生きづらさの原因が自分でも気づかないトラウマにあった!生きづらさに焦点をあてたアプローチで記憶と認知の修復ができるリマインダーセラピー
生きづらさのトラウマに焦点あてたリマインダーセラピーは、心理教育を重視し、セッションにはアルファ波などの音楽を利用します。セッションで行う失敗や後悔、幼少期の記憶などの生きづらさを増幅させるネガティブな記憶には、出来事の見解やイメージなどから沸き起こる感情を冷静に客観視することで、歪んでいたトラウマ記憶を少しづつ修復していきます。その後、生きづらさの自己肯定感の認識に語り掛ける「認知再構成の検討」のセッションを取り入れ、悩みや問題の内的原因を明らかにしていきます。
※PTSDに対する心理療法ではありません。生きづらさに焦点をあて、トラウマが背景にあると見立てた際にクライエントの承諾がある場合だけに行う療法です。
このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。
生きづらさに関連する失敗や後悔、幼少期のトラウマは、無意識に存在しています。自己では意識することがなくコントロールされていることもあります。また、記憶が突然再現され、過去のネガティブな出来事をイメージして困惑することもあります。このようなネガティブな感情調整、否定的自己概念、対人関係困難は、トラウマによって影響を受けた脳の部位である扁桃体や海馬、前頭前野の異常な活動に関連していると考えられています。
例えば、エピソード記憶は日記として海馬で作られ、長期記憶として大脳皮質の書庫に収められます。しかし、トラウマとなる出来事は未完成な日記のままでまだ綴じられずに、記憶の振り分けをする海馬のテーブルに広げられたままです。
自己の意識は海馬の部屋に入るたび、通り過ぎるたびに、未完成なままトラウマのページだけが開かれたままの日記を目にします。そのため、自己認識はトラウマ記憶の一部だけが頻繁に維持リハーサルされ、日記の一部始終のすべてを読み通せていません。
時間が経つにつれ否定的な思考が意味記憶となり、未完成なトラウマ日記に重ねられて事実から離れたエピソードとなります。この新たに作られたエピソードが苦しみを増幅させ、生きづらさを呼び寄せて自己肯定感を持てなくなってしまうのです。要するに、正確なエピソード記憶の起承転結を掴むことができず自分を見失っているのです。
リマインダーセラピーの目的は、生きづらさの原因となるトラウマや出来事を正確に理解し、否定的な思考を排除して過去の出来事として記憶に保管することです。それによって、トラウマを適切にコントロールできるようになるのです。そして、自己評価としての認識を向上させ、生きがいを持てるようにすることです。
生きづらさの背景にあるトラウマに焦点をあてた心理教育は、意識には現れない情動調整障害や否定的自己概念、対人関係障害の症状や再体験、過覚醒の問題を維持させている要因と回避などの仕組みを理解してもらうことです。メカニズムだけではなく、心理的に悪循環が起きている事実や認知、自己肯定感の低さをクライエントに学習してもらう手段ですので、クライエントが納得した上で情動処理に移ります。
※心理教育は、情動処理STEP1の「生きづらさの説明とトラウマの振り返り」後に行うのが通常のステップです。
小さなトラウマでも、記憶が適切に処理されなかった場合に、生きづらさに関与しているのかもしれません。通常はトラウマ体験を処理し、記憶を適切に統合しようとしますが、それが妨げられるとトラウマは不完全な形で記憶されたり、無意識に抑圧されていることも考えられます。
立ち戻りのセッションを4段階に分けて行いますので、心的負担を軽減する療法の中でトラウマに対して歪んでいた記憶を修正していきます。
トラウマ体験後の認知プロセスがネガティブなトラウマの発症に影響を与えるとされています。例えば、トラウマ後に自己効力感(自分が問題を解決できるという信念)が低下し、ネガティブな予想や恐怖が強化されると症状が悪化する可能性があります。
情動処理後に信念のセッションを行いますので、自身に存在する不適応的信念を理解することができます。
トラウマ体験を認知的に再構成することで、その体験への感情的な反応が形成されるとされています。特定のイベントや状況に対する認知や解釈が症状を引き起こす可能性があります。
特に自己評価や受容などの自己肯定感に対してのセッションは、自動思考(認知)に効果をもたらしますす。
記憶、思考、感情、および行動の「回避」は、トラウマ関連の状況を回避することで不安を減らすという習慣ができています。この回避がトラウマ体験を思い出させる状況を避けることで症状を長引かせています。
