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呼吸法とチャクラ・サトルボディの心理療法

目次

呼吸法とチャクラ・サトルボディの応用を臨床心理学から考察

呼吸法とチャクラとの心理療法について何度かご紹介させていただきましたが、今回は呼吸法とチャクラ、そして心理療法とは未知のつながりでであるサトルボディ(微細身体)について触れさせていただきます。

人は「呼吸」を意識する前から呼吸をし、言葉になる前から身体で感情を経験し、意思を持つ前から他者と関係をもつ存在です。呼吸は、身体・感情・認知・関係・表現・洞察・実存これらすべての層に同時に触れる、唯一の心理介入です。

そこで、チャクラとサルトボディを医学的・神経科学・心理臨床の語彙に寄せ、スピリチュアル語彙を完全に翻訳した「専門説明文」として構成してみます。

チャクラ・サトルボディの概念を心理臨床に翻訳

心の多層構造

人の心身反応は、単一の原因ではなく複数の神経系・認知・感情・対人・実存的要因が階層的に影響しあいます。

この多層性は、現代心理学では

  • 脳―身体連関(トップダウン/ボトムアップ)
  • ポリヴェーガル理論(安全と危険の神経生理)
  • 感情制御ネットワーク(扁桃体 ― 前頭前野)
  • 愛着システム(乳幼児期の対人調整)
  • メタ認知と自己物語化
  • 実存的アイデンティティの形成

として説明されますが、古代の心理体系ではこれらを象徴化した言語で表しました。その象徴を現代心理学の層構造に翻訳すると次のようになります。

チャクラ/サトルボディとは、人が自分を理解し、変化させるための古い心理地図であり、現代心理臨床はそれを神経・感情・認知・実存の階層として扱います。

心の7つの臨床層(専門的翻訳版)

スクロールできます
臨床領域神経・心理機構求められる介入
① 身体(Somatic)自律神経、感覚統合迷走神経、闘争/逃走/凍結身体化呼吸、地に足の感覚
② 情動(Affective)情動調整、快不快、欲求扁桃体、報酬系感情の命名、情動耐性
③ 認知(Cognitive)思考、判断、意味づけ前頭前野ネットワーク認知再構成、視点取得
④ 対人(Relational)愛着、共鳴、境界オキシトシン系、鏡ニューロン安全な他者、転移理解
⑤ 主体性(Volitional)決断、自己選択自己主体感、遂行機能境界設定、意思決定支援
⑥ 受容(Integrative)自己和解、許可、慈悲内的表象統合、反省的機能自己受容、慈悲訓練
⑦ 実存(Existential)生きる意味、死生観自己物語化、トランスパーソナル意味探索、価値観明確化

身体 → 情動 → 認知 → 対人 → 主体性 → 受容 → 実存:この順序は、脳の発達と臨床介入の階段に一致します。

「チャクラ/サトルボディ」は何を象徴してきたのか?

古代体系は、神経科学や心理学という言語が存在しなかったため、

  • 身体反応
  • 感情反応
  • 思考・判断
  • 人間関係
  • 意志
  • 受容
  • 実存の理解

象徴(シンボル) として説明しました。

ユングはこれを「象徴的現実」と呼び、内的体験を分類する言語として機能していると解釈しました。

 医学的にはどう扱うべきか?

スピリチュアル概念は“信念体系”として尊重しつつ、症状やケアの説明は“神経・心理の言語”へ翻訳する。

  • 「エネルギーが詰まっている」
     → 身体防御反応/自律神経の過覚醒
  • 「チャクラが閉じている」
     → 適応的なシャットダウン反応
  • 「魂が抜ける感じ」
     → 解離・現実感の低下
  • 「高次の意識が開いた」
     → 実存テーマが顕在化

体験を否定せず、物語化しすぎず、医学と心理の橋渡しにする。

呼吸法の位置づけ(医学的)

呼吸介入は、唯一、意志で自律神経にアクセスできる方法です。

呼吸での目的
身体迷走神経刺激、過覚醒抑制
情動感情処理の許容範囲を拡張
認知認知負荷の低減
対人共感の神経生理の安定
主体性行動選択前の調整
受容心理的柔軟性
実存自己観察、自己物語の俯瞰

