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パニック障害ひとりでできる認知行動療法のワークで改善、回復

目次

パニック障害の改善、回復するために一人でできる認知行動療法のワークを紹介します。パニックの悪循環の知識を理解のうえで呼吸法、暴露法、注意トレーニング、行動実験をすることが鍵となります。

パニック障害/認知行動療法ワーク

パニック障害を維持している環境は?ケースフォーミュレーション

パニック障害ケースフォーミュレーション図

パニック障害を維持する悪循環の3つの要素に気づき

内的な情報へ注意をシフトすることが身体感覚の誤った解釈をする否定的な自己イメージを過大評価させ、安全行動や回避行動してしまい不安が持続するようになります。
このことについて8項目の質問表を作り、答えるワークをします。

パニック障害における自動思考・安全行動・信念リストについて

  • 身体感覚に関係する自動思考は
  • 安全を確保するための行動は
  • 信念はどんなことが頭に浮かんでくるか

    典型的な自動思考リスト、安全行動リスト、信念リストをワークで作り上げます。

認知行動療法の基本的な考え方

認知の歪みと感情との大まかな関係

安全行動と注意の気づき

社交の中で「安全行動と自己注目」が不安を高め、持続させていることにに気づく
・安全行動は、最悪な事態を防ぐために用いられるが、安全行動と発作の関係性がないという反証の機会を失わせてしまい不安も持続させている。

パニック日誌をつけ、次に同じ行動をとり安全行動や自己注目をとらない時の不安度などを比較

日誌

曜日例:月曜日
パニックが起きた、または起きそうになった状況例:混んでいる時間5時に商店街で買い物
身体感覚現れ前の不安の点数例 : 50点
身体感覚の現れ例:倒れてしまいそうな感覚で息が苦しく、めまいがする。
身体感覚現れ後の不安点数
否定的な解釈・イメージ
例:失神、もしくは心臓発作をしてしまう 70%
安全行動あり
自己注目あり
例:陰に隠れて深呼吸をする。自分の呼吸に注目する。

日誌と同じ行動をして安全行動と注意をしない時の不安度の検討

日付例: 〇月〇日 木曜日
状況例:混んでいる5時に商店街で買い物
安全行動・自己注目はしない例:安全行動も自己注目もせず買い物に集中できて、呼吸も苦しくなるが自己注目はせず流すことができた
結果例:失神も心臓発作は起こらなかった
不安感の点数例:不安度 80点以上になったと思うが、外に注意をしなければならなかったために50点以下に下がるのが早かった
学んだこと例:安全行動をする場合は、身体感覚に自己注目してしまい、最悪を考えて不安になるが、安全行動をしなかった場合、不安度は大きく80点以上に上昇したようで身体感覚への注目も多少はしていたと思うが、意識的に買い物に集中することによって不安点数はいきなりさがったような気がした。結果的には安全行動や自己注目しているときと同じく失神も心臓発作も起きずに買い物

段階的暴露療法

段階的暴露療法図

1⃣:具体的な目標を立てる

症状電車に乗ることができない
【長期目標の設定】 数年後の達成したい事・新幹線で実家へ帰る ・北海道に旅行をする
【中期目標の達成】 1年以内に達成したい事・急行や特急電車を利用できるようになる ・日帰り旅行に行く
【短期目標の設定】 1~2か月で達成したい事・混んでいる駅で15分以上過ごす・プラットホームに15分以上滞在する・パートナーと各駅停車と急行に乗車する

2⃣:不安階層表を作る

不安の点数化:実際に不安の経験がないものも含め10~100点の表を作る

カテゴリー別不安階層表

不安の 強い順場面(状況)不安の強さ10~100点
飛行機100
90
新幹線80
観覧車70
電車60
歯医者50
映画館40
商店街30
コンビニ20
10自宅で飛行機のテレビを見る10

3⃣:カテゴリーから具体的に不安階層表で行動の課題をたてる

不安階層表(カテゴリー別)から、最初は50点~60点くらいの状況を選ぶ。
今回は例として「電車/不安度60点」を選択
不安階層表(カテゴリーへの行動)

例:カテゴリーは 電車に乗のる不安

不安の 強い順          不安に対する場面/行動不安の強さ10~100
一人で特急に乗り、最終駅まで移動する100
一人で特急に乗り、5つ目の駅まで行く90
一人で特急に乗り、1つ目の駅まで行く80
一人で各駅停車に乗り、5つ目の駅まで行く70
一人で各駅停車に乗り、1つ目の駅まで行く60
パートナーと急行に乗る50
パートナーと各駅停車に乗る40
プラットホームに15分間立つ30
ラッシュの時間に改札口で15分間過ごす20
10改札口まで行き15分間滞在10

