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アサーションの知識とトレーニング

目次

わかりやすいアサーショントレーニング

アサーショントレーニングの練習として、社会生活における5つの事例をステップごとに紹介します。このトレーニングにより、自己表現をしつつ、相手を尊重するコミュニケーションスキルを養うことができます。事例を使って、各ステップを練習することで、自然にアサーティブな表現が身につくようになります。

事例1: 部下からの報告に不満があった場合

STEP
ノン・アサーティブ

部下からの進捗報告が不十分だったが、気まずくて何も言えず「ありがとう」とだけ伝えた。

STEP
アグレッシブ

「ちゃんと状況を詳しく説明してくれないと困るんだよ!これでは何が進んでいるのか全く分からないじゃないか」と部下に強く当たった。

STEP
アサーティブ

「報告ありがとう。もう少し具体的な部分、特に予定や課題について教えてもらえると助かるんだ。進捗を確認することでサポートできる部分があれば協力したいと思うので、一緒に進めていこう」と伝える。

同僚の作業ミスに気づいた場合

STEP
ノン・アサーティブ

同僚のミスを見つけたが、指摘すると気まずくなりそうで何も言わなかった。

STEP
アグレッシブ

「こんなミスをしてたら全体の進行が遅れるから、ちゃんと確認してよ!」と強く指摘した。

STEP
アサーティブ

「ここの部分で少し修正が必要みたいだね。すぐに気づいてくれて助かったよ。何かサポートが必要なら一緒に確認しようか?」と丁寧に声をかける。

上司からの依頼が重なり、負担に感じる場合

STEP
ノン・アサーティブ

上司から依頼された業務が多く、負担になっていたが「はい、大丈夫です」と無理に答えた。

STEP
アグレッシブ

「こんなに多くの仕事を一度に頼むなんて無茶です!誰か他の人に振り分けるべきじゃないですか!」と苛立って伝えた。

STEP
アサーティブ

「このタスクを受け持つことで精一杯尽力します。ただ、他の業務も並行しているため、もし期限に余裕がない場合、他のメンバーのサポートをいただけるとありがたいです」と丁寧に伝える。

プライベートでの友人からの頼まれ事を断りたい場合

STEP
アサーティブ

友人に手伝いを頼まれたが、断るのが気まずくて「いいよ」と答えた。

STEP
アグレッシブ

「何度も頼まれてばかりでいい加減うんざりだよ!自分でやって!」と強く言ってしまった。

STEP
アサーティブ

「今回の件、とても助けになりたい気持ちはあるんだけど、ちょうど他の予定があるから手伝えそうにないんだ。ごめんね、また別の機会にできることがあれば協力したいと思ってるよ」と伝える。

レストランで注文と違う料理が来た場合

STEP
ノン・アサーティブ

注文と違う料理が運ばれてきたが、言いづらくてそのまま食べた。

STEP
アグレッシブ

「こんなの頼んでないんですけど!ちゃんと確認してくれませんか!」と怒って店員に言った。

STEP
アサーティブ

「すみません、注文したものと違う料理が運ばれてきたようです。確認していただけますか?」と丁寧に伝える。

夫婦やカップル間でのアサーショントレーニングとして、次の5つの事例を紹介します。関係を尊重しながら自分の気持ちを伝える練習として、各ステップでの表現の違いを見ていきます。事例を使い、パートナーとの関係においても、自分の気持ちを大切にしながら相手に配慮した表現を練習することで、より良いコミュニケーションが図れるようになります。

家事の分担について不満がある場合

STEP
ノン・アサーティブ

家事の負担が多く不満に感じているが、相手に言いづらくて「いいよ、私がやるから気にしないで」と言ってしまった。

STEP
アグレッシブ

「なんで私ばかり家事をしないといけないの?少しは自分でやってよ!」とイライラして強く言ってしまった。

STEP
アサーティブ

「最近、私の方が家事の量が多くなってきていると感じているの。お互いに負担を軽くするために、もう少し分担を見直せないかな?」と穏やかに提案する。

相手が予定を変えたことに対する不満

STEP
ノン・アサーティブ

相手が急にデートの予定を変更してきて、少し残念に感じたが「わかった、大丈夫」と気持ちを抑えた。

STEP
アグレッシブ

「なんでいつも自分勝手に予定を変えるの?もう少し考えてよ!」と怒って相手に不満をぶつけた。

STEP
アサーティブ

「今日の予定を楽しみにしていたから、少し残念に思ってしまった。でも、他にどうしても外せない予定があるなら仕方ないね。次のデートも楽しみにしてるね」と気持ちを伝える。

