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強迫症/強迫性障害の原因・合併疾患・免疫学・薬物療法の紹介

目次

強迫性障害の症状別の割合・原因・合併疾患・免疫学・発症年齢・薬物療法の効果と副作用についての知識

併存(併発)障害と病識、経過

1980年以前は強迫神経症とされ、2013年までは不安障害の一型とされ、2013年に改定されたDSM-5では不安症から独立され、「とらわれ」や「繰り返し行為」の強迫症に位置づけられました。
強迫行為が時間を浪費するとともに著しい苦痛や機能障害を引き起こし、社会生活が送れなくなることさえもあります。
強迫症状は関連の強い強迫観念と強迫行為の組み合わせとなりますが、強迫観念のみが出現する場合や強迫観念が明確ではなく強迫行為(儀式行為)のみが発生する場合もあります。

  • 強迫観念の信念が現実ではないことをある程度認識していますが、その信念が真実であり、強迫行為は妥当であると確信しているケースが多くあります。また、強迫観念や儀式は他人に秘密にする場合が多くあります。
  • 併存(併発)精神障害は不安症候群、抑うつ障害、または双極性障害は高率となります。その他、心気症、身体醜形障害、抜毛症も10%前後です。
  • チック障害、トゥレット症候群、自閉症性スペクトラム障害は併存が高率となります。
  • パーソナリティ障害では強迫性、依存性、回避性が高率となります。
  • 自殺念慮が半数、自殺企図は20%前後ですが、うつ病を併発している場合はさらにリスクが高くなります。

強迫症状別の内容と頻度

強迫症状の内容と頻度

不潔・汚染恐怖洗浄強迫40~50%
傷つける心配の攻撃的観念確認30%
正確性の追求確認や儀式行為30%
数字へのこだわり数を数える15%
対称性へのこだわり(魔術的)儀式行為10%
無用なものへのこだわり保存5~10%
その他 20%

免疫学(年齢・男女比・発症割合

免疫学(年齢・男女比・発症割合

有病率は人口の約1~2%、平均発症年齢は20歳前後で男女比はほぼ同等であり、14歳までに25%発症しますが、男性は10歳までに25%発症します。症状の始まりは典型的には穏やかですが、急性発症も報告されています。稀に35歳以降の発症もあります。

精神分析的な観点

精神分析的な観点

強迫症状は、親に対する攻撃性を「置き換え」や「反動形成」「隔離」といった防衛機制によって抑圧していることで生じると考えられています。

原因・要因

原因・要因

遺伝要因

特定的ではありませんが、パーキンソン病、トゥレット症、舞踏病など大脳基底核に関連し、ドーパミン機能異常を伴う神経精神疾患との関連性が指摘されています。
 遺伝研究(不安症遺伝研究/音羽健司より抜粋)では、不安症候群には遺伝要因が推定されており、イギリス人双生児を対象に強迫性検査を用いた報告では、強迫症状が47%、バージニア人双生児の強迫症状尺度の解析から強迫観念が33%、強迫症状26%の遺伝率と報告されています。

環境要因

幼児のころからの否定的感情、行動制止は危険要因であり、身体的、性的、精神的虐待や強いストレス経験などは危険要因を高めます。

生理学的要因

神経生物学的モデルでは、皮質・線条体・視床の皮質回路が注目され、仮設では前頭葉領域の活性化に伴い抑制系ニューロンの過活動となり、グルタミン神経系の活性が高まることで強迫症状の維持、増強されるものとしています。
また、選択的セロトニン再取り込み阻害薬の効果が見られることからも、喜怒哀楽や不安・恐怖といった情動に関連する大脳皮質領域の活動の変化が関与しているものとし、脳内の大脳外側部位(島皮質)で神経細胞から放出されたセロトニンを細胞に取り組むたんぱく質(セロトニントランスポータ―)が減少していることも考えられています。

治療

薬物療法と認知行動療法がありますが、この2つを併用することによって改善効果が期待されます。
ただし、末治療であれば、通常は慢性的な経過をたどり症状の消長を伴うこともあり、寛解率は20%程度となります。
また、うつ病や不安障害、強迫性および関連症群の身体・醜形恐怖症、ため込み症、抜毛症・の他、パーソナリティ症などの合併がみられて経過に影響することがあります。

薬物療法

薬物療法

脳の神経伝達物質の量を調整する抗うつ薬のSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)を第一選択薬とします。SSRIはうつ病の薬ですが、強迫症には、国内で主に3種類が使われています。その中でデプロメール、パキシルは保険適用となります。
選択されたSSRIを少量から開始し、効果と副作用を観察して1~2週間毎に増量します。症状改善後はゆっくりと減量していきます。
初めに処方されたSSRIの効果がなければ、他のSSRIに変更することを検討します。切り替えは、初めの処方されたSSRIを1~2週間ごとに減らし、変更されたSSRIを増量して漸減漸増していきます。また、SSRIで効果が現れない場合は三環系抗うつ薬も有効とされています。その他、SSRIに反応しない場合は付加療法で非定形抗精神病薬が効果的と症例報告があります。

SSRIの効果は早い人だと2~3週間で症状が軽減するなどの反応が出る人もいますが、治療反応は6~8週間を要し、12週の継続投与が望ましいとされています。
SSRIは比較的副作用が少ないと言われていますが、吐き気、眠気、渇き、食欲不振、悪心などが考えられます。ただし、非常に稀ですが初期や増量時に一時的に不安、焦燥感、衝動性が現れることや、高容量の時に軽い意識障害、軽躁など現れることもあります。

新しい治療薬として注目されているのはMMDA型グルタミン酸受容体アンタゴニストです。これはアルツハイマー型認知症の改善薬、麻酔薬として知られていますが、すでに欧米ではSSRIと併用した臨床研究が行われています。

強迫性障害の認知行動療法ワークはセラピーによるアドバイスが効果的であるため、治療用ワークブックは3時間無料カウンセリング希望者のみに無料で配布していますので、web上での認知行動療法ワークの詳しい内容は省略させていただいる箇所があります。

参考web

心の健康/厚生労働省・強迫障害 認知行動療法マニュアルより
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000113840.pdf

参考文献

精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン/医学書院

標準精神医学 編集:尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院

精神療法の基本 支持から認知行動療法まで:堀越勝・野村敏明/医学書院

カプラン 臨床医学テキスト:監修井上令一/メディカルサイエンスインターナショナル

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 高橋三郎・大野裕監修/医学書院標準精神 尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院

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