教育
- 「これは神経の病気ではなく、心と体のつながりの問題である」ことを説明。
- 医師が「あなたの症状は本物です」と伝えることが重要(患者は詐病を疑われることを恐れる)。
- 家族療法
- 家族の理解を深めることで、過保護・過干渉を防ぎ、依存的な行動を減らす。
- ソーシャルサポート
- 仕事・学校への復帰支援(職場適応支援、教育機関との連携)。
- 失業や孤立が続くと症状が慢性化しやすいため、社会的ネットワークの活用が重要。
経過と予後
変換症の経過は多様であり、早期介入が重要となります。
パターン | 特徴 | 予後 |
---|---|---|
急性型(一過性) | 数日~数週間で消失 | 良好 |
反復型(ストレス時に再発) | 環境が変わると一時的に再発 | 変動するが改善しやすい |
慢性型(固定化) | 1年以上持続、機能障害を伴う | 不良 |
- 予後の良好な要因
-
- 短期間の症状(発症後3か月以内に改善しやすい)
- 明確な誘因があり、一過性である場合
- 早期診断と適切な介入
- 症状が「麻痺」「けいれん」以外の一過性の症状である場合
- 社会的サポートが充実している
- 予後不良の要因
-
- 慢性化(1年以上持続)
- 症状が多様で変動しやすい(「次々と新しい症状が出る」)
- 過去に多くの医療機関を受診し、「治らない」と思い込んでいる
- 家族や医師が過度に症状を強化する(「動かなくていいよ」と言うなど)
- 精神疾患の併存(PTSD、うつ病、境界性パーソナリティ障害 など)

変換症(転換性障害) vs.身体症状症 vs. 病気不安症の違い
3つの疾患はすべて「身体症状を伴う精神疾患」ですが、それぞれ異なる特徴があります。
特徴 | 変換症(転換性障害) | 身体症状症 | 病気不安症 |
---|---|---|---|
主な症状 | 神経症状(運動、感覚異常、麻痺・失声・けいれんなど) | 身体症状の持続的な痛みや不調 | 強い病気への不安 |
検査結果 | 神経学的異常なし | 医学的説明がつかないことも | ほぼ正常 |
不安の対象 | 症状そのものは気にしない | 症状の重症度を過大評価 | 病気の可能性を強く恐れる |
診察行動 | 医療より心理的要因が重要 | 何度も医師を受診 | 検査を繰り返し受ける |
主な治療 | 心理療法(CBT, リハビリ) | 心理療法+薬物療法(抗うつ薬) | 認知行動療法(CBT) |
まとめ | 神経症状(運動機能、感覚異常、麻痺・失声など)が突然出現するが本人はあまり不安を感じない。 | 痛み・疲労などの身体症状を過度に心配し、何度も受診する。 | 「病気にかかっているのでは?」という不安が強いが、身体症状は少ない。 |
- 変換症(転換性障害:conversion disorder)
-
🔹 主な特徴
- 神経症状(運動・感覚異常) が突然出現(例:麻痺、失声、けいれん)。
- 医学的に説明できないが、患者は本当に症状を感じている。
- 心理的ストレスやトラウマが誘因となることが多い。
- 症状の自覚はあるが、病気への強い不安はない。
🔹 例
✅ 突然、声が出なくなる(失声)
✅ 右手の震えがあるが、検査では異常なし
✅ ストレスが強いと、急に歩けなくなる - 身体症状症(Somatic Symptom Disorder, SSD)
-
🔹 主な特徴
- 医学的に説明できる/できないに関わらず、慢性的な身体症状を過剰に心配する。
- 痛み、疲労感、胃腸症状などが主で、神経症状は少ない。
- 「病気そのもの」より「症状」へのこだわりが強い。
- 診察を繰り返し受けるが、症状の改善が見られにくい。
🔹 例
✅ 数年間続く強い腹痛に悩むが、検査では異常なし
✅ 軽い頭痛でも「脳腫瘍かもしれない」と強く思う
✅ 医師から説明を受けても納得せず、複数の病院を受診 - 病気不安症(Illness Anxiety Disorder, IAD)/疾患回避型不安障害
-
🔹 主な特徴
- 「病気にかかっているのでは?」という強い不安が中心(実際の身体症状は軽微またはなし)。
- 「がんかもしれない」「心臓病かも」と思い込み、繰り返し検査を受ける。
- 医師の説明を聞いても「見落としがあるのでは?」と疑う。
- 健康に対する強迫的なチェック行動や回避行動が見られる。
🔹 例
✅ 胸が少し痛むだけで「心筋梗塞かもしれない」と救急外来に行く
✅ ネットで病気を検索し続ける(「サイバーコンドリア」)
✅ 健康診断の結果が正常でも「まだ何か隠れているはず」と信じる
変換症(転換性障害)セルフチェックリスト(40問)
変換症(転換性障害)セルフチェックリストです。次の質問に 「はい」、「どちらでもない」、「いいえ」 の3段階で回答してください。
ただし、このセルフチェックは転換性障害/解離性神経機能障害の診断を確定するものではありません。もし、スコアが高い場合は、心理的ストレスと身体症状の関連を考慮し、専門家(精神科医・心療内科医など)に相談することが重要です。
№ | 変換症(転換性障害)セルフチェックリスト(40問) |
---|---|
身体症状の有無(10問) | |
1. | ある日突然、身体の一部が動かなくなったことがある(麻痺)。 |
2. | 医学的な異常がないのに、けいれんや発作が起こることがある。 |
3. | ストレスを感じた後、急に声が出なくなったことがある。 |