実際のトラウマ体験が原因で回避してきた状況や対人、場所の段階的暴露による馴化をしていきます。
心理教育について
トラウマに併存する精神疾患
トラウマは他の精神疾患との併存が比較的よく見られます。うつ病や不安障害、解離性障害はPTSDと共に弱くなっていきますので、そのまま治療を続けます。次の疾患は、PTSDと併存する可能性のある主な精神疾患です。
- うつ病障害
PTSDとうつ病は頻繁に併存します。トラウマ体験による心の傷やストレスが、うつ病の発症や悪化に影響しています。 - 不安障害
不安障害(特に社会不安障害や恐怖症)も、PTSDと併存することがよくあります。恐怖や不安が相互に影響し合い、症状を悪化させます。 - 物質乱用
PTSDの症状を軽減するために、アルコールや薬剤を使うことがあります。また、薬剤やアルコールの乱用がPTSDの発症や悪化の要因にもなることがあります。 - 解離性障害
PTSDと共に解離性障害を経験することがあります。これは、トラウマの影響で自己の感覚が分離・変化する症状です。 - パーソナリティ障害
特に境界性パーソナリティ障害が、PTSDと共存することがあります。過去のトラウマがパーソナリティの形成に影響を与え、症状を増幅させることが考えられます。 - 睡眠障害
PTSDの影響で睡眠障害が生じることがあります。悪夢や寝つきの悪さなどの睡眠問題がPTSDと併存することがあります。 - 注意欠陥多動性障害(ADHD)
PTSDとADHDが併存することもあり、特にトラウマが幼少期にあった場合にはその傾向が見られることがあります。 - 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
複雑性心的外傷後ストレス障害(C-PTSD)、急性ストレス反応(ASR)、急性ストレス障害(ASD)などトラウマ反応が原因で発生します。これらは臨床症状は近いのですが、症状経過の期間によって差別化されています。
これらの疾患は、相互に影響しあい、症状を悪化させる可能性があります。そのため、総合的なアセスメントと適切な治療計画が重要です。
情動処理について
リマインダーセラピーの情動処理を実施することで、どこか以前の自分と違って自信もついきています。この自己肯定感はリマインダーセラピーを数回繰り返すことで高まります。
万が一、不快な気持ちになり逃げだしたくなる場合は、そこに留まられるように「目を開けて語る」「自分自身を客観視(第三者となって自分自身を眺める)して語る」、「過去形として語る」など、工夫しながらでも途中で辞めずトラウマ記憶を語り終えます。
リマインダーセラピーの目標は、十分な時間を掛け生きづらさの原因となるトラウマ体験(物語)を修復していきます。その記憶から逃げるのではなく、むしろ記憶に留まることが不快であっても、今の自分には差し支えがないことや危険がないことを前提に置く留まり方で、対象者に対しての疑問も解けてくるのがわかるようになります。
トラウマとなっていた出来事について真剣に語ることで、今までと違う考え方もできるようになってきます。例えば自己価値感や自己肯定感に関する強い否定的な信念や感情「私は価値がない」「私は愛されるに値しない」といった思い込みがあります。また、自己肯定感が低くなり、自分に対する自信や自己評価が揺らぎます。過去のトラウマやストレスが、自尊心や自己評価に否定的な影響も与えています。
トラウマに対しては、「トラウマを回避することは不可能だった」「自分に責任があるわけではなかった」「できることはやっていた」などのように真実に気づいてきます。
トラウマの立ち戻りのセッションは4段階に分けています。セッションが中途で終了すると悪影響が伴うことがあります。通常は無料メンタルケア内の3時間~4時間でSTEP4の「感情の新たな認識」まで進めています。ただし、PTSDのように立ち戻りに強い反応を見せるのとは違い、トラウマの立ち戻りに苦痛が少ないと予想できる場合には、STEP1・STEP3・STEP4と行い、STEP2の「トラウマの真実の説明文作成」を除くことがあります。苦痛を感じることが予測される場合は、STEP1の生きづらさの説明とトラウマの振り返りのセッション終了後に、生きづらさを招く「トラウマの真実の説明文作成」の注意と解説、指導までを1回(無料メンタルケアの1日)とします。説明文作成についてはワークとして課題にすることが多くなりますが、ワークだと立ち戻りや生きづらさの症状の記載が不足すること多いため、説明文作成の考え方の解説をしっかりすることが重要となります。
