タイムライン技法は、過去の体験のリソース・現在のポジション・理想の未来を行き来することで、時間軸の特徴を武器に将来を創り出す目標達成術です。
私たちは「現在はとても上手く行っているが、今後が不安だ」「これは遠い昔の話、ようするに過去の話」「1年後の先は見通せるけど、10年後の未来は予想すらできない」などといった会話を普通にしています。これは脳の中での空間、時間軸の話をしていることで「タイムライン」といいます。
私たちはタイムラインを「過去」「現在」「未来」が1つの線で繋がれていて、過去があるから現在があり未来がつくられると考えてしまいがちです。要するに過去が現在も未来も生みだしていると思い込んでいる人もいます。これは「原因(過去)」があるから「結果(未来)」があると捉えているからです。
事実は未来に対する「原因」はまだ作られていません。未来から見れば、現在から未来が過去となり、これから歩みだすタイムラインが生み出す「結果」です。
誰しもが過去と、今ここでの現在は体験しています。当然、現状の理解ができているため、明日、明後日、来週、来月位の直近までは予測できます。ただし、将来や未来となると予測どころか不明瞭で未来の目標すら浮かばないという人も多いはずです。そのことからも将来や未来の目標のことを「夢」と呼ぶことさえもあります。
将来や未来を夢と呼ぶような、闇を心に抱えたような生き方ではなく未来を先取りしながら、今ここでの目的をもてる「ビジョン・タイムライン」の手法を取り入れることで、将来に対してマネジメントやプランニングができるようになります。
過去のネガティブやポジティブな経験をリソースとして現在に活かし、将来や未来の目的、目標を達成したい自分を想像します。このタイムラインの意識が過去のリソースと、まだ持ち得ていない実力や能力、応援者、資金な度が明確になり、リソースを組み合わせて未来をつくり変えることができるのです。
私たちの主軸となっている「タイムライン」は大きく分けて2種類あります。1つ目はタイムラインが自分の中を通っている「インタイム」で、2つ目が外を通っている「スルータイム」です。自分のタイムラインの傾向を知るためには、次の図の「インタイム」「スルータイム」を見てください。
そして、目を閉じて呼吸法などでリラックスし、頭を真っ白にします。その後、意識を集中させ、先ほどの図から自分のタイムラインをイメージします。「過去は後ろにあるのか、それとも目の前に映し出す左か右にあるのか」「未来は前にあるのか、右や左にあるのか」とゆっくりとイメージしてみます。イメージされたこの過去と未来を結んでできるラインがあなたのタイムラインの傾向です。
図でわかる「インタイム」と「スルータイム」の意識
自分の中を通る「インタイム」
今この瞬間を生きている感覚が強いタイプです。
今いる時間に没入している状態で、時間軸の中にいることからタイムラインが自分の中を通っています。
今この瞬間に意識が集中していて、新たに時間を設けて事を成すのが不得手で計画を立てるのが苦手な傾向があります。そのためビジネスとオフタイムの使い方、分け方が上手ではありません。
また、インタイムの傾向の強い人は過去の記憶にアクセスするためには180度振り返る必要があります。
- 未来に不安がある場合は、考え方、捉え方を「スルータイム」に切り替え、全体を見渡せるタイムラインを目の前に置き、過去の必要な体験、知識などのリソース、将来の目標、現在のリソース・手段を鮮明にしてモチベーションを上げます。
- 忙しい毎日に追われていて時間の管理ができていない人は、「スルータイムに」に切り替えて、現在に混同している未来を切り離し、明確に映し出せるように現在、未来を広範囲で見渡せるようにします。
自分の目の前を通る「スルータイム」
客観的に現在、過去、未来の流れを眺められるタイプです。
時間軸を自分の目の前の対象物として眺めています。そのため、現在、過去、未来を俯瞰的に捉えることができ、時間軸の流れも連続しています。
時間のプランニングや時間を大切に使うことができ、過去を振り返るのではなく映像のように眺めることができます。
※過去が左で記憶を示し、将来は右で想像を示す人が一般的ですが、逆のケースもあります。
- 集中力がなく生きている実感も薄いと感じている人は、「インタイム」をイメージし、切り替えたら自分の中に現在を通してみます。その際には現在の輝いている自分をクローズアップしてみます。
- 過去の自分に捉われていて、逃れられない状態の人は、「インタイム」をイメージし、過去は振り返らないと思い出せないようにすることで、現在と未来に焦点を当てたインタイムになります。そして現在持っている手段・リソースをもとに目の前にある未来の目標を見渡すと過去に拘らずとも手段が見えてきます。また、スルータイムのままで過去を消すか、消さなくても小さい過去の映像にしてみることで解決できることもあります。
リソースとは、スキル、体験、経験、価値観、信念、人間関係、財産など、自分が築き上げた資源のことです。
図でわかるビジョン・タイムライン手法の実践
タイムラインを歩き未来の人生を創る
自分がどちらのタイムラインの傾向を持っているか知ることができていると思います。どちらのタイムラインだとしても、上記の意識のようにインタイム・スルータイムのラインを切り替えながらタイムマネジメントの方向性を把握しなければなりません。この時間軸の使い方を意識して未来を検索しながら人生を歩んでいくことが大切です。漠然としていた未来を明確な目的、目標を持ち、リソースを使った手段で確かなビジョンを感じる未来を創りあげて行くことができます。
- 未来の目的、目標など実現したい結果を明確にします。
- いつ、何を、どこで、どのように、誰と、どの位など具体的な年月やデータも設定します。
- いつ、何を、どこで、どのように、誰と、どの位など具体的な年月やデータも設定します。
- いくつか質問します。
例として:
- その目的や目標は現在のままで実現可能ですか?
- 自分はそれを実現する能力を持っていますか?
- 自分はそれを実現するリソースを持っていますか?
- 自分はそれを手に入れるのにふさわしい人ですか?
- それを実現するための応援者や相談者はいますか?
- それを実現した人を知っていますか?知っているならモデリングはできますか?
- その実現が達成して成功するには期限が必要となりますか?
- その目的、目標の実現を可能にする大きな障害はありますか?
- その目的、目標は同じでもレベルアップするなどの柔軟性はありますか?
次のタイムラインを床に想定して、実際に現在・過去・未来を床に印をつけて歩きながら実感のあるビジョンに近づく技法をします。この技法はインタイムやスルータイムを気にせず時間軸を床に設定して、思考を全開にし、現在・過去・未来を歩いて行き来しながら目標を達成できる自分を創りあげます。
1⃣
いま立っているところを現在、前に未来が伸びていて、後ろには過去がイメージできるようにします。そして、現在地点で実現したい目標や目的を宣言します。一旦、成功達成地点まで時間の流れを感じながらタイムラインを歩いて行き、達成した状態のイメージや音、身体感覚を感じてから現在地点に戻ります。そして、いまの自分から具体的に想像できる未来まで歩き、その位置で一度止まります。
2⃣
過去を振り返り、今、未来を成し遂げようとしている自分を認識します。過去の最端に歩いていき、いくつかの成功体験を語り、理想とする目標に役立つ経験や知識、スキル、資源などのリソースを受け取って過去から1⃣で一度止まった未来の途中地点に帰ってきます。その上で受け取ってきたリソースを声に出し、自信や力が湧きあがった自分で未来に向かって歩き、1⃣を更新できて想像できる未来の位置で一度止まります。
3⃣
成功達成地点まで行き成功体験を五感で感じたら、成功達成者として未来にいるもう一人の自分が未来から現在に戻り、まるで天から傍観していた神様のように目的、目標、手段、課題などを声に出し確認します。そして未来の途中で止まっている自分に対し、不足していた課題などのアドバイスをします。
4⃣
成功者のもう一人の自分から不足していた課題などのアドバイスをもらいました。成功するんだと確信することで、さらなる自信と意欲を感じ、堂々と未来の最先端までゆっくり歩きます。そこで成功達成したことや夢が叶った理想の未来の自分を十分に体験し味わいながら感想を述べます。過去や現在の自分との対話もします。
ワークのステップ例
- いま立っている(椅子使用可)ところを現在、前に未来が伸びていて、後ろには過去がイメージできるようにします。そして、現在地点で実現したい目標や目的を宣言します。
- 成功達成地点(椅子使用可)まで時間の流れを感じながらタイムラインを歩いて行き、 達成した状態のイメージや音、身体感覚を感じます。そして、どんなイメージであるか感覚であるかを語ります。
- 一旦、現在地点に戻ります。
- いまの自分から具体的に想像できる未来まで歩き、その位置で一度止まります。 過去を振り返り、今、未来を成し遂げようとしている自分を認識します。 自分を認識した思いや考え、感想を語ります。
- 過去の最端に歩いていき、いくつかの成功体験を語り、理想とする目標に役立つ経験や知識、スキル、資源などのリソースを最低でも3つ受け取ります。
- 過去から⒋で一度止まった未来の途中地点に帰ってきます。その上で受け取ってきたリソースを声に出して公表します。その後、自信や力が湧きあがった自分で未来に向かって歩き、 ⒋を更新できて想像できる未来の位置で一度止まります。 更新できた自分を褒めて味わい思いを語ります。
- 成功達成地点まで行き成功体験を五感で十分に感じ ます。感じていることを語ります。
- 成功達成者として未来にいるもう一人の自分が未来から現在に戻り、まるで天から傍観していた神様のように目的、目標、手段、課題などを声に出し確認します。そして、⒍の未来の途中で止まっている自分に対し、不足していた課題などのアドバイスをします。
- 成功者のもう一人の自分から不足していた課題などのアドバイスをもらいました。成功するんだと確信することで、さらなる自信と意欲を感じ、堂々と未来の最先端までゆっくり歩きます。
- そこで成功達成したことや夢が叶った理想の未来の自分を十分に体験し味わいながら感想を述べます。過去や現在の自分との対話もします。
タイムライン:ケース2
