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うつ病の原因と合併症/自己評価2つのテストで重症度チェック

目次

うつ病の原因や要因とされるのが対人関係などライフイベントのストレス心理社会や環境的要素で、生理学的には解明はされていません。うつ病の自己評価尺度と簡易症状尺度で現在のうつ状態の重症度自己評価ができます。

うつ病の原因

うつ病の原因は外部ストレスによる一過性の心因性うつ病と気質や遺伝、性格的特徴の内面に問題がある内因性うつ病に加え、身体的な病気の影響で発症する外因性うつ病があります。うつ病の統計では再発率が50%で、1度再発すると2度目の再発は70%、3度目は90%と再発を繰り返すごとに確率が高まってしまいます。特に再発を繰り返す原因として挙げられるのは内因性うつ病となります。

内因性うつ病は外的ストレスを取り除いても薬物療法や休養を取ってもうつ病を繰り返します。これは虐待経験や条件付き愛情を受けたなどの愛着障害や生真面目な性格的特徴や感受性が強ことが挙げられます。また、敏感なHSP気質や発達障害など遺伝原因も考えられます。
内因性は、自尊心の欠如や認知の歪み、トラウマの影響の他、双極性障害、社交不安症害、パニック障害、強迫性障害など精神疾患の併発の可能性があります。このように内因性うつ病の場合は薬物療法や休養だけでなく心理療法の併用で効果が期待できます。

このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

外因性、内因性、心因性うつ病の詳しい内容

  • 外因性は身体的な病気や薬物など外的要因によるもの。
  • 内因性は遺伝や脳内の生物学的要因が関与するもの。
  • 心因性は心理的・環境的ストレスが発端となるもの。

うつ病は、古典的には「外因性」「内因性」「心因性」の3つのタイプに分類されて考えられてきました。それぞれの特徴や原因について詳しく解説します。ただし、これらの分類は、それぞれのうつ病の原因や治療方針を考える上で有用ですが、現代ではこれらが複合的に絡み合っているケースも多く、包括的な診断と治療が重要視されています。また、「新型うつ病」などの現代的なバリエーションも見られ、治療には柔軟な対応が求められます。

外因性、内因性、心因性うつ病の詳しい内容

1. 外因性うつ病

特徴
外部の身体的な要因が原因で発症するうつ病を指します。これには、特定の疾患や身体的な損傷、薬物や物質の影響などがあります。

原因

  • 身体疾患: がん、脳梗塞、甲状腺疾患(特に甲状腺機能低下症)などの慢性疾患や重篤な病気。
  • 薬物の副作用: 抗高血圧薬、ステロイド、抗がん剤など。
  • 物質依存や中毒: アルコールや薬物依存による脳への影響。
  • 身体的外傷: 外傷性脳損傷など、脳の物理的な損傷。

診断と治療

  • 身体的な原因が明確である場合、その根本原因を治療することが重要です。
  • 内科的治療や適切な薬物療法に加え、精神的サポートも組み合わせる必要があります。

2. 内因性うつ病

特徴
生まれつきの素因や体質的要因が原因とされるうつ病。特に、生物学的な要因(脳内の神経伝達物質の不均衡など)が関与しています。これが古典的な「うつ病」と考えられてきたタイプです。

原因

  • 遺伝的要因: うつ病の家族歴がある場合に発症リスクが高い。
  • 神経伝達物質の異常: セロトニン、ノルアドレナリン、ドーパミンなどの神経伝達物質の不均衡。
  • ホルモンの変化: 月経前症候群(PMS)、更年期障害、甲状腺機能の異常など。
  • 脳の構造的変化: 海馬や前頭前野の機能低下が関連することがある。

診断と治療

  • 生物学的要因が主な原因と考えられるため、抗うつ薬(SSRI、SNRI、三環系抗うつ薬など)や電気けいれん療法(ECT)が主な治療法。
  • 心理療法も補助的に行われる。

3. 心因性うつ病

特徴
心理的なストレスや環境要因が主な原因で発症するうつ病。トラウマや慢性的なストレス、生活環境の変化が強く影響します。

原因

  • 環境要因: 職場のストレス、家庭内問題、人間関係の摩擦など。
  • 心理的トラウマ: 子供時代の虐待、配偶者からの暴力、失恋、離婚など。
  • 生活の変化: 失業、引っ越し、出産、育児など大きな環境変化。
  • 過剰な責任感: 真面目で自責的な性格が影響することが多い。

診断と治療

  • ストレス源や環境の変化が原因となっているため、ストレスの除去や対処法を学ぶことが重要。
  • 認知行動療法(CBT)や対人関係療法(IPT)が効果的とされる。
  • 必要に応じて抗うつ薬が併用される。
心理社会的、環境的、親和型性格の要素

・ストレスになるような出来事で「ストレスフル・ライフイベント」が発症の要素となっています。要するに対人関係、職業、役割、経済、健康、家族などライフイベントのストレスがきっかけとなります。また、高齢者ではライフイベントの複合的喪失がストレッサーとなっています。
特にメランコリー親和型性格(うつ病親和性性格)は、勤勉で真面目、几帳面で役割を重視し、過剰に他者の配慮など周囲の評価が高い性格(秩序志向性、他者配慮性、役割志向性、徹底性)が、逆に環境の変化に柔軟な対応ができにくいと言えます。完璧を求めた結果、自己の許容範囲を超えてしまうことがストレッサーとなり、社会的要素につながると考えられています。

・環境的要素として挙げられるのは、不適応的な養育体験がストレスに対する脆弱性を生んでいます。このことがストレスに対して脳機能の異常亢進をさせている可能性があります。