金銭面での管理について意見が違う場合

STEP
ノン・アサーティブ

相手の浪費に少し不安を感じたが、「私が心配しすぎかな」と自分の気持ちを伝えなかった。

STEP
アグレッシブ

「そんなに無駄遣いしてたら、貯金なんてできないよ!少しは考えたら?」と強く注意した。

STEP
アサーティブ

「最近の支出が少し多くて、将来のためにもう少し貯金したいなと思ってるんだ。二人で一緒に予算を見直してみない?」と協力的に提案する。

帰宅が遅いことに対する不安

STEP
ノン・アサーティブ

相手が連絡もなく遅く帰宅したが、何も言わず「おかえり」とだけ伝えた。

STEP
アグレッシブ

「何の連絡もなしに遅く帰ってくるなんてありえない!もう少しちゃんとしてよ!」と強く責めた。

STEP
アサーティブ

「遅くなるときは一言教えてもらえると安心できるの。遅くまでお疲れさまでした」と相手を労いつつも、自分の気持ちを伝える。

休みの日の過ごし方について意見が合わない場合

STEP
ノン・アサーティブ

一緒に出かけたかったが、相手が家で休みたいと言ったため「うん、分かった」と引き下がった。

STEP
アグレッシブ

「せっかくの休みなんだから出かけようよ!毎回家にいるなんてつまらないじゃない!」と押しつけるように言ってしまった。

STEP
アサーティブ

「今度の休み、一緒にどこか出かけたいなと思ってるんだけど、どうかな?無理しない範囲で一緒に楽しめると嬉しいな」と相手の体調を気遣いつつ提案する。

具体的なアサーショントレーニングとポイント

アサーション(assertion)は、心理学において自己主張のスキルやコミュニケーションスタイルを指す重要な概念です。アサーティブなコミュニケーションは、自分の意見や感情を適切に表現しつつ、他人の意見や感情も尊重するバランスの取れたスタイルです。次に、アサーティブなコミュニケーションスタイルの事例をいくつか挙げ、そのトレーニング方法について説明します。

「アサーティブ」トレーニング

事例
事例1: 職場での意見表明

状況
チーム会議で新しいプロジェクトの進め方について議論している。自分は異なる方法を提案したいが、他のメンバーはすでに別の方法に傾いている。

  • アサーティブな対応
    「皆さんの提案について聞かせていただき、興味深いと思いました。ただ、私は別の方法を考えています。それは、私たちが今まで試したことのないアプローチで、効率が上がる可能性があると思います。一度検討していただけませんか?」
  • トレーニングのポイント
    • 自分の意見を明確に述べる
    • 他人の意見を尊重しつつ、自分の提案を伝える
    • 理由を説明し、検討を依頼する
事例
事例2: 友人とのスケジュール調整

状況
友人が自分にとって都合の悪い日時に会おうと提案してきた。自分はその日程では難しいが、友人との関係を損ねたくない。

  • アサーティブな対応
    「その日は他の予定が入っていて難しいです。別の日にできると嬉しいのですが、どうでしょうか?例えば来週の水曜日や木曜日はどうですか?」
  • トレーニングのポイント
    • 断る理由を明確に伝える
    • 代替案を提案する
    • 友人の都合も考慮する姿勢を示す
事例
事例3: 家族との意見の相違

状況
家族が休日の過ごし方について異なる意見を持っている。自分はリラックスしたいが、家族は外出を提案している。

  • アサーティブな対応
    「外出の提案も良いですね。ただ、私は今週かなり疲れていて、できれば家でゆっくり過ごしたいと思っています。次の休日に外出するのはどうでしょうか?」
  • トレーニングのポイント
    • 自分の状態や気持ちを正直に伝える
    • 家族の提案を受け入れる姿勢を見せる
    • 妥協案を提示する
事例
事例4: 上司からの無理な仕事の依頼

状況: 上司から短期間で大量の仕事を依頼され、自分のスケジュールでは対応が難しい。

  • アサーティブな対応
    「この仕事を任せていただきありがとうございます。しかし、現在のスケジュールではこれを期限までに終わらせるのは難しいです。優先順位を確認して、どの仕事を先に進めるべきかご相談させていただけますか?」
  • ポイント
    • 感謝の意を示す
    • 自分の状況を明確に伝える
    • 解決策を一緒に考える姿勢を示す
事例
事例5: 隣人がうるさい場合

状況
隣人が夜遅くまで騒いでいて、睡眠に影響が出ている。

  • アサーティブな対応
    「こんばんは。少しお話ししたいのですが、最近夜遅くまでの音が気になっています。私は早朝に仕事があるため、もう少し静かにしていただけると助かります。ご協力いただけますか?」
  • ポイント
    • 丁寧な挨拶から始める
    • 自分の状況と要望を明確に伝える
    • 協力を求める姿勢を示す

アサーションスキルのトレーニング方法

STEP
ロールプレイ

実際の状況を再現し、アサーティブなコミュニケーションを練習します。友人や同僚と役割を交代しながら、様々なシナリオを試します。

STEP
自己評価とフィードバック

トレーニングの後、自分の対応を振り返り、改善点を見つけます。信頼できる人からフィードバックをもらうことも有効です。

STEP
「Iメッセージ」の練習

自分の感情や意見を「あなたは…」ではなく「私は…」で始めることで、攻撃的にならずに自己主張を行います。例えば、「あなたが遅れると困る」ではなく、「私は時間通りに進めたいと考えています」。

STEP
適切なボディランゲージの活用

言葉だけでなく、姿勢や目線、声のトーンなど、非言語コミュニケーションもアサーティブに保つ練習をします。

STEP
シナリオ作成

事前に難しい状況を想定し、その場でどうアサーティブに対応するかシナリオを考えます。この練習により、実際の場面で冷静に対応できるようになります。

アサーションスキルは一朝一夕に身につくものではありませんが、継続的な練習とフィードバックを通じて、より効果的に自己主張しつつ他人を尊重するコミュニケーションが可能になります。

「ノンアサーティブ」のトレーニング

ノンアサーティブなコミュニケーションスタイルは、自分の意見や感情を十分に表現せず、他人に対して遠慮しすぎることが多いことです。次に、ノンアサーティブなコミュニケーションスタイルの具体的な事例をいくつか挙げ、それぞれのトレーニング方法について説明します。

事例
事例1: 職場での意見表明

状況
チーム会議で新しいプロジェクトの進め方について議論している。自分は異なる方法を提案したいが、他のメンバーはすでに別の方法に傾いている。

  • ノンアサーティブな対応
    「ええと、皆さんの提案は良いと思います。私は特に何もありません。」
  • トレーニングのポイント
    • 自己評価: 自分の意見があるにも関わらず、他人に合わせて意見を言わなかった理由を考える。
    • ロールプレイ: 上司や同僚と話す練習をし、自分の意見を明確に伝えるトレーニングをする。
    • ポジティブなセルフトーク: 「私の意見も重要だ」と自分に言い聞かせる。
事例
友人とのスケジュール調整

状況
友人が自分にとって都合の悪い日時に会おうと提案してきた。自分はその日程では難しいが、友人との関係を損ねたくない。

  • ノンアサーティブな対応
    「うん、大丈夫。何とかするよ。」
  • トレーニングのポイント
    • 自己認識: 自分の都合を無視してしまった理由を振り返る。
    • シナリオ作成: 別の日程を提案する練習をする。「その日は難しいので、別の日にしましょうか?」というフレーズを練習する。
    • サポートグループ: 同じような状況にある人たちと話し合い、意見交換をする。
事例
事例3: 家族との意見の相違