ユングの心理学での捉え方

サトルボディ(微細身体)の考え方と、ユング(Carl Gustav Jung)の心理学には、直接的に同じ理論体系はありませんが、根幹で交差するテーマが明確に存在します。

ユングは、エネルギー体としてのサトルボディとは語っていない
  • ユングはヨガ・密教・錬金術に深く通じていましたが、チャクラや微細身体を“そのまま実体として肯定はしていません。
  • 彼が扱ったのは「象徴」「心の構造」「意識変容としてのプロセス」であり、エネルギー体の実在としては語っていません。

ユングにとって「チャクラ」や「微細身体」は臨床心理的な象徴言語。

どこがサトルボディと一致するのか?

「外側にある7層」ではなく、人間の意識が自己を拡張していく層として一致します。

サトルボディの層ユングの概念
身体感覚影(Shadow)の身体化、コンステレーション
感情アニマ/アニムス
思考・信念ペルソナ(社会的自己)
対人・共鳴転移・逆転移
意志・主体性個性化(Individuation)
受容・慈悲セルフへの受容
実存・霊性セルフ / 大いなる自己(Self)
ユングが理解した「チャクラ」の意味

ユングがチャクラを扱ったのは1932年のクーン博士への講義です。
ユングはこう述べています(要点を臨床用に要約):

チャクラは身体にあるのではなく、意識の発展段階の象徴である。

さらに:「エネルギーの流れ」とはリビドー(心的エネルギー)の方向性のことである。

ここで言うリビドーは性的ではなく、生命的衝動関心・魂の推進力です。ユングはチャクラを心理の成長モデルとして読み替えた、と言えます。

サトルボディ = ユング心理学に置き換えると?

サトルボディ = 無意識素材が意識化される過程を層として表現した比喩

ユングの核心概念=「個性化(individuation)」これはサトルボディの外層に向かう動きと近い概念です。

サトル最外層(ケセリック)Self(大いなる自己)
“私はなぜ生きるのか”“私は何者として生きるのか”

呼吸法は意識化の補助手段として機能します。

ユングにおける微細身体の解釈

ユングは次の3つの見方で扱っています:

ユングの解釈内容
象徴神秘体験を構造化する言語
心理的現実性客観的実在かは関係なく、体験は実在
個性化の地図自己成長と統合のプロセス

ユングはこう言います:「象徴は心の自然言語である。」つまり「サトルボディ」は「霊的事実」ではなく“体験を運ぶための言語”として真実だと考えたのです。

    チャクラ × サトルボディ × ユング心理学 対応表(臨床版)

    スクロールできます
    チャクラサトルボディ心理テーマユング心理学の対応臨床キーワード
    第1エーテル体 (身体)安全、基盤、身体感覚影(Shadow)の身体化、根源的不安グラウンディング、不安、解離
    第2エモーショナル体 (感情)感情、欲求、快/不快、親密性アニマ/アニムス(関係への感情)依存、抑圧、恥、性の記憶
    第3メンタル体 (思考・自我)自己評価、意志、恥、怒りペルソナ(社会的役割)、自我形成完璧主義、怒り、自己否定
    第4アストラル体 (共鳴・愛着)信頼、共感、悲嘆、絆転移 / 逆転移、愛着、共感喪失、愛着不安、孤立
    第5コーザル体 (選択・表現)意志、主体性、表現、声個性化過程の表面化主張、境界、沈黙、声の発見
    第6セレスティアル体 (洞察・再解釈)意味の再編集、洞察無意識素材の象徴化反芻、後悔、直観、夢
    第7ケセリック体 (実存・統合)生きる意味、Self、超越Self(大いなる自己)実存の問い、死、喪失、使命

    なぜこの対応が成り立つのか?要点

    3つの体系は「真理が同じ」というより、人間の体験を階層として説明したそれぞれの地図と言えます。

    スクロールできます
    領域サトルボディチャクラ呼吸介入ユング
    身体最下層第1グラウンディング呼吸影の身体化/身体化・トラウマ安定化
    感情第二層第2波の呼吸/胸郭緩めアニマ/アニムス/感情の象徴化
    自我/思考第三層第3箱呼吸ペルソナ・自我/自我の位置づけ
    愛着・共鳴第四層第4ハートHRV呼吸転移・関係性/転移/逆転移の理解
    意志第五層第5ウジャイ呼吸個性化の行動/主体的選択
    洞察第六層第6片鼻交互/内観象徴の解読/夢・象徴の解釈
    実存第七層第7無意識呼吸Selfの顕現/個性化(Self)