実際のセッションは、トラウマの出来事の立ち戻り用の椅子と安心を意識する現在の椅子の2つを用意して進めていきます。一方の椅子には安心をイメージできるクライエントの持ち込みの洋服を掛けたり、愛用のぬいぐるみなどを使用することもあります。また、呼吸調整法や注意訓練法、安心が瞬時に蘇るアンカリングも利用します。
アプローチでは、クライエントが最もトラウマとなる出来事を特定し、その出来事について感情を抑えたまま簡単な説明をすることで合格としています。このセッションで重要なことは、クライエントが苦痛を感じたり解離を起こさないようにすることです。ただし、クライエントはその生きづらさに関する出来事の「他者への話慣れ」で話すことが一般的であり、感情を抑えた形で話すことができます。他者への話慣れは、自己の中で受け入れやすく整理していることなので、スムーズに話すことができます。これは、2・3ステップの足掛かりとなるセッションですので、出来事を特定することと探求していくべき解釈や認知の問題について仮説を立てることが重要であり、話を聞くことでヒントを得ることを目指しています。
【長期間または多数の継続のトラウマの場合 】
一定期間続いた愛着不全などのように数日あるいはそれ以上の長期間の継続的なトラウマ体験や複数のトラウマや複数回を持つ場合は、現在において最も侵入的で苦しい記憶を選ぶようにします。最もつらい記憶が処理されていくと、それ以外の記憶に効果が及びつらさが軽減されます。もし、複数のトラウマがある中で、次のトラウマに焦点を当てるなら、最初に取り組んだトラウマで進歩がはっきり見られるまでは、移つらない方がよい結果となります。
立ち戻りの重要性は、クライエントが自身の体験に向き合い、それが生活にどのような影響を与えてきたかを理解するためです。
初回セッションでは、生きづらさの「他者への話慣れ」で振り返りを語っていますので、2回目のセッションで「真実の立ち戻り」セッションを行うのは負担になる可能性があるため、クライエントには「トラウマの真実の説明文作成」をワークとして作成をしてもらいます。重要なことは、「他者への話慣れ」とは差別化できるよう、リアルな振り返りを作成してもらうことです。加え、箇条書きでも構わないので、情動調整障害の症状、否定的自己概念、対人関係障害、再体験症状、覚醒症状、回避行動など「私は価値がない」を例にして挙げてもらいます。そのためには、生きづらさを招く「トラウマの真実の説明文作成」はゆっくりと時間をかけても、文章で表現できるので心への負担は少なく、また真実を作成できるチャンスであることを理解していただきます。
その後、セッションで生きづらさを招く「トラウマの真実の説明文」をクライエントに読み上げてもらうことになります。治療者は読み上げられる間、トラウマが生きづらさに影響を与えているポイントや信念に注目します。
最終的な立ち戻りの目的は、そのトラウマの出来事がクライエントの人生や日常にどのような影響を及ぼしてきたかを考えさせることです。治療者は、クライエントが読み上げる課題を通じて、その時点での目標が達成されているかを判断し、明らかになってきた主要な問題や焦点をクライエントと共に振り返ります。
そして、治療者は出来事の影響をクライエントが受け入れやすくし、新しい解釈や視点を提供して、前進する方法を見つけるための支援を始めます。その出来事を違う形で捉え、そこからの学びを通じて、クライエントが自らの成長や前進に向かって歩み始める一歩となるようにサポートしていくのが目的です。
クライエントが実際の生きづらさを招くことになったトラウマに取り組むための準備は以前のセッションで整っています。3回目のセッションは実際の「トラウマへの立ち戻り」に取り組むことを重視しています。そのために治療者は意識や変性意識に質問を有効かつ誘導的にしていきます。何が実際にあったのか、何をその時考えたのか、心に何を感じたのか、身体で何を感じたのかといった大事な要素すべてに近づけるようにします。
クライエントのペースに合わせ、語ってる間は、気が散らないように心の中の映像を思い描けるように目を閉じさせます。トラウマ体験に立ち戻るためには、今ここで起こっているように現在形で語ります。例えば次のような質問を数多く取り入れ、取りこぼしのない記憶を探ります。