状況
家族が休日の過ごし方について異なる意見を持っている。自分はリラックスしたいが、家族は外出を提案している。

  • ノンアサーティブな対応
    「うん、分かった。みんながそうしたいなら、それでいいよ。」
  • トレーニングのポイント
    • 自己評価: 自分の希望を言わなかった理由を考える。
    • 段階的な自己主張: 小さな自己主張から始める。例えば、「今週は家でリラックスしたいので、次の休日に外出しませんか?」と提案する練習をする。
    • フィードバックの受け取り: 家族や友人からフィードバックをもらい、改善点を見つける。
事例
事例4: 上司からの無理な仕事の依頼

状況
上司から短期間で大量の仕事を依頼され、自分のスケジュールでは対応が難しい。

  • ノンアサーティブな対応
    「はい、分かりました。やってみます。」
  • ポイント
    • 自分の負担を伝えず、無理な仕事を引き受ける
    • ストレスや疲労がたまりやすい
事例
事例5: 隣人がうるさい場合

状況
隣人が夜遅くまで騒いでいて、睡眠に影響が出ている。

  • ノンアサーティブな対応
    (何も言わず、我慢する)
  • ポイント
    • 自分の困りごとを伝えない
    • 問題が解決されない

ノンアサーティブなスタイルのトレーニング方法

STEP
自己認識

自分がノンアサーティブな行動を取った時に、その状況や感情を記録します。これにより、どのような状況で自己主張が難しくなるのかを把握します。

STEP
ロールプレイ

自分がノンアサーティブになりやすいシチュエーションを再現し、アサーティブな対応を練習します。友人や同僚と役割を交代しながら、様々なシナリオを試します。

STEP
シナリオ作成

自分がノンアサーティブになりやすい状況を具体的に書き出し、その場でどうアサーティブに対応するかを考えます。これにより、実際の場面で冷静に対応できるようになります。

STEP
自分の価値観を再確認

自分の意見や感情が他人の意見や感情と同じくらい重要であることを認識します。これは自己肯定感の向上に繋がります。

STEP
「Iメッセージ」の練習

自分の感情や意見を「私は…」で始めることで、攻撃的にならずに自己主張を行います。例えば、「私は時間通りに進めたいと考えています」。

STEP
小さな成功体験を積む

小さな自己主張から始め、徐々に自信をつけていきます。例えば、カフェで自分の好みの飲み物を頼むなど、日常の中で練習します。

STEP
サポートグループ

同じようにアサーションスキルを向上させたい人たちと集まり、互いにサポートし合います。これにより、実践的なフィードバックを得ることができます。

STEP
ポジティブなセルフトーク

自分に対して「私は自分の意見を言ってもいいんだ」「私の感情は大切だ」といったポジティブな言葉をかける練習をします。

自分の気持ちや意見を尊重することが大切だと認識し、日常的に自分の感情を確認する習慣をつけます。

ノンアサーティブなスタイルを変えるには時間と努力が必要ですが、これらのトレーニングを通じて徐々に自己主張ができるようになり、より健全でバランスの取れたコミュニケーションが可能になります。

「アグレッシブ」のトレーニング

アグレッシブな会話は、自分の意見や感情を押し付け、他人の権利や感情を無視するコミュニケーションスタイルです。このようなスタイルは対立や緊張を引き起こしやすく、長期的には人間関係に悪影響を与えることがあります。

事例
事例1: 職場での意見表明

状況: チーム会議で新しいプロジェクトの進め方について議論している。自分は異なる方法を提案したいが、他のメンバーはすでに別の方法に傾いている。

  • アグレッシブな対応
    「皆さんの提案は全然ダメだと思う。私のやり方が一番だから、これで進めるべきだ。」
  • ポイント
    • 他人の意見を全否定する
    • 自分の意見を強引に押し付ける
    • 対話を促さず、一方的に決めつける
事例
事例2: 友人とのスケジュール調整

状況: 友人が自分にとって都合の悪い日時に会おうと提案してきた。自分はその日程では難しいが、友人との関係を損ねたくない。

  • アグレッシブな対応
    「そんな日程じゃ無理に決まってるだろう!どうしていつも自分の都合ばかり押し付けるんだ?」
  • ポイント
    • 友人を非難する
    • 相手の都合を考慮しない
    • 攻撃的な言葉遣いを使う
事例
事例3: 家族との意見の相違

