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心の悩み・憂鬱のメンタルケアは一人でできる心理療法「内的円環図法」

目次

STEP5⃣ 1⃣~4⃣を分析し、自己の認知のバイアス(偏り・歪み)を考察する

考え(認知・自動思考)の検討をします。自己の考えがその通りであることの事実を示し、認知の歪み・偏りリストから根拠の理由(何がそう思わせたか)として当てはまるバイアスを選択します。
➊自分に対しての認知・自動思考の考えから「事実」と「バイアス」
❷他者に対しての認知・自動思考の考えから「事実」と「バイアス」
❸今後に対しての認知・自動思考の考えから「事実」と「バイアス」
※考え方に認知バイアスを当てはめて強度を0〜100%で表し、存在の大きさを明確にします。
※それぞれの否定的な考えに対し認知バイアスを当てはめてみましたが、それぞれの確信度が一番高い(強い)%に◎をつけて、内的不適応円環図に書きます。

STEP❺自動思考・認知の事実の内容と歪み・偏り

自分に対しての考え:自分は無能である
【事実】
・2回目のプレゼンでも優秀賞が取れなかった。
・「1位じゃないとダメなんだ」
・優秀賞以外は敗北だと考えていた。
【認知のバイアス】
・過度の一般化
(わずかな根拠をもとに「いつもこうなる」「みんなそうなんだ」とすべてのことを当てはめてしまう)(80%)
・全か無か思考(二文法思考・白黒思考)
(完璧でなければ納得できず、自分の行いを振り返って少しでも満足できなければ、「これは失敗だ」と全否定してしまう)(85%)◎

・感情的決めつけ
(自分の感情を根拠に真実の証明や決めつけをしてしまう)(85%)◎


他者に対しての考え:他者から見放されている
【事実】
・Aさんが相談に乗ってくれていたので、事前にAさんの前で練習をしていた。「Aさんは、協力する相手を間違えたと思っているだろう」
・プレゼンをした3人と責任者の部長が食事に行ったことを知った。「部長はには捨てられたかな」
・部長が「あなたの企画は投票で2位だったんだ、惜しかったね、次の企画の際には、あなたを指名するよ」「部長には捨てられたかな」
・会場からは頷きも拍手も少なかったような気がしている。「他の社員は陰口を言っているのだろう」
【認知のバイアス】
・情動的推論
(過去の自分の経験や出来事などを踏まえて、他者が抱く情動(喜び、悲しみ、怒り、恐れなど)を推論する)(90%)◎

・選択的抽象化(心のフィルター)
(物事全体の中から悪い部分の方にだけに目が行ってしまい、良い部分は除外して物事を捉える)(80%)
・推理の飛躍(恣意的推論)(結論の飛躍)
(良くない結果を先読みしたり、相手の顔色からその人の考えを深読みしてしまう)(85%)

今後についての考え:会社を辞める「べきだ」
【事実】
・さぼりで休んだことに罪悪感が湧き、会社に行けないと感じている。
・連続で企画に失敗したように思えてきた。やはりこの会社には居場所がないんだと思っている
【認知のバイアス】
・「すべき」思考
(「すべき」に縛られて生活が窮屈になったり、自分や他人の失敗を許せずにプレッシャーや怒りを感じやすくなってしまう)(90%)

