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軽い社交不安や恐怖を自分で軽減できる簡単な方法

目次

不安を言語化する、記録をつける、検証する、カードにするなど自分でできる簡単な作業で不安や恐怖を取り除く方法です。総まとめとしてコラム法の非機能的認知記録表で認知の再構成をしていきます。

一人でできる簡単不安障害の軽減法

強い不安や悩みを抱えながら仕事をしている人は58%にもおよびます。

明日のプレゼンを失敗したらどうしよう
資料がうまく作れなかったらどうしよう
残業しないで先輩より早く帰ったら、批判されるかも
最近、会社の業績が悪くなっているが、首になったらどうしよう

考えてもどうしようもないのはわかっている
自分でコントロールできないから辛い

例:典型的な自動思考(浅い認知)
・上手に話せずどもってしまう・変な話し方になってしまう・嫌われてしまう・馬鹿だと思われてしまう・物を落とすとかグラスをこぼして失敗する・変な人だと目をそらされるのではないか・拒絶されるだろう・つまらない人間だと思われてしまう
例:典型的な信念(深い認知スキーマ)
・不安は弱さのサインだ・他人から認められなかったら価値がない・本当の私を知ってしまったら嫌われてしまう・他人に弱さを見せてはいけない・私には魅力がない・私が不安であることを誰にも知られてはならない・他の人達の期待に応えなければならない

不安が現実になる確率

不安が現実になる確率

不安や恐怖は、今までの経験からだけではなく、事実ではない推測や想像でマイナス思考や思いつきを本当のことのように受け止めてしまいます。
上記の例にもあったように、典型的な認知の特徴は「他人の心を読みすぎる」「最悪で極端な未来の予想図」「良い経験、良い面を取り上げず、否定的な面をすべてに当てはめる」という歪んだ考え方を現実に取り入れて、不適応的に訂正や修正をすることで自ら不安や恐怖に陥れています。要するにこの悪循環である歪み、ネガティブな認知が「不安や恐怖」を作り出しているのです。

不安が起きた15%「不安の正体」を知っていれば12%は自力で解決できる
※不安の97%は心配無用
・教授の研究
【ロバートリーヒ】

図からもわかることは、ほとんどの不安、恐怖は現実に85%起きないということです。さらに「不安の正体」を知って事前準備や対処法を練っておくと、97%は自力で対処、解決できるというように、過度に怖がっておびえる必要はないということです。
要するに、起きてもいない最悪なシナリオの未来予想図で、さんざん不安にさせておいてそのほとんどが取り越し苦労で終わるということです。

不安、恐怖を取り除く

不安、恐怖を取り除く

  • 不安が頭の中をぐるぐる回る
  • 些細なことで不安になる
  • どんなに頑張っても不安が頭から消えない
  • 不安がいったん消えても、また浮かんでくる

❶不安な気持ち(認知)の言語化

不安を言葉に出す⇒活発だった偏桃体の活動が落ちつき、ストレスホルモン濃度が下がります。不安はただの不要残留本能です。
・余計なアドバイスを受けることではなく、不安、恐怖を最後まで聞いてくれる家族、友達、同僚など、あなたの気持ちを理解してくれる人に聴いてもらいます。

❷不安を記録につける

記録をつけるメリット
人はどうしても苦痛に注目しがちですが、起きなかった不安、恐怖は忘れてしまうことが多いのです。そこで、最初は不安であったが現実には起きなかったことを書き留めて、何度か見直し、記憶に残すことで同じようなケースの不安に備えることができます。