4⃣:課題に取り組む

十分に不安が低下したと感じるまで、一つの恐怖場面にとどまって行う
(最低15分間という15分ルールがある)
・曝露前と曝露後で,不安の点数の減少を不安階層表で確認する

時間と不安度の推移グラフの記入(モニター)でパニックを知る

前もって時間と不安度の推移グラフを作っておき、同行者がいる時や一人の取り組み時にできるようであれば記入(メモ帳に時間と不安度を書くだけでも良い)を行う。
※暴露の課題の取り組み中に記入できれば、「今」現実のパニック状態や不安度を目視できることからも前進しやすい。

5⃣:結果を評価(プラスに)

・2回連続で課題が達成でき、暴露後の不安度が30点以下になっていたら、難しい課題へ挑戦

課題は1回目より2回目、そして3回目と不安度が下がっていきますので、あきらめることなく挑戦し続ける。

↑暴露開始

呼吸法

過呼吸(過換気症候群、または過呼吸症候群)
 ストレスや不安から息苦しさが起こり、それが不安を強めて呼吸が荒くなります。
なぜなら、「人間は空気が吸えなくなると死んでしまう」という恐怖に駆られ必死に息を吸おうとしますが、吐かなければ吸えないので吐こうとします。この必死で行う悪循環が過呼吸に発展してしまいます。

過呼吸が起きれば「このまま死んでしまうのではないか」と、さらに恐怖に襲われ、そのパニック状態の姿を見た周りの人が救急車を呼ぶことも珍しくありません。
過呼吸の原因
 強いストレスは恐怖や不安を招き、交感神経の緊張で呼吸が浅くなって息苦しくなります。
そこで空気を吸わなければと焦り、必死で息を吸うことで呼吸数が多くなります。
当然、不安から呼吸数が乱れているだけなので、この段階では酸素が足りないわけではないのです。「死んでしまうかもしれない」というのは不安が引き起こす勘違いなのです。

しかし、この勘違いからはじまった過呼吸が身体から二酸化炭素を逃がし、血管の血流を低下させ、頭痛やめまい、動悸や胸痛、吐き気、冷や汗、手足のしびれ、痙攣などと身体症状まで引き起こします。 パニック障害の多くの方々が過呼吸を経験しています。
過呼吸の対処(気持ちを落ち着かせ、呼吸を整えること)
 頓服薬をのむ ベンゾジアゼピン系抗不安薬は即効性があります。水がない時には噛んで服用しても大丈夫です。
会話をする、音楽を聴く、飴をなめるなど、意識的に注意をそらすことで発展しないこともあります。
ただし、安全行動とならないように、次項の注意トレーニングを参考にしてください。

ゆっくり息を吐く3秒かけて息を吸います。口をすぼめて6秒程度かけてゆっくりと息を吐きます。
※リズムは一定で落ち着くまで行います。
呼吸法の練習(前もっての深呼吸はしません)
3秒かけて自然に息を吸います。口をすぼめて6秒程度かけてゆっくりと息を吐きます。                
自分に合う呼吸時間にしてください。ただし、吸う:吐くは1:2です。
その時に頭の中に「リラーーーックス」という言葉で自分をなだめます。
❷ 
無理をせず①②③の繰り返しです。
(朝・昼・夕・晩(寝る前)1日4回、1回5分間程度を普段から練習しておく)
呼吸法のコツ
・息を吸うのが緊張、吐くのがリラックスとなります。
・リラックスしたい時は息を吸うよりも息を長めに、ゆっくりと細く長く吐いていきます。
・息を吸うときにはお腹が膨らむように、吐くときはお腹がしぼむように腹式呼吸を用います。
・息を吐くときには「リラックス」や「落ち着け」と自分に向かって言います。
・日頃の緊張や疲れ、不安や不満などの嫌な感情が気持ちよく外に吐き出されるのをイメージします。