生理学的要素

・通常ストレスが振りかかった際に、ストレスから生態を守る機構であるHPA系が正常に作動すれば機能亢進は短時間で修復されます。うつ病の場合、ストレス反応経路である視床下部-下垂体-副腎のHPA系の障害がストレスに対する脆弱性を形成して、修復されず亢進が持続されていると推測しています。

・うつ病に関連する注意機能や認知機能、情動、エネルギーなどは、脳幹の青斑核神経細胞でノルアドレナリンが作られ、前頭葉や辺縁系などに運ばれ作用しています。また、食行動や睡眠、性的反応、気分などは脳幹の縫線核にある神経細胞でセロトニンが作られ、前頭葉や基底核、辺縁系などに運ばれ作用しています。
ノルアドレナリンもセロトニンもモノアミンですが、このモノアミンの濃度説と遊離説があります。

・うつ病の前頭前野の血流低下は代謝低下と相関し、機能低下をもたらしていることが分かっています。また、うつ病の海馬は委縮していることが報告されていて、HPA系とモノアミンをつなげることが着目されています。

遺伝的要因

一卵性双生児の統計での関連遺伝子は30〜40%となります。これは一般の発症率と比較しても大差はありません。

うつの合併症

合併約57%社交不安症・パニック症・全般不安症
強迫症・PTSDなど、何らかの合併
合併約15%依存性パーソナリティ障害
合併約10%境界性パーソナリティ障害
合併約9%強迫性パーソナリティ障害
標準精神医学p304より

うつ病自己評価

うつ病自己評価尺度BDI

下にはAからUまでの囲まれた設問があります。それぞれの設問で、あなたのここ1週間の気持ちや状態に最もあてはまる番号に〇を一つ付けてください。
当てはまるものが複数ある場合は、番号の大きい項目を一つ選んでください。

A・気分
ゆううつではない
気分が落ち込むことや、ゆううつな感じがする
2a気分の落ち込みや、ゆううつな感じがいつもあり、そこから抜け出せない
2bゆううつで、みじめな気分がひどいので、とてもつらい
ゆううつで、みじめな気分がひどいので、耐えられない
B・悲観
将来について特に悲観していないし、自信を無くしてもいない
将来のことを考えると自信がなくなる
2a将来に対して期待することが何もないように思思う
2b悩みから解放されることは今後ないだろう
将来は絶望的で、良くなりようもないだろう
A〜Uまであります。
U・性欲減退
性に対する関心は、特特にいつもと変わらない
性に対する関心が以前よりうすれた
性に対する関心が以前よりずっと減った
性に対する関心がまったくなくなった

うつ病自己評価尺度BDI(Beck Depression Imventory)
独立行政法人 労働安全衛生総合研究所(p25)
https://www.jniosh.johas.go.jp/publication/doc/houkoku/2010_04/report_stress_101129.pdf

合計点抑うつ尺度
1〜10点正常範囲の気分の揺れ
11〜16点軽度の気分の動動揺
17〜20点うつとの境境界域
21〜30点中度のうつ状態
31〜40点重度のうつ状態
41点以上極度のうつ状態

簡易抑うつ症状尺度QIDS

下には1から16までの設問があります。それぞれの設問で、あなたの最近の気持ちや状態に最もあてはまる番号に〇を一つ付けてください。
当てはまるものが複数ある場合は、番号の大きい項目を一つ選んでください。

1.寝つき(当てはまる項目の点数を〇で囲んでください)
0点問題ない(または、寝付くのに30分以上かかったことは一度もない)
1点寝付くのに30分以上かかったこともあるが、1週間の半分以下である
2点寝付くのに30分以上かかったことが、週の半分以上ある
3点寝付くのに60分以上かかったことが、(1週間の)半分以上ある
1〜16問まであります
16.落ち着かない(当てはまる項目の点数を〇で囲んでください)
0点落ち着かない気持ちはない
1点しばしばそわそわしていて、手をもんだり、座り直したりせずにはいられない
2点動き回りたい衝動があって、かなり落ち着かない
3点ときどき、座っていられなくて歩き回らずにはいられないことがある

採点方法
1~4項目、6~9項目、15、16項目は、最も点数が高いものを1つだけ選んで点数化し、それ以外の項目5、10、11、12、13、14項目は、それぞれの点数を書き出します。合計点数(0点から27点)で評価します。

簡易抑うつ症状尺度QIDS(Quick Inventory of Depressive Symptomatology)
心の健康/厚労省:QIDS解説より抜粋
https://www.mhlw.go.jp/bunya/shougaihoken/kokoro/dl/02.pdf

合計点うつ尺度
0~5点正常
6~10点軽度
10~15点中等度
16~20点重度
21~27点最重度

DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル:高橋三郎、大野裕(監訳)/医学書院

標準精神医学第8版:尾崎紀夫・三村將・水野雅文・村井俊哉/医学書院

内科医のためのうつ病診療第2版:野村総一郎/医学書院

うつ病の治療ポイント:平井孝男/創元社

うつの正しい理解と治療法:野村総一郎/創元社

うつ病治療ガイドライン 第2版:日本うつ病学会、気分障害の治療ガイドライン作成委員会/
医学書院

精神疾患の有病率に関する大規模疫学調査研究:川上憲人、他

厚労省 患者調査 https://www.mhlw.go.jp/seisaku/2010/07/03.html

妊産婦メンタルヘルスケアマニュアル 公益財団法人日本産婦人科医会

http://www.jaog.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/11/jaogmental_L.pdf

警察庁 自殺者数 https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/jisatsu/R04/R3jisatsunojoukyou.pdf

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