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強迫症/強迫性障害の回避・巻き込み

目次

強迫性障害の回避とは未然に強迫観念や行為を避けようと対策することで、巻き込みとは自分の代わりに他者に行為や行動を依頼することです。回避、巻き込みの例と図式を掲載しています。

強迫症/強迫障害の回避・巻き込みとは

多くの場合、強迫観念と強迫行為の両方が見られ、自ら制御ができずに著しい苦痛や支障をきたします。
認知的プロセスでの具体例には、電車のつり革に触る、公衆トイレを使用するなど感染や汚染の脅威を強く感じてしまい、それを完全に浄化したいとの欲求から執拗に手洗いを続けます。
施錠やガスの元栓確認の繰り返しには、泥棒や火災を恐れるあまりに危険をなくそうと切りなく確認をします。次第には回数を増やし数時間にも及ぶ確認を繰り返すことになります。

視覚や触覚の不全感(気持ちの悪さ)を正したいという「ぴったり感」の追求や不全感の緩和を目的とした特定の行動が繰り返される症状もあります。 具体的には、スリッパの不揃い、机の文具の配列などの並べる動作を数時間する、ドアの開け閉め、ドアや冷蔵庫の開閉を永遠と繰り返すなど何度もやり直し、次の行動に移れない強迫性蔓延に陥ることもあります。

回避-回避行動

強迫症状が悪化してくると強迫観念も強く襲い掛かります。また、強迫行為を繰り返すことも非常に苦しく辛いため、頭に浮かばないようにと避けたくなります。そして、強迫観念と強迫行為を未然に避けようと対策を講じようとします。これを「回避」といいます。この回避の行動は症状を悪化させてしまいます。

強迫症の回避とは、強迫症の症状を引き起こすトリガー(刺激)を回避することで、不安を緩和する試みです。回避はしばしば、一時的には不安を和らげるかもしれませんが、長期的には症状を悪化させる可能性があります。

例えば、手を洗うことが強迫症の症状である場合、感染を恐れて公共の場に行かないように回避することがあります。しかし、この回避行動は不安を増大させ、社会生活に支障をきたすことがあります。同様に、細かいチェックを繰り返すことが強迫症の症状である場合、回避は、特定の物品や場所に近づかないことや、身につけている物品をチェックすることがあります。しかし、これらの回避行動は、人生の質を悪化させ、日常生活の制限をもたらすことがあります。

強迫症の回避行動は、長期的な解決策ではなく、不安や苦痛を緩和するための一時的な策であることに注意が必要です。治療によっては、回避行動を克服することが含まれる場合があります。

巻き込み-保証の要求-習慣化

強迫行為には独自の手順があって、手順を正確にできているかと心配で何度も最初からやり直します。症状が進むにつれ手順を行うのも大変になります。そこで自分の代わりに同居人や家族、友達に「保証」を求めたり、確認を依頼したり、過剰な行動を強要したりします。これが「巻き込み」の症状です。この巻き込みは現状維持しているどころか拡大しつつ重症化し、他人を疲弊させるだけではなく人間関係にも影響してしまいます。

強迫症の巻き込みは、主に家族や周囲の人々が患者の強迫症状に関与し、その症状の維持や増悪を引き起こす現象です。強迫症の患者は、しばしば自分自身や周囲の人々が危険にさらされるという恐怖にとらわれます。そのため、自分や周囲の人々を守るために、強迫的な行動や儀式を行います。例えば、患者が自分の体に菌がついていると信じている場合、その患者が家族にも同様の儀式を行わせるようになることがあります。

このように、強迫症の患者はしばしば自分自身や周囲の人々を巻き込みます。周囲の人々は、患者が実行する儀式に従うことで、患者の症状の軽減を期待してしまうことがあります。しかし、これによって患者の症状が長期間にわたって維持される可能性があります。また、周囲の人々が患者の症状を理解していない場合、患者は孤立してしまう可能性があります。

強迫症の巻き込みは、患者の家族や周囲の人々にとって大きな負担になるため、患者の周囲の人々も適切なサポートを受ける必要があります。

強迫症において、巻き込みの一つの形態として、保証の要求や習慣化があります。

保証の要求は、自分が適切な行動をとったかどうかを確認するために、他人に対して繰り返し確認や保証を求めることです。例えば、「電気を消したかどうか分からないから確認して欲しい」といった具合です。このような行動は、短期的には不安を緩和することができますが、長期的には不安感を増大させ、関係性に悪影響を及ぼすことがあります。

習慣化は、ルーティン化された行動を繰り返し行うことです。例えば、何度も手を洗う、ドアを開け閉めする、物を揃える、などが挙げられます。このような行動は、短期的には不安を緩和することができますが、長期的には強迫症の症状を悪化させることがあります。また、習慣化された行動が一定の時間や場所でしか行えなくなることで、生活に制限が生じることがあります。

これらの行動は、強迫症の治療において重要な対象となります。治療では、保証の要求や習慣化された行動を緩和するための認知行動療法や薬物療法が行われることがあります。

巻き込み・回避の例と図

巻き込み・回避の例

巻き込み(保証の要求)回避(避ける)
手洗い後に手の汚れを家族に確認させているうちに、手を洗う時、シャワー時に家族も同行させています。回避行動をしないように家族にドアを開けてもらう、リモコンを操作してもらうなど依頼するようになります。手を洗うのがつらくなってしまったので、手を洗わなければならないと思うようなものには触れなくなります。      
外出の際には、自分が先にドアから外に出ることで、家族に鍵を掛けさせるようになります。また、回避行動をしないように水道やガスなど確認の必要なものは家族に任せっきりになります。大きな理由がない限りは外出はせず、 休日などは同僚や友達と約束はしなくなります。

回避・巻き込み図

嫌悪刺激が発生しても、一般的には不安のピーク後には時間の経過とともにおさまりますが、強迫症では耐えきれない不安・不快感となる思考「強迫観念」をもち、打ち消すための行為として強迫行為をします。強迫行為は辛いことなので、嫌悪刺激を未然に防止するために回避行動を取ります。また、強迫行為を他人に依頼する「巻き込み」行動も起きてしまいます。

強迫症の悪循環・強迫症の考え方の癖の図

強迫症の悪循環・強迫症の考え方の癖

参考web

心の健康/厚生労働省・強迫障害 認知行動療法マニュアルより
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000113840.pdf

参考文献

精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン/医学書院

標準精神医学 編集:尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院

精神療法の基本 支持から認知行動療法まで:堀越勝・野村敏明/医学書院

カプラン 臨床医学テキスト:監修井上令一/メディカルサイエンスインターナショナル

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル 高橋三郎・大野裕監修/医学書院標準精神 尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院

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