結論の飛躍
(先読みの誤り:根拠もない誰にもわからない先のことや将来のことを断言してしまう)(90%)◎

認知の歪みと感情との大まかな関係(認知バイアス)(認知の偏り)例
 全か無か思考(二文法思考・白黒思考)
「正か誤か」「善か悪か」などのように両極端な解釈や判断でしか受け取れない。
完璧でなければ納得できず、自分の行いを振り返って少しでも満足できなければ、「これは失敗だ」と全否定してしまう。
 自責思考(自己関連づけ)
問題が起きた原因を自らに責任や落ち度があると考えるこで、他責であったとしても問題が起きた際に原因が自分を取り巻く関連や関係にあると考え自己責任にする。
良くないことが起きると自分の責任にしてしまうので、罪悪感に悩まされたり他人の目が気になってしまう。
 破局化思考
一つのミスを取り返しの付かない決定的な破滅と考える。
 「すべき」思考
何かやろうとするときに「~するべき」「~するべきでない」と固定的な考え方をする。
「すべき」に縛られて生活が窮屈になったり、自分や他人の失敗を許せずにプレッシャーや怒りを感じやすくなってしまう。
「他人に弱音を吐くべきでない」と考えて、辛いことがあっても誰にも言えず我慢してしまい、自身の限界値を超えてしまう。
 感情的決めつけ
自分の感情を根拠に真実の証明や決めつけをしてしまう。
 完璧主義思考
ひとつの妥協も許さない、例えば100点以外は0点と同じだと考える。
 結論の飛躍
心の読みすぎ:他人の断片的な行動や言葉でその人はこういう人だと決めつけてしまう。
先読みの誤り:根拠もない誰にもわからない先のことや将来のことを断言してしまう。
 情動的推論
過去の自分の経験や出来事などを踏まえて、他者が抱く情動(喜び、悲しみ、怒り、恐れなど)を推論する。
選択的抽象化(心のフィルター)
物事全体の中から悪い部分の方にだけに目が行ってしまい、良い部分は除外して物事を捉える。
 良い面の無視(色メガネ思考)
良い面があるのに、目に入らず(無視して)そうでないことばかりに意識を集めてしまう。
ネガティブな色メガネを通して物事を見るので、何事もネガティブに見えてしまうこと。
 過度の一般化
過去にあった嫌だった事、まずいなと感じた事がまた起きるような危機的な心の状態。
わずかな根拠をもとに「いつもこうなる」「みんなそうなんだ」とすべてのことを当てはめてしまう。
 過大評価と過小評価(虫メガネ思考)
物事を実際よりも高く見積もったり、低く見積もったりと現実とずれた評価をすること。
悪いことには虫メガネを近づけてみるので大きく見えて、良いことは離してみるので小さく見えてしまう。
自分の短所や失敗を実際より大袈裟に考えて、上手くいったことは「こんなの当たり前だ」と過小評価してしまうこと。
 ラベリング(レッテル貼り)
人や特定の事象に対してたいした意味や根拠もないのに否定的に判断し、極端なラベル(レッテル)を張って相手を動かし影響を及ぼす。そのラベリングから浮かぶイメージに振り回されて、冷静な判断ができなくなってしまう。
 推理の飛躍(恣意的推論)(結論の飛躍)
正当な証拠もないのにガティブな結論を自分勝手に導き出す。
良くない結果を先読みしたり、相手の顔色からその人の考えを深読みしてしまう。
 マイナス思考(プラスの否定)
 プラスの出来事であっても否定してマイナスに考える。良いことが受け止められなく、逆に悪いことが起きそうだと考える。
 他の例:いつ何時も、この先ずっと、決して…ない、必要、…すべき、~ねばならない、できない、
主観的自己の評価点数
各認知の<br>バイアス
0%
全く
25
少し
50
中くらい
75
大きい
100%
最大
評価点数

STEP6⃣ 認知・自動思考の検討

非機能的状況・出来事・人間関係を客観的な立場から、もう一人の自分が見つめている感覚で事実を検討してみます。
認知・自動思考の検討は、①・STEP4⃣の「自動思考・認知(否定的な考え)で、強度の強かった◎の項目をあげてください」~ ⑫・STEP4⃣の「この状況下に直面している自分に対して、客観的に何といってあげますか」までの12の質問を設けています。
※⑫の質問では、【待てよ】【だけど】【しかし】【逆に】【でも】【本当は】の言葉でつないでみるのも一つの方法です。

