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ハラスメント25例を加害者・被害者の心理的側面から考察

目次

アルコール・ハラスメントとロジカル・ハラスメントの要件

アルコールハラスメントとロジカルハラスメントは異なりますが、どちらも他者に対して不適切な行動が続くことで労働環境や人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。企業や組織は、これらのハラスメントを防止し、適切な対応を行うために、適切な方針や教育プログラムを導入することが重要です。

アルコールハラスメントの要件(定義)

アルコールハラスメント(アルハラ)は、職場や社会での人間関係において、アルコールに関連する不適切な行動や言動によって他者が苦痛を感じる状況を指します。アルコールハラスメントの要件は次のような特徴です。

アルコールハラスメントの要件
  • 飲酒による人権侵害
    • これには、飲酒の強要、イッキ飲ませ、意図的な酔いつぶし、飲めない人への配慮を欠く、酔ったうえでの迷惑行為の5項目を重点としています。
  • アルコールに関連する不適切な行動
    • アルコールハラスメントでは、アルコールの摂取に伴う言動が他者に対して不適切であることが要件です。これには飲酒量の問題、酩酊状態での不適切な発言や行動、他者への嫌がらせが該当します。
  • 他者に対する苦痛の発生
    • アルコールハラスメントによって、他者が精神的な苦痛や不快感を感じることが要件です。アルコールによって引き起こされる言動が他者にとって問題となり、労働環境や人間関係に悪影響を与える可能性があります。
  • 労働環境の悪化
    • アルコールハラスメントが続くと、労働環境が悪化することが要件です。他者がアルコール関連の問題によって仕事に集中できなくなり、仕事の効率や品質が低下する可能性があります。
  • 組織において受け入れられない行動
    • アルコールハラスメントは、組織や労働環境において受け入れがたい行動であることが要件です。企業文化や規則に反する、アルコールの問題が他者に対して悪影響を及ぼす場合が該当します。

ロジカルハラスメントの要件(定義)

ロジカルハラスメント(ロジハラ)は、職場などで優越的な上司や同僚が合理性や理論(ロジカル)な説明を欠くことや、正論であっても他者に対して無理解な言動や要求を行う行為を指します。ロジカルハラスメントの要件は次のような特徴があります。

ロジカルハラスメントの要件
  • 合理性やロジカル(理論)な説明の不足
    • ロジカルハラスメントでは、他者に対して行われる言動や要求が合理的でない、または十分なロジカルな説明がないことが要件です。これには仕事に関する不合理な要求や判断、意味不明な指示も該当します。
  • 正論を突き付けて相手を追い詰める
    • ロジカルハラスメントによって、他者の状況を踏まえないで要求が行われることです。これには、仕事の忙しさや難易度、周囲との関係、プライベートな問題など様々な状況を踏まえないで、他者の感情面を無視してロジカルに話すことであり、相手が納得していない状況も該当します。加害者は問題解決志向タイプに多いとされます。
  • 他者に対する精神的苦痛の発生
    • 他者を打倒する勢いでロジカルハラスメントが続くと、他者が精神的な苦痛を感じることが要件です。理不尽な状況や要求によって、他者が仕事においてストレスや不安を経験する可能性があります。
  • 労働環境の悪化
    • ロジカルハラスメントが続くと、労働環境が悪化することが要件です。他者が理解しにくい指示や意味不明な決定によって、協力や連携が難しくなり、チーム全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 組織において受け入れられない行動
    • ロジカルハラスメントは、組織や労働環境において受け入れがたい言動であることが要件です。業務上必要かつ相当な範囲を超えて正論を振りかざすことや、組織の方針や業務遂行に対して理解が不足し、他者に対して不合理な行動が行われる場合も含まれます。

ケア・ハラスメントとパタニティ・ハラスメントの要件

これらの要件を考慮すると、ケアハラスメントとパタニティハラスメントはそれぞれ異なる文脈で発生しますが、被害者が特定の権利がありながら、法的制度や労働環境が受けられず不当な取り扱いを経験することに関連しています。

ケアハラスメントの要件(定義)

ケアハラスメント(ケアハラ)は、嫌がらせや必要な制度を利用させないなど不利益な全般行為を指しています。
高齢化で介護を必要とする労働者が増えていて、親などの介護と自分の仕事の両立させることに対し、組織などが従業員に対して、不当な扱いや嫌がらせ、必要な制度を利用させないなど不利益な全般行為を指しています。

ケアハラスメントの要件
  • 嫌がらせなど不当な不利益を与える
    • 働きながら介護をしている従業員に対して、勤務先の上司などからの嫌がらせなどの言動や、配置転換や不当な解雇、自宅待機、降格、減給、人事考課の不利益な取り扱いなどの行為をされる可能性があります。
  • 各種制度の利用を阻害
    • 仕事と介護の両立支援の法令である介護休業や給付金、休暇、時間短縮などの措置義務など本来あるべきサポートなど必要な制度を利用させないなどにあたります。
  • 介護労働に関連
    • ケアハラスメントは、介護労働者が介護業務を行う中で発生するハラスメントを指します。介護労働者がサービス利用者やその家族から、または組織内で受ける不適切な行動や差別が該当します。
  • 不適切な行動や言動
    • ケアハラスメントは、不適切な言動によって特徴づけられます。これには差別的な発言や態度、介護労働者を馬鹿にするような行為、あるいは介護業務に従事する者に対する不当な圧力が該当することがあります。

パタニティハラスメントの要件(定義)

パタニティハラスメント(パタハラ)とは、男性労働者が育児のために育児休暇の取得や時短勤務など、育児目的の制度を利用する就業環境を阻害したり、それを理由に嫌がらせをしたりする行為のことです。

パタニティハラスメント
  • 男性の性別に基づく不当な取り扱い
    • パタニティハラスメントでは、男性性別に基づいた不当な取り扱いが行われることが要件です。特にその性別によって差別的な行動や言動を受ける状況が含まれます。例えば、育児休業や休暇、時短勤務、終業時刻の変更などの措置、時間外労働の制限、深夜業の制限などを阻害するようなことが該当します。
  • 労働における機会や待遇に対する不平等
    • パタニティハラスメントは、男性の労働における機会や待遇に対して不平等が生じることが要件です。例えば、昇進の機会の剥奪や給与の不公平、不利益な配置転換、契約更新の拒否、雇用形態の強制的変更などが該当します。
  • 嫌がらせや差別的な言動
    • パタニティハラスメントでは、育児に関連する状況に基づいた嫌がらせや差別的な言動が行われることが要件です。これには軽蔑的な態度、差別的な発言、育児は女性がするものという無意識の偏見、男性は仕事を休み必要がないだろうなどの発言が含まれます。
  • 組織文化の不備
    • パタニティハラスメントが起こる場合、「育児休業に関わる言動で労働者の就業環境が害されないように、防止措置を講じる義務」が課されているにもかかわらず、組織文化が適切に性別平等を尊重していないことが要件です。組織が適切な方針や措置を講じず、男性労働者に基づくハラスメントが容認される環境が形成されている場合にあたります。

SOGI・ハラスメントとジェンダー・ハラスメントの要件

SOGIハラスメントとジェンダーハラスメントはともに性差に基づく不当な取り扱いを指しますが、SOGIハラスメントは性的指向や性自認など広範な要素を包括し、ジェンダーハラスメントは主に男性と女性に焦点を当てた不当な取り扱いを指します。

SOGIハラスメントの要件(定義)

SOGIハラスメント(ソジハラ)は、性的指向や性自認、性別表現(SOGI:Sexual Orientation, Gender Identity, and Gender Expression)に基づいて個人が差別や嫌がらせを受ける状況を指します。SOGIハラスメントの要件は次のような特徴があります。

SOGIハラスメントの要件
  1. 性的指向や性自認に基づく差別的行為
    • SOGIハラスメントでは、個人の性的指向や性自認に基づいて差別的な行為が行われることが要件です。これには同性愛や異性愛、トランスジェンダー、ジェンダーノンバイナリーなどの個人に対する差別が該当します。
  2. 嫌がらせや差別的な言動
    • SOGIハラスメントは、言葉による嫌がらせや差別的な発言が行われることが要件です。侮辱的な言葉、冷笑、差別的なジェンダー表現によって、個人が精神的な苦痛を受ける可能性があります。
  3. 職場環境の悪化
    • SOGIハラスメントが職場で発生する場合、労働環境が悪化することが要件です。被害者が不当な取り扱いによって仕事においてストレスを感じ、同僚間の信頼関係が崩れる可能性があります。
  4. 組織の対応の不足
    • SOGIハラスメントに対する組織の対応が不足している場合、これも要件とされます。組織が適切な対策や教育を講じていないことが、ハラスメントの悪影響を拡大させる可能性があります。

ジェンダーハラスメントの要件(定義)

ジェンダーハラスメント(ジェンハラ)は、性別に基づいて個人が不当な取り扱いを受ける状況を指します。ジェンダーハラスメントの要件は次のような特徴があります。

ジェンダーハラスメントの要件
  • 性別に基づく不当な取り扱い
    • ジェンダーハラスメントでは、個人の性別に基づいて不当な取り扱いが行われることが要件です。これには男性や女性に対する差別、性別ステレオタイプに基づく不公平な扱いが該当します。
  • 性別に基づくステレオタイプ
    • ジェンダーハラスメントには、性別に基づくステレオタイプや偏見が関与していることが要件です。例えば、女性は特定の職種に適していないなど、ステレオタイプが基になった差別的な行動が該当します。
  • 言葉や行動による差別
    • ジェンダーハラスメントは、言葉や行動によって個人が差別を受ける状況を指します。性別に基づく冷笑、軽蔑的な発言などのセクシュアルハラスメントがこれに該当します。
  • 労働環境の悪化
    • ジェンダーハラスメントが職場で発生する場合、労働環境が悪化することが要件です。性別に基づく不当な取り扱いが仕事に対するモチベーション低下やストレスの原因となり、労働環境が損なわれる可能性があります。
  • 組織の対応の不足
    • ジェンダーハラスメントに対する組織の対応が不足している場合、これも要件とされます。組織が適切な方針やトレーニングを導入しておらず、性別に基づくハラスメントの予防や対処が不十分な場合が該当します。

レイシャル・ハラスメントとレリジャス・ハラスメントの要件

レイシャルハラスメントは人種や民族の深いバックグラウンドがあり、レリジャスハラスメントも深い信念があるにもかかわらず一般的な生活の中でも職業的にも不当な取り扱いを受けることです。

レイシャルハラスメントの要件(定義)

レイシャルハラスメント(レイハラ)は、人種や民族的なバックグラウンドに基づいて不当な取り扱いを受ける状況を指します。レイシャルハラスメントの要件は以下のような特徴があります。

レイシャルハラスメントの要件
  • 人種や民族的な属性に基づく不当な取り扱い
    • レイシャルハラスメントでは、人種や民族的な属性に基づいて不当な取り扱いが行われることが要件です。これには人種差別的な発言、冷笑、差別的な行動が該当します。
  • 差別的なステレオタイプや偏見
    • レイシャルハラスメントは、人種に基づくステレオタイプや偏見が関与していることが要件です。特定の人種や民族集団に対する先入観や誤った信念が、嫌がらせの背後にある可能性があります。
  • 精神的・感情的な苦痛の発生
    • レイシャルハラスメントによって、被害者が精神的な苦痛や感情的な苦痛を経験することが要件です。人種に基づく差別や嫌がらせが個人の安定感や心理的な健康に悪影響を与える可能性があります。
  • 労働環境の悪化
    • レイシャルハラスメントが職場で発生する場合、労働環境が悪化することが要件です。差別的な言動が仕事においてストレスや緊張を引き起こし、労働環境が不健全になる可能性があります。
  • 組織の対応の不足
    • レイシャルハラスメントに対する組織の適切な対応が不足している場合、これも要件とされます。組織が適切な方針やトレーニングを提供しておらず、ハラスメントの防止や対処が適切に行われていない場合が考えられます。

レリジャスハラスメントの要件(定義)

レリジャスハラスメント(レリハラ)は、宗教的な信念や宗教的な実践に基づいて不当な取り扱いを受ける状況を指します。レリジャスハラスメントの要件は次のような特徴があります。

レリジャスハラスメントの要件
  • 宗教的な信念や実践に基づく不当な取り扱い
    • レリジャスハラスメントでは、個人の宗教的な信念や実践に基づいて不当な取り扱いが行われることが要件です。これには宗教差別的な発言、冷笑、差別的な行動が該当します。
  • 宗教に関連するステレオタイプや偏見
    • レリジャスハラスメントは、宗教に関連するステレオタイプや偏見が関与していることが要件です。特定の宗教に属する人々に対する偏見や誤った信念が、ハラスメントの背後にある可能性があります。
  • 精神的・感情的な苦痛の発生
    • レリジャスハラスメントによって、被害者が精神的な苦痛や感情的な苦痛を経験することが要件です。宗教に基づく差別や嫌がらせが個人の安定感や心理的な健康に悪影響を与える可能性があります。
  • 労働環境の悪化
    • レリジャスハラスメントが職場で発生する場合、労働環境が悪化することが要件です。宗教に基づく差別的な行動や言動が仕事においてストレスや不安を引き起こし、労働環境が不健全になる可能性があります。
  • 組織の対応の不足
    • レリジャスハラスメントに対する組織の適切な対応が不足している場合、これも要件とされます。組織が適切な方針やトレーニングを提供しておらず、ハラスメントの防止や対処が適切に行われていない場合が考えられます。

パーソナル・ハラスメントとエイジ・ハラスメントの要件

パーソナルハラスメントとエイジハラスメントはそれぞれ異なる属性に基づくハラスメントの形態であり、被害者が個人の特徴や年齢に基づく不当な取り扱いを経験することに関連しています。

パーソナルハラスメントの要件(定義)

パーソナルハラスメント(パーハラ)は、個人の特徴や特性に基づいて不当な取り扱いを受ける状況を指します。パーソナルハラスメントの要件は次のような特徴を持っています。

パーソナルハラスメントの要件
  • 個人の特徴に基づく不当な取り扱い
    • パーソナルハラスメントでは、個人の外見、性格、趣味、ライフスタイルなどの個人的な特徴に基づいて不当な取り扱いが行われることが要件です。これには差別的な発言、冷笑、否定、忌避、揶揄など嫌がらせな言動が該当します。
  • 個人のプライバシー侵害
    • パーソナルハラスメントは、個人のプライバシーが侵害されることが要件です。他者が無断で個人の私生活やプライベートな情報に干渉し、それをハラスメントの材料にすることが該当します。
  • 精神的・感情的な苦痛の発生
    • パーソナルハラスメントによって、被害者が精神的な苦痛や感情的な苦痛を経験することが要件です。個人の特徴に基づく嫌がらせが、被害者の心理的な健康に悪影響を与える可能性があります。
  • 労働環境の悪化
    • パーソナルハラスメントが職場で発生する場合、労働環境が悪化することが要件です。個人の特徴に基づく嫌がらせが仕事においてストレスや不安を引き起こし、労働環境が不健全になる可能性があります。
  • 組織の対応の
    • パーソナルハラスメントに対する組織の適切な対応が不足している場合、これも要件とされます。組織が適切な方針やトレーニングを提供しておらず、ハラスメントの防止や対処が適切に行われていない場合が該当します。

エイジハラスメントの要件(定義)

エイジハラスメント(エイハラ)は、年齢や世代に基づいて不当な取り扱いを受ける状況を指します。エイジハラスメントの要件は次のような特徴があります。

エイジハラスメントの要件
  • 年齢に基づく不当な取り扱い
    • エイジハラスメントでは、個人の年齢や世代を理由とした不当な取り扱いが行われることが要件です。これには高齢・シニアばかりではなく、若いということで差別的な業務の振り分けや相手の年齢や世代を取り上げて差別発言や嫌がらせ、冷笑、詮索的な言動などが該当します。
  • 年齢に関連するステレオタイプや偏見
    • エイジハラスメントは、年齢や世代に関連するステレオタイプや偏見が関与していることが要件です。特定の年齢層に対する先入観や誤った信念が、ハラスメントの背後にある可能性があります。これには年齢に関してのプライベートな話題に踏み込むことや世代で決めつけ一括りにすることも該当します。
  • 精神的・感情的な苦痛の発生
    • エイジハラスメントによって、被害者が精神的な苦痛や感情的な苦痛を経験することが要件です。年齢に基づく差別や嫌がらせが個人の安定感や心理的な健康に悪影響を与える可能性があります。
  • 労働環境の悪化
    • エイジハラスメントが職場で発生する場合、労働環境が悪化することが要件です。年齢に基づく不当な取り扱いが仕事においてストレスや不安を引き起こし、労働環境が不健全になる可能性があります。
  • 組織の対応の不足
    • エイジハラスメントに対する組織の適切な対応が不足している場合、これも要件とされます。組織が適切な方針や研修を提供しておらず、ハラスメントの防止や対処が適切に行われていない場合が該当します。

リモート・ハラスメントとソーシャル・ハラスメントの要件

リモートハラスメントとソーシャルハラスメントは直接の対面ではなく、リモートやSNS上でのハラスメントとなります。どちらも新しいオンラインコミュニケーションのハラスメントなため、加害者の意識の中では気づいていないことも多いようです。

リモートハラスメントの要件(定義)

リモートハラスメント(リモハラ)は、主にリモートワーク環境やオンラインコミュニケーションの中で発生するハラスメントを指します。これは物理的に同じ場所にいない場合でも、デジタルプラットフォームやネットワークを通じて行われる悪意ある行為です。リモートハラスメントの要件は次のような特徴があります。

リモートハラスメントの要件
  • デジタルコミュニケーションに基づく不当な取り扱い
    • リモートハラスメントは、在宅ワークなどリモートワーク時に起こるハラスメントです。また、電子メール、オンラインミーティング、チャットなど、デジタルな手段を介して個人が不当な取り扱いを受けることが要件です。
      これには差別的な発言、嫌がらせのメッセージ、不快な画像の共有などが該当します。例えば一対一でビデオ会議の際の差別的な発言や嫌がらせ、休憩時間にもかかわらずカメラ作動の強要などが含まれます。
  • 仮想的な労働環境でのハラスメント
    • リモートハラスメントは、物理的なオフィス環境がない場合でも、仮想的な労働環境で発生することが要件です。例えば、オンライン飲み会の参加を強要することや過度に仕事の進捗を確認するなども含まれます。このようなリモートワーク時においても、ハラスメントが発生すれば、それが仕事に対する影響を持つ可能性があります。
  • 精神的・感情的な苦痛の発生
    • リモートハラスメントによって、被害者が精神的な苦痛や感情的な苦痛を経験することが要件です。デジタルな環境でのハラスメントも、被害者にとっては深刻な影響を受ける可能性があります。
  • 組織の対応の不足
    • リモートハラスメントに対する組織の適切な対応が不足している場合、これも要件とされます。組織がリモートワーク環境におけるハラスメントの防止策や対処方法に十分な配慮をしていない場合ががいとうします。

ソーシャルハラスメントの要件(定義)

ソーシャルハラスメント(ソーハラ)は、主にソーシャルメディアやオンラインプラットフォームを通じて行われる嫌がらせ行為を指します。これは、従来の対面でのハラスメントとは異なり、デジタルな環境で行われるため新しい形態のハラスメントですが、まだ定義が定まっていません。

ソーシャルハラスメントの要件
  • 嫌がらせの表現や行為
    • ソーシャルハラスメントは、上司や同僚などから、SNS上で執拗にコミュニケーションを求められたり、不快にさせ精神的な苦痛や不安を引き起こすような表現や行為が該当します。例えば、一方的な友達申請の承認強要や個別に不要なメッセージを送りつける、業務に関する連絡をSNS上で送る、「いいね」のコメントを強要するなどが該当します。
  • 頻度と執拗性
    • ソーシャルハラスメントは、一度きりでなく、頻繁かつ執拗に行われることが特徴です。繰り返しのパターンが見られ、相手が逃れられないような状況が続く場合があります。これは、パワーハラスメントの一種でもあります。
  • オンラインコミュニケーション媒体の使用
    • ソーシャルハラスメントは、ソーシャルメディアやオンラインプラットフォームを通じて行われるものであるため、これらの媒体を使用して行われることが一般的です。Twitter、LINE、Facebookなどが利用されます。例えば、上司の立場を利用して写真や動画の無断投稿などが簡単にできてしまいます。
  • 被害者の心理的苦痛
    • ソーシャルハラスメントの行為によって被害者が心理的な苦痛を感じ、精神的に不安定になる可能性があります。これは、ハラスメントの目的が相手を傷つけることにあるためです。
  • 仕事環境での影響
    • 上司や同僚に対する「ソーハラ」の場合、仕事環境においてコミュニケーションの執拗な求められ方が、職場でのストレスや不安を引き起こす要因となります。

セカンド・ハラスメントとハラスメント・ハラスメントの要件

セカンドハラスメントとハラスメントハラスメントのように、ハラスメントの被害者が根拠のない情報の広がりで二次被害を受けるケースやハラスメントにならない罪のない人間が被害を受けるケースが増えているのが現実です。

セカンドハラスメントの要件(定義)

セカンドハラスメント(セカハラ)は、直接的なハラスメントではなく、ハラスメントの加害者や被害者とは異なる人が、その被害者に対して二次的なハラスメントを行う状況を指します。主に上司や同僚、被害者の関係者が、ハラスメントの被害者に対して追加的な嫌がらせを行うことがあります。セカンドハラスメントの要件は次のような特徴があります。

セカンドハラスメントの要件
  • 元のハラスメントの存在
    • セカンドハラスメントは、元のハラスメントが存在します。つまり、最初に行われたハラスメントの加害者と異なる人物が被害者に追加で二次被害を負わせることの意味です。
  • 他者が被害者に対して追加的なハラスメント
    • セカンドハラスメントでは、元のハラスメントの被害者とは別の人物(上司や同僚、他の関係者)が、被害者に対して追加的なハラスメントを行うことが要件です。これは、ハラスメントの起きた責任は被害者にあるという根拠のない事実が広められてしまうことになり、被害者がさらなるペナルティを受けてしまいます。例えば、セクハラされたのは男性を誘うような態度ではなかったのか、安易に食事の誘いについていくのが悪いなど、元のハラスメントの影響をさらに悪化させ拡大しています。
  • 被害者への追加的な苦痛や損害
    • セカンドハラスメントにおいては、被害者が追加的な苦痛や損害を被ることが要件です。元のハラスメントによって被害者が既に苦しんでいる状況に対して、さらなる社内などの関係ない人物が追加的にハラスメントが行われ、被害者に与える影響が深刻化させます。例えば、事実が信じてもらえなく軽視される、社内にいづらい雰囲気になるなどにあたります。
  • 組織の対応の不足
    • セカンドハラスメントが発生するとき、組織が元のハラスメントに対する十分な対策や防止策を講じていない場合があります。組織の対応が不足していることがセカンドハラスメントの要因となります。

ハラスメントハラスメントの要件(定義)

ハラスメントハラスメント(ハラハラ)とは、相手からの正当な言動を受けていることに対し、「ハラスメント」を受けていると過剰に主張する嫌がらせ行為です。業務上の正当な指導に対し、弱い立場であることを逆利用し、強い立場の相手に反発して攻撃を加えるようなことです。

ハラスメントハラスメントの要件
  • 不当な主張の広がり
    • ハラスメントハラスメントでは、通常のハラスメントと比較して、非常に柔らかい範囲や正当性のある行為に対しても「ハラスメントだ」と主張することが特徴です。例えば、強い立場である相手に対して、業務上の指導や合理的なコミュニケーションも過剰にハラスメントとして主張されます。
  • 正当な行為に対し過剰な反発
    • 本来は適切で合法な行為で部下のパフォーマンスを改善させたり、組織の統率を図る観点から必要な指導もあります。しかし、過剰な反発により上司の言動に対して過敏に反応し、意図的に問題を起こそうとする行為と考えられます。
  • 悪用の可能性
    • ハラスメントハラスメントが悪用されるケースが増えているとされています。特に、相手に対して弱い立場にある者が、法的な意味でのハラスメントの概念を用いて、自分の主張を通そうとする場合があります。
  • 社会的な非難の濫用
    • ハラスメントハラスメントにおいては、社会的に広く非難されているハラスメント行為を悪用しています。これにより、本来のハラスメントに対する理解や対策が薄れる可能性が大となります。
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