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カップル・カウンセリングの具体的セッション

目次

カップル・カウンセリング、セラピーの夫婦や恋人の評価・修復・離婚支援の具体的セッションを公開

カップルカウンセリングやカップルセラピーの目的には、クライエントの状況やニーズによってさまざまな側面があります。基本的な目的としては、「カップル間のコミュニケーションと相互理解を深め、望ましい未来への選択をサポートする」ことが挙げられますが、状況に応じて具体的な役割が分かれます。

カップルカウンセリングは、単に「関係を続けるか別れるか」の二者択一を迫るものではなく、カップルが意識的に未来の方向を選び取るためのサポートをする場です。カウンセリングにおいては、カップルがそれぞれの感情や希望、価値観を再認識し、お互いにとって最適な関係を築くためのサポートを提供することが求められます。そのため、「評価」「修復」「意思決定」「サポート」など、多様な役割を担う柔軟なプロセスと言えます。

カップルの問題や課題を評価・整理する

カウンセリングの初期段階では、カップルの関係における問題の本質や背景に焦点を当てます。これにより、パートナー双方が関係で何を感じているのか、どんなニーズが満たされていないのかを明確化します。この段階の目的は、カップルが自分たちの感情や問題点を整理し、自己理解と相互理解を深めることです。ここでの評価は、関係を続けるべきか見直すべきかを考える基盤にもなります。

コミュニケーションや問題解決スキルを向上させる

カップルセラピーの多くは、コミュニケーションの改善と問題解決スキルの向上に焦点を当てます。カップル間の対話を円滑にし、誤解や感情の行き違いを減らすことで、日常の問題への対処がしやすくなります。これにより、関係性の維持や修復が可能となり、互いに健康的な方法で関わる力を育むことが目標となります。

関係の修復を支援する

特に修復を望むカップルに対しては、セラピーを通じて信頼や絆を再構築することが目的となります。これは、関係が冷え込んだり、不貞や裏切りがあった場合でも同様です。セラピストは、カップルが感情を共有し、理解を深め、傷ついた部分の癒しに向けたアプローチを提供します。また、関係修復が進むことで、お互いが安全で安定した関係を築くサポートを行います。

離婚や別離のプロセスをスムーズに進める

すでに離婚の方向に気持ちが固まっているカップルに対しては、離婚が子どもや将来に及ぼす影響を少しでも軽減することが重要です。この場合、感情的な整理や、離婚後の生活に関する現実的な話し合いが行われます。さらに、調停や法的な手続きが必要な場合にも円滑に進められるように支援します。カップルが協力的な関係を維持しながら、離婚のプロセスを進めることもカウンセリングの役割の一つです。

自己成長やパートナーシップの可能性の拡充

カウンセリングを通して、カップルが自分自身の価値観や人生観、パートナーシップにおける役割を再確認する機会ともなります。これにより、互いのパートナーシップが個人の成長や生活の質を高める要素として作用する可能性を探り、双方の自己理解が深まるきっかけを提供します。

このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

36歳で2人の子供がいる母親の相談

私は年齢が36歳で2人の子供がいる母親です。夫とは関係が壊れていて離婚の話が出ている状況です。子供は2人とも男の子で7歳、5歳です。いつも騒がしく喧嘩が絶えない兄弟だと思います。
以前からうつの傾向はありましたが、2人目の子供が生まれた時期のうつ症状が強ったと思います。夫の協力が何一つなく私に任せきりだった中で、親とも疎遠で頼る人もいなく情緒の不安定、不眠、集中力の低下、落ち込み、焦燥感を感じていました。この状況が毎日続いているので、イライラが募る一方です。家事をするのも手につかず億劫になることもあり、小学生や幼稚園のママ友との付き合い方がわからなく、気を遣うばかりで疲れ切っています。そんな中でも、夫は自分の付き合いや趣味ばかりで休みの日でも何一つ協力はありません。外に出れば鉄砲玉のようにいつ帰ってくるのかもわからないこともしばしばです。結婚して8年になりますが、現在は離婚後のことを考えて看護師として週に3日働いています。
2人目の子供が生まれたあたりから、相性が合わないなどの懸念を抱いていて、ここ2、3年は嫌悪も抱くようになっています。夫はお酒ばかり飲んでいて、言葉もきつく嫌みだけ言われているような感じがします。私もすぐにかっとなって怒鳴ることばかり繰り返していて、自分自身のことも嫌になってきています。ただ、子どもを育てていくことと、子どもの不憫さを考えると離婚には躊躇しています。子供にも叱責することが多くなってきていることからも、早く結論を出さなければならないと思っています。

カップルカウンセリングのステップ

このケースでは、まず、クライアントの関係性を深く理解し、共感的にサポートすることが重要です。このクライアントの状況に沿ったアプローチのポイントです。

  • 初期評価と目標設定
    • 個別面談:まず、クライアントとそのパートナーの両方と個別に話し、各々の視点や感情を確認します。彼女の場合は、不安定な情緒、育児負担、夫への失望と疎外感が強調されています。夫側にも面談し、夫が抱える可能性のあるストレスや、夫の視点での関係についての不満を確認します。
    • 目標の設定:個別面談を経て、二人の関係の目指す方向(離婚を視野に入れるか、再構築の意思があるかなど)を話し合います。関係修復の可能性がある場合、互いに目指す理想的な関係像を共有し、具体的なゴールを設定します。
  • コミュニケーションの改善
    • 感情表現の練習:イライラや怒りが募っている状況で、感情が過剰に出やすくなっています。そのため、感情を適切に表現する方法を学び、無意識に相手を傷つけてしまわないようにします。
    • アサーティブ・コミュニケーション:自分の意見を主張する練習をすることで、互いに不満を聞き入れやすい環境を作ります。彼女のケースでは、「私は○○と感じる」といった形で自分の感情を相手に伝える方法を学ぶと効果的です。
  • 役割と責任の見直し
    • 家庭内の役割分担の調整:育児や家事の負担をどのように分担するか、具体的に話し合う時間を持つことが必要です。夫にも協力の重要性を理解してもらい、夫の生活スタイルが関係に及ぼしている影響を考え直してもらいます。
    • サポートネットワークの強化:親や友人に頼ることができるよう、サポートを受ける方法やコミュニティ支援なども一緒に探します。
  • 感情コントロールのトレーニング
    • ストレス管理:イライラやかっとなる感情が家庭内に影響を及ぼしているため、リラクゼーション法やマインドフルネスを取り入れることで、感情の安定を図ります。
    • 自己肯定感の向上:自己嫌悪に陥ることが多いため、カウンセリングの中で小さな成功体験を認め、感情面での安定を図ります。
  • 将来の決断サポート
    • 離婚の意思を整理する:離婚後の生活や子供への影響についても丁寧に整理し、将来的にどのような選択が最善であるかを一緒に考えます。
    • 子どもにとっての最善を考える:子どもとの関係を良好に保つために、育児支援や教育方針についても話し合い、離婚や関係修復のどちらに進む場合でも、子どもの心理的安定が図れるようにサポートします。