STEP❻認知・自動思考の検討
 STEP4⃣自動思考・認知(否定的な考え)で、強度の強かった◎の項目をあげてください。
自分に対しての否定的な考え
・2回も企画を任されてプレゼンしたのに選ばれない、「自分は無能である」(90%)◎
他人に対しての否定的な考え
・プレゼンの当日に、私には声がかからず他のプレゼンをした3人を食事に誘っていたことと、部長は気を使ってまた指名すると言ってくれているが、「見放されている」(85%)◎
今後に対しての否定的な考え
・プレゼン結果の後、さぼりで3日も休んだことを見透かされているので会社を辞める「べきだ」(85%)◎
 STEP4⃣の否定的な認知は事実に基づいて考えたものですか。またはそう考える習慣ができていたのですか。
・事実に基づいた考えの「自分は無能である」は以前のプレゼンでも失敗しているし、今回の企画も優秀賞を逃していることからです。当然ながら無能です。
・部長に「見放されている」と考えたことは、一連の流れから感じているものです。確かに習慣と言えば習慣になるかもしれませんが、今までの経験をもとに沸き起こったものですので、事実に沿って考えたものと変わりないと思っています。
・「べき」は会社を3日間さぼりで休んだということです。「辞めるべき」はこの事実に基づいての考え、認知が湧いたのだと思います。
③ STEP2⃣での状況・出来事・人間関係に対し起きた不適応的な気分・感情を全てあげてください
もどかしさ(70%)、不安感(65%)、疎外感(90%)◎、胸がつぶれる思い(85%)〇
屈辱(80%)意気消沈感(80%)、嫌悪感(70%)憂鬱(85%)〇
④ STEP4⃣の否定的な認知に対する情報は信頼できる確かな情報源ですか。または感情に基づくものですか。
「自分は無能である」:プレゼン終了後に私には声がかからず、責任者の部長とプレゼンした3人が食事に行ったことは確かな情報源です。食事に誘うということは慰労の意味があるものだと思っています。とても疎外感や意気消沈しました。
ただ、確かに優秀賞のBさんは、当日のプレゼンで拍手が多かったのに食事に誘われてはいません。また、優秀賞の結果からみると不思議に思います。もしかして、感情に基づいた見方だったのかもしれません。

「見放されている」:見放されているは自分が勝手に想像した言葉なので事実ではありません。実際は部長から「あなたの企画は投票で2位だったんだよ!惜しかったね。次の企画の際にはあなたを指名するので、またプレゼン頼むね」といわれているので、そのまま素直に受け取ったら、「期待している」になります。

「辞めるべき」:会社を辞めると考えているのは自分で、誰からも勧告を受けたわけではないので事実ではありません。落ち込んでいた流れ的に、会社をさぼりで休んでいるので罪悪感や生き詰まり感があったのかもしれません。これも感情から出た考えかもしれません。
⑤ STEP5⃣の認知の事実の内容と歪み・偏りだと思われたバイアスの強かった◎の№3までをあげてください。
・感情的決めつけ
(自分の感情を根拠に真実の証明や決めつけをしてしまう)(85%)
全か無か思考(二文法思考・白黒思考)
(完璧でなければ納得できず、自分の行いを振り返って少しでも満足できなければ、「これは失敗だ」と全否定してしまう)(85%)◎
・情動的推論
(過去の自分の経験や出来事などを踏まえて、他者が抱く情動(喜び、悲しみ、怒り、恐れなど)を推論する)(90%)
・結論の飛躍
(先読みの誤り:根拠もない誰にもわからない先のことや将来のことを断言してしまう)(90%)
⑥ STEP5⃣の【事実】と、今までの経験で認識してきた「よくあること」、「起こりうること」のバイアスと混同していませんか
・優秀賞をとれなかったことと、以前もプレゼンで脱落したことは事実です。優秀賞以外は満足できないと考えていたのはバイアスではなく、結果に納得していません。よって、「感情的決めつけ」はバイアスではありませんが、傍観的に考えると2位は頑張った方だなとも思います。このことから考えると「全か無か思考」的にはバイアスだとも言えます。

