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苦手な相手との関係改善は自分、相手、傍観者の価値観体験の技法

目次

相手を知るには自分と相手の情動を体験するポジション・チェンジ技法が有効です。その上で第三者の立場から自分を傍観することで相手との価値観の共有や共感が芽生える技法です。

誰もが人間関係で悩むことはあります。そして繰り返し人間関係のトラブを起こしてしまいます。多くの場合は「自分が正しく、相手が間違っている」と自己中心的に感じているからです。そのままだとすれ違いが生じ、相手との関係性は改善されないままになってしまいます。このように人間関係の悩みは誰しも抱えているものです。
どうしても人間関係のトラブルが付きまとう職場では、上司や同僚、部下、取引先の担当者など自分で相性の合う人ばかり選ぶことはできません。また、こじれる相手は選ぶことができた恋人や友達だったり近い存在であることもあります。どのケースを見ても大切な人との関係性が壊れてしまい大きな支障をきたすことになります。


では、なぜトラブルが発生してしまうのか。実はとても単純なことで視点の違いから発生してしまいます。どちらが正しいかは別として、トラブルが起きた状況を適切に判断し柔軟に対応できればトラブルまで発展しません。
この適切な判断の把握には相手の立場になる視点を持つことが重要となります。視点には「自分」「相手」「第三者」の知覚位置(ポジション)があります。自分の立場の視点は「私の第1視点の位置(ポジション)」、相手などの立場の視点を「相手の第2視点の位置(ポジション)」、第三者・傍観者の視点を「客観的な第3視点の位置(ポジション)」といいます。

ほとんどの人は第1視点の位置に立って判断する傾向が強いため、自分を信じることで熱くなりすぎたり、相手に責任を押し付けてしまい良好な人間関係を築くことが難しくなるケースもあります。中には第2視点の位置に立ちすぎて自分を犠牲にしてまで相手を思いやる人や、第3視点の位置に立つ癖があり何事にも無関心でクールな言動の人もいます。
どの知覚位置を優先すれば人間関係が上手くいくとは言えませんが、第1、第2、第3の視点位置(ポジション)を柔軟に使い分けることが良好な人間関係、コミュニケーションを築くことには必要だということになります。
このように、人間関係の悩みの解決のために使えるコミュニケーションスキルとして、「ポジション・チェンジ」というものがあります。この応用はビジネス場面だけではなく、様々な人間関係の修復に自己の気づきを得る技法となります。

ポジション・チェンジする3つの視点の位置とは

相手の立場を理解する技法「ポジション・チェンジ」


人間関係を築く際に、自分の意見、感情などの立場「私の第1視点の位置」、相手の思いなどの立場からの視点「相手の第2視点の位置」、第三者・傍観者の俯瞰的な視点を「客観的な第3視点の位置」の3つの視点位置に立って思いを馳せてみることで、自分、相手、第三者の視点が総合的に状況を把握できます。この総合的な状況の把握が問題を適切に判断でき、柔軟に捉え直すことができます。

「私の第1視点の位置」
「相手の第2視点の位置」
「客観的な第3視点の位置」
  • 「私の第1視点の位置」
    • 自分自身の視点、立場から問題となった状況を再体験するようにします。ありありと再現が蘇るように話したことや聞いたこと、感じたことに対しての考えや感情を言葉にします。
  • 「相手の第2視点の位置」
    • 相手の視点、立場を想像し、その時に起きた相手の言動、雰囲気をありありと再表現し、あたかも自分が相手であると思い込むよう、相手の考え方や感情を言葉にします。
  • 「客観的な第3視点の位置」
    • 自分でも相手でもない第三者の視点で中立的で客観的に問題が起きている状況を追体験する映画のように傍観し、抱いた感情、考え、感じたことを言葉にします。