このケースでの特別な配慮

カップルカウンセリングは、双方の感情やニーズを公平に受け止め、バランスよく進めていくことが大切です。

  • 個別の心理サポート:特にクライアントの情緒不安定やうつ症状についても並行してサポートを提供し、メンタルヘルスの回復を図ります。
  • 共同の目標に対する柔軟性:夫婦が話し合う中で柔軟に目標を見直し、可能な範囲で二人が前向きな行動を取れるようサポートします。

一般的なカップルセラピー:9回のセッション

カップルカウンセリングのセッションでは、段階的なアプローチによって、双方が互いの感情や問題をより深く理解し、関係を修復するためのサポートを行います。
カップルカウンセリングでは、段階ごとにしっかりとした進行を図りながら、カップルが互いを理解し、関係を修復または再定義するためのサポートを提供します。

STEP
初回評価セッション

初回評価セッションは、カウンセラーがカップルの基本的な情報を把握し、カップルの課題や期待を理解する場です。クライアントが感じている問題や抱えている不満を整理し、双方の考えを話しやすい雰囲気作りをします。また、カウンセリングのプロセスについて説明し、同意を得ます。

STEP
具体的な問題の明確化

この段階では、カップルが直面している具体的な問題(例:コミュニケーションの欠如、親子関係、金銭管理、価値観の違いなど)を明確にします。具体化することで、問題が漠然としたものではなくなり、解決に向けて現実的な対応策を考えやすくなります。

STEP
評価と目標設定

初回評価と具体的な問題の明確化を基に、カウンセラーはカップルの関係の現状や抱えている問題についての評価を行います。その上で、どのような目標を達成したいかを確認し、共有の目標を設定します。たとえば「信頼関係の再構築」「コミュニケーションの改善」など、具体的な目標をカップルと共に明確化します。

STEP
問題のパターンとトレンド

過去の問題がどのように繰り返されてきたか、どんなパターンが存在するかを確認します。たとえば、些細なことで頻繁に口論になる場合、その背景や引き金となる要素を特定し、問題の根本的な要因を理解するようサポートします。この分析を通じて、悪循環から抜け出すための対応策を見つけます。

STEP
個別セッション

個別セッションでは、各クライアントがパートナーとの関係における個人的な問題、ストレス、過去の傷つきなどを整理する場です。お互いの考えや感情を深く掘り下げ、個々の課題に集中して取り組むことができます。これにより、個人の自覚が深まり、パートナーとの関係にどう向き合うかを再確認できます。

STEP
ジョイントセッション

ジョイントセッションでは、カップル双方が同席し、互いの感情や意見を共有する機会を持ちます。カウンセラーが促進役となり、適切に互いの話を引き出し、聞き手としてのスキルも強調します。これにより、感情を安全に表現できる環境を提供し、共感と理解の基盤を作ります。

STEP
カップルの共感と理解

この段階で、互いの立場や感情を理解し、共感を深める練習をします。カップルが自己主張をしつつ相手の気持ちにも目を向けられるように、共感的なコミュニケーションのスキルを育てます。これにより、信頼関係が再構築され、健全な関係を築きやすくなります。

STEP
進行と評価

進行と評価の段階では、設定した目標に対する進捗を定期的に確認し、必要に応じてアプローチを調整します。目標達成に向けての取り組みが順調か、また課題や障害が発生していないかを確認し、現実的な期待を維持します。

STEP
セッションの終了とフォローアップ

目標が達成された段階でセッションを終了しますが、必要に応じてフォローアップを行います。終了時には、今後の自己管理の方法や、困難な状況が再発した際の対応策について話し合います。フォローアップセッションでは、セッション後の生活や関係において生じた変化や、新たに発生した問題について確認し、サポートを続けます。

詳細なカップルセラピー:9回のセッション

STEP
初回評価セッション

「初回評価セッション」では、セラピストとカップルクライアントが初めて向き合う場であり、信頼関係の基礎を築くための重要なステップです。このセッションは、カップルの関係や問題の理解を深め、カウンセリングの方向性を共に定める時間でもあります。

「初回評価セッション」は、双方が安心して話し合える空間作りと、クライアントの希望や課題を共有するための第一歩です。この段階での信頼関係の構築と、セラピストの傾聴が、今後のカウンセリングの基礎を支える重要な要素となります。