・部長の考えやAさんからの反感、他社員からの陰口の事実はなく、私が推論していたものです。よって、「情動的推論」はバイアスと混同しています。

・3日間休んだことで罪悪感を持ち、会社には居場所がないんだと思ったのも事実はありません。よって、「すべき」「結論の飛躍」のバイアスと混同していたのかもしれません。
⑦ 非機能的な状況・出来事・対人関係全体の流れではなくて、不適応となる一部分だけを切り取って注目していませんか。
状況・出来事対人関係に対してのストレスは、1月23日のプレゼンから会社をさぼりで3日間休むまでの全体を通しての考えではありません。その時々、瞬間で考えたこと感じたことで悩んでいて、最終的にはプレゼン結果ではなく、休んだ罪悪感と部長や周りに悟られているのではないかという疎外感をつくって悩んでいました。
⑧ STEP2⃣の状況・出来事・人間関係で抱いた自己の心理的欲求を全てあげてください。
自尊欲求:他者から価値がある存在だ、尊敬、優秀だと認められたい(70%)
自己顕示欲求:他者の注意を惹きたい、自己の能力や存在をアピールしたい(70%)
承認欲求:他者から認められ価値のある存在であり肯定的な評価を受けたい(90%)◎
嫌悪回避欲求:他者からの嫌悪感や不快感を持たれることを避けたい(80%)
批判回避欲求:他者から良くも悪くも見分けられ評価されるのを回避したい(85%)〇
⑨ 状況・出来事・人間関係に対し、自分がどのようになることを望んでいた、または欲求を持っていたのですか。
プレゼンで優秀賞を掴み、私の企画でチームを立ち上げて存在感と評価を受けたいと思っていたのかもしれません。責任者の部長は尊敬していたせいか、認められたい一心でいました。気が小さいのか、上司や社員の目がいつも気になります。承認欲求や嫌悪回避・批判回避欲求が強いのだと思います。これはそのままの自分を出せないでいて、表面の輝いているところだけを見て欲しいのだと思います。
⑩ 自分にとって大切な人がこの状況に晒されていたら何と言ってあげますか。
プレゼン頑張ったね。優秀賞じゃなくても良かったんじゃないの。だって、5人の中で2位は上位グループだよ。部長さんも「次のプレゼンもお願いね」と言ってくれたよね。これは次につながる実績を残せたということだよね。
プレゼンの1月23日の部長さんと3人の食事会は反省会だよ。優秀賞のBさんも声がかからなかったところを見ると、二人は断トツだったんだよ、3人とは差が開いていたんだよ。何を心配していたの。このことからも部長さんから言われた「次のプレゼンもお願いね」に真実味があるでしょ。
Aさんも周りの社員も批判している材料も真実もないよね。それどころかプレゼン内容や規定時間ピッタリに終了させる力には一目置いたんじゃないの。その点の努力が実ったことを、今からでも遅くないので、Aさんにはお礼を言った方がいいよ。
会社を休んだことを悔やんでもしょうがないよ。すでに出勤できているんだからね。ストレスや憂鬱を感じられるときに休めたから、最悪にならなかったんだよ。無理に出勤していたら、何か問題に巻き込まれていたかもしれないよ。実際に眠れてなかったし、休養が一番の薬だったんだよね。
人生は勝敗だけではなく、どれだけ印象を残せるかにかかっていると思うんだよ。これからも笑顔や挨拶ができて、礼儀正しいとか、一生懸命な仕事振りなど、多くの人の心に残る行動ができたらいいね。
⑪ この状況下に直面している自分に対して、客観的(傍観:もう一人の自分から見ている)に何と言ってあげますか。
あなたが⑩で、自分にとって大切な人に話した言葉にとても感動し、温かさを感じました。すでに勘違いやバイアスに気付き、苦しんできた自分の取り越し苦労も感じているよね。

・2回目のプレゼンでも優秀賞が取れなかった。
・「1位じゃないとダメなんだ」
・優秀賞以外は敗北だと考えていた。
・Aさんが相談に乗ってくれていたので、事前にAさんの前で練習をしていた。「Aさんは、協力する相手を間違えたと思っているだろう」
・プレゼンをした3人と責任者の部長が食事に行ったことを知った。「部長には捨てられたかな」
・部長が「あなたの企画は投票で2位だったんだ、惜しかったね、次の企画の際には、あなたを指名するよ」「部長には捨てられたかな」
・会場からは頷きも拍手も少なかったような気がしている。「他の社員は陰口を言っているのだろう」
・さぼりで休んだことに罪悪感が湧き、会社に行けないと感じている。
・以前のことだったのに、直近のプレゼンの連続で失敗したように思えてきた。やはりこの会社には居場所がないんだと思っている

