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ひきこもりの現状と立ち直るための知識

目次

ひきこもりの定義・実態・背景・要因と立ち直るために知っておきたいこととは?

一般的な「ひきこもり」とは、外出を避け、社会から孤立してしまう状態を指す言葉です。これは精神疾患ではなく、むしろ様々な要因や状況によって引き起こされる問題です。この状態に陥る人は、外部との交流を極力避け、自宅や部屋に長期間籠もっています。
このような状態に至る要因は様々で、精神的なストレス、不安、うつ病、社会的な圧力、トラウマ、対人関係の困難などが関与していることがあります。要するに、外部社会との関わり方で大きな影響を受けています。

ひきこもりの問題は、社会的孤立や日常生活の機能不全、精神的な苦痛などを引き起こす可能性があるため、家族や友人のサポート、専門家のカウンセリングや心理療法、社会復帰を支援するプログラムなど、様々なアプローチや支援を必要とします。

最も重要なのは、ひきこもりの状態にある人に対して理解を示すことやサポートを提供し、適切な支援を得られるよう導くことです。

ひここもりの定義

「ひきこもり」とは、一般的には、社会的な活動を極端に避け、自宅や部屋などの閉じた空間に長期間(通常6ヶ月以上)にわたって留まり、外部との交流を極力避ける状態を指します。この状態は、日常生活の中で仕事や学校、社会的な活動など他の人との関わりを極端に避けることが特徴です。

調査では、「自室からほとんど出ない」 「自室からは出るが、家からは出ない」 「近所のコンビニ等には出かける」 「趣味の用事のときだけ外出する」 の状態となって6か月以上かつ病気等を理由としない者を「広義のひきこもり」と定義しています。

「ひきこもり」は単なる一時的な家に籠もることとは異なり、持続的で社会的な孤立を伴うもので、この状態にある人は、外部社会との関わりを避け、家の中で過ごすことを選択し、自己の世界に閉じこもる傾向があります。

ただし、「ひきこもり」は単なる一時的な引きこもりではなく、持続的で機能不全を伴うものであり、精神的・社会的な問題を抱えています。この状態に陥る要因は様々であり、精神的なストレス、不安、うつ病、社会的な圧力、トラウマ、対人関係の困難などが関与しています。

ひきこもりの定義はさまざまな要因や状況によって異なりますが、一般的には長期間にわたる社会的な活動の避け方と、それによる機能不全が特徴とされます。

広義のひきこもり

定義:社会的な活動や外部との交流が極端に減少しており、日常的な学校や仕事への参加が極端に避けられる状態を指します。また、この状態が長期間続く場合も該当します。

:①自室からほとんど出ない 、②自室からは出るが、家からは出ない、 ③近所のコンビニなどには出かける、④趣味の用事のときだけ外出する、のいずれかを回答し、かつ、その状態となって6か月 以上経つ場合を「広義のひきこもり群」と定義しています。

狭義のひきこもり

定義:社会的な活動や外部との交流が非常に制限され、家庭や自宅に閉じこもりがちな状態を指します。この状態は、長期にわたって続いており、学校や職場などの社会参加がほぼ完全に避けられる状況です。

:①自室からほとんど出ない 、②自室からは出るが、家からは出ない、 ③近所のコンビニなどには出かける、のいずれかを回答し、かつ、その状態となって6か月 以上経つ場合を「狭義のひきこもり群」と定義しています。

準ひきこもり

定義:一部の日常的な社会的活動や外部との交流はあるものの、一般的な社会参加が不足している状態を指します。これは広義のひきこもりよりは軽度で、社会的孤立感や不安がある程度存在する状況です。

④趣味の用事のときだけ外出するを回答し、かつ、その状態となって6か月 以上経つ場合を「準ひきこもり」と定義しています。

このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。

ひきこもりの実態

「ひきこもり」の実態は年齢や状況によって異なりますが、一般的には若年層に多く見られる傾向があります。しかし、最近では年齢の幅が広がり、中高年や高齢者の間でもひきこもりの問題が見られるようになっていて、40〜64歳が15〜39歳を上回っているのが現状となります。また、女性のひきこもりは少ないとされてきていましたが、2023年の調査では、男女比の差も少ないという結果報告もあります。

日本を含む多くの国で、ひきこもりの問題は深刻化しており、その人数も増加傾向にあります。ただし、正確な統計は難しく、隠れた状況も多いため、実際の数値を正確に把握することは困難となります。次に内閣府と全国ひきこもり家族会連合会の様々な統計を示します。

