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否定的な出来事も嫌な相手も肯定的に捉える簡単な方法

目次

否定的な出来事や状況も肯定的に変換し、苦手な対象者も視点や角度を変えて観察することで新しい評価が生まれます。この否定的事案から肯定的に捉えるリフレーミングの継続が生きやすさに繋がります。

出来事や体験、相手の印象など、今までの体験や相手の印象で否定的な見方や視点で捉えることも多いと思います。しかし、見方や視点を少し変えれば同じ出来事や状況、内容、対象が否定的であっても肯定的に変えることができます。モノの見方や視点のことを「フレーム」といい、フレームを変えることを「リフレーミング」と言います。
印象や苦手な相手を否定せず自己の物差しも捨て、新しい見方や発見、視点でリフレーミングすることで相手を嫌な印象から好転させることができます。また、逃げ出したい状況すらも役立つ糧に、そして嫌だった内容も良い意味の視点で捉えられるようになります。
出来事や相手が変わることはありませんが、別の角度や反対の意味からモノの見方や視点のリフレームにすることで受け止め方が変わるということです。

リフレーミング

「状況のリフレーミング」の例

リフレーミングには、出来事や対象に対して肯定的で役立つ状況を見つける「状況のリフレーミング」と肯定的な内容や意味に捉え直す「内容のリフレーミング」があります。
状況のリフレーミングは、状況や環境を変えることで肯定的な意味を見つけられ可能性を広げることができます。
要するに、その人や物事は納得できない状態なのではなく、他のどのような状況ならば力を発揮できるか、役立つかの背景を見直すことです。

例えば、常に大きな声が出る人、大きな声で話す人がいるとします。電車の中でも、喫茶店でも、カラオケでもマイクが割れてしまうくらいの歌声など、大きな声の持ち主とのお付き合いはとても疲れてしまいます。ただし、状況がキャンプや運動会など外でのイベントや火災や災害だと一変します。大きな声の出る人は多くの群衆をまとめる声の力を持っています。
例えば、仲間で親睦を目的にスポーツ大会を開催しました。A君はスポーツが得意で周りからたくさんのオファーがありましたが、A君はサーッカーを選択しました。しかし、とても上手で格が違うくらいなのですが、ワンマンプレーばかりで唖然としました。結果はチームの1回戦敗退でした。ところが、A君は次にテニスに参加して、見事優勝を遂げました。このようにチームプレイには貢献できなくても、単独で進めるスポーツは成功します。状況が変わると180度変化した結果になります。

出来事・対象状況リフレーミング
おしゃべりな人だ  ➡無口な人にも対応できる
指示が細かい上司だ ➡仕事の進行は他力本願できる
飲みすぎる人だ   ➡接待には向いている
目立ちすぎる人だ  ➡プレゼンには最適な人材だ
調子に乗りやすい人だ➡宴会、partyの司会向きだ

「内容のリフレーミング」(意味のリフレーミング)の例

内容のリフレーミングは意味のリフレーミングでもあり、物事を多角的に捉え出来事への意味づけを肯定的に考え直すことでモチベーションを上げることができます。
物事には一つだけの意味や意義ではなく、他に考えたらどんな肯定的なプラスの価値があるのだろうか。と新たな枠組みを見出すことです。

例えば、人事異動で東京本社から地方の支店へ転勤を命ずられた際に、これは左遷だ、やめて欲しいのかな、独り暮らしか、この会社にいても将来性がないなと不安を感じてしまうのは当然のことです。しかし、この状況は何らかの意味や意義を見出すことはできないかと考えると、まさに多角的に考えられます。

  • 地方には本社の厳しい上司にも直接会うこともなく、委縮して提案も出せなかった状況が変わる。課長という役職も与えられているのだから、のびのびと企画を考えられる。
  • 本社に戻った際に支店での経験は支店管理業務などで生きた仕事につながるし、本社の地方に対しての机上の空論ではなく、直接闘ってきた体験から物事を判断できる。実際に部長クラスは地方支店の経験者ばかりだ。
  • 地方手当もついているので、今までよりもプライベートは充実できるし、奥さんの厳しいチェックも届かないので満喫できるかもしれない。郷土料理も堪能できるし、地方の方々とも触れ合うことができる。ストレスの発散にはもってこいだ。

このように、肯定的な意味や意義はたくさん見つかります。出来事として一部だけを見るのではなく理想の状態への過程であり、未来に向かう途中であることに気付くことが大切となります。

出来事・対象内容のリフレーミング
計画性がない人だ  ➡臨機応変な対応ができる
口数が少ない人だ  ➡落ち着いていて世界がある
八方美人な人だ   ➡人づきあいが上手だ
すぐ怒る人だ    ➡情熱的だ
融通が利かない人だ ➡ルールを守れる人だ

どちらもモノごとを見る視点を変えることで受け取り方にバリエーションを持たせていくことができます。
出来事・対象➡フレーム➡リフレーミング➡理想の状態です。

リフレーミングは否定的に感じる出来事を肯定的な状況や内容に捉え、その変化して受け取った影響を相手にも与えることで、自分も相手も意欲の向上が沸き起こりチャンスの幅も広がります。現実で起こる出来事を否定するのではなく、さらに見方を変えたもう一つの現実を見ることです。
また、苦手意識がある対象者でも斬新に角度を変え評価すれば思わぬ良さが見えてきます。このことで相手の印象も変わるだけではなく、相手から望ましいシグナルが出てきてコミュニケーションに新しい選択肢が増えてきます。リフレーミングすることで、今までは苦手な相手の批判をしてきた思いも中和されていきます。
さらにリフレーミングは、対人のコミュニケーションだけではなく、自分に対して使うことでマイナスに考えてきた癖や短所に別の意味を見出すことができます。嫌いなところを直そうとすることは前向きですが、嫌いなところをリフレーミングで受け入れることも一つの方法となります。
リフレーミングは今までとは違う別の選択肢を広げて多様に物事を捉えようとするものです。

リフレーミングのワークをしてみる

ノートやパソコンで表を作り、左側にリフレーミングの対象となる出来事や体験の事実を書きだします。
表の右側にはリフレーミング後の解釈を書きだします。難しいと感じる場合は次のように考えてみます。

  1. 事実を正確に捉える
  2. 現状の枠組みに注意を向ける
  3. 別の枠組みに目を向ける
出来事リフレーミング後の解釈
自分が他人から相談され、励ます場合の言葉を思い浮かべる
今起きたことは、将来どんな価値に変わるのだろうと想像する
自分の周りから理想の人を思い浮かべ、その人ならどんな考えをするのかイメージする
出来事や体験の事実から得られたことに目を向けてみる
否定的な感情の他の可能性を検証してみる
否定的な感情をユーモアや笑い話に変えてみる
出来事や体験を不幸中の幸いと考え、大事にならなくてよかったをイメージする
「どうしよう」ではなく「どうしたいのか」に焦点を当ててみる
間接的な比喩で考えてみる「七転び八起き」「失敗は成功の基」
5W1H的に考えてみる「いつ」「どこで」「誰が」「なぜ」「なにを」「どのように」
「裏を返せば」的に言葉や行動の裏に隠されている事実を探ってみる
思い込んだ別の可能性を考える
より悪かった場合の想像をしてみる
嫌なことも経験を積むチャンスだと考える
批判されても自分の問題に気付けていると考える
悪いことが起きたが、その中のメリットを考えてみる
臆病なことは想像力が豊かであるという方向で考える
内向的なのは何かに集中することができるという方向で考える
不完全さや不器用は好感が持てるという方向で考える
クレームは問題点を発見できる宝庫だと考える
ダメ出しは伸びしろが感じられるという方向で考える

リフレーミング:ケース2

リフレーミング(Reframing)は、NLP(神経言語プログラミング)におけるコミュニケーションや認識の手法の一つであり、状況や問題を異なる視点や枠組みで捉え直すことを意味します。
リフレーミングによって、課題や制約をよりポジティブな形でとらえることができ、新たな洞察や解決策を見つけることができます。次に、リフレーミングの手法や技法についてまとめます。

  • コンテクストの変更
    • リフレーミングの一つの手法は、状況や問題を異なるコンテクスト(文脈)に置き換えることです。同じ出来事や状況でも、異なるコンテクストで見ることによって新たな視点や意味が見つかることがあります。
      例えば、失敗したプロジェクトを学びの機会として捉えることができます。
  • パースペクティブの変更
    • リフレーミングでは、問題や状況を異なる視点やパースペクティブで見ることも重要です。
      例えば、困難な状況を成長のチャンスとして捉えることができます。違った視点を持つことで、新たなアイデアや解決策が見えてくる場合もあります。
  • 目標の再定義
    • リフレーミングでは、問題や状況を解決するための目標を再定義することもあります。
      例えば、特定の目標が達成できない場合、その目標をより実現可能な形に再定義することで、モチベーションや行動の方向性を変えることができます。
  • 言語の変更
    • リフレーミングでは、言語や表現の仕方を変えることも効果的な手法です。
      例えば、問題を「課題」や「チャレンジ」と表現することで、ポジティブな意味合いを持たせることができます。また、否定的な表現から肯定的な表現に変えることで、状況の評価や感情の状態を変えることができます。
  • メタファーの使用
    • リフレーミングでは、メタファー(隠喩)を使って問題や状況を表現することもあります。メタファーは、物事を別の物事と関連付けることで新たな意味を与えることができます。
      例えば、人生を旅にたとえることで、困難な状況を冒険として楽しむことができます。
  • オプションの増加
    • リフレーミングによって、問題や状況に対する新たなオプションや選択肢を見つけることができます。これにより、より多様な解決策を考えることができ、制約を克服するための柔軟性を持つことができます。
  • 目的の再設定
    • リフレーミングでは、問題や状況に対する目的や意義を再設定することもあります。
      例えば、困難な状況が自己成長や他者への貢献に繋がる意義のある経験として再定義することができます。

リフレーミングは、問題解決やコミュニケーションの場で広く活用される技法です。問題や状況を異なる視点や枠組みで見ることによって、新たな洞察や解決策を生み出し、より良い結果を得ることができます。リフレーミングは柔軟な思考と創造性を促進し、ポジティブな心構えを養う上でも効果的です。

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