4. | 片目または両目が突然見えなくなったことがある。 |
5. | ある瞬間から、特定の音や声が聞こえなくなったことがある。 |
6. | 手足のしびれや異常な感覚があるが、病院では異常なしと言われた。 |
7. | 歩行が不安定になり、突然歩けなくなったことがある。 |
8. | 突然、口がうまく動かせず、ろれつが回らなくなったことがある。 |
9. | 何かにぶつかったわけでもないのに、体の一部に強い痛みを感じることがある。 |
10. | 身体の症状が強く出るとき、特定のストレスが関係していると感じる。 |
医療機関での経験(10問) | |
11. | 体の不調で病院に行ったが「異常なし」と言われたことがある。 |
12. | 「気のせい」や「ストレスのせい」と言われたが、納得できなかったことがある。 |
13. | 診察や検査で何も見つからなかったのに、症状は変わらなかったことがある。 |
14. | 複数の病院で診てもらったが、どこでも原因不明と言われた。 |
15. | 医師に「精神的な問題では?」と言われたことがある。 |
16. | 「本当にこんな症状があるの?」と周囲に疑われたことがある。 |
17. | 治療を受けても効果がなく、症状が続いている。 |
18. | 症状を説明すると「医学的に矛盾がある」と言われたことがある。 |
19. | 診断がつかない不安から、何度も検査を受けたくなる。 |
20. | どこで診てもらえばいいのかわからず、医療機関探しに疲れたことがある。 |
心理的要因との関連(10問) | |
21. | 強いストレスを感じた直後に、身体の不調が出たことがある。 |
22. | つらい出来事があった時に限って、症状が強くなる。 |
23. | ストレスを軽減すると、症状が少し改善することがある。 |
24. | 過去に大きなトラウマやショックな出来事を経験したことがある。 |
25. | 不安や抑うつ感を感じることが多い。 |
26. | 人間関係のストレスが原因で、身体の調子が悪くなることがある。 |
27. | 自分の気持ちを表現するのが苦手で、無意識に押し殺してしまうことがある。 |
28. | 「こんなにつらいなら、いっそ倒れてしまいたい」と思うことがある。 |
29. | 過去に、他の心身症(胃痛・頭痛・過敏性腸症候群など)を経験したことがある。 |
30. | 何かを我慢しているときに限って、体の調子が悪くなることがある。 |
日常生活への影響(10問) | |
31. | 体調不良のせいで仕事や学校を休んだことがある。 |
32. | 突然の症状のせいで、周囲に迷惑をかけたと感じることがある。 |
33. | 症状が悪化することが不安で、新しいことに挑戦しにくい。 |
34. | 「また症状が出るのでは?」と不安になり、外出を控えることがある。 |
35. | 周囲の人に「大げさ」と言われるが、実際に症状は強く感じる。 |
36. | 生活の中で、特定の動作(歩行・発話など)を避けるようになった。 |
37. | 突然症状が出るのではと心配し、リラックスできないことが多い。 |
38. | 症状があるために、趣味や楽しみを諦めることが増えた。 |
39. | 「普通に生活できるようになりたい」と強く願っている。 |
40. | 症状について他人に理解されにくいことがつらい。 |
評価
- 「はい(2点)」、「どちらでもない(1点)」、「いいえ(0点)」
- 合計点を計算してください。
合計点 | 評価と解釈 |
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0-19点 | 可能性は低い 変換症の可能性は低いですが、ストレスによる影響はあるかもしれません。 |
20-39点 | 軽度の可能性あり 変換症の傾向がある可能性があります。ストレス管理を意識しましょう。 |
40-59点 | 中等度の可能性 変換症の特徴がみられます。医師や心理専門家に相談することをおすすめします。 |
60-80点 | 高い可能性 変換症の可能性が非常に高いです。専門的な診断や治療を受けることを強く推奨します。 |

『脊椎脊髄ジャーナル 33巻3号』
- 特集:心因性疾患(変換症/転換性障害;ヒステリー)の現在
- 出版社:三輪書店
- 概要:本特集では、変換症の概念や診断、治療法などが詳しく解説されています。特に「変換症の概念とその変遷」や「ヒステリー性筋力低下の診断」などの論文が掲載されており、専門的な知識を深めるのに役立ちます。
『Conversion Disorder: Listening to the Body in Psychoanalysis』
- 著者:Jamieson Webster
- 出版社:Columbia University Press
- 概要:本書は、精神分析の視点から変換症を探求しています。著者自身の経験や臨床ケース、理論的考察を交え、身体と心の関係性を深く掘り下げています。
『Functional Neurologic Disorder – StatPearls』
- 著者:Amit Parekh, MD, MBA, et al.
- 出版社:StatPearls Publishing
- 概要:本書は、機能性神経症状症(旧称:変換症)について、最新の診断基準や治療法を網羅的に解説しています。医療専門家向けの内容ですが、詳細な情報が得られます。