ひきこもりの推計値

内閣府が2023年3月に公表した15〜64歳の推計値では146万人となり、年齢層の2%で50人に1人となります。

若年層と中高年層の推計人数

内閣府が2018年12月公表した若年層は54万1000人で中高年層は61万3000人となり、2023年3月の推計では、15〜39歳は2.05%、40〜64歳で2.02%おり、合計人数は146万人としております。

高学歴と発達障害

内閣府が2023年3月に公表した推計値では、高学歴は20人に1人、発達障害は3割程度と推測しています。

ひきこもりの理由

内閣府の2015年調査では、「不登校」「職場になじめなかった」「就職活動がうまくいかなかった」「人間関係が上手く行かなかった」が上位であり、2018年調査では、「退職したこと」「人間関係が上手く行かなかった」「病気」「職場になじめなかった」が上位の理由となっています。

統合失調症のひきこもり

内閣府の2016年調査の統合失調症のひきこもりは、2万2000人となります。

女性のひきこもり

内閣府の2023年調査では主婦専業などの影響なのか、女性のひきこもりが40〜64歳が52.3%、15〜39歳が45.1%となります。

ひきこもりの意識調査
  • 今の自分を変えたい(75.7%)
  • 努力しても希望の職業に就けない(61.1%)
  • 失敗による叱責、過去の職場での傷つき体験(63.9%)
  • 家族や知り合い以外の相談したい相手は同じ悩みを持っている・持っていた人(全世代の53.2%)
  • 孤立感を感じている(全世代の70〜80%)
  • 誰にも相談したくない(15〜39歳で220.9%/40〜64歳23.3%)
相談したくない理由
  • 相談しても解決できない(全世代の50%以上)
  • 相手に上手く伝えられない(15〜39歳の24.2%)
  • 嫌なことやできないことを言われそうだ(40〜64歳の25%)
  • 自分一人で解決すべきだと思う(全世代の21.4%)
ひきこもり期間
  • 15〜39歳では、6カ月~1年未満(21.5%)、3〜5年未満(17.4%)
  • 40〜64歳では、2〜3年未満(21.9%)、3~5年未満(16.1%)

ひきこもりの年齢別傾向

ひきこもりの状態にある人の背後にはさまざまな要因があり、経済的な困難、精神的な問題、家族関係の悩み、社会的なプレッシャー、学校や職場でのストレスなどが、ひきこもりの原因となっています。
ひきこもりの年齢別のデータは時期や調査方法によって異なりますが、一般的な傾向として次のような特徴があります。

10代から20代前半のひきこもり

  • 不登校や学校への適応困難
    学業や学校環境への適応に困難を感じ、学校に行かなくなることがひきこもりの一因となることがあります。
  • 人間関係の問題
    同級生や教師との関係が悪化し、孤立感やストレスを感じてしまうことがあります。
  • 高校生や大学生
    学業や社会的な圧力、将来への不安などが原因で、学校への不登校や学業の遅れ、外部社会への参加を避ける状況になることがあります。
  • 社会進出前の段階
    • 小学校低学年から中学生の間では、学校生活に関連したストレスや不安がひきこもりの要因となることがあります。学業や友人関係、クラス内での人間関係のトラブルなどが、子どもたちにストレスをもたらし、それが引きこもりへとつながります。また、発達障害や学習障害を持つ子どもたちが、学校での適応に苦しむことからひきこもりに至るケースもあります。
    • 高校生の間では、学業のプレッシャーや進路選択に関する不安、またはいじめや学校での孤立などが、ひきこもりの原因となることがあります。また、思春期特有の自己肯定感の低下や、家庭内の問題によるストレスも影響を与えることがあります。
    • 高校生や大学生では、職業訓練や就職に対する不安、適応困難などが理由となって、外部社会への参加を避けることがあります。

20代後半から30代のひきこもり

  • 社会進出後の段階
    就職や社会進出に対する適応困難、仕事への不満、精神的な問題などが原因で、職場への出勤を避けることがあります。
  • 一人暮らしの維持困難
    一人暮らしや社会的な責任を負うことへの不安から、外部社会との交流を避けることがあります。

40代以上のひきこもり

  • 再就職難
    職場での問題やリストラ、または健康上の理由から、再就職が困難であることがひきこもりの要因になることがあります。
  • 家庭内の問題
    家庭内の問題や介護責任、孤独感などから、社会からの隔絶を選ぶことがあります。