状況
家族が休日の過ごし方について異なる意見を持っている。自分はリラックスしたいが、家族は外出を提案している。

  • アグレッシブな対応
    「また外出?もういい加減にしてよ。俺が疲れてるのわからないのか?」
  • ポイント
    • 家族の提案を無視して自分の意見を強調する
    • 感情的に相手を非難する
    • 相手の感情や意見を尊重しない
事例
事例4: 上司からの無理な仕事の依頼

状況
上司から短期間で大量の仕事を依頼され、自分のスケジュールでは対応が難しい。

  • アグレッシブな対応
    「こんな量の仕事、無理に決まってるでしょ!何考えてるんですか?」
  • ポイント
    • 上司の依頼を無下に否定する
    • 上司を非難する
    • 解決策を提案せず、ただ否定する
事例
事例5: 隣人がうるさい場合

状況

隣人が夜遅くまで騒いでいて、睡眠に影響が出ている。

  • アグレッシブな対応
    「おい、うるさいぞ!静かにしろって何回言えばわかるんだ!」
  • ポイント
    • 隣人を強く非難する
    • 命令口調で話す
    • 感情的になりすぎて対立を招く

DEAR MANスキル

対人関係の有効性を高めるための主要なスキルとして、DEAR MANのフレームワークを紹介します。このスキルは、リクエストや自己主張をするときに、自分のニーズを効果的に伝えつつ、相手との関係を壊さないようにするためのものです。
まず、相手に自分の意見やニーズを効果的に伝えるために、『DEAR MAN』というスキルを使ってみましょう。これは、特定の状況で自分の意見を伝えるためのフレームワークです。

  • D: Describe(状況を説明する) – 客観的に状況を説明する。
    • 「最近、家事が全て私に任されていると感じていて、一人でやることが多すぎるの。」
    • → 事実を客観的に描写する。感情や意見を入れず、何が起きたかを説明する。
    • まず、Dは『Describe(描写)』です。夫との対話でまず何が起きたのか、感情や主張を交えずに客観的な事実を説明しましょう。例えば、どんな問題を夫に伝えたいですか?」
  • E: Express(感情を表現する) – 自分の感情を適切に表現する。
    • 「そのせいで、とても疲れていて、イライラしてしまうことがあるの。」
    • → 自分の感情や気持ちを正直に表現する。批判や非難を避け、感情に焦点を当てる。
    • 次に、Eは『Express(感情を表現)』です。自分の感情を非難ではなく、正直に表現することが大切です。例えば、その時にどんな感情を感じていますか?」
  • A: Assert(要求する) – 具体的な要求や希望を述べる。
    • 週に一度、一緒に家事を分担してもらえると助かるんだけど、どうかな?」
    • → 自分のニーズやリクエストを明確に主張する。曖昧な表現は避け、具体的に伝える。
    • そして、Aは『Assert(主張)』です。具体的に何を望んでいるか、明確にリクエストしましょう。例えば、どうしてほしいと思っていますか?」
  • R: Reinforce(強化する) – 相手に協力してもらうことで得られる利益を示す。
    • 「もし手伝ってもらえたら、私ももう少しリラックスできるし、家での時間をもっと楽しめると思う。」
    • → 相手にとっても利点があることを強調し、協力を得やすくする。
    • 次にRは『Reinforce(強化)』です。夫が協力した場合、それがどう役立つのか、利点を伝えてみましょう。例えば、どのように夫に伝えますか?」
  • M: Mindful(意識的である) – 会話中に集中し、脱線しないようにする。
    • → 議論中に注意をそらさず、相手の反応に過剰に振り回されない。
    • 次に、Mは『Mindful(マインドフルネス)』です。夫の反応に過度に反応せず、冷静さを保ちながら話を進めることが重要です。相手が反論してきても、それに巻き込まれず、話し合いに集中することが大事です。」
  • A: Appear Confident(自信を持っているように見せる) – 自分の意見に自信を持つ。
    • → 自信を持って、毅然とした態度で臨む。声のトーンや姿勢も意識する。
    • 次に、Aは『Appear confident(自信を持つ)』です。声のトーンや姿勢にも気を付け、自信を持って話しましょう。自分のニーズを主張する際、自信を持って伝えることが、相手にとっても説得力を増します。」
  • N: Negotiate(交渉する) – 必要に応じて妥協点を探る。
    • → 柔軟に対応し、譲歩や交渉の余地を残す。相手の意見にも耳を傾け、共通の解決策を探る。
    • 最後に、Nは『Negotiate(交渉)』です。夫にも事情があるかもしれないので、相手の意見も聞きながら、妥協点を探すことが重要です。例えば、夫が忙しい時は家事を少し手伝ってもらい、育児の負担を週末に軽減してもらうというように、交渉してみることも考えましょう。」