    チャクラ ≠ 実体
    サトルボディ ≠ オカルト

    これは人間が「身体・感情・思考・関係・選択・意味」を統合していくための3つの地図として扱うと、安全で臨床的価値が高くなります。

    このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

    本ページは、古代の象徴を現代の心理臨床へ橋渡しする、新しい呼吸心理療法の入口となります。

    チャクラは「エネルギー」と捉えず「テーマ」として

    最初に古代ヨーガのチャクラの象徴体系を現代心理学・神経科学・マインドフルネスの知見と統合し、「チャクラ=心のテーマ領域」としてご紹介させていただきます。チャクラは神秘でも迷信でもなく、人の心が人生で向き合うテーマの象徴です。そして呼吸は、そのテーマに身体から触れる方法です。

    チャクラに対応するテーマは、実は驚くほど現実的です。また、各チャクラのテーマは、特定の呼吸法を用いることで「身体からアクセス」できます。このことからも呼吸は感情を考えるのではなく、変容させる介入方法となります。

    チャクラ心理テーマ推奨呼吸法
    第1安全感・不安・身体感覚グラウンディング/腹式呼吸(数息呼吸)
    第2感情・快不快・欲求波の呼吸/骨盤呼吸
    第3自己効力・恥・怒り箱呼吸からバストリカ呼吸法(段階的)
    第4愛着・悲嘆・信頼ハート呼吸
    第5表現・境界・声ウジャイ/音の呼吸
    第6洞察・反芻思考片鼻交互/内観止息
    第7実存・生きる意味無意識呼吸

    チャクラ × 症状(心理臨床適応表)

    「チャクラ × 心理症状・臨床テーマ × 呼吸介入」表は、スピリチュアル表ではなく、神経系/感情/認知/行動/対人/実存とリンクさせています。そして、チャクラを原因とせず、「症状を理解する心理的焦点」として扱うことで安心となります。

    スクロールできます
    チャクラ心理症状/特徴背景テーマ呼吸介入
    第1:安全・身体(根)パニック、不眠、解離、慢性不安、地に足がつかない安全感の欠如、家庭・生活基盤の不安、身体感覚との断絶腹式呼吸、4-8呼吸、数息呼吸
    第2:感情・快不快(仙骨)感情麻痺、過剰感情、依存、過食・過抑制、性の混乱感情の抑圧/過洪水、恥、親密性、罪悪感波の呼吸、骨盤呼吸、
    第3:自己効力(太陽神経叢)完璧主義、攻撃性、強い自己批判、イライラ、反芻自己価値、自尊心、支配/服従の歴史、怒りの抑圧カパラバティ呼吸法,
    火の呼吸(慎重)
    第4:愛着・悲嘆(ハート)失恋、喪失、共依存、対人不信、被害念慮、孤独“愛していいのか/愛された経験”ハート呼吸、ソーハム呼吸/ヤム呼吸
    第5:表現・境界(喉)言語化困難、声が出ない、謝りすぎる、衝動的暴言自己主張、境界の曖昧、沈黙の家庭文化ウジャイ呼吸、音の呼吸(ハミング)
    第6:洞察・記憶(眉間・第三の目)過去の反芻、後悔、未来不安、意味づけ過剰自己ストーリーの固定、「結論ありきの認知」片鼻交互呼吸、内観呼吸
    第7:実存・意味(頭頂)虚無、燃え尽き、霊的混乱、宗教不安、絶望感生きる意味、死生観、アイデンティティ無意識呼吸、存在の呼吸

    症状別チャクラ焦点の具体例

    症状=壊れたチャクラではなく、次のように焦点化することで安全に扱える「心理テーマ」となります。

    臨床場面での判定基準

    臨床場面での判定基準は、次のような質問から“YES”の層で呼吸法介入に進みます。

    スクロールできます
    症状中心チャクラ補助チャクラ呼吸
    パニック第1第3腹式呼吸(数息呼吸)、地面意識
    愛着不安第4第2、第1ハート呼吸
    共依存第4 & 第2第5ハート呼吸、波のような呼吸
    PTSD(慢性)第1第2、第6グラウンディング、片鼻交互
    解離第1第2波のような呼吸
    自己批判第3第4箱呼吸+自分への言葉
    抑うつ第3、第6第7片鼻交互、バストリカ呼吸法
    喪失(死別)第4第7ハート呼吸、許容の間
    過食・依存第2第1、第3腹式呼吸/波呼吸
    表現が苦手第5第3、第4ウジャイ、音の呼吸
    自己否定第3第4、第1バストリカ呼吸法、カパラバティ呼吸法
    虚無感第7第3、第4無意識呼吸/意味対話

    注意 ― 逆方向に介入すると危険
    例:下層の安定が上層の条件

    • 実存の問い(第7) → まだ身体が安全でない(第1)
    • 感情解放(第2) → 認知整理がなさすぎる(第3前)

    チャクラ心理モデル

    第1チャクラ:安全・身体感覚(根)

    Q1.「地に足がつかない感じがします」
    A. 「身体が今ここに留まる感覚を一緒に作りましょう。」
    横隔膜呼吸・足裏グラウンディング

    Q2.「常に不安で、落ち着く場所がない」
    A. 「不安の物語の前に、身体を安全にする時間を持ちます。」
    4-8呼吸・触覚アンカー


    ⇒「安全感を育てる段階です」

    第2チャクラ:感情・快不快・依存(仙骨)

    Q3.「感情がなくなった気がする」
    A. 「感情は失われません。凍っているだけの場合があります。」
    骨盤呼吸・波の呼吸

    Q4.「依存してしまう」
    A. 「その依存は“痛みを避ける戦略”かもしれません。」
    快不快の身体観察


    ⇒「欲求と感情の扱い方を学ぶ段階です」

    第3チャクラ:自己効力・怒り・自尊心(太陽神経叢)

    Q5.「自分には価値がない」
    A. 「価値は結果ではなく、生きていることによる前提としてあります。」
    箱呼吸・“自分に対する語り方”

    Q6.「小さなことにイライラしてしまう」
    A. 「怒りは境界や大切なものを知らせるサインです。」
    肋骨拡張呼吸


    ⇒「境界と自己尊重の調整がテーマです」

    第4チャクラ:愛着・悲嘆・信頼

    Q7.「人を信じるのが怖い」
    A. 「その恐れには理由があります。急いで信じなくて大丈夫です。」
    ハート呼吸、HRV呼吸

    Q8.「失った人のことを忘れられない」
    A. 「忘れる必要はありません。新しい形に変えていけます。」
    胸に手を置く呼吸・慈悲の呼吸


    ⇒「心のペースを尊重します」

     第5チャクラ:自己表現・境界・声

    Q9.「言いたいことが言えない」
    A. 「声を出すには安全が必要です。」
    ウジャイ呼吸、低い声のハミング

    Q10.「つい強く言いすぎて後悔する」
    A. 「強さの調整は練習できます。」
    呼吸の長さで声の圧を調整


    ⇒「言葉と感情の通り道を整える練習です」

    第6チャクラ:洞察・記憶・解釈(第三の目)

    Q11.「過去のことを何度も思い返してしまう」
    A. 「その記憶は意味を持とうとして戻ってきます。」
    片鼻交互呼吸・認知距離

    Q12.「未来が怖くて想像が止まらない」
    A. 「思考の映像に距離を置く練習をしましょう。」
    スクリーンに投影”ワーク


    ⇒ 「過去と未来に占有されている時があります」

    第7チャクラ:実存・意味・自己感(クラウン)

    Q13.「生きる意味が見えない」
    A. 「意味は“探す”より、経験から編み直されます。」
    無操作呼吸、存在に触れる

    Q14.「何も感じない。空っぽ」
    A. 「空っぽは壊れた状態ではなく、問いの前段階です。」
    観照呼吸。答えを急がない


    ⇒「実存のテーマに触れています」

    呼吸介入のミニガイド
    状態呼吸
    過覚醒長い吐く息(4-8)(4-7-8)
    解離・ぼーっと交互片鼻孔呼吸
    反芻箱呼吸(4-4-4-4)
    感情麻痺ハート呼吸 or 波の呼吸
    自己批判ハート呼吸(ソーハム呼吸/ヤム呼吸)
    虚無無意識呼吸

    サトルボディとは何か?

    「呼吸法 ↔ チャクラ ↔ サトルボディ(微細身体)」という流れは、世界の精神文化・神秘学・宗教哲学に共通して現れるため、心理療法と接続する際には「概念の分類」と「臨床的な扱い方」の整理が極めて重要となります。

    「サトルボディとは何か?」

    「サトル (subtle)=微細」
    「ボディ (body)=身体」

    学術的に統一された定義はありませんが、
    スピリチュアル/密教的/神智学(テオソフィー)/ヨガ哲学/新心理学のいずれでも共通する核があります。

    ■ サトルボディとは「肉体以外の、微細な層の存在や体験を表現するための概念」

    • 物質的な身体を超えた層(body)として語られる
    • 体験・感情・思考・意識の性質の違いを示すための「層」のメタファー
    • 実体(物理的な存在)というより “主観的現象を階層として捉える説明モデル”

    サトルボディは「神経」「心理」「霊的体験」の分類モデルであり、MRIなどで測定される物質ではなく、意識体験の構造を表現する哲学概念と考えるのが、臨床的に安全な立ち位置です。

     サトルボディの「身体感覚と意識の階層モデル」
    層(神秘学的名称)臨床心理での翻訳
    エーテル体体性感覚、プロプリオセプション、呼吸感覚、姿勢意識
    エモーショナル体感情の身体化、情動の気づき
    メンタル体自動思考、認知パターン、メタ認知
    アストラル体他者との関係性に伴う身体反応・共振
    コーザル体意味・価値・生きる目的
    ブッディ(セレスティアル)体受容、慈悲、内観(仏教の智慧)
    アートマ(ソウル)体実存的自己、超個人的体験、自己超越
    「サトルボディ」の概念が心理療法に寄与

    心理学的には「実在するエネルギーの層」ではなく“内外の体験・気づきの層”として臨床的にいます。

    たとえば、これは西田幾多郎の「純粋経験」とも相性が良く、「身体を媒介に、世界との関係が変化することで自己の体験構造が変わる」という視点に統合できます。

    「サトルボディ」の概念が心理療法に寄与する点

    利点リスク
    言葉になりにくい領域(身体感覚・存在感)を扱える“実体化”してしまうと不安や依存を強化
    呼吸法・瞑想・内観と統合しやすい層や回転・色に「正解/不正解」を作ると苦悩を生みやすい
    トラウマワークの「境界の回復」と相性が良い霊的解釈が病的確信に移る可能性
    結論 ― サトルボディとは?

    心理臨床的安全な定義として表現すると、「自分の体験(身体・感情・思考・関係性・実存)を層として理解し、丁寧に気づくための意識の地図」と扱うことができます。

    臨床心理なサトルボディの構造

    「サトルボディの7層 × 心理療法の目的 × 具体的介入」対応表

    スクロールできます
    サトルボディ臨床心理学で扱う領域主テーマセッションでの目的主な技法例
    ① エーテル体 (身体層)体性感覚、呼吸、自律神経、姿勢、内受容感覚「今ここ」へのアンカー身体化した緊張・防衛の解除、安心感呼吸誘導、漸進的筋弛緩、ボディスキャン、グラウンディング
    ② エモーショナル体(感情層)情動認識、感情ラベリング、感情の抑圧と表現感情の「気づきと循環」感情の安全な表出、フリーズ・解離の解氷感情ラベリング、ウィンドウ・オブ・トレランス、ソマティック
    ③ メンタル体(思考層)自動思考、認知パターン、ストーリー、価値判断認知の見立て直し認知の柔軟性、再評価、再構成CBT、メタ認知、リフレーミング
    ④ アストラル体(関係層)愛着、共鳴、境界、同調、他者の目、トラウマ再演「他者との距離と結び」共依存の修正、安全な関係モデルEFT、家族システム論、内的家族システム
    ⑤ コーザル体 / エーテルテンプレート(意志・方向性)自己決定、価値観、選択、方向、責任、エージェンシー意志と自己選択「選ばされて来た人生 ➜ 自分の意志に戻る」ACT価値抽出、意思決定ワーク、未来ビジョン
    ⑥ セレスティアル体(慈悲・許し・受容)自己受容、他者受容、慈悲、マインドフルネス苦悩との共存「変えられないものを受容する力」慈悲瞑想、ジャッジメントフリー、自分への優しさ
    ⑦ ケセリック / ソウル体(実存・スピリチュアル)生きる意味、死、喪失、超越、自己超越存在の統合「私はなぜ生きるのか」ロゴセラピー、実存療法、死生観対話、使命

    各層を臨床的に扱うときの「言語の安全な翻訳」

    急性期や境界不安の高いクライエントほど、上位(6・7)へ早期に触れると不安定化します。
    下層 → 上層(身体 → 感情 → 認知 → 意志 → 受容 → 実存)の順が安全です。

    スピリチュアル用語臨床での安全な語彙
    エーテル体身体反応、神経系、五感、呼吸感覚
    エモーショナル体情動体験、感情の波、身体感情
    メンタル体自動思考、認知評価、信念
    アストラル体愛着システム、関係のパターン
    コーザル体意志、選択、人生の方向性
    セレスティアル体自己受容、慈悲、包括的感情
    ソウル体実存、意味、霊性体験

    「層ごとの臨床的ゴール」

    臨床ゴール
    ① 身体安全感・落ち着き・グラウンディング
    ② 感情感情を感じても壊れない体験
    ③ 思考問題に飲み込まれず観察できる自分
    ④ 関係境界・距離・依存の調整
    ⑤ 意志選ぶ主体性(自己決定)
    ⑥ 受容許しではなく「苦悩と共存」
    ⑦ 実存“生きている意味”の個人的発見

    ➡ 7層目は「答えを与える」のではなく、クライエントが意味を編み直す場を伴走することが心理臨床です。

    サトルボディ「7層 × 呼吸 × 質問」のセッション

    エーテル体(身体の層)― 呼吸と五感の安全感

     呼吸誘導(短文)

    まず、鼻から吸って、少しだけ止めて、ゆっくり長く吐きます。
    吐く息は「沈みこむように」地面へ渡していきます。

    注意を向ける場所

    • 足裏
    • 骨盤
    • 座面の支持

    質問

    • 今、身体の中で一番存在感がある場所はどこですか?
    • その場所はどんな形、重さ、温度に近いですか?
    • 今、この瞬間「安全」だと体が感じるところはありますか?
    エモーショナル体(感情の層)― 情動を身体感覚として扱う

     呼吸誘導

    吐く息で、胸や腹の奥に触れていきます。
    感情に触れようとせず、ただ「波」として眺めます。

    注意を向ける場所

    • 胸部、みぞおち
    • のど
    • 腹部

    質問

    • 今、どんな感情が“近くに”ありますか?(言葉でなく比喩でも)
    • その感情は、体のどこに最も存在していますか?
    • 触れてみて、「耐えられる強さ」ですか?それとも強すぎますか?

    解離気味の場合:「距離を調整できますか?」が鍵となります。

    メンタル体(思考の層)― 自動思考を“気づきの対象”へ

    呼吸誘導

    吸う息で思考をただ見つけ、吐く息で手放すというより、空へ流すように扱います。

    注意を向ける場所

    • 頭の中に浮かぶ映像
    • 言葉の反復

    質問

    • 今頭の中にある考えは、事実ですか?それとも「物語」ですか?
    • その考えは、あなたを守ろうとして生まれた可能性はありますか?
    • その考えを少し離れた場所から眺めると、どんな印象ですか?

    認知融合 → 認知的距離 へ誘導するのが目的です。

    アストラル体(関係・愛着の層)― 他者との距離・境界

     呼吸誘導

    吸う息で「自分の内側の領域」を感じ、吐く息で「外側」と区別します。

    注意を向ける場所

    • 身体の境界線(皮膚感覚)
    • 相手の視線や声を思い浮かべた時の反応

    質問

    • その関係の中で、あなたの「領土(スペース)」はどれくらいですか?
    • 「近すぎる」か「遠すぎる」感じはありますか?
    • その距離を1割だけ変えると、身体はどう反応しますか?

    共依存・過同調・過警戒の調整が重要です。

    コーザル体(意志・選択の層)― 主体性と方向性

    呼吸誘導

    吸う息に「選ぶ」という感覚をのせます。
    吐く息で余計な義務感や期待を下ろします。

    注意を向ける場所

    • 背骨
    • 丹田・腹の中心

    質問

    • これは「やらなければならないこと」ですか?
       それとも「自分が選ぶこと」ですか?
    • あなたが今日ここに来た理由は何でしょう?
    • 3ヶ月後、どんな状態なら「進めた」と言えますか?

    西田哲学でいう「行為的直観」と自然に接続する層です。

    セレスティアル体(慈悲・受容)― 抗うのではなく抱える

    呼吸誘導

    吐く息を柔らかく、ためないで流します。
    自己批判も、ただの雲のように通り過ぎます。

    注意を向ける場所

    • 胸郭の広がり
    • 温度感(暖かさ)

    質問

    • 自分の中の「苦しんでいる部分」に、どんな言葉をかけたいですか?
    • 受容することは、“負ける”ことだと思っていますか?
    • 「それでも私はここにいる」と言うと、何が起きますか?

    許し=加害の正当化ではなく、「苦悩との共存能力」への移行をします。

    ケセリック/ソウル体(実存・意味)― 根本命題に触れる

    ※急性期のトラウマ反応、不安が高いときは避ける領域

    呼吸誘導

    ただ呼吸があなたの中に生まれ、消えていくのを見守ります。

    注意を向ける場所

    • 呼吸と存在
    • 価値観、死生観、使命感

    質問

    • あなたにとって「生きるとは何ですか?」
    • 痛みを抱えながら、それでも大切にしたいものは?
    • 今日、あなたは何のために目覚めましたか?

    ロゴセラピー/実存療法の中心となります。

    サトルボディの層 × 呼吸の種類

    「サトルボディの層 × 呼吸の種類」を結びつけるのは、非常に実践的で、抽象概念が身体実感に落ちるため臨床で効果が高くなります。心理療法的に安全で、哲学(ヨーガ、密教、呼吸生理)とも矛盾せず、かつ臨床目的が一致する形で、対応表を作成しています。

    ※ただし、重要な前提:「1つの呼吸法=唯一の層」ではなく、強く作用しやすい層”としてマッピングしていきます。

    「サトルボディ7層 × 推奨呼吸法」対応表

    推奨呼吸法理由(心理療法との接続)
    ① エーテル体(身体)腹式(横隔膜呼吸)・4-8呼吸迷走神経、グラウンディング、自律神経の安定
    ② エモーショナル体(感情)ハート呼吸(ハートフォーカス)感情調整、共感、胸郭の硬さの解氷
    ③ メンタル体(思考)箱呼吸(4-4-4-4)認知制御、メタ認知、冷静さ
    ④ アストラル体(関係・共鳴)共鳴呼吸(Coherent Breathing 5.5sec)他者との神経系シンクロ、境界調整
    ⑤ コーザル体(意志・方向)ウジャイ呼吸(海呼吸)意志感、内なる推進力、集中
    ⑥ セレスティアル体(慈悲・受容)慈悲の呼吸(Loving-Kindness Breath)「否定のない空間」、温かさの喚起
    ⑦ ケセリック体(実存・意味)片鼻交互呼吸(ナーディショーダナ)左右脳統合、思考と感情の統合、超越

    層 × 呼吸法の作用のニュアンス

    神経系の主作用
    ① 身体交感過活動 → 副交感優位へ
    ② 感情心臓リズム → 感情調整
    ③ 思考注意制御 → 過思考の鎮静
    ④ 関係多者間同期 → 共鳴と境界
    ⑤ 意志集中 → 行動性
    ⑥ 受容自己批判減衰 → 慈悲
    ⑦ 実存デフォルトモードと観察者の統合

    呼吸法とサトルボディが合致する理由の心理療法的翻訳

    「エネルギー体」ではなく「神経系のモード」として理解できる立場を取ると、臨床安全性が確保されます。

    呼吸法スピリチュアルでの説明臨床心理での説明
    横隔膜呼吸エーテル体が安定するPFC ⇄ 扁桃体制御
    ハート呼吸愛と感情が開くHRV向上・感情調整
    箱呼吸心のノイズが静まる実行機能・集中
    共鳴呼吸他者と波長が合うポリヴェーガル理論
    ウジャイ内なる火・意志集中・自己効力感
    慈悲の呼吸心が柔らかくなるセルフコンパッション
    片鼻交互陰陽統合DMNと注意の統合

    それぞれ、どんなクライエントに向くか?

    層/呼吸特に適応
    ① 横隔膜フリーズ、身体過緊張、睡眠障害
    ② ハート呼吸抑圧、怒り、悲嘆、愛着課題
    ③ 箱呼吸反芻、心配性、パニック予期
    ④ 共鳴呼吸家族問題、共依存、境界
    ⑤ ウジャイ自信欠如、決断迷い
    ⑥ 慈悲呼吸罪悪感、自己批判
    ⑦ 片鼻交互喪失、死生観、実存問い

    サトル呼吸セラピーセッション

    サトル呼吸セラピーセッションの意味論(臨床版)

    下層=神経系(迷走神経、情動中枢)
    中層=認知・行動
    上層=メタ意識・実存・哲学

    これはヨガ哲学だけでなく、ポリヴェーガル理論 / 反芻抑制 / 自己決定理論 / ロゴセラピーとも整合します。

    そのため、層が高くなるほど、抽象化→反芻→解離リスクが上がりますので、基本は ①〜④で安定確認、⑤(意志)に入る前に主体性確認、特に⑦は急性期の喪失・PTSDでは慎重に扱いますので(実存)は希望より現実に触れる問とします。

    パート呼吸法時間主テーマ
    ① grounding身体(エーテル)横隔膜呼吸8分安全感
    ② emotional感情(エモーショナル)ハート呼吸8分感情の波に気づく
    ③ cognitive思考(メンタル)箱呼吸7分認知距離
    ④ relational関係(アストラル)共鳴呼吸7分境界と共振
    ⑤ volition意志(コーザル)ウジャイ7分選択と方向
    ⑥ compassion受容(セレスティアル)慈悲呼吸7分自己受容
    ⑦ existential実存(ケセリック)片鼻交互呼吸7分意味・目的
    ⑧ 統合全層自然呼吸4分総合の感覚
    STEP
     〈身体〉横隔膜呼吸(8分)

    腹に手を置きます。吸う息で膨らみ、吐く息で沈むのを感じます。
    身体に“今ここ”の場所を作ります。
    地面に委ねる感覚があれば、その感覚に身を任せてください。

    質問:
    「今、身体が一番感じている場所はどこですか?」

    STEP
    感情〉ハート呼吸(8分)

    吐く息を胸の中心に通すように。
    感情を追うのではなく、波として見送ります。

    質問:
    「今、どんな感情が“近くに”いますか?」

    STEP
    〈思考〉箱呼吸(4-4-4-4)(7分)

    吸う4秒、止め4秒、吐く4秒、止め4秒。
    思考を裁かず、ただ“ある”として置きます。

    質問:
    「それは事実ですか?それとも頭の中の物語ですか?」

    STEP
    〈関係〉共鳴呼吸(Coherent)(7分)

    5.5秒吸って、5.5秒吐く。
    他者との距離を、呼吸のリズムで調整します。

    質問:
    「その関係であなたの領域(スペース)はどれくらいですか?」

    STEP
    〈意志〉ウジャイ呼吸(7分)

    喉を軽く閉じ、波の音を作りながら呼吸します。
    吸う息に“意図”、吐く息で“過剰な期待”を手放します。

    質問:
    「今日あなたは、どんな方向へ舵を切りたいですか?」

    STEP
    〈受容〉慈悲呼吸(7分)

    吸う息で自分に場所を与え、吐く息で優しさを送ります。
    “無理に許さなくていい”という空間で。

    質問:
    「苦しんでいる自分に何を伝えたいですか?」

    STEP
    実存〉片鼻交互(ナーディショーダナ)(7分)

    左右の呼吸を交互に。
    過去と未来、思考と感情のバランスを整えます。

    質問:
    「あなたにとって生きるとは何ですか?」

    STEP
    統合(自然呼吸)(4分)

    ただ呼吸に委ねます。
    あなたの中に生まれた小さな変化があれば、静かに感じてください。

    最後の質問:
    「今の自分にタイトルをつけるなら、何と名付けますか?」

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