この出来事の物語でここまでバイアスをふんだんに入れて考えられたことが凄いよね。事実も空想もここまで考えるには大変な労力を使っているね。それほど大きな野望も欲求もないのに、この考えを持つと「疎外感」や「胸がつぶれる思い」とか「屈辱感」「嫌悪感」で憂鬱になってしまうよね。必要のない感情の使いすぎでエネルギー奪われてしまうよ。
もうわかったから、ストレスのコーピング(発散)するために、友達に連絡して飲むとか、食べるとか、歌うとか、旅行するとかしてみようよ!それと気軽な感覚で友達や誰かに愚痴をこぼせる練習を適度にした方が良いよ!
⑫ STEP4⃣自動思考・認知(否定的な考え)に反する事実や根拠(理由)をあげてみてください。
自分に対しての否定的な考え
・2回も企画を任されてプレゼンしたのに選ばれない、「自分は無能である」(90%)◎
反する事実や根拠
プレゼンに選ばれることは既に期待されている証拠だ。1月23日のプレゼン2位の成績があったから、次のプレゼンの誘いを部長から言われた。これは信用されている事実です。

他者に対しての否定的な考え
・プレゼンの当日に、私には声がかからず他のプレゼンをした3人を食事に誘っていたことと、部長は気を使ってまた指名すると言ってくれているが、「見放されている」(85%)◎
反する事実や根拠
既に答えているが、プレゼンの当日、部長と3人は反省会だったと思います。証拠は優秀賞のBさんも呼ばれていないのと、私の実績も2位であるということです。トップの2人が呼ばれていないことが事実になります。

今後に対しての否定的な考え
・プレゼン結果の後、さぼりで3日も休んだことを見透かされているので会社を辞める「べきだ」(85%)◎
反する事実や根拠
実際にはマイナスに考えすぎで、寝不足で体調は壊していたと思います。熱があったということは事実です。2日目、3日目もさぼりとの考え方もありますが、精神的な崩れは病気と変わりありません。休めたからこそ、周りの社員の反応は気になりながらも出勤しています。でも、この内的円環図法をしたら、周りの陰口などの証拠がないことに気付きました。それより、もしかしたら、一目置いてくれたり期待されていたことも、少しわかったような気がします。よく考えるとさぼりでもなっかたし会社を辞める必要はありません。

STEP7⃣ 内的適応円環図を作成し、作成済みの内的不適応円環図との比較

認知・自動思考の検討が終わったら、新たな円環図「内的適応円環図」を作成します。最初に作成した「内的不適応円環図」と比較することで気持ちが楽になり、肯定的思考ができるようになったら終了です。内的不適応円環図と内的適応円環図をスマホで撮影しておき、必要に応じて見られるようにしておきます。そして、今後の同じようなケースで立ち止まった際には、肯定的になれる自己の認知を応用するようにします。また、今後起きたケースで当てはまらない場合は、STEP1⃣から内的円環図法を行います。

「内的不適応円環図」
「内的適応円環図」

最終的に認知・自動思考の検討の質問に答えることで自己洞察力が深まり、状況・出来事・対人関係への意味づけの違いで、気分・感情が大きく変化することが分かります。気分が変わると欲求・バイアス・認知が変わるだけではなく、行動も大きく変化します。専門知識を全く不要とする手法ですので一人でできますが、捉えにくいときは相談できる相手と一緒に作成することをお薦めします。
「内的不適応円環図」と内的円環図法を行った後の「内的適応円環図」を比較すると、状況・出来事・人間関係は変わることはありませんが、認知・自動思考の再生や改善点がはっきりと浮かび上がります。そして気分・感情や身体反応は適応的に変化し気持ちも楽になります。このことからも気分・感情、心理的欲求、認知のバイアス・自動思考は円環関係にあることが解明されます。

STEP8⃣ ストレスコーピングの取り組みとサポート資源の活用

円環図法の比較で自己の客観視ができるようになり、ある程度肯定的に捉えられるようになってきています。そこで最終STEP8⃣として、コーピングとサポート資源に取り組みます。コーピングは行動するコーピングと認知のコーピングがあります。まずはコーピングレパートリーを作るところから始めます。サポート資源は自分を楽にしてくれる場所や関りなどがありますが、見つけにくい時にはサポーター(安心できる、心が落ち着く・和らぐ人物)に連絡してみることをお勧めします。

コーピングレパートリーとサポーターの詳しい内容は心理的危機対応「PCOP」でご覧になれます。

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