社会的要因

  • 職場での適応困難
    新しい職場環境への適応が難しく、ストレスや対人関係の問題が引きこもりの要因となることがあります。
  • 精神的な問題
    うつ病や不安障害などの精神的な問題が引きこもりを招くことがあります。
  • 失業・リストラ
    職場から解雇されたり、リストラに遭遇することで、失業に伴うストレスが引きこもりの要因となることがあります。
  • 経済的な問題
    貧困や経済的な不安定さが、ひきこもりの要因となることがあります。

家庭的要因

  • 家族関係の問題
    家庭内でのトラブルや虐待、親子関係の不和などがひきこもりの原因となることがあります。
  • 過保護な環境
    過度の保護や過保護な環境で育った場合、社会への適応能力が不足することがひきこもりにつながることがあります。

個人的要因

  • 精神的な負担
    不安、うつ病、トラウマ、ストレスなどの精神的な問題がひきこもりを引き起こすことがあります。
  • 発達障害や統合失調症
    ADHDや自閉症スペクトラム障害などの発達障害や学習障害を抱える人や統合失調症の人が、ひきこもりの傾向にあります。

スチューデント・アパシー(学生無気力症)

「スチューデント・アパシー」とは、抑うつを伴わない群とされ「学生無気力症」や大学生の適応症「退却神経症」とも呼ばれ、大学生を中心に見られる現象です。これは、大学生が学業に対する興味やモチベーションを失い、無気力な状態に陥ることを指します。

この状態にある大学生は、授業や勉強に対する意欲が低下し、学業成績の低下や欠席、遅刻などが見られます。ただし、サークルや趣味の活動、交友関係、アルバイトなどには熱心な場合が多いのですが、学業が満たされないことで社会的な活動や交流も減少し、自己孤立化が進むこともあります。

この現象の原因は複合的で、学業上のプレッシャーやストレス、進路不安、人間関係の問題、経済的な負担、心理的な問題などが関与していることがあります。また、大学生活への適応や自己肯定感の低下、将来への不安なども要因として挙げられます。

スチューデント・アパシーに陥る大学生は、自分の置かれた状況や未来に対する希望を見失い、それによって学業や日常生活に対するモチベーションを失ってしまいます。

「ひきこもり」と「ニート」

ひきこもりは外部社会との関わりを極端に避けており、社会的な孤立が特徴です。一方、ニートは学業や就労を避けており、学校や職場への参加をしていない状態を指していますが、その理由や背景は多様です。

ひきこもり

  • 定義
    • ひきこもりは、社会的な活動や外部の社会との関わりを極端に避け、自宅や室内で過ごす状態を指します。一般的に長期間にわたって外部社会との交流が極端に減少し、学校や職場への参加を避ける傾向があります。
  • 特徴
    • ひきこもりは、主に外部社会との関わりを避け、孤立してしまう傾向があります。主な要因は精神的な問題や不安、社会的な圧力などがあります。

ニート

  • 定義
    • ニート(Not in Education, Employment, or Training)は、教育にも就業にも参加せず、職業訓練や就労支援を受けていない状態を指します。ニートの人は、学校や仕事をしていない状況ですが、必ずしもひきこもり状態ではありません。
  • 特徴
    • ニートは、学校や職場への参加を避けている状態であり、その理由はさまざまです。経済的な理由、教育や訓練の選択、求職活動の中断など、個々の背景や状況によって異なります。

ひきこもりの長期化による「8050問題」

「8050問題」とは、日本において深刻な社会問題となっていて、80歳以上の高齢者の親と50歳以上の子供世代の間において、親子間の経済的・精神的な依存関係のことを指します。

この問題は、高齢化社会において親と子の間での経済的な支援や介護、心理的なサポートを求める需要が増加し、同時にその対応に苦慮する親子関係が増えていることを示しています。

ひきこもりの長期化や就労の困難などが影響して、50歳以上の世代が自立や経済的な基盤を築くことが難しくなり、80歳以上の高齢者に依存する状況が生まれます。これにより、親が高齢化し介護や支援を必要とする一方で、子供世代がその支援を提供する負担が増大し、社会全体に大きな負担を及ぼす問題となっています。

この問題を解決するためには、高齢者の自立支援や生活支援の強化、子供世代の働きやすい社会環境の整備、介護や支援に関する社会全体での取り組みが必要です。社会全体での責任と協力が求められ、制度やサポート体制の改善が重要です。高齢者の自立支援と同時に、子供世代の就労や生活基盤の強化、負担の軽減を図ることが、この問題の解決に向けた鍵となります。

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