「出来事が起こる少し前にさかのぼってください」「あなたのいる出来事の場所はどこですか」「あなたはどんな洋服を着ていますか」「何か聞こえるものはありますか」「誰、またはどんな関係者がいますか」「主格の相手はどんな洋服を着ていますか」「どんな持ち物を持っていますか」「出来事が起こり始めた時に、あなたはどんな行動しましたか」「感情は何を感じていますか」「何が見えていますか」「トラウマとなる出来事は何が起こっていますか」「身体に感じるものはありますか」「逃げられますか」…などのようにトラウマとなる出来事をリアルに振り返っていただきます。治療者はクライエントの記憶にある最悪の出来事すべてに触れるために質問を駆使していきます。
クライエントがトラウマの出来事の立ち戻りに取り組むことに抵抗を示す場合、セッションの間にそこに留まられるように「目を開けて語る」「自分自身を客観視(第三者となって自分自身を眺める)して語る」、「過去形として語る」など、工夫しながらでも途中で辞めずトラウマ記憶を語り終えます。
トラウマに関連する感情的な負担が軽減したことにより、クライアントがトラウマについて新たな視点を持つようになることが望ましいことです。治療者は、クライアントが感情や思考に対してどのように変化を受け入れたかを探求します。感情の再評価は、セッションの締めくくりとして行われ、クライアントと共にセッションの成果を振り返ります。感情の変化や新たな認識があった場合、クライアントはそれらを受け入れ、治療者と共有します。例としては次のようになります。
「トラウマの立ち戻りをしてみて、どのようですか?」
「出来事の捉え方が今までと違っていませんか?」
「考え方や感じ方が変わってきていませんか?」
たとえ、いま楽に感じられなくても、『つらい記憶と向き合い、そこに留まる』という辛い記憶の立ち戻りをしたということに誇りを持ってください。
リマインダーセラピーが出来たことには大きな意味があり、脳に変化が持たされているはずです。
繰り返し記憶の立ち戻りをするだけでも、物の見方が変化する人もいます。例えば、トラウマとなった出来事を回避することができたはずだと思っていたことが、あの時点では無理であった。不可抗力であった。また、自分にも責任があったかもしれないと思っていたことが、自分に責任は全くなかった。あの状況の中では出来る限りのことはやっていた。主格の相手にも理由があったのかもしれない。などと出来事の状況や自分の立場に気付くことがあります。
そして、トラウマとなる出来事の一部分だけがクローズアップされ、そこだけに注目していたためにエピソードが完結されていない状態だったことがわかるようになります。
もしも、リマインダーセラピーの最中や終了後に、さらに自分が悪いと思うことが増したり、さらに人を信じられないなどの考えが出たとしても、そのことについては治療者と真意の話し合いができますので、心配することはありません。
補助的な説明
- 準備
- クライアントと治療者がセッションを始める前に、信頼関係を築きます。治療者はリマインダーセラピーのプロセスについて説明し、セッションの目標を設定します。
- 信頼関係の確立
セッションの初めに、治療者はクライアントとの信頼関係を築くために時間をかけます。クライアントは治療者に対して安心感を感じ、自分の感情を話すことができるようになります。
- ターゲットの特定
- ターゲットの選択
クライアントと治療者は、セッションの開始時に特定のトラウマまたはトラウマが要因となる生きづらさなどの問題を選択します。クライアントが処理したい特定の出来事、イメージ、感情、または思考を選びます。 - トリガーの特定
クライアントは、選択したトラウマまたは生きづらさの問題を思い出すためにトリガーとなるイメージ、感情、または思考を思い浮かべます。これにより、トラウマがクライアントの意識に再び現れます。
- ターゲットの選択
- 安全な場所の設定
クライアントは、治療者の指導の下で、呼吸調整法や緊張や不安、恐怖を取り除くアンカリングを学習します。そのうえで、この場所(椅子)はクライアントがセッション中に苦痛を帯びた場合、トラウマから逃れるための場所として利用できる安全なイメージを持たせます。
トラウマの出来事の立ち戻り用の椅子と安心を意識する現在の椅子の2つを用意してセッションを進めていきます。安心の椅子には安心をイメージできるクライエント持参の洋服やぬいぐるみを使用することもあります。また、安心ポーズのアンカリングも利用します。 - トラウマのイメージ
