自己意識下にある6階層の分類ごとの注目と全体を傍観することで、思考、言動の根拠を段階的に理解しやすくし目標の実現や問題解決のヒントと成功を掴むニューロロジカル・レベル手法
ニューロロジカル・レベルは人間の意識を階層分けした実践心理学です。
目標の実現、問題の解決、人生の設計、自己認識を捉えるには、人間の意識を6階層に表したニューロロジカル・レベルの理解が必要です。
レベルは下位から「環境」「行動」「能力」「信念・価値観」「自己認識」最上位の「スピリチュアル」に分類しています。各レベルの意識別に捉えることで階層ができますが、6つのレベルは関係性を含んでおり、高い位置から景色を見て全体像を把握するように、上位レベルから下位を変えることができる関係にあります。
ニューロロジカル・レベルの知識は自己を意識した自己啓発であり、問題解決、行動変革や人材マネジメントにも活用でき相手の心をも動かすことができる人間学でもあるのです。
ニューロロジカル・レベルの6段階モデル:ケース1
⑤哺乳類のペットを飼うことはない ❺交友関係や知人が少ない
④犬を避ける行動をする ❹初対面の人には消極的で話しかけない
③犬に対する知識がない ❸コミュニケーション能力不足
➁犬に噛まれたことがあるので怖い ❷幼少の頃から対人関係にはすべて親が対応した
①犬が嫌いだ ❶人見知りだ
- 自分を取り巻く場所や状況のことです。これは本来、五感を通して認識される外的要因のことで自分で選択できるはずですが、外部の機会や制約、制限によって変えられないと信じている人もいます。
- When?「いつですか」Where?「どこでですか」の質問の回答にあたります。「どこでやるのか」「誰とやるのか」「いつまでにやるのか」などを意識するレベルです。
- 例えば、営業マンが企業相手にダイエット商品を販売するにあたり、商品や相手先企業などの現在持ち得ている情報の状態というのは環境レベルです。
- 五感に関係しているかもしれません。
- 自分が「何をしているか」に対して行動・能動的、反応的に自分でコントロールできる行動のことです。基本的には自分でコントロールはできる要素ですが、能力がなければできません。
- What?「何してるの」の質問の回答にあたります。「自分は何をやるのか」「どう説明して周りを動かすのか」などの確認する段階です。
- 営業マンの例だと、商品サンプルを揃える、写真を撮る、基礎のロールプレイングをするなどです。
- 行動ができると相手企業に必要な商品が選定されることで商品知識が深くなり、相手企業先に適合するか不適合かなどの情報が入ってきて下位の環境レベルがupします。
- 小脳に関係しているかもしれません。
- 特定の行動が的確にできるようなリソース(スキル、営業経験、資質など)で管理や計画、戦略力のことです。磨くことができる要素なので他者との違いや差が現れます。
- How?「どのようにする」の質問の回答にあたります。「どうやって」「何を使って」を考える段階です。
- 営業マンの例だと、自分の持っている才能など営業力に関わるリソースのことです。営業するためのスキルや営業戦略、計画であり、ターゲットとなる相手企業先に向けた能力レベルです。
- 営業戦略や計画が決定すると相手企業先への営業のシナリオができて、下位の行動レベルがupします。
- 大脳新皮質と関係しているかもしれません。
- 自分の心にある核です。信念は生まれてから幼少期に核のマントル(地球に例えるとマントルは83%の体積で不液体ですので簡単には変形しません)ができあがり、今までの体験でも養われてきているもので、価値観にも影響を与えている頑固な心でもあります。
そのため思い込みや偏りが強い場合もあり、能力や行動を促す動機もありますが、許可や制限することもできます。無意識的にモチベーションや行動に影響がでます。 - Why?「なぜですか」の質問の回答にあたります。「なぜそれをするのか」「どうしてこれをしてはいけないのか」などの価値観が問われる段階です。
- 営業マンの例だと、「上からの目標は命令であり、何があっても守らなければならない」との偏った信念から思考されると委縮した苦しい立場になってしまいます。「営業は得意だし、この提案は相手企業にも貢献できることだから」という信念、価値観だと能力が発揮できて下位の能力レベルがupします。
- 大脳辺縁系と関係しているかもしれません。
- 自分のアイデンティティで使命や役割などのミッションを表します。自分は何者で何をしなければならないのかという自己認識です。
- Who?「誰ですか」の質問の回答にあたります。「自分はどんな人になりたいのか」「自分の役割や目的は何なのか」自己の存在を追究する段階です。