※PDの症状であるパニック発作と予期不安は、交感神経の興奮による身体反応ですので、不安時にどうしても息を吸い込みがちになります。
呼吸法のコツはゆっくり腹式呼吸を用いて息を吐き、コントロールの感覚をもって行います。
漸進的筋弛緩法
ストレス状態のときは、無意識のうちに筋肉が緊張状態になっています。漸進的筋弛緩法は意識的に筋肉に力を入れて、その後に緩める、を繰り返すことでリラックスしていく方法です。
(椅子に座ったままで行いますが、使わなくてもできます)
やり方身体の各部分の筋肉に対し、思いっきり力を入れて5秒間緊張させます。その後ストンと力を抜き10秒間リラックスさせます。
両手握りこぶしを作り(5秒間)緊張させます。それからゆっくり広げます(10秒間)。
両腕力こぶを作るように腕を曲げ、脇をしめて力を入れます。ストンと力を抜きます。
両肩両肩を耳まで近づけるようにグーッと上げ緊張させます。ストンと力を抜きます。
首を下げて、首の後ろを緊張させます。ストンと力を抜きます。
目と口をギューッと絞って、奥歯をかみしめます。目も口も一気に大きく開けます。
背中腕を曲げたままグーッと外に広げて、肩甲骨を引き付けます。ストンと力を抜きます。
お腹お腹をへこませ、力を入れます。ストンと力を抜きます。
お尻お尻の穴を引き締めるようにギューッと力を入れます。ストンと力を抜きます。
すねから足全体に力を入れて伸ばし、ギューッと力を入れます。ストンと力を抜きます。
背伸び 思いっきりグーッと背伸びをします。ストンと力を抜きます。
コツ:体の部分に力を入れた感覚をじっくりと味わいます。そして力をストンと抜いたときにじんわりと温かくなることを感じます。
イメージ法
①目をつぶります。
②額から50㎝位離れたところに、丸い温かい、暖かな色の球体をイメージします。
③球体を胸の前に下ろします。
④もう一度球体を思い浮かべ、お腹、膝、足のあたりと順番に下ろしていきます。

脳を集中させることにより温かい感じになり、緊張がなくなっていきます。イメージ法は混雑した電車やバスの中でも人に気づかれることがなく行うことができます。
望ましい自分のイメージ、懐かしいポジティブなイメージ、神秘的なイメージなど自由に行えます。

注意トレーニング

自己の内的身体感覚への注意を外部にシフトチェンジする練習をする
・注意を自己の内的身体感覚(動悸・過呼吸・めまいなど)に過度に向けてしまうので身体感覚の異変を検知しやすくなり不安症状が生起しやすいデリケートになっているため、注意を身体感覚から外部に向けることが必要となる。そして、柔軟に注意を外部に切り替えられる練習をする。

①目を閉じて体の中の感覚にできるだけ多く注意を向ける
②パニックではない状況で注意を外部に向ける練習をする

視覚:見えている範囲の物体や光や影などあらゆる色の種類を数えるなど
聴覚:目を閉じて聞こえてくる音を追うなど
嗅覚:匂いを追うなど
味覚:飲み物やキャンディー、ガムなどの味や後味の違いを追うなど
触覚:床、地面、座っている椅子の触感や壁や机などの温度などを感じるなど

行動実験

パニック場面での予測する最悪の事態にはならないことに気づく

行動実験リストを作成する

  1. 実験の状況
  2. 予想
  3. 実験の方法
  4. 現実の結果
  5. 実験から学んだ事実

パニック場面の前後で繰り返し考える、やってしまうことの悪循環を変える

パニック場面の前に準備する極度なリハーサルは安全行動であり、不安を高めることになっていて、パニック場面の後に思い反省をすることが安全行動を認める儀式行為となります。

検討図

出来事の前後で繰り返しやることの検討

前もって考えることややってしまうこと

後から考えることや、やってしまうこと

破局的な身体感覚イメージと現実的なイメージの違いに気づく

内的な身体感覚と感情の情報を破局的に解釈し、不安症状を隠すための安全行動によって確信も得ている

「破局的な身体感覚のイメージの再構成」セッション記録用紙(多くの質問ワークで再構成をしていきます。)

パニック障害の認知行動療法ワークはセラピーによるアドバイスが効果的であるため、治療用ワークブックは3時間無料カウンセリング希望者のみに無料で配布していますので、web上での認知行動療法ワークの詳しい内容は省略させていただいている部分があります。

パニック障害一人でチャレンジ認知行動療法は、うつ病の認知療法・認知行動療法マニュアル(平成21年度厚生労働省こころの健康科学研究事業「精神療法の実施方法と有効性に関する研究」)から多くの内容を抜粋、参考に作成しています。

参考文献
DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル(医学書院)
標準精神医学 尾崎・三村・水野・村井編集/医学書院
板野雄二 不安障害に対する認知行動療法
厚生労働省 心の健康 認知行動療法より
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000113842.pdf
名古屋市立大学医学部精神医学講座
http://www.jscnp.org/scale/scale.pdf
パニック障害の基礎と臨床 白倉克之・山田和夫/金剛出版
パニック障害 竹内龍雄 鍬谷書店
パニック値(像)と遭遇した時の対処法 小宮山恭弘・脇英彦/じほう
パニック障害ハンドブック 治療ガイドラインと治療の実際 編集:熊野宏昭・久保木富房・貝谷久宣/医学書院

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