GIVEスキル

対人関係の維持を重視するためのGIVEスキルを紹介します。これは、関係を壊さずに自分の意見を伝える方法です。
関係性を重視しながらコミュニケーションを取るためのスキル『GIVE』を紹介します。これは、あなたの要求を伝えつつ、相手との関係を大切にするためのものです。

  • G: Be Gentle(優しく) – 攻撃的にならないように話す。
    • → 優しく接する。攻撃的な言動や態度を避け、相手を傷つけないように配慮する。
    • まず、Gは『Gentle(優しさ)』を表しています。相手と話す時、攻撃的な態度や批判を避け、優しい言葉や表現を使うことが大切です。たとえば、ママ友と話すとき、相手の意見に反発したくなる時もあるかもしれませんが、その時に柔らかく反応することが関係を保つのに役立ちます。
  • I: Act Interested(興味を示す) – 相手の意見に対して興味を持って接する。
    • → 相手に対して興味を持ち、真摯に話を聞く。相手の話に対して共感や理解を示す。
    • 次は、Iです。これは『Interested(興味を持つ)』の頭文字です。相手の話を聞いて、その内容に関心を持つことが重要です。相手が何か話している時、心ここにあらずという態度だと、相手はその無関心さを感じてしまいます。たとえ話題がつまらなくても、真摯に興味を持って耳を傾けるよう心がけてみましょう。」
  • V: Validate(肯定する) – 相手の感情や意見を理解し、受け入れる。
    • → 相手の感情や考え方を肯定し、理解していることを伝える。相手の経験や感情が正当であることを認める。
    • 次に、Vは『Validate(肯定する)』です。これは、相手の感情や意見を尊重し、その正当性を認めるという意味です。たとえば、ママ友が子どもに関する悩みを話しているとき、あなたの経験とは異なるかもしれませんが、その悩み自体は相手にとって本物であることを理解し、『大変だね、それは辛いよね』と共感することで、相手に安心感を与えることができます。」
  • E: Easy Manner(気楽に接する) – リラックスした態度で接する。
    • → 自然体でリラックスした態度を保つ。過剰に緊張せず、笑顔やユーモアも使いながら柔軟に対応する。
    • そして最後に、Eは『Easy Manner(自然体で接する)』です。これは、あまり気を張りすぎず、リラックスした態度で接することを指します。過剰に緊張せず、笑顔やユーモアを交えながら、自然体で会話することが大切です。そうすることで、相手もリラックスしやすくなり、よりフランクなやりとりができるようになります。」

FASTスキル

自己尊重を維持しながらコミュニケーションを取るためのFASTスキルを紹介します。
自己尊重を守るためには、FASTスキルを使うことも重要です。このスキルは、自分の価値や自己尊重を維持しながら、相手に対応するためのものです。