- 営業マンの例だと、「私は何をやっても達成できない営業マンなのかもしれない」「この会社にしがみ付いている才能のない私は一体何だろう」などは、苦しいながらも営業をやり続ける生きるだけの目的イメージです。
「私は優秀な営業マンであり、必ずできて必要とされる人間だ」という役割やミッションの捉え方に自己認識レベルが変わると、ダイエット商品の販売に対しても認識が高まります。そのことが、先ずは自分のダイエットも必要であるという目覚めとともに下位の信念・価値観レベルもupします。 - 脳幹と関係しているかもしれません。
- 自分の意識を超え、あり方として卓越した叡智の最高認識となります。1段階から5段階のピラミッドの階層とは解離した視点でピラミッドを傍観しています。
- For Whom?「誰のためになるの」For What?「何のためにするの」という質問の回答になります。自己の在り方のほか、家族などの集団や会社などの組織、国や世界を焦点に入れます。
- スピリチュアルレベルは、自分の認識を超えて社会や国、地球規模の視点をもってかかわっていくことです。営業マンの例では抑えた感じになりますが、「私は会社にとって貢献している重要な営業マンである」「私は会社に貢献し続け、会社を拡大できるポジションに就くだろう」。
このように会社にとって重要な人間であるというスピリチュアルレベルに達すると自己認識レベルがupするだけではなく、他社員にも良い方向付けができるようになります。 - 自信とともに脳内伝達物質が活性化され、幸福物質といわれる「ドーパミン」「セロトニン」「オキシトシン」が関係しているかもしれません。
上位レベルは深い認知の信念、下位レベルは浅い認知(自動思考)〜意識的
先ほどから登場のダイエット商品販売の営業マンを褒める場合は、行動や能力レベルをベースにし、上位レベルの自己認識や信念・価値観レベルに寄り添った褒め方が承認欲求を満たすことになります。
例えば、「基本的な営業に必要な商品サンプルを揃えるだけでなく、進んでロールプレイングをするのを見ていましたよ。それに営業戦略と計画書を見ましたがしっかりできてるね。さすが、○○君は相手先企業の貢献度も考えられるばかりではなく、部下も指導する人間的役割も理解しているね」。という感じです。これはどんなスキルがあり行動できても、上司からの理想を聞いても当の本人の自己認識や信念、価値観に問題があると身につくことはありません。
逆に叱咤する際には、「お前はいつもダメだな、何をやっても中途半端で、営業にも会社にも、おまえ自身の認識が低いんだよ」のような上位レベルの信念・価値観やアイデンティティに触れてしまうと人格を否定されたように感じてしまうので要注意です。必ず下位レベルに注目するようにします。
図からも読み取れるように、上位5レベルの「自己認識」に基づいて「信念・価値観」が生まれることで、能力を身につけて行動をします。このことで下位1レベルの環境が変わるということです。要するに、ニューロロジカル・レベルでは、上位レベルを変えると下位レベルが変化するということです。
しかし、実際の目標の実現や問題を解決したりする際には、環境、行動、能力、信念・価値観、自己認識、スピリチュアルの順番でボトムアップ的に捉えていくことが多くなります。このことは下位レベルが変わると上位レベルに影響を与えるということにもなります。
しかし、6つのレベルの整合性によって、自己一致させることが鍵となります。これには「ニューロロジカル・レベルの統一」を行うためにスピリチュアル、自己認識、信念・価値観、能力、行動、環境という段階的にトップダウンで捉えていく方法で確認していきます。これは現実を変えたいのであれば、目標を達成したいのであればこそ、上位レベルから変えていかないとどれだけ努力しても効果が薄いということになります。
- 目標を掲げる根拠は上位レベルから注目
-
- 1⃣自己認識➡自分は何者で「何をしなければならないのか」
- 2⃣信念・価値観➡自分や周りのためか「なぜそれをするのか」
- 3⃣能力➡的確にできるようなリソースは(スキル、営業経験、資質など)
- 4⃣行動➡「自分は何をやるのか」「どう説明して周りを動かすのか」
- 5⃣環境➡「どこでやるのか」「誰とやるのか」「いつまでにやるのか」
- 問題を解決する根拠は下位レベルから注目
-
- 1⃣➡環境:When?「いつですか」Where?「どこでですか」➡「どこで起きた問題なの」「誰が関係していたの」?
- 2⃣➡行動:What?「何をした」➡「自分は何をしなければならないのか」「どう説明して周りを動かすのか」?
- 3⃣➡能力:How?「どのようにする」➡「どうやって解決するの」「何を使って解決するの」?
- 4⃣信念・価値観:Why?「なぜですか」➡「なぜ解決しなければならないのか」「なぜこれをしたんだろう」?