STEP
セッションの導入
  • 自己紹介と信頼関係の構築: セラピストは自己紹介をし、これから行うカウンセリングの流れを簡単に説明します。どのような話も守秘義務のもとで守られることを伝え、安心感を与えます。
  • セッションの目的を共有: このセッションの目的は、クライアントの関係の背景や問題について知り、今後のカウンセリングの進行方針を決めるためだと説明します。
STEP
カップルの問題の把握
  • 主訴の確認: それぞれが感じている「今、解決したい問題」について一人ずつ話してもらいます。このとき、セラピストは中立的な態度で傾聴し、意見や感情を批判せずに受け止めます。
  • 事実確認: 問題が発生し始めた時期や頻度、どのような場面で問題が表面化するかを確認します。具体的な事実(喧嘩や疎外感など)についても尋ね、セラピストが問題を把握できるようにします。
STEP
関係の歴史を整理する
  • 二人の関係の始まりと変遷を聞く: 初めて出会った頃の状況や関係のスタート時の感情について話してもらいます。この回想を通じて、クライアント同士がかつての良い関係性を思い出しやすくなります。
  • 変化の原因を探る: いつ頃から、どのように関係が変化したのかを尋ねます。たとえば、重要なイベントや変化、仕事、育児、親族との関係など、外的な要因があればそれも含めて確認します。
STEP
目標や期待の共有
  • 個別の期待とカップルとしての期待: 各自に、カウンセリングで何を達成したいのか、どのような関係を望んでいるのかを話してもらいます。この時、具体的な希望(信頼の回復、冷静な話し合いができるようになることなど)を引き出します。
  • 共通目標の確認: 各自の期待を受けて、セラピストがカップルとしての共通目標を確認し、これに合意するよう促します。たとえば「家族としての関係の改善」や「子育てへの協力体制構築」など、両者が合意しやすい目標設定を目指します。
STEP
コミュニケーションのスタイルとパターンの把握
  • 会話のパターンを観察: 話し合いの中で、カップルのコミュニケーションパターン(話を遮る、感情的になりやすい、冷静を装うなど)を観察します。セラピストはその場で修正するのではなく、まず理解し、今後のカウンセリングで適切に対応するための情報として記録します。
  • 感情表現の確認: それぞれがどのように感情を表現しているか、どのような言葉で相手に伝えているかを観察し、必要に応じて、今後のセッションでの感情表現の支援につなげます。
STEP
セッションの進行方針の合意
  • セッションの内容と回数について説明: セラピストは、今後のカウンセリングがどのような流れで進むのか、回数や期間の目安を示し、合意を得ます。
  • 必要に応じて個別セッションの提案: カップル間の問題だけでなく、個々のストレスや過去の経験が関係に影響している場合には、個別セッションを挟むことを提案します。
STEP
次回の準備と宿題
  • 話し合いのための宿題を設定: カップルに、次回までに各自の「関係での望み」や「改善してほしい行動」をまとめてもらうなど、簡単な宿題を出します。これにより、次回のセッションが具体的な改善点に焦点を当てやすくなります。
STEP
セッションの終了
  • サポートを伝える: 最後に、カウンセリングがパートナーシップの改善を目指していること、セラピストが中立の立場で二人をサポートする役割を担うことを強調します。セッション後に感情的になる場合があるため、その時にできるセルフケアの方法なども簡単に伝えます。
STEP
具体的な問題の明確化

「具体的な問題の明確化」のセッションは、カップルの関係に影響を及ぼしている問題を掘り下げ、より詳細に理解するための重要なステップです。このセッションでは、関係の中で生じている問題やパターンを具体的に明らかにし、解決への足がかりをつかむことを目指します。

「具体的な問題の明確化」のセッションでは、カップルが感じている問題を掘り下げて言語化し、パターンや感情的な影響を明確にします。このセッションを通して、クライエントは自分たちの行動や思考が関係性にどう影響しているかを認識し、より良い関係を築くための新たな視点を得ることができます。

STEP
問題を具体的に述べる場の提供
  • 双方の視点を尊重して聞く: セラピストは、双方が感じている問題や不満について話す場を設けます。例えば、「普段、お互いにどのような点で不満を感じているか、それぞれ教えてください」と尋ね、クライエントが率直に話せるよう促します。
  • 問題を具体的に言語化するサポート: クライエントが漠然とした不安や苛立ちを抱えている場合、セラピストは「どのような状況でその感情が湧き起こりますか?」などの質問で、問題を具体化するサポートを行います。たとえば、「夫が休日に家事を手伝わない」という問題であれば、いつ、どのように感じたかを詳しく述べるよう促します。
STEP
問題の共通認識を確認
  • 双方の認識の違いを明確化: セラピストは、同じ問題についてクライエントが異なる見解を持っている場合、その認識の違いを明確にします。例えば、「妻が協力を求めていると感じる一方で、夫はプレッシャーを感じている」というような認識の違いを明らかにし、双方にその違いがあることを共有します。
  • 問題に対する理解を深めるための質問: 「その場でどのようなことを考えたり感じたりしましたか?」と質問し、双方の認識や感情の背景にある思考を掘り下げていきます。
STEP
問題の発生パターンと頻度の把握
  • 問題がいつ発生するのかを確認: セラピストは、問題がどのような場面で頻発するか、パターンを探ります。たとえば、「このような状況が起きるのは、平日ですか?休日ですか?」といった形で、問題が特定の状況や時間帯に関連しているかを明確にします。
  • 問題の頻度についての話し合い: 「この問題はどのくらいの頻度で起きていますか?」と尋ね、問題の頻度や深刻度を確認します。頻発する問題ほどクライエントへの負担が大きくなるため、優先的に扱うべき点が浮き彫りになります。
STEP
問題に対する感情と影響の理解
  • 感情面の影響を掘り下げる: セラピストは、問題がどのようにクライエントの感情に影響を与えているかを理解します。たとえば、「夫が手伝わないとき、どのような感情が湧きますか?」と質問し、怒り、不安、失望など、具体的な感情を引き出します。
  • 生活や人間関係への影響を把握: この問題が日常生活や他の人間関係にどう影響を与えているかも確認します。例えば、「この問題が、子どもとの関係や生活のリズムにどのような影響を与えていますか?」と尋ねることで、問題の広がりを把握します。
STEP
問題に対する行動パターンの分析
  • 双方がどのように反応しているかの確認: 問題が起きたときに、それぞれがどのように行動し反応しているかを探ります。たとえば、「夫が手伝わなかったとき、妻はどう反応しましたか?」という形で、言動や態度がその後のやりとりにどう影響するかを確認します。
  • 相互作用のパターンを把握: セラピストは、問題がどのようにエスカレートするのか、またはお互いの行動がどのように連鎖反応を引き起こしているかを明確にします。「夫が無関心に見えると、妻が苛立ちを感じ、強く言ってしまう」というようなパターンを、カップルに気づいてもらいます。
STEP
クライエントに気づきを促す
  • パターンの自覚と改善意識の促進: セラピストは、問題が単なる出来事ではなく、関係のパターンや思考のクセが影響していることを示します。これにより、クライエントが問題を解決するための手がかりを持つようになります。
  • 反復的な行動への気づき: 「どうしても同じ反応をしてしまう」という場合、その行動の背景にある思考や感情を見直す機会を提供します。こうした内省が、クライエントの新たな行動を促すきっかけになります。
STEP
評価と目標設定