タイムライン(Timeline)は、NLP(神経言語プログラミング)における手法の一つであり、過去、現在、未来の時間の流れをイメージ化し、個人の経験や目標を認識・変容させるために使用されます。
タイムラインは、時間の経過と感覚的なイメージを結びつけることで、過去のトラウマの解放や目標の達成など、様々な変容を促す効果があります。
次に、タイムラインの手法やステップをまとめます。
- タイムラインの作成
- クライエントは、過去、現在、未来の時間軸をイメージ化するための内的なイメージや空間を作ります。イメージ化の方法は人それぞれであり、直線や曲線、立体的な空間など、個人の感覚に合わせて自由に表現します。
- 過去のリソース化
- クライエントは、過去の出来事や経験においてポジティブなリソース(資源)を見つけます。例えば、成功体験や学び、成長など、過去の経験から得られる価値や力を見つけ出します。
- 未来の目標設定
- クライエントは、未来の目標や望ましい状態を明確にします。具体的な目標や望みを設定し、それを達成するための意図や方向性をイメージ化します。
- タイムライン上の出来事の認識
- クライエントは、タイムライン上に過去や未来の出来事を配置します。過去の出来事や未来の目標がタイムライン上にどの位置にあるかをイメージし、認識します。
- エモーショナル・チェンジ・ワーク
- タイムライン上の特定の出来事や状態に焦点を当て、それらを変容させるためのエモーショナル・チェンジ・ワークを行います。例えば、過去のトラウマや制限的な信念を解放し、新たなリソースやポジティブな感情を結びつけることができます。
- 未来へのプログラミング
- タイムライン上の未来の目標や望みを実現するために、クライエントはタイムライン上にリソースや成功のイメージを配置します。これにより、タイムライン上の未来の出来事や状態に向かって進むモチベーションや方向性が強化されます。
- タイムライン上の変容
- タイムライン上で行われる変容のプロセスでは、過去のトラウマや制限的な信念を解放し、新たなリソースやポジティブな感情を結びつけることが目標です。クライエントはタイムライン上の出来事や状態を再構築し、望ましい変化を体験します。
- タイムラインの調整
- タイムライン上のイメージや出来事の位置や距離を調整することで、クライエントの経験やパフォーマンスに影響を与えることができます。例えば、過去のトラウマをタイムライン上で遠ざけることで、クライエントはそのトラウマからの解放を感じることができます。
タイムラインの手法は、個人の思考や感情、行動パターンに影響を与えるため、さまざまな目的に応用することができます。過去のトラウマやネガティブな感情の解放、自己成長や自己啓発の促進、目標達成のサポートなどに利用されます。また、タイムラインの手法はセラピー、コーチング、パフォーマンス向上など、さまざまな分野で活用されています。
ただし、タイムラインの手法は個人の内的な体験や感覚に基づいているため、効果は個人によって異なる場合があります。また、タイムラインの手法を行う際には、専門的な指導やトレーニングを受けることが重要です。
- NLP実践心理学
- 緊張や不安をアンカリング技法で克服
- 望ましい第一印象はラポール・ミラーリングなどの手法
- 自分・相手・傍観者の体験はポジション・チェンジ技法
- SCOREモデルは場所移動で視点と思考に刺激を与える手法
- ニューロロジカルレベルは無意識と意識の6階層で形成
- 8フレーム・アウトカムで適格に捉えた理論が絶大な効果
- モデリング手法は理想のスキルを自分に埋め込む
- スウィッシュで望ましい新たな自分に入れ替わる
- アイアクセシングキューは目の動きで感情を知る
- チャンクサイズ分析は物事を捉える思考癖を知る
- ミルトンモデルの曖昧な会話で相手の無意識をコントロール
- 否定的な出来事も肯定的に捉えるリフレーミング
- 言葉の一部から真実の思考を捉えるメタモデル
- リフレーミングで否定的な行動の肯定的意図を探る
- 優位表象と体感覚の優位性
- ストラテジーのガイドライン
- 五感の要素サブモダリティの利用
- ディズニー戦略手法のアプローチ
- 目標達成のプロセスはTOTEモデル
- 相手の思考を変えるスライト・オブ・マウス
- ステート・マネジメントで感情の管理
- ビジュアル・スカッシュでイメージの調和
- 目標達成のプロセスはアウトカム手法
- 望ましい未来の想像フューチャーペーシング