3つの視点「ポジション・チェンジ」の具体的体験

相手の視点をリアルに再現するポジション・チェンジは知覚位置を変えることで価値感の共有できる技法です。
私たちの多くは「私の第1視点の位置(ポジション)」から見た状況で感じ、言動をしています。しかし、その言動は相手にとって心地よいものなのかわかりません。そこで、リアルに知覚の位置を相手と第三者から見て状況を感じてみると、意外にも自分なりの思い込みで自己中心的な思考であったかがよくわかることがあります。当然ながら自分をいたわることは大切ですが、相手の立場に立ってみたことで相手に対しての思いやる気持ちが生まれてくるのがわかります。そのことで、第三者の知覚は公正に自分と相手を裁こうとする感覚も溢れてきます。

ポジション・チェンジの技法は、人間関係で問題が生じた時に相手の視点をリアルに再現し、すれ違っていたお互いの価値観を知ることです。
1⃣ 椅子を2つ用意して向い合せます。1つが「私の第1視点の位置」です。
2⃣ 問題が起きてしまっていて関係を改善したい人や苦手な人など対象者を選びます。もう1つが「相手の第2視点の位置」です。この時大切なことは、自分と相手がどのような位置関係にあったかをイメージしながら配置することです。例えば、向き合っているのか、自分は相手をまっすぐ見ているのに相手は横を向いているのか、様々なパターンが予測されます。その時の状況をリアルにありありと感じるように関係性を考えながら、微妙な角度や距離など調整することで、しっくりくるまで配置を考えます。その次に、両方の椅子が見える第3の場所を「客観的な第3視点の位置」とします。

3⃣ まず、「私の第1視点の位置」の椅子に自分が座り、選択した相手が「相手の第2視点の位置」に座っているとイメージしながら、自分の立場や主観から自分と相手との会話をリアルに再現し、自分から思っていたことや感情を表に出し、普段自分がイメージしていたことをできる限りありありと言葉にして、できる限り長く話します。自分が相手に対して話したいことを全て言葉にできて感情も出し切れたなと思ったら終了します。

※リードしてくれるセラピストがいない場合は、録音、録画することをお薦めします。
4⃣ 飲み物を飲んだり、深呼吸や背伸びなど体を動かしたりしながら、3⃣の状態から抜け出し自分の感情をニュートラルにする「ブレイクステート」をします。

5⃣ 「客観的な第3視点の位置」に座り、録音、録画した自分の言葉や感情を聞いてから、「相手の第2視点の位置」である相手の位置の椅子に自分が座ります。大切なことは「私の第1視点の位置」に自分の気持ちと体が残っていて、自分が座っているとイメージすることです。そのうえで、問題が起きた時の状況を相手の雰囲気や言葉などリアルに再現します。この時に気持ちが動揺などして相手になりきれない場合は、もう一度、第一の視点の位置に戻り相手に向かって言葉や感情を出し切ることを行ってみます。
その上で、関係を改善したい相手の気持ちになりきり、相手の話し方も振る舞いもできる限り似せてありありとリアルに言いたいことをできる限り長く話します。一度は客観的な第3視点の位置に座って録音、録画を聞いているので、少しは相手の気持ちが想像できるようになっているはずです。

※リードしてくれるセラピストがいない場合は、相手の立場の録音、録画することをお薦めします。
6⃣ 飲み物を飲んだり、深呼吸や背伸びなど体を動かしたりしながら、5⃣の状態から抜け出し自分の感情をニュートラルにする「ブレイクステート」をします。

7⃣ 「第3の位置、傍観者の位置」に移動して、先ほど相手の立場で録音、録画した相手の言葉や感情を聞きます。その後にもう一度、自分の立場で録音、録画した言葉と感情を聞きます。聞き方は、目の前で自分と相手が椅子に座って会話やジェスチャーなど、言動のやり取りをリアルに映画を観ているように画像もイメージして感じたことを受け取ります。

8⃣ 飲み物を飲んだり、深呼吸や背伸びなど体を動かしたりしながら、7⃣の状態から抜け出し自分の感情をニュートラルにする「ブレイクステート」をします。

9⃣ 再び「私の第1視点の位置」の椅子に座ります。
自分と相手になって再現した時の気づきから、さらに第三者から傍観、俯瞰したことにより、追加で相手の立場も把握できているはずです。そのことで、問題となった状況に対しての2人のプロセスや価値観などの思いの気づきが溢れてきているはずです。
ポジション・ジェンジをする前と比較すると、相手の気持ちも薄っすらとわかるようになり、話を丁寧に聴くことが必要だと感じています。これからは相手と冷静に接っすることが必要だとも思っています。
このように、ポジション・チェンジを繰り返すことで、相手の話を聴くことはとても重要で価値あることで、悪く捉えたり興奮することではないと感じるようになってきます。

最後に

「自分の言葉、感情」、「相手の言葉、感情」を第三者の立場になって「客観的に傍観、俯瞰」することによって、どんな風に見えたか、どんな感覚をうけたかを整理します。例えば、「自分の言っていることも、相手の言っていることも、結局は目的や改善点に向けて良好になるように取り組むという気持ちは同じであった」。「方向性は揃っているのだけど、表現方法が違っていたのだ」。「心で思っていることは一緒なのに、捉え方の違うということだけでいがみ合っていて、バカバカしいと思った」。など言葉に出してみます。そして冷静に傍観していた第三者の立場からアドバイスしてみることが大切です。
「ポジション・チェンジ」は自分の意見、感情などの立場「私の第1視点の位置」、相手の思いなどの立場からの視点「相手の第2視点の位置」、第三者・傍観者の俯瞰的な視点を「客観的な第3視点の位置」の3つの視点位置に立って思いを馳せてみることで、相手に共感する能力を養い冷静にトラブルを捉えることができ、自分、相手、第三者の視点が総合的に状況の把握と問題を適切な判断で改善点のヒントを見つけることや、柔軟に捉え直すことができるようになる手法や技法なのです。

人称にしたポジションチェンジ:ケース2

ポジション・チェンジは、「人称」にすることで、さらにわかりやすくなります。
ポジション・チェンジは、特定の状況や問題に対して異なる視点や立場から捉えることを指し、この手法は、他者の視点や立場を理解し、共感するために使用されます。ポジション・チェンジを行うことで、より広範で包括的な視野を持ち、より柔軟なコミュニケーションや問題解決が可能となります。

次に、人称の視点にしたポジション・チェンジの主な手法や技法をまとめます。

  • 第一人称視点(自分自身の視点)
    • まずは自分の立場や感情、意見を考えます。自分の視点から状況を分析し、どのような考えや感情が生じているのかを理解します。
  • 第二人称視点(他者の視点)
    • 次に、相手の立場や感情、意見を想像します。相手がどのように感じ、どのような視点から物事を見ているのかを考えます。共感し、相手の視点を尊重することが重要です。
  • 第三人称視点(客観的な視点)
    • 最後に、客観的な視点から状況を見ることが求められます。客観的に物事を分析し、客観的な判断を下すことで、より客観的な意思決定や問題解決が可能になります。

ポジション・チェンジを行う際には、次の手法や技法を活用することがあります。

  • ロールプレイ
    • 特定の状況を再現し、自分や他者の立場になりきることで、より具体的な体験を通じて視点を理解します。
  • メタモデルの質問
    • 語り手の言語表現を通じて、より具体的な情報や視点を引き出します。例えば、「具体的にどのように感じましたか?」、「他の誰が関与していましたか?」などです。
  • ストーリーテリング
    • 特定の状況や問題について、物語やエピソードを通じて異なる視点を表現します。これにより、感情や意見を共有しやすくなります。

ポジション・チェンジは、コミュニケーションスキルや問題解決において非常に役立つ手法です。次にその利点をいくつか挙げます。

  • 共感と理解の促進
    • ポジション・チェンジによって、他者の視点や感情を理解し共感することができます。これにより、相手とのつながりを深め、コミュニケーションの質を向上させることができます。
  • 柔軟性と創造性の促進
    • 異なる視点や立場から物事を考えることで、より多角的な解決策やアイデアを生み出すことができます。ポジション・チェンジは創造的な思考を促し、問題解決の幅を広げます。
  • 対立の解消
    • 相手との対立や意見の不一致がある場合、ポジション・チェンジを行うことで相手の立場を理解し、対話や妥協の機会を生み出すことができます。これにより、対立を和らげ、より建設的な関係を築くことができます。
  • リーダーシップの向上
    • ポジション・チェンジはリーダーシップスキルの一環としても重要です。リーダーは異なる視点を把握し、メンバーとの共感や理解を図ることが求められます。ポジション・チェンジを行うことで、リーダーはより包括的な判断を下し、メンバーのサポートや指導を行うことができます。

ポジション・チェンジは、個人やチームのパフォーマンス向上に大きく貢献する手法です。異なる視点や立場を意識し、柔軟な思考と共感力を養うことで、より良い結果を生み出すことができるでしょう。

ポジションチェンジをさらに具体的にまとめてみました。

第一人称の視点、第二人称の視点、第三人称の視点をそれぞれの視点の特徴と具体的にまとめてみます。

  • 第一人称の視点
    • 第一人称の視点では、自分自身の立場や感情、経験を基にして物事を捉えます。つまり、「私は」という主語で自身の視点を表現します。この視点を使うことで、自身の意見や感情、ニーズを表現し、他者に自分の立場を理解してもらうことができます。
      • 例えば、「私はこのプロジェクトに多くの時間と労力を注ぎました。私のアイデアを尊重してほしい」という表現は、第一人称の視点を使って自身の立場を主張しています。
  • 第二人称の視点
    • 第二人称の視点では、相手の立場や感情を基にして物事を捉えます。つまり、「あなたは」という主語で相手の視点を表現します。この視点を使うことで、相手の意見や感情に共感し、相手の立場やニーズを理解することができます。
      • 例えば、「あなたはこのプロジェクトの中心的な役割を果たしています。あなたの意見を聞きたいですし、協力をお願いします」という表現は、第二人称の視点を使って相手の立場を尊重し、協力を促しています。
  • 第三人称の視点
    • 第三人称の視点では、客観的な立場や観点から物事を捉えます。つまり、「彼/彼女/彼らは」という主語で他者の視点を表現します。この視点を使うことで、他者の行動や意見を客観的に観察し、客観的な判断や分析を行うことができます。
      • 例えば、「彼女は新しいアプローチを取り入れたことでプロジェクトの成果が向上した」という表現は、第三人称の視点を使って他者の行動とその結果を客観的に評価しています。

これらの視点を意識的に切り替えることで、自身の視点や感情に囚われず、他者の視点を理解し共感することができます。

視点を使い分けることで、より柔軟なコミュニケーションや問題解決が可能となります。次に、ポジション・チェンジの視点を切り替える際のポイントをまとめます。

  • 目的意識
    • ポジション・チェンジを行う際には、目的を明確にしましょう。相手の立場を理解したり、自身の主張を伝えたりするためにどの視点を使うのかを明確にすることが重要です。
  • 共感と理解
    • 第二人称の視点を使う際には、相手の立場や感情に共感し、理解を深めることが重要です。相手の視点に立って物事を考えることで、コミュニケーションの質を高めることができます。
  • オブザーバーの役割
    • 第三人称の視点では、客観的な視点で他者や状況を観察し分析します。自分自身を客観的な立場に置き、客観的な判断を行うことで、客観的な視点からの洞察や解決策を見つけることができます。
  • フィードバックと調整
    • ポジション・チェンジを行った後は、相手や状況の反応や変化を観察し、必要に応じて視点を調整しましょう。柔軟な対応と修正が求められる場合もあります。

ポジション・チェンジの手法を使うことで、相手とのコミュニケーションをより効果的に行い、解決策を見つけることができます。視点を意識的に変える練習をすることで、より広い視野を持ち、他者との理解と協力を深めることができるでしょう。

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