物事を捉える視点や思考は全体把握型と部分把握型のいずれかに偏っていて、ビジネスやコミュニケーションには相手のチャンクサイズの視点癖に柔軟に対応する手法
物事を捉える視点や思考の元となる情報やまとまり、くくり(塊)には大きく分けると大小のサイズがあります。例えば、森を全体から見て判断するように全体像の把握から物事を捉える人もいれば、一本の木から森を想像するように細かい部分の捉え方が得意な人もいます。俯瞰的に「森を見て木を見ず」で全体把握に長けているのか、近視眼的に「木を見て森を見ず」で部分把握が手の内なのかということではありませんが、「木を見て森も見る」ために「チャンクサイズ」の捉え方を知っておくことがビジネスにも、良好な人間関係構築にも役に立つことは間違いありません。
チャンクサイズには、部分を無視し全体を大きなくくりで捉えるような「チャンクアップ」がありますが、全体の把握はできても抽象的に捉えることになります。これとは逆に全体を無視し小さなくくりの部分で捉える「チャンクダウン」は細かい部分は明確に具体的に捉えられますが目的がぼやけてしまいます。チャンクアップ、チャンクダウンどちらのサイズが良いという訳ではなく、適宜に状況に合わせて柔軟なサイズの捉え方ができることが理想となります。
目標をチャンクサイズで捉えてみる
「ダイエット」という目標
「ダイエット」をします。何のためにダイエットをするのか大きな意味の大義名分がありません。また具体的な方法も示されていません。なんとなく「スタイルの良い方が見栄えがするから」などという漠然とした目標だけだと成功するには厳しいかもしれません。そこで目標達成の多面も、「チャンクアップ」と「チャンクダウン」を明確にしてみます。
「チャンクアップ」抽象化➡目標達成で得られるもの
「なんで?」概念的で物事の全体像を把握する
- 健康
・健康な体でいたい・健康診断の悪い結果を受けた・体形維持のため・体の動きを軽くしたい - 他人の目
・皆が憧れるボディ・好きな人を振り向かせる・結婚式・同窓会が控えている・友人の引き立て役の卒業・来夏の水着の季節へ向けて - 必要に迫られている
・着られる服を捨てられない・太っていることで恥ずかしい体験がトラウマになっている
「チャンクダウン」具体的➡目標達成に必要な物
「どのように?」具体的に詳細化して物事の細部をはっきりさせる
- 食事の工夫
・よく噛んで食べる・最初に野菜から食べる・付き合い以外20時以降は飲食しない・カロリーの高い食事は朝か昼に食べる - 身体を動かす
・2駅手前で降りて歩く・階段を使う・食事後に10分の散歩か柔軟をする・寝る前のストレッチは欠かさない - 日常生活
・2日に1回は半身浴か全身浴の習慣・睡眠の質を良くするための呼吸法を実施・知り合いにダイエットをすると公言する
ダイエットをするという目標・目的を実現するには、大きな理由をはっきりと掲げなければなりません。何のためにダイエットするのか、ダイエットできなければどうなるのか、というチャンクアップです。次はダイエットを成功させるために具体的に何をするのか行動のチャンクダウンです。
チャンクサイズを変えることによって、目標達成に向けて容易に取り組めるようにもなります。目標に臨む理由としての大義名分がなければダイエットはしない訳ですからチャンクアップは重要ですが、さらに目標を小さく分解することのチャンクダウンで取り組む方法が具体化され、目標の実現に一歩近づく行動ができるというものです。
・ダイエットを達成したら訪れる未来はどのように変わりますか?と意識を持ちながらチャンクアップとチャンクダウンを繰り返すことで、本当の目標に向かって望む未来が見え、今やるべき行動がいくつも浮かんできます。そして、今まで気づかなかった新しい発想がひらめき、行き詰まりを解消できるようになります。
コミュニケーションにも有効で円滑に進められる有効なスキル
例えば、組織の中で「効率の良い仕事をする」という目標が設定されたとします。この目標のチャンクアップ的な考え方は「組織の再構築」というような経営的視点のくくりの人もいれば、「残業なし」のような現場的考えのチャンクダウンのくくりの人もいます。
このようにチャンクサイズの異なる同士が議論しても擦り合わせは難しくなり会議も進みません。相手とのコミュニケーションをとるには細かい点を重視する人なのか、大雑把に物事を捉える人なのか、チャンクサイズに当てはめて会話の焦点や捉え方を柔軟に意識することでスムーズな進行ができるようになります。このチャンクサイズを意識的に操作できるようになると、コミュニケーションも円滑に進むようになります。
会話においても、「相手のチャンクサイズに合わせることから始める」と意識しながら接してみます。会話がかみ合うようになったと感じてきたら、次第にチャンクサイズを操作できるようになれば、自分のペースに乗せることができ、結果的に信頼も受けるようになります。
チャンクサイズ:ケース2
チャンクサイズ(Chunking)は、NLP(神経言語プログラミング)の手法の一つであり、情報の効果的な処理と記憶を支援するために使用されます。この手法は、大量の情報をより小さなまとまり(チャンク)に分割し、それぞれのまとまりを処理や記憶に適した形に変換することを目的とします。
以下に、チャンクサイズの手法の一例をまとめます。
- 情報の選択
- 大量の情報から、重要なポイントやキーワードを選択します。情報の中から共通のテーマやパターンを見つけ、それを基にチャンクを作ります。選択された情報は、処理や記憶の対象となる重要な要素となります。
- 意味の整理
- 選択された情報を意味のあるまとまりに整理します。関連する情報をグループ化し、それぞれのグループが一つのまとまり(チャンク)となