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「自閉スペクトラム症」物語-医学的知識編

目次

自閉スペクトラム症(ASD)の架空例のケースから症状の理解と知識を学ぶ精神医学的物語-2弾

自閉スペクトラム症(ASD)物語

彼の名前は拓真。彼の自閉スペクトラム症の疑いは、言葉の遅れが指摘された1歳6カ月健診から始まりました。
その後、2歳、3歳と年齢が上がるにつれ無意味な音を繰り返し続けたり、興味範囲が狭く、おもちゃの車を声を出して走らせたり、眺め続けるなどの感覚遊びを楽しむようになりました。
幼稚園に入学すると、さらに1人遊びが多くなり、集団行動にはなじめなく些細なことで癇癪を起こすようになっていました。

彼の幼少期はおとなしく、人見知りはせず抱っこをせがむこともありませんでした。
視線も合わせることがなく、人の動きへの模倣もなく人に関心がないように見えました。
出かける際にもボロボロになったお気に入りのミニカーをいつも持ち歩いていました。
小学校に入学すると、同級生とおしゃべりすることをせず、他者の表情も理解できないようで友達ができませんでした。彼は冗談などに対しても本気で怒るため、毛嫌いされるだけでなく頻繁にからかわれるようになり、学校に行くことが不安に駆られ不登校になってしまいました。
何かあるたびにそのことを思い出すのか、人と関わるのが嫌になり外出ができなくなっていて、社会的コミュニケーションの障害や聴覚過敏が年齢とともに生きづらさを感じるようになりました。

彼は大検を経て大学への入学を果たせましたが、卒業には8年かかっています。
就職は希望の企業には無理でしたが、中小企業の工場で作業員として働いています。しかし、彼は社会生活になじめないのか、年齢を増すごとにつれて自閉スペクトラム症特有のコミュニケーションの能力が悪化しているように見受けられます。
冗談や嫌みが通じず環境変化にも対応できなく、職場では大きな声で上司に叱責されることが多くなってきて、最終的には上司が怖くて突然辞職しました。
辞職して以降6年間引きこもり状態に陥ってしまい、心配した両親と一緒に医療機関を受診した時には、彼は他人と視線を合わせることもできなく、うなずきや首振りで返答するのがやっとで自発語がほとんどない状態まで、自信喪失していました。

自閉スペクトラム症(ASD)は、最新の精神疾患の医学知識のICD-11で「神経発達症」として分類されていて社会的相互作用、コミュニケーション能力、または興味や活動において持続的な困難を引き起こします。

彼は自分についての認識があまりなく、社会的スキルの欠如、感覚過敏、ルーチンにこだわることなどの症状を持っていることが診断されました。ICD-11では「自閉スペクトラム症」というカテゴリーに分類され、言語・社会的相互作用、反復性の行動・興味・活動に特徴があります。

自閉症スペクトラム障害は世界的に問題視されていて、疫学的には、1,000人あたり1人以上がこの障害を抱えているとされています。病因は複雑であり、遺伝的素因、神経化学的異常、胎児期の環境要因などが関与しているとされています。脳内の神経伝達物質の不均衡も、自閉症スペクトラム障害の発症に関与する可能性があります。

自閉症スペクトラム症に対する治療法はいくつかありますが、完治することはありません。行動療法や認知行動療法は、社会的スキルの向上や不適切な行動を修正するために用いられます。また、薬物療法は、不安や抑うつなどの症状の軽減のために用いられることがあります。

いま彼は、カウンセリングや認知行動療法、また薬物療法を受けて、症状の改善に努めています。そして少しずつ自分の病気を受け入れ、自分に向き合うことができるようになったことで、幸せを探し始めています。そして自分にとってストレスの少ない仕事を見つけ、自分を保つために運動や趣味に時間を費やすようになりました。今では友人や家族との関係を築くこともできるようになり、積極的に人と関わるようになっています。

彼のストーリーは知能レベルは普通である自閉症スペクトラムですが、救われたきっかけは、最近の治療法のひとつである認知行動療法があります。認知行動療法では、不安、うつ、または不安定な感情が生じる理由を理解し、肯定的な思考や行動を促進する方法を学ぶことができます。
治療には個々に合わせたアプローチが必要で、専門家による評価に従うことが重要です。そのうえ、治療は長期にわたり続けることが多いため、自己管理のための支援や家族の支援が必要となります。

本人のケースに戻りますが、彼は精神科医による評価と診断の後、認知行動療法と薬物療法を併用して治療を開始しました。彼の場合、不安感や社会不安障害が非常に強く、人々との関わりに対して不安や恐れを感じていました。認知行動療法によって、自分の感情や思考を認め、肯定的な思考や行動を促進する方法を学びました。また、薬物療法により、不安感を軽減し、うつ症状を改善しました。

彼はしばらくの間、治療のために通院し心理治療を受けています。家族も彼をサポートし、プロセスに関与することで、社会的なイベントに参加しできるようになり、社交的なスキルを磨き、新しい友達も作ることができています。また、趣味を見つけて、自分の興味を追求することができています。
今日では、彼は自己管理をすることができるようになり、自分を受け入れ自信を持って生きることができるようになっています。そして、あらたな自分を発見し幸福を追求するために、毎日の生活に楽しみを見出すことができるようになりました。彼は自分の過去の苦しみを乗り越え、将来に向けて前進することができたのです。

症状・診断・分類

ICD-11による自閉スペクトラム症の診断は以下のようになります。

主要症状

自閉スペクトラム症の主要症状は、以下の3つの領域においての持続的な障害である。

  • 社会的相互作用の障害:社会的な相互作用の規範的な振る舞いや非言語的コミュニケーションの困難さ、共感能力の欠如など。
  • コミュニケーションの障害:言語や非言語的コミュニケーションの問題、相手の発話内容や状況を理解できない、単語やフレーズを反復して使用するなど。
  • 興味・活動の制限:繰り返し行う興味関心の限定、決まったパターンに従う行動や繰り返し行う習慣など。
診断基準

自閉スペクトラム症の診断には、以下の基準を満たす必要がある。

  • 上記の主要症状がすべて見られ、それらが持続的であること。
  • これらの症状が社会的・学校的・職業的な機能に支障をきたしていること。
  • これらの症状が発現する年齢が早期であること。
重症度の分類

自閉スペクトラム症の重症度は、以下の3つに分類される。

  • 軽度:社会的コミュニケーションや相互作用の問題があるが、それが日常生活に大きな障害を与えるわけではない。
  • 中等度:社会的・学校的・職業的な機能に支障をきたす程度の問題がある。
  • 重度:非常に深刻な社会的・学校的・職業的な機能の問題があり、重度の言語や非言語的コミュニケーションの問題がある。

自閉スペクトラム症(ASD)は、神経発達に関する総合的な障害で、社会的相互作用、コミュニケーション、および行動に関する様々な困難を引き起こす疾患です。以下はASDの説明です。

社会的相互作用の困難

ASDは、他人との社会的相互作用に困難を抱えています。
他人と目を合わせること、表情やジェスチャーを理解すること、共感や視点を理解することが困難である場合があります。また、言動に対して、相手がどう反応するか予測することも困難であり、社会的なフィードバックを受け取ることができない場合があります。

コミュニケーションの困難

ASDは、コミュニケーションにも困難を抱えています。
言葉の意味を理解すること、言葉の使い方を適切にすること、または会話の流れを理解することが困難である場合があります。また、時にはリズム、調子、および体調を変化させるために、異なる言語パターンを使用することがあります。

行動の特徴

ASDは、特定の興味を持つことがあり、それに熱中する傾向があります。
また、特定のルーティンや習慣に依存することがあり、予測不可能な状況に不快感を示すことがあります。行動は、しばしば特定の物やトピックに対する異常な執着や繰り返し行動、または感覚過敏症を示すことがあります。

診断

ASDの診断には、専門家による評価が必要であり、幼児期や子供期の早期発見、治療、および支援が重要です。診断には、行動観察、病歴の収集、認知検査、発達検査、およびコミュニケーションスキルの評価などがあります。

原因

ASDの正確な原因は不明ですが、遺伝的要因や神経生物学的要因が関係していると考えられています。また、環境要因も関係している可能性があります。

治療

SDの治療には、行動療法、言語療法、および社会的スキルトレーニングなどのアプローチが含まれます。また、薬物療法も症状の軽減に役立つ場合があります。

サポート

ASDは、家族や支援グループ、または専門家の支援を受けることが必要です。また、教育上の支援や職場での適切な配慮も役立つ場合があります。

認知機能の特徴

ASDは、知的能力に幅がありますが、一般的に認知機能の特徴に詳細な情報処理、パターン認識、記憶、および創造的な問題解決能力などの分野で優れた能力を示すことがあります。

人口統計

ASDは、男性が女性より多く発生することが知られています。また、ASDの発症は、幼児期から若年期にかけて現れることが多いとされています。

ASDは、個人差が大きく、症状の程度やタイプにも多様性があります。しかし、早期発見や治療、そしてサポートを受けることで、生活に支障なく過ごすことができます。

ASDの詳しい内容は、発達障害のページをご覧ください。


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