- 5⃣自己認識:Who?「誰ですか」➡「自分はどんな人に見られるために解決するの」「自分の役割や目的は何なのか」
実は自己認識、信念・価値観は無意識レベルの認知であり、意識しなくても能力、行動、環境レベルに影響を与えています。そこでスピリチュアルを強く意識することで、トップのレベルから自分を傍観し、自分の存在を認めることが重要なことだと考えています。
ニュー・ロジカル・レベル:ケース2
ニュー・ロジカル・レベル(New-Logical Levels)は、NLP(神経言語プログラミング)におけるモデリングの手法の一つです。ニュー・ロジカル・レベルは、ロバート・ディルツが提唱した概念であり、個人や組織の内部の構造を理解し、変化や発展を促進するために使用されます。
ニュー・ロジカル・レベルは、次の6つの階層から構成されます。
- 環境(Environment)
- 最も外側のレベルであり、個人や組織が存在する物理的な環境や文脈を指します。例えば、場所、時間、人々との関係などが含まれます。
- 行動(Behavior)
- 環境に対して個人や組織が実際に行っている具体的な行動や活動です。行動は、外側から観察されることができる明示的な振る舞いや行為です。
- 能力(Capability)
- 行動をサポートするためのスキルや能力、技術、知識などを指します。能力は、行動の裏側にある内在的な要素であり、行動を可能にするものです。
- 信念(Belief)
- 個人や組織が持つ価値観、信念、ルール、考え方などの内面的な要素です。信念は、個人や組織の行動や能力に影響を与える重要な要素です。
- アイデンティティ(Identity)
- 個人や組織の自己認識、自己イメージ、役割、使命などを指します。アイデンティティは、個人や組織が自己を認識し、位置付けるための核となる要素です。
- スピリット(Spirit)
- 最も内側のレベルであり、個人や組織の存在の意義や目的、大局的な視点、精神的な価値などを指します。スピリットは、個人や組織の中核的なエネルギーや動機づけを表す要素です。
ニュー・ロジカル・レベルでは、各レベルは階層的に組み合わさっており、上位のレベルが下位のレベルに影響を与えます。例えば、信念が行動や能力に影響を与えたり、アイデンティティが信念や行動に反映されたりします。同様に、環境やスピリットも、下位のレベルに影響を与えることがあります。
ニュー・ロジカル・レベルの手法は、個人や組織の課題や目標に対して効果的なアプローチを提供します。具体的な手法としては、以下のようなものがあります。
- レベルのシフト
- 問題や課題がある特定のレベルに固執している場合、そのレベルから上位のレベルにシフトすることで新たな視点や解決策を見つけることができます。例えば、行動や能力に固執している場合、信念やアイデンティティのレベルに移行し、より根本的な変化を促すことができます。
- レベルの調整
- 各レベル間の調和とバランスを取ることが重要です。特定のレベルが他のレベルに対して不釣り合いな場合、個人や組織の成長や目標達成が妨げられることがあります。レベルの調整を行うことで、バランスの取れた状態を作り出し、より健全な発展を促進します。
- レベルの変換
- 特定のレベルに固執している状態を変えるためのプロセスです。例えば、制限的な信念を変換し、より自由な信念へと転換することで、行動や能力の向上を図ることができます。また、アイデンティティのレベルでの変革やスピリットのレベルでの目的や価値の再定義も行われます。
ニュー・ロジカル・レベルの手法は、個人や組織の内部構造や相互関係を理解し、意識的な変化や発展をサポートします。
- NLP実践心理学
- 緊張や不安をアンカリング技法で克服
- 望ましい第一印象はラポール・ミラーリングなどの手法
- 自分・相手・傍観者の体験はポジション・チェンジ技法
- SCOREモデルは場所移動で視点と思考に刺激を与える手法
- タイムラインは過去の捉われ、生きにくい現在を手放す
- 8フレーム・アウトカムで適格に捉えた理論が絶大な効果
- モデリング手法は理想のスキルを自分に埋め込む
- スウィッシュで望ましい新たな自分に入れ替わる
- アイアクセシングキューは目の動きで感情を知る
- チャンクサイズ分析は物事を捉える思考癖を知る
- ミルトンモデルの曖昧な会話で相手の無意識をコントロール
- 否定的な出来事も肯定的に捉えるリフレーミング
- 言葉の一部から真実の思考を捉えるメタモデル
- リフレーミングで否定的な行動の肯定的意図を探る
- 優位表象と体感覚の優位性
- ストラテジーのガイドライン
- 五感の要素サブモダリティの利用
- ディズニー戦略手法のアプローチ
- 目標達成のプロセスはTOTEモデル
- 相手の思考を変えるスライト・オブ・マウス
- ステート・マネジメントで感情の管理
- ビジュアル・スカッシュでイメージの調和
- 目標達成のプロセスはアウトカム手法
- 望ましい未来の想像フューチャーペーシング