クライアントは、トラウマに関連する具体的なイメージや場面を4段階に分けて、立ち戻るセッションをします。これは、「生きづらさの説明とトラウマの振り返り」「トラウマの真実の説明文作成」「トラウマの体験の立ち戻り」「感情の新たな認識」となります。例えば、失敗のトラウマの場面、幼少期のトラウマの記憶、あるいは他のトラウマ体験の記憶に立ち戻り、いま起きているかのように現在形で、自分のペースで自分の言葉を使って記憶を語れるようにします。この際に自分の危険がなくなるか、その場を離れるところまでトラウマの出来事をすべて通して語ります。 - トラウマに関連する感情
クライアントは、トラウマに関連する感情や感情の強度を意識的に感じさせます。これは、恐れ、悲しみ、怒り、無力感などの感情となります。治療者は、クライアントにその感情を認識するように促します。 - 感情のスケール
クライアントは感情の強度を0から10のスケールで評価します。これは、治療者とクライアントがセッションの進行をモニタリングし、進捗を確認するための基準です。 - 記憶と感情の処理
- クライアントは特定のトラウマや問題に集中し、治療者の質問や語り掛けに従ってトラウマに関連する感情や思考に注意を向けます。治療者はクライアントの経験を注意深くモニタリングします。
- トラウマのイメージと感情
クライアントは、選択したトラウマに関連するイメージと感情に注意を集中します。繰り返し記憶の立ち戻りをするだけでも、物の見方が変化する人もいます。治療者は、クライアントに、そのイメージと感情を冷静に客観的に思い浮かべるように促します。例えば、トラウマとなった出来事時点では回避することは無理であった。母親にはその時の母親の事情があった。母親も自分の母親から影響を受けて苦しんでいた。不可抗力であった。客観的に現時点で立ち戻りをしたら、自分に責任は全くなかったことが判明した。出来る限りのことはやっていた。愛情を感じたこともあった。など出来事の状況や自分の立場に気付くことがあります。 - 感情の評価
クライアントは、トラウマ体験に関連する感情の強度を評価します。治療者は、クライアントがその感情を感じることをサポートし、感情のスケールを使用して評価します。
- プロセスの繰り返し
- セッション中、治療者はトラウマが処理されるのをサポートし、クライアントに安全感を提供しながら、プロセスはセッション間で繰り返されることもあります。
- 再評価(4ステップ目のセッション感情の新たな認識)
- セッションの後、クライアントと治療者はセッションの効果を評価し、感情や思考に変化があったかどうかを確認します。必要に応じて、新たなターゲットが設定されたり、アプローチが調整されたりすることがあります。
- 感情の再評価
治療者は、クライアントに感情の変化を評価させます。セッションが進行するにつれ、感情の強度が減少することで効果を感じます。クライアントは、新たな感情や思考に焦点を当てるように誘導されることもあります。 - 感情の変化の報告
クライアントは、セッションを通じて感情に変化があったかどうかを報告します。感情が軽減したり、感情の性質が変わったりすることがあります。クライアントは、その感情の変化について説明し、感じ方の違いを伝えます。 - 感情の新たな認識
クライアントは、セッションを通じて新たな認識や思考についても報告します。トラウマに関連する感情的な負担が軽減したことにより、クライアントがトラウマについて新たな視点を持つようになることが望ましいことです。治療者は、クライアントが感情や思考に対してどのように変化を受け入れたかを探求します。 - 再評価の目的
感情の再評価の目的は、セッションの効果を確認し、トラウマに対する感情的な変化をモニタリングすることです。治療者は、クライアントの進捗を確認し、必要に応じてセッションの方針を調整する手助けをします。 - セッションの締めくくり
感情の再評価は、セッションの締めくくりとして行われ、クライアントと治療者が共にセッションの成果を振り返ります。感情の変化や新たな認識があった場合、クライアントはそれらを受け入れ、治療者と共有します。
- 感情の再評価は、セッションの最後に感情的な変化を確認し、クライアントがトラウマからの感情的な負担を軽減したことを確認するための重要なステップです。治療者はクライアントの感情と認識に敏感に対応し、セッションの進行を評価します。治療者とクライアントはセッションの効果を確認し、次のステップに進む準備を行います。
- このプロセスを繰り返すことで、クライアントはトラウマに関連する感情やイメージを再処理し、トラウマからの感情的な負担を軽減することができます。治療者はクライアントをサポートし、セッションを誘導し、感情の変化をモニタリングします。
- 回避行動が止まらない
実際のトラウマ体験が原因で回避してきた状況や対人、場所などの段階的暴露による馴化を別セッションで行います。
認知の再構成について
治療の本質は、自己の内なる歪みの声や信念に気づき、修正することを目指しています。具体的には、出来事に対する思考や解釈を意識的に気づき、それらを修正していくことです。自己の言動の90%は無意識の中にある信念が操作する自動思考になっているといわれています。そのため、自分が持ち得ている信念に気づかないことは当然です。
アプローチでは、クライアントが自身の思考や信念に対してより意識的に気づき、それらを分析して修正していくことが重要です。自分が自分自身に何を言っているかを認識し、その信念や自己陳述が感情や行動にどのように影響を及ぼしているかを理解することで、健全な認知パターンの再構築やポジティブな変化を促進します。
治療アプローチの本質は、クライエントが過去のトラウマ的な出来事によって、生きづらさに大きな影響を及ぼしているということです。治療者の役割は、クライエントにとって新しい思考の選択肢を増やす動機付けを行うことです。
クライエントには、質問を促したり、気になることを率直に話す機会を十分に与えることが重要となります。これにより、治療者はクライエントの考えや感情を理解し、適切なサポートを提供することができます。また、治療者は自信を持ち、温かみをもってクライエントに接し、サポートすることが必要です。
認知の再構成のセッションやワーク
- 自己肯定感アップ・ワーク
-
- 週間活動記録を作成
- 行動活性化予定リストを作成
- 行動・活動スケジュールの設定作成
- 自己肯定感リストを作成
- 望ましい状態の思考セッション
-
- 望ましい状態や目標、達成したいことを1つ設定します。
- 環境
望ましい状態を創り出すにあたって、周りの環境で、見えるもの、聞こえるもの、感じるものを言語化していきます。 - 行動
望ましい状態を創り出すにあたって行っている行動を教えてください。 - 能力
その行動に関して、どんな能力を発揮していますか? どのようにその行動を行っていますか? - 信念・価値観
望ましい状態を創り出すにあたっての必要な信念・価値観を教えてください。 - 自己認識
望ましい状態を創り出すためのアイデンティティを探っていきます。 - 自分を超えた存在とのつながり
自分の存在を十分に認め、自分の前に自分を超えた大きな世界とつながっていると想像してください。
- 17コラムセッション
-
- 出来事・状況 ・問題をリアルに一つ挙げてください。
具体的な出来事・状況・問題を「いつ、どこで、誰と、何を、なぜ、どのように」のように具体的に挙げてください。 - 気分感情
気分とは悲しい、心配、不安などのように一語で表現できるものです。そして、その時の気分の強さを0~100%で表します。 - 自動思考・認知
自分のことや誰かのこと、今後のこと、などに関連する考え、イメージ、記憶を挙げます。
その時浮かんでくる自動思考は1つではありません。その自動思考の確信度の評価点数を0~100%で表します。高い評価の自動思考には◎をつけます。その時の自動思考の核心に当たります。 - 自動思考がそのとおりであることの事実や根拠(理由は)?
主観的な見方から、客観的に見て自動思考を裏付ける事実を書きます。
Point:内容的な妥当性を考える。「他には?」を繰り返し考える。 - 反証は?自動思考に反する事実や根拠(理由)は?
主観的にはならず、客観的に捉えた自動思考と矛盾する反対の「根拠」を見つけ、
【逆に、だけど、待てよ、しかし、でも、本当は…】の言葉をつないで考えてみます。 - 自動思考を信じるメリットは?
Point:有効性を考える。 - 自動思考を信じることのデメリットは?
Point:メリットとセット。メリットの逆を考える - 最悪どんなことになる可能性があるか?
Point:本当に最悪の事態をブレインストーミングする。 - 奇跡が起きたら、どんなに素晴らしいことが起きるか?
Point:⑻と全く反対に、ものすごいことを考えてみる。 - 最悪や奇跡ではなく、現実にはどんなことになりそうですか?
Point:最悪や奇跡は起きない。結局はここに落ち着く。 - 以前、似たような体験をしたとき、どんな対処をした?
Point:過去のネガティブな体験を乗り切って現在がある。 - 他の人なら、この状況に対してどんなことをするだろうか?
Point:○○さんなら…、尊敬している人なら、同僚なら、ドラマの主人公(俳優)なら… - この状況をもう一度やり直せるとしたら、どんなことができそうか?