「評価と目標設定」のセッションは、初回評価と具体的な問題の明確化で明らかになったカップルの関係や個々の課題に基づき、具体的なカウンセリングの目標を設定する段階です。このステップでは、双方が達成可能かつ現実的な目標を共有し、同意することで、カウンセリングの指針がより明確になります。

「評価と目標設定」のセッションは、カウンセリング全体の成功に不可欠なステップです。この段階で双方が同意した目標は、今後のセッションでの基盤となり、各回の進捗を評価しながら目標達成に向けて具体的に取り組んでいく方針を共有することが重要です。

STEP
前回セッションの振り返り
  • 重要なポイントの再確認: 初回評価と具体的な問題の明確化で話し合った内容を簡単に振り返ります。たとえば、双方が抱えている主要な問題(信頼の欠如、感情的なすれ違い、協力の欠如など)について再確認し、共通認識を確立します。
  • セラピストのフィードバック: セラピストは、カップルが共有した問題に関するフィードバックを与え、問題の現実的な理解を促します。フィードバックを通じて、カウンセリングの全体的な方向性を明確にします。
STEP
各クライエントの目標の具体化
  • 個別の目標を聞き出す: セラピストは、各自に「自分が何を変えたいと思っているか」「相手にどう変わってほしいか」について具体的に聞き出します。たとえば、「パートナーに対する期待」「より建設的なコミュニケーション」など、個別の期待や願望を整理します。
  • 目標の現実性を評価する: 提案された目標が現実的であるかを検討し、あまりに高い要求や非現実的な希望がある場合は、それを調整します。例えば「すぐに夫婦仲が完全に回復する」という希望がある場合、段階的に改善する目標に変更するなど、調整が必要です。
STEP
カップルとしての共通目標設定
  • 共通の課題の明確化: 各自の目標を共有した後、カップルとしての共通目標を見出します。たとえば、「お互いを尊重したコミュニケーションを取る」「育児で協力体制を築く」など、カップルとしての一致点を探し出します。
  • 優先順位の設定: カップルが抱える複数の問題に優先順位をつけるよう促します。優先的に取り組むべき課題を決定し、順次取り組む流れを設定します。たとえば、子育ての協力が最優先であれば、それを最初の目標として設定します。
STEP
目標を具体的な行動に落とし込む
  • 実現可能な行動目標: 目標を具体的な行動に落とし込みます。たとえば、「お互いに感謝の言葉を日常的に伝える」「週に1回、一緒に子供と過ごす時間を作る」など、実行しやすい具体的な行動目標を設定します。
  • コミュニケーションの改善: 目標の中に、コミュニケーション改善のための行動も含めます。たとえば、感情が高ぶった際に冷静になるための方法を話し合うなど、建設的な対話方法の提案を行います。
STEP
問題に対する解決策の検討
  • 短期的に可能な改善策の模索: 明確になった問題について、今すぐ実践できる小さな改善策を一緒に考えます。例えば、「夫が1日1回、家事を意識的に手伝う」という具体的な行動目標を設定することで、実践に移しやすくなります。
  • 行動の変化に焦点を当てる: 問題解決には相互の協力が重要であることを強調し、具体的な行動変化についてのアイデアを提案します。「お互いが何かをしてほしいときには、感謝の気持ちを伝えるようにする」というような、小さな習慣の変化から始めることを提案します。
STEP
達成指標と進捗評価の方法
  • 成果の測定方法: 目標達成の進捗を評価するための指標を設定します。たとえば、毎週のセッションで達成度を振り返る、日記をつけて感情の変化を記録するなど、達成度を測る具体的な方法を提案します。
  • フィードバックの仕組み: セラピストは、クライアントが進捗を報告しやすい仕組みを作ります。各セッションの冒頭で前回の目標に対する進捗を確認し、達成度や改善点についてフィードバックを行います。
STEP
目標の柔軟性と再評価
  • 目標の調整を確認する: カウンセリングの過程で、状況や関係が変化することもあるため、目標に柔軟性を持たせる重要性を伝えます。状況に応じて目標を見直し、必要があれば調整することに同意します。
  • 段階的な成功を共有する: セラピストは小さな成功も評価し、共有することで、カップルのモチベーションを維持します。たとえば、些細な変化や成長に対する肯定的なフィードバックを与えることで、達成感を感じてもらいます。
STEP
次回セッションに向けた準備
  • 次回に取り組む具体的な課題を確認: カップルが直面している問題の中から、次回取り組むべき課題を確認し、宿題など具体的な行動を提示します。
  • 宿題の設定: たとえば、「週に1回、一緒に家事を行う」「子供と3人で過ごす時間を取る」など、実際の生活に組み込める宿題を設定し、二人で取り組むきっかけを提供します。
STEP
問題のパターンとトレンド

「問題のパターンとトレンド」のセッションは、カップルの間で繰り返し起こる問題の背後にある行動や思考のパターンを明らかにし、長期的なトレンドを把握するための段階です。ここでは、問題が単発的なものではなく、長い間にわたって続いてきた習慣的な反応や行動がどのように関係に影響を与えてきたかに焦点を当てます。

「問題のパターンとトレンド」のセッションでは、関係における繰り返しの問題のパターンとその背景を明確にし、長期的に続いてきた傾向をカップルと共に理解していきます。このセッションを通じて、カップルは自身の行動や反応が関係に与える影響に気づき、問題解決に向けた新たなアプローチを模索する土台を築くことができます。