  • F: Be Fair(公平である) – 自分にも相手にも公平であること。
    • まず、Fは『Fair(公平であること)』です。これは、相手にも自分にも公平に接するということです。ママ友の関係で、いつも相手に合わせすぎて自分を犠牲にしてしまうことが多いかもしれませんが、時には自分のニーズも大切にし、バランスを取ることが重要です。
  • A: No Apologies(謝りすぎない) – 自分の正当な要求や意見について、過度に謝罪しない。
    • 次に、Aは『Apologies(過剰な謝罪の回避)』です。あなたは、つい過剰に謝ってしまうことがありませんか?過剰な謝罪は、自分の尊厳を損ねることがあります。もちろん、誤りがあれば謝ることは大切ですが、必要以上に謝らないようにしましょう。『謝らなければいけない』という強迫観念から解放され、自分が感じている感情を正直に表現することが大切です。相手に気を遣いすぎるあまり、あなた自身が疲れてしまうのは良くありません。自分を守るためにも、必要な時だけ謝るように意識してみます。
  • S: Stick to Your Values(自分の価値観に従う) – 自分の価値観や信念を尊重する。
    • 次は、Sです。これは『Stick to values(価値観に忠実であること)』を意味します。例えば、あなた自身の価値観や大切にしていることを曲げずに、それに忠実でいることが大切です。時に他者と意見が異なる場合もあるでしょうが、自己尊重を保つためには、自分の価値観を犠牲にしないことが重要です。特に、相手との関係を重視しすぎると、自分の価値観や信念を後回しにしてしまうことがあります。ですが、自己尊重を保つためには、自分が大切にしているものをしっかりと認識し、それに従って行動することが必要です。
  • T: Be Truthful(誠実である) – 誠実に、自分の気持ちを偽らずに伝える。
    • 最後にTは、『Truthful(誠実であること)』です。これは、自分の感情や考えを正直に表現することを意味します。例えば、無理に相手に合わせるために嘘をついたり、感情を隠したりしないように心がけます。正直で誠実であることは、長期的に見て、自分自身にとっても、他者にとっても大切です。自分の気持ちを隠したり、相手に合わせすぎて無理をしてしまうと、結果的に自分が傷ついてしまいます。正直に自分の気持ちを伝えることで、相手との関係もより健康的になりますし、あなた自身も自己尊重を保つことができます。

アグレッシブなコミュニケーションのトレーニング方法

STEP
自己認識

自分がアグレッシブな行動を取った時に、その状況や感情を記録します。これにより、どのような状況で攻撃的になりやすいのかを把握します。

STEP
ロールプレイ

アグレッシブになりがちなシチュエーションを再現し、アサーティブな対応を練習します。友人や同僚と役割を交代しながら、様々なシナリオを試します。

STEP
エンパシーの練習

他人の感情や立場を理解する練習をします。例えば、相手の話を最後まで聞き、「あなたの意見も理解できる」と言った共感の表現を取り入れます。

STEP
「Iメッセージ」の練習

自分の感情や意見を「私は…」で始めることで、攻撃的にならずに自己主張を行います。例えば、「私は時間通りに進めたいと考えています」。

STEP
ストレス管理

攻撃的になりやすい時のストレスを管理する方法を学びます。深呼吸やリラクゼーション法、運動などを取り入れることが有効です。

STEP
適切なボディランゲージの活用

言葉だけでなく、姿勢や目線、声のトーンなど、非言語コミュニケーションもアサーティブに保つ練習をします。

アグレッシブなスタイルを改善することで、対立を避けつつ自己主張ができ、より健全でバランスの取れた人間関係を築くことができます。

  • “Your Perfect Right: Assertiveness and Equality in Your Life and Relationships”
    • 著者: Robert E. Alberti, Michael L. Emmons
    • 出版社: Impact Publishers
  • “The Assertiveness Workbook: How to Express Your Ideas and Stand Up for Yourself at Work and in Relationships”
    • 著者: Randy J. Paterson
    • 出版社: New Harbinger Publications
  • “When I Say No, I Feel Guilty”
    • 著者: Manuel J. Smith
    • 出版社: Bantam
  • “Assertiveness at Work: A Practical Guide to Handling Awkward Situations”
    • 著者: Ken Back, Kate Back
    • 出版社: Pearson
  • “The Assertiveness Guide for Women: How to Communicate Your Needs, Set Healthy Boundaries, and Transform Your Relationships”
    • 著者: Julie de Azevedo Hanks
    • 出版社: New Harbinger Publications
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