Point:タイムマシンに乗って、その時に戻ったらやり直しでどんなことができるか。 - もし、自分にとって大事な人がこの状況に晒されていたら何と言ってあげたい?
Point:兄弟、友人、恋人、後輩がこの状況に晒されていたら、どのように接しますか。 - 出来事・状況・ストレスに晒されている状況下にもう一人の自分がいたら、どんな声がけか?
point:いつもなら聞こえてこない心の声も、自分を客観視することで聞こえてくるはず。 - 新たな思考・バランス思考
「根拠」と「反証」を【だから… 事実は…】でつないで考えてみます。「自分が第三者だったら」「健康な思考(機能的)な自分だったら」「親しい人が同じ状況だったら」のような視野を広げて視点を変えての考え方です。※根拠を認め、柔軟な反証でバランスの取れた思考を見つけます。 - 気分・感情の変化
気分とは悲しい、心配、不安などのように一語で表現できるものです。そして、その時の気分の強さを0~100%で表します。そして、最初の気分と比較します。
- 出来事・状況 ・問題をリアルに一つ挙げてください。
- 目標ゴール実現のセッション
-
- 現在の位置や状態を明確にする
- 目標・目的の肯定的表現
- 具体的な行動計画
- 自己の主体
- 達成の証拠
- リソースの確認
- 周りへの悪影響の有無
- 目標・目的の脅かす制限の確認
- 目標達成の意味確認
- スキーマ葛藤の統合セッション
-
- やめたい行動や悪習慣を特定する
否定的行動、あるいは否定的結果を生んでいる行動を特定します。
*葛藤を一つ選びます。やりたい行動と相反する行動の二つの行動を決めます。 - やめたい行動をとっているスキーマとの対話
その行動を指示している別人格のスキーマとつながります。
やりたい行動をしている自分を体験します。
その行動を創り出しているスキーマを身体から探ります。 - やめたい行動を起こしているスキーマの肯定的意図
その行動のメリットや何を得ようとしているのか、肯定的意図を聞くための会話をします。 - 自分を大切にしてくれるスキーマに相談
自己を大切に思ってくれているパートと一緒に否定的(悪習慣)行動の肯定的意図に相反する新しい意図を3つ考えます。 - やめたい行動を行なうパートに代替案提示
やめたい行動を行なうパートに、3つの代替案に代えることができるか確認します。 - 全スキーマへのチェック
エコロジーチェックをします。
自分の中のパート全員に「自分のために3つの代わりの新しい行動をとることに決めたい」と思いますが、と質問を問いかけます。体の隅々まで染み渡るようにアプローチします。 - 【統合】
十分な話し合いがでできたら統合します。
- やめたい行動や悪習慣を特定する
- 生きがいの自己探求と自己認識セッション
-
- 自己探求と自己認識
- 生きがいを見つける第一歩は、自己探求と自己認識です。自分自身について深く考え、自分の価値観、情熱、趣味、関心事を明らかにします。これにより、何が本当に自分にとって意義があるのかを発見できます。
- 笑顔や幸福な瞬間を考える
- 自分がどの瞬間に笑顔でいるか、幸福を感じるかを思い出してみます。その瞬間にはどんな活動や状況が関わっていましたか?その中に、自分の大切な価値や関心事が反映されていることがあるかもしれません。
- 昔の趣味や好きなこと
- 過去に好きだったことや趣味を振り返ります。なぜそれが楽しかったのか、何が魅力的だったのかを考えます。過去の興味や情熱が、今もあなたに影響を与えている可能性があります。
- 価値観の洗練
- 自分の大切にしたい価値観を洗練させます。どの価値観が本当に重要で、どれが他人や社会からの期待に基づいたものかを考えます。自分の真の価値観を明確にすることで、生きがいを見つけやすくなります。
- 生きがいの理由を具体化
- 自分の価値観や情熱をもとに、生きがいの理由を具体的に考えます。例えば、「他人の幸福に貢献することが私の価値観に合致しているので、ボランティア活動を通じて社会に貢献したい」という具体的な生きがいを見つけることができます。
- ゴール設定と行動計画
- 生きがいを見つけたら、それに基づいて具体的なゴールを設定します。そして、そのゴールを達成するための行動計画を立てます。行動を起こすことで、生きがいを実現し、自己成長を促進します。
- 自己探求と自己認識