STEP
問題が繰り返されるパターンの探求
  • 特定の状況での反応パターンを確認する: セラピストは、カップルが繰り返し経験している問題や対立のパターンに焦点を当てます。「特定の場面でよく同じような問題が発生することがありますか?」と尋ね、日常生活の中で繰り返される出来事を具体的に話してもらいます。例えば、「夫が外出すると妻が怒る」という場合、外出が問題の引き金になっているかどうかを確認します。
  • 相互作用の流れを整理する: 問題が発生した際の出来事の順序を整理し、パートナー同士の反応の連鎖を把握します。たとえば、「夫が帰宅後、すぐに趣味に没頭し、妻が注意すると口論になる」という流れが繰り返されるケースなどを明らかにし、この反応がどのように続いているかを整理します。
STEP
感情のトリガーと反応パターンの分析
  • 感情的な引き金の特定: セラピストは、カップルの双方が特定の言動に対してどのような感情的反応を示すかを確認します。例えば、妻が「夫が協力しない」という行動に対して怒りや悲しみを感じる場合、その感情がどのように夫の反応に影響しているかを探ります。
  • 感情のエスカレーションを明確化する: セラピストは、「なぜ問題がエスカレートするのか」を探り、どのような感情や言動が問題の悪化を引き起こしているかを明らかにします。たとえば、「妻が夫に期待しているが、それが伝わらないために怒りが爆発する」というようなエスカレーションの原因を双方で理解するよう促します。
STEP
パターンの長期的なトレンドの把握
  • 関係の変化と問題の傾向の振り返り: セラピストは、カップルに過去の関係の変化とそれに伴う問題の傾向を振り返ってもらいます。「結婚当初と比べて、お互いの関係はどのように変わりましたか?」といった質問で、どの時点から問題が目立ち始めたかや、関係性が変化したタイミングを探ります。
  • 長期的なトレンドの理解: 「2人目のお子さんが生まれた頃から、どのような変化がありましたか?」といった質問で、問題がいつ頃から表面化し、どのようにして現在のパターンに至ったのかを確認します。このことで、問題が一時的なものではなく、長期的に蓄積されたものであることを明確にします。
STEP
問題の背景にある信念や価値観の確認
  • それぞれの価値観や期待を明確にする: カップルの行動や反応に影響を与えている背景の信念や価値観を掘り下げます。「パートナーに対してどのような期待を抱いていますか?」や、「自分にとって結婚生活で重要なことは何ですか?」といった質問で、相手への期待や信念が問題の原因になっている場合があることを理解します。
  • 信念が行動にどう影響しているかの認識: それぞれが持つ信念が行動にどう影響しているかを確認し、対立が生じる理由を双方で理解します。たとえば、「夫が自分の自由を尊重することが重要と考えている一方、妻は家庭への協力が重要と考えている」というような価値観の違いを話し合い、それが行動にどう現れるかを見ていきます。
STEP
問題が関係全体に与える影響の理解
  • 問題のパターンが関係に及ぼす影響を探る: 繰り返しの問題が関係全体に与えている影響について理解を深めます。「この問題が続くことで、お互いにどのような影響が出ていると感じますか?」と質問し、信頼関係や関係満足度への影響についても確認します。
  • 子供や周囲への影響も考慮する: 特に子供がいる場合、問題が子供や家庭全体にどのような影響を与えているかも話し合います。「この関係の問題が、子供たちや家族関係にどう影響していると感じますか?」と尋ね、問題が家庭全体に及ぼす影響をカップルに認識させます。
STEP
気づきを促し、新たな行動選択を模索する
  • 現在のパターンからの脱却の重要性を理解する: カップルが同じパターンにとらわれ続けていることが問題の根源であると理解することで、改善の必要性を認識させます。例えば、「このパターンを繰り返すことが関係にどのように影響していると思いますか?」と尋ね、気づきを促します。
  • 改善に向けた小さな行動の提案: 「このパターンから少しずつ抜け出すために、できることは何かありますか?」と問いかけ、小さな行動から改善を試みるようサポートします。たとえば、苛立ちを感じたときにすぐに反応せず、一旦冷静になる時間を設けるなどの具体的な行動を提案します。
STEP
個別セッション

「個別セッション」は、カップルの各メンバーがそれぞれ単独でセラピストと対話することで、個人の感情や背景を深掘りし、関係性における個々の課題や自己理解を深めるセッションです。この時間を通して、カップルの問題を個人の視点で整理し、それぞれがどのように関係改善に取り組むべきかを明確にしていきます。

個別セッションは、クライエントが自分自身の感情や行動パターンを深く理解し、関係改善に向けてどのような役割を果たせるかを考える貴重な時間です。セラピストは、このプロセスを通してクライエントが抱える問題の背景を把握し、適切なサポートを提供しながら、個人としての気づきや行動変容を促進します。

STEP
個別セッションの目的と安心感の提供
  • 目的の説明: セラピストは、個別セッションの目的が「個々の感情や悩みを整理し、個人的な視点での関係性の課題を理解すること」であると伝えます。また、個別セッションの内容が相手に直接伝わることはなく、あくまで自分の成長や関係改善のためであると説明し、安心感を提供します。
  • 信頼関係の強化: セラピストは、個別セッションで感じた不安や疑問に丁寧に対応し、クライエントが自由に話せる空間を整えます。相手に対する愚痴や怒りなども安心して表現できるように配慮します。
STEP
個人的な感情や悩みの整理
  • 感情の深掘り: クライエントが抱えている不安、怒り、悲しみなどの感情を自由に表現できるよう、セラピストが適切な質問を投げかけ、感情の整理を促します。
    • 例:「夫が家事を手伝わないと感じている時、どのような気持ちが強く湧き上がりますか?」「その感情はどんな過去の経験に影響を受けていると思いますか?」など。
  • 自己認識の促進: クライエントがどのような価値観やニーズを持っているのかを深掘りし、それが関係性にどのように影響しているかを振り返ります。
    • 例えば、「自分の価値を感じられない時にどういう言動をとりやすいのか」「相手にどのように理解されたいと思っているのか」を整理していきます。
STEP
問題の捉え方や認知のパターンを探る
  • 認知のゆがみの把握: セラピストは、クライエントが抱える認知のゆがみ(例:過度な自己批判や他者への否定的な見方)について意識させ、日常生活でどのような影響を受けているかを話し合います。
    • 例:「夫が自分に冷たく接する時、あなたの中でどのようなストーリーが展開していますか?」といった質問を通して、クライエントの思考パターンを探ります。
  • 自身の役割の認識: クライエントが関係性においてどのような役割を果たしているかについて認識を深めてもらいます。相手との関係性での行動パターンを見つけ、それがどのように関係の悪化を引き起こしているかを探ります。
STEP
自己改善の目標設定
  • 自己目標の設定: セラピストは、クライエントが個人的に改善すべきポイントを自分で認識し、具体的な行動目標を設定するサポートをします。目標は、感情をコントロールする方法や自己表現の仕方など、個人ができることに焦点を当てます。
    • 例:「イライラを感じた時、相手に伝える前に深呼吸する」「感情を表現する際、相手を傷つけない表現を練習する」といった具体的な行動目標を提案します。
STEP
コミュニケーションスキルの向上
  • 表現の方法を練習: クライエントが、自分の感情やニーズをより適切に伝えるためのコミュニケーションスキルを練習します。ここでは「非難せず、自分の気持ちを素直に伝える技術」や「相手を受け入れながら意見を伝える練習」を行います。
    • たとえば、攻撃的な表現を避け、「私は…と感じています」といったアイメッセージを使って感情を表現する方法を練習します。
STEP
次のジョイントセッションに向けた準備
  • 気づきをまとめる: セラピストは、個別セッションで気づいた内容をクライエントが整理できるようにサポートします。ジョイントセッションで話し合いたいテーマや、相手に対して改善を望む点についてもまとめます。
    • 例:「夫にはもっと家事に関心を持ってほしい」「イライラを感じた時、すぐに怒鳴らずに冷静に伝える努力をする」など、ジョイントセッションでどのようなことを伝えたいか整理します。
  • 次回への意欲を高める: クライエントに、ジョイントセッションで話すことに対して前向きな意欲を持ってもらうようにします。お互いの成長と関係改善のために、セラピストと共に取り組む姿勢を築きます。
STEP
ジョイントセッション