プレゼン用資料作成 行動➀

未来のどんな事への不安が生じたのか?その不安は実際どうなったのか?不安が現実に起こったのかを検証する
〇月〇日 上司にプレゼン資料を提出したが、 ダメだしで怒られるのではないかと不安だった。 不安度70%実際には上司から怒られるどころか「これでよい、うまくできている」と言われて安心した。最悪なシナリオの不安、恐怖は起きなかった。
取り越し苦労だった。逆に褒められた。不安に備え事前準備が功を奏した。
検証の結論
不安を消そうとするほど、不安が頭に浮かんでくる。
未来のことなので、事前準備ができていれば対処できる可能性の方が高い。
実際に起きてから、心配すると決めておく。あれこれ考えるのは事が起きてからにする。

プレゼン実施 行動➁

未来のどんな事への不安が生じたのか?その不安は実際どうなったのか?不安が現実に起こったのかを検証する
プレゼンのスピーチが笑われたらという恐怖とプレゼン内容を軽く見られたらという不安があった。
恐怖度80%・不安度70%
プレゼンは最高の出来ではなかったが、笑われることはなかった。プレゼン中に内容への「同意の声」と「黙ってはいたが、頷きを見せる人」も多かった。プレゼンは失敗ではなく成功に近いと感じた。
恐怖や不安をプレゼン実施前に考えても仕方ない、事前準備に価値がある。
実は「うまくいくかもしれない」「多少の失敗では笑われないかもしれない」と考えるようにしていたため、ダメもと感覚で臨んだ。
検証の結論
不安は未来のことである。実際に起きる結果を悪い方向に想像してしまう癖があるので、不安や恐怖、心配をゼロにすることはできない。
だから、自分の癖なので事前に心配しすぎても意味がない。
だから、事が起きたら心配しようと考えれば良い。
だから、心配が100%現実にならないように、事前に準備すれば結果は100%にはならない。安心度はあがる。

❸不安をすべて書き出す

今自分ができることを考える
自分ができないこと、解決できないことは不安には必要ない事なので消す
・明日はデート!うまく話せるかな・・・ 嫌われたらどうしよう

不安・心配➡今できること
上手く話せるかな?黙り込んだら…➡話題を10個考えよう
嫌われたらどうしよう…➡爪を切る・洗車する・お店のリサーチ
お腹が痛くなったらどうしよう…➡水なし下痢止め用意
女の子の気持ちがわからない…➡恋愛本を買いチェック
ドタキャンされたらどうしよう自分ではできない事だから、消す

カードにする
・今すぐできる(今やるべき)カード
・ゆっくりでも良いカード
・自分には解決できないカード

• 今すぐできるカード
「なんだこれだけか余裕だな」
• 話題を10個考える・爪を切る・靴を磨く
• 洗車する・恋愛本買う・下痢止めを用意する
• ゆっくりでも良いカード
「少しずつ、ゆっくりで大丈夫」
• 5キロダイエットしたい・得意料理を練習したい・ボイストレーニングしたい
• 恋愛に向けてのカウンセリング受けたい
• 自分には解決できないカードは心配する必要なし、ゴミ箱へ• ドタキャンされたらどうしよう・親戚が不幸になったらどうしよう
• 会社から呼び出しがあったらどうしよう

不安と向き合い、今できることの事前準備を行動に移すことで、偏桃体のストレス、興奮が減少します。

コラム法/非機能的思考記録表で認知の再構成

社交不安の心理の特徴として物事の捉え方にも原因が潜んでいます。認知の歪みや偏りに気づかずに自分を苦しめている可能性があります。自己の認知や思考を7段階の記録表で客観的に傍観してみることがコラム法です。コラム法にチャレンジした後に心の変化があるかもしれません。

参考web
Stein MB&Stein DJ、厚生労働省認知行動療法マニュアルより
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000113841.pdf
参考文献
こころの医学事典/日本評論
不安障害診療のすべて:塩入俊樹・松永寿人/医学書院
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 高橋三郎・大野裕監修/医学書院標準精神 尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院
カプラン臨床精神医学テキスト:監修 井上令一/メディカルサイエンスインターナショナル
M.I.N.I. 社交不安障害診断―精神疾患簡易構造化面接法, P32, 星和書店より抜粋

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