「ジョイントセッション」は、カップルが一緒にセッションに参加し、関係性を改善するための具体的な対話や課題に取り組む段階です。このセッションでは、カップルが相手の立場を理解し、建設的に意見を交わすことを目指します。

ジョイントセッションでは、お互いが相手の感情や視点に対する理解を深め、日常生活での関係改善に向けた具体的な行動計画を立てます。セラピストの役割は、両者の意見が建設的に交わされるようにサポートし、適切なフィードバックと行動目標の設定を通して、カップルが実行可能な方法で問題に取り組めるよう導くことです。

STEP
セッションの目的とルールの確認
  • 目的の説明: セラピストは、ジョイントセッションの目的が「お互いの気持ちや意見を理解し合うことで、関係改善に向けた一歩を踏み出す」ことにあると伝えます。
  • ルール設定: お互いが話しているときに途中で口を挟まないこと、否定的な言葉を避けることなど、セッションを円滑に進めるための基本的なルールを説明し、双方の同意を得ます。
STEP
各自の意見と感情を伝える時間を設ける
  • スピークターンを設ける: セラピストは、まず一人が自由に自分の思いを伝える時間を作り、その間、相手にはただ聞くことに専念してもらいます。
    • 例えば、妻が「夫が自分に協力してくれないと感じ、孤独を感じている」といった感情を率直に伝える。
    • 夫が妻の発言を遮ることなく、感情や内容をじっくりと受け止めるようにします。
  • 相手の感情を理解するサポート: セラピストは相手が話を聞き終えた後、もう一方が相手の感情や意見について理解を示せるようサポートします。
    • たとえば、セラピストが「今、奥様は孤立感を感じているとおっしゃっていますが、どのように感じましたか?」と問いかけ、理解を深めるよう促します。
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反応とフィードバックの共有
  • 共感的なリフレクション: セラピストは、相手が話した内容に共感的なリフレクション(振り返り)を行うよう促します。
    • たとえば、「あなたが孤独を感じているのは、家事や育児がすべて自分の負担になっているからだと、理解しました」というように、相手の気持ちを理解した上で反応を返すようにします。
  • フィードバックの確認: 互いの感情や思いに対して誤解や食い違いがないか確認し、セラピストがフィードバックの調整をサポートします。ここでは、相手の言葉や行動が実際にどう受け取られているのかを知ることで、新たな気づきを得ることができます。
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問題点の具体化と建設的な対話
  • 具体的な課題の再確認: セラピストは、対話から見えてきた具体的な課題を整理し、「家事の分担」「育児への協力」「休日の過ごし方」など、カップルが解決すべき具体的な問題点をまとめます。
  • 建設的な対話の練習: セラピストが、否定的な言葉や批判を避けた建設的な対話の進め方をサポートします。たとえば、「もっと協力してほしい」ではなく、「週末に子どもたちと一緒に過ごす時間を増やせると助かります」という形で、具体的かつ前向きなリクエストの仕方を練習します。
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行動目標の設定と実践計画
  • 行動目標の具体化: セラピストは、次回のセッションまでに各自ができる具体的な行動目標を設定します。
    • たとえば、「平日は週に一度、夫が子供を寝かしつける時間を担当する」「妻は週末に自由な時間を取れるよう調整する」など、相手が自分の役割を果たす手助けをするような行動を提案します。
  • 進捗確認と次回に向けた準備: 次回のセッションでその行動目標の進捗を確認することを約束し、宿題として行動目標を実践するよう促します。実行した結果についても、次回話し合うことを共有し、カップルが日常生活に活かせるようサポートします。
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セッションの振り返りと次回の期待設定
  • 振り返り: セッションの最後に、互いに共有できたことや気づいた点を振り返り、セラピストが感情の変化を再確認します。
    • たとえば、セッションを通じて「今まで感じていた孤独や失望について共有できて安心した」といった感想が得られるよう、最後に感想を聞きます。
  • 次回セッションの目標設定: 次回のジョイントセッションでさらに深めるべき課題(例:コミュニケーションの改善策)について話し合い、継続的なセッションへの意欲を高めます。
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カップルの共感と理解

「カップルの共感と理解」のセッションは、カップルが互いに抱える感情や視点に対してより深い共感と理解を得ることを目的としています。この段階では、互いの言動や感情の裏にある意図や傷ついた部分を理解することで、共感を高めて関係を前向きに捉え直す準備をします。

「カップルの共感と理解」のセッションは、単に互いの言葉を聞くだけでなく、その背後にある感情や背景を理解することで、真の意味で相手に寄り添える関係を築くプロセスです。この段階では、共感力を高めるための具体的な練習とフィードバックが行われ、相手に対する思いやりと理解を持つ姿勢が自然に身につくことを目指します。このような共感的な理解が深まることで、カップルはより健康的で協力的な関係を築くことが期待できます。

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各自の気持ちとニーズを引き出す
  • 感情表現のサポート: セラピストは、クライエントの各自に対し、自分の気持ちを率直に話すよう促します。例えば、「あなたがイライラしている時、何がその感情を引き起こしていますか?」や「本当はどのように感じているのですか?」と問いかけ、相手への批判ではなく、自分の感情にフォーカスして話すように導きます。
  • 未解決の感情の確認: 互いの感情の奥にある満たされていないニーズや傷ついた部分を引き出します。「夫の協力がないと感じるとき、どのような気持ちになっているのか」「パートナーに対して何を期待しているのか」といった質問を投げかけ、表面的な不満の裏にある深い気持ちに触れる機会を作ります。
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共感的な傾聴とフィードバックの練習
  • 相手の話を「傾聴」する技術を指導: セラピストは、カップルに「傾聴」の技術を練習させます。例えば、片方が話している時は、相手はただ聞くだけで反論や反応を控え、最後まで話を聞くように指導します。これにより、話をしている側は安心して感情を伝えられる環境を作ります。
  • 話の要点を確認しフィードバックする: 話を聞き終えた後に、セラピストは「あなたの話をこう理解したのですが、正しいですか?」というように、聞いた内容を要約して確認するように指導します。これは、話を正しく理解するためのステップであり、話し手が「自分の気持ちが伝わっている」と感じやすくなります。
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相手の視点を理解するための質問
  • 相手の視点に立つことの重要性を認識させる: セラピストは、クライエントに対し、相手の視点から考える練習を指導します。「もしあなたがパートナーの立場だったら、どう感じるかを想像してみてください」といった質問で、共感の姿勢を養うサポートをします。たとえば、家事に追われる妻の視点や、仕事での疲れを感じている夫の立場など、具体的にイメージさせることがポイントです。
  • 確認の質問を取り入れる: クライエントが相手の気持ちや意図を誤解しないよう、「あなたはこの時、どんな気持ちでしたか?」などの質問で、相手の感情や意図を直接確認するよう促します。これにより、互いに誤解やすれ違いが解消されやすくなります。
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感情の「裏」にある本音に気づく
  • 表面上の行動や感情の背景にある「本当の気持ち」を引き出す: セラピストは、例えば「夫が家事を手伝わないことで感じるイライラの裏に、パートナーとしてのサポートを望んでいる気持ちがある」など、感情の裏にある本音に気づけるようサポートします。
  • 「なぜその行動を取ったのか」を理解する: クライエントが相手の行動の理由を理解できるように、セラピストは「その時、どのように感じてそのような行動を取ったのですか?」といった質問を用いて、背景や動機を明らかにします。これにより、「夫は自分をないがしろにしているのではなく、自分の時間を確保したいだけ」というように、互いの理解が深まります。
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共感の姿勢を身につける練習
  • 共感的な言葉遣いを意識する: セラピストは、クライエントが共感的な表現を使えるよう指導します。たとえば、「あなたが疲れていることに気づけなかった」「もっとサポートできたらよかった」といった、相手の気持ちを尊重し、自分の行動を振り返るような表現を使ってもらいます。これにより、互いに責めることなく、優しさや理解を表現する方法を学びます。
  • 「私メッセージ」の活用: 相手を非難せず自分の感情を伝える「私メッセージ」を使うことで、相手が防御的にならずに話を聞きやすくなります。「私は、あなたが○○の時に、□□と感じました」といった形で伝えるように練習します。
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実践と振り返り
  • 実生活での共感練習の宿題: セラピストは、セッション終了後も日常で共感的な会話を試みるよう、具体的な宿題を出すことがあります。たとえば、「次回のセッションまでに、少なくとも1度、相手の気持ちを理解しようと努めてみる」などの実践的な課題を与えます。
  • 共感の進捗と効果の振り返り: セッションの中で互いに共感が深まったことを振り返り、その効果について話し合います。クライエントが「最近の会話で相手の気持ちが少し理解できた」などの気づきをシェアすることで、互いの共感が実際に関係改善に役立っていることを確認します。
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進行と評価

「進行と評価」のセッションでは、カップルのカウンセリングが進む中で、これまでの目標達成度や進展状況を評価し、関係改善のプロセスがどの段階にあるのかを確認します。セラピストは、カップルが最初に設定した目標に対してどの程度進歩しているかを具体的に話し合い、必要に応じて新たな目標やアプローチを調整します。

「進行と評価」のセッションは、これまでの成果を評価し、新たな改善点や課題に目を向けて、関係改善をより進めていくための重要なステップです。セラピストは、カップルが一歩ずつ前進できるよう、具体的なフィードバックと調整を行いながら、関係改善のプロセスを支援します。この評価と調整を通じて、カップルは自己成長と関係の改善に対して前向きな意欲を持ち、最終的な目標達成に向けて進むことができます。

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セッションの進行状況の確認
  • これまでの進展を振り返る: セラピストは、これまでにカップルが取り組んできた内容や、達成した小さな進歩を振り返ります。たとえば、「前回のセッションでは、お互いの感情を非難せずに伝えることを目標にしていましたが、どのように実践されましたか?」といった具体的な質問で、成功例や難しかった点を聞き出します。
  • 成功体験を強調する: セラピストは、カップルが努力して達成した前向きな成果や変化を強調し、双方が自信を持てるように促します。成功体験があると、関係改善への意欲が高まり、今後の目標達成に対しても前向きになります。
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個別および共同での目標達成度の評価
  • 自己評価の促進: セラピストは、カップルに自らの目標達成度を評価してもらいます。各クライエントが自分の努力や変化をどう感じているかを聞くことで、実感を伴った評価が得られます。
    • 例:「これまでのカウンセリングの中で、関係改善に向けての行動がどの程度できたと感じますか?」「ご自身が取り組んだ中で、最も大きな進歩と感じる点は何ですか?」といった質問で、具体的な行動や効果を確認します。
  • セラピストからの客観的評価: カップルの進行状況をセラピストが客観的に評価し、どの点で目標に近づいているのか、まだ改善の余地があるのかを伝えます。たとえば、「お互いの言い分に耳を傾ける時間が増え、互いのニーズについて理解し合えるようになったようですね」などのフィードバックを与え、実際の行動や変化を明確に伝えます。
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目標の再設定と調整
  • 新たな課題と目標の確認: 進行に伴って新たに浮上した課題や、最初の目標設定時には見えていなかった問題について話し合います。必要であれば、現在の目標を更新し、新しい目標を設定します。
    • 例:「感情のコントロールがある程度できるようになってきたので、次は週末に一緒に過ごす時間を設け、家族としての交流を深めることを目指してみましょう」といった形で、今後のステップに応じた目標を提案します。
  • 小さなステップの目標設定: 長期的な改善が必要な場合、現実的な小さなステップに目標を分けることで、目指すべき行動を明確にします。こうすることで、進展が見えやすくなり、達成感が得られるようになります。
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コミュニケーションスキルの評価
  • 変化の確認: セラピストは、クライエントがこれまでに学んだコミュニケーションスキルがどのように実践され、効果があったかを確認します。たとえば、「感情を非難せず伝えることができた場面があれば教えてください」と質問することで、実際の効果を確認します。
  • スキルの強化が必要な点を指摘: 改善がまだ十分ではない部分については、セラピストが具体的なフィードバックを与え、改善点を一緒に考えます。たとえば、否定的な感情表現が残っている場合、「相手に伝える前に深呼吸を取り入れてみましょう」といった具体的なアドバイスを行います。
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関係性の質的評価と成長の確認
  • カップルの関係に対する満足度を確認: クライエントが感じる関係の質が、カウンセリング開始時に比べてどう変わったかを尋ねます。たとえば、「最初の頃と比べて、パートナーに対する気持ちは変わりましたか?」「今の関係に対する満足感や信頼感はどのくらいですか?」といった質問で、関係性の質的な変化を測ります。
  • ポジティブな変化に焦点を当てる: 特にポジティブな変化に焦点を当て、カップルが互いの努力や成長を認識できるように促します。互いにポジティブな面を見ることで、関係改善の意欲をさらに高めます。
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次回セッションへの準備
  • 次回に向けた課題や宿題の設定: セラピストは、次回までに取り組むべき課題や宿題をクライエントに提案し、関係性の改善を持続させる取り組みを促します。たとえば、「週に一度、お互いの感謝ポイントを共有する時間を設けてみましょう」といった具体的な活動を提案します。
  • 進行状況をモニタリング: クライエントが次回セッションまでに行動や感情の変化を観察するように促し、進行状況を自己評価することも指示します。こうすることで、自分自身の成長をさらに実感しやすくなります。
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セッションの終了とフォローアップ

「セッションの終了とフォローアップ」は、カウンセリングプロセスを総括し、今後の方向性について確認する最終段階です。このセッションでは、これまでの進展を振り返り、カップルが獲得したスキルや理解を自立して活用できるよう支援します。また、必要に応じて今後のフォローアップについても話し合います。

「セッションの終了とフォローアップ」の段階では、これまでの進展を振り返り、カップルが自立して問題に取り組むための準備を整えます。セラピストは、日常生活で学びを活かせるようアドバイスし、必要に応じてフォローアップの機会を設けます。このプロセスを経て、クライエントは自立して関係を維持・改善するための道筋を得て、前向きな形でセラピーを完了できることが期待されます。

STEP
カウンセリングの振り返りと進展の確認
  • 目標の再確認: セラピストは、初回の目標設定で話し合った目標がどの程度達成できたかを確認します。「最初に設定した目標に対して、どれだけ前進しましたか?」といった質問を通じて、カップルが自分たちの成長を実感できるよう促します。
  • 成長ポイントの振り返り: カップルがセッションを通じて学んだスキルや、改善したコミュニケーションの方法について具体的に振り返ります。例えば、「共感のスキルや感情の伝え方がどのように変わったか」など、ポジティブな変化を強調し、達成感を感じられるようにサポートします。
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長期的な問題解決のためのアプローチ確認
  • 学んだスキルの自主活用の推奨: セラピストは、カップルが日常生活でも学んだスキルを活用することの重要性を伝えます。具体的には、「カップルがこれまでのセッションで学んだ対話の方法や共感的なアプローチを今後も実践する」ことを推奨します。
  • 将来的な挑戦への対処法: 長期的な視点で見て、今後生じるかもしれない新たな課題や困難にどう向き合うかを話し合います。例えば、「互いのニーズや変化に対して柔軟に対応する姿勢」や「感情が高まる場面では一時的にクールダウンをしてから話し合う」など、具体的な対処法を確認します。
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自己管理とセルフチェックの方法
  • 自己観察とフィードバックの促進: セラピストはカップルに、自分たちの関係について定期的に自己チェックを行う方法を指導します。例えば、定期的に関係の満足度を確認することや、対話を改善するためのリフレクションを行うように奨励します。
  • リソース提供: カウンセリングが終了しても活用できるリソースを紹介します。関係に関する書籍やオンラインサポート、ワークブックなど、自主的に学び続けるための資料を提供し、自立的な関係改善の手助けをします。
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フォローアップセッションの検討
  • 定期フォローアップの提案: 必要に応じてフォローアップセッションの提案を行います。フォローアップは、カップルが自分たちの取り組みを見直す場となり、関係が再び課題に直面した際にサポートを受けられるようにするためです。「3か月後や6か月後にフォローアップセッションを行い、進展や新しい課題を確認する」という提案がなされる場合もあります。
  • 自主的なフォローアップの促進: カップルが自主的にフォローアップの必要性を判断できるよう促します。「互いに負担や不満がたまりやすいと感じたときは、セラピーに戻ってくるのも一つの方法です」と、柔軟なサポートの利用法を伝えます。
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セッションの終了と感謝の共有
  • セッションの感謝とフィードバック: セラピストは、クライエントがセラピーに取り組んだ努力に対して感謝を伝えます。カップルも、セラピストとのやりとりやサポートに感謝を表現する機会があると、セッションが温かい形で終了しやすくなります。
  • 振り返りとセラピストへのフィードバック: クライエントにとって、セラピーで得た体験や気づきについてセラピストにフィードバックを伝えることで、最後にセッション全体を総括する機会となります。

離婚を前提としたカップルへのカウンセリングは2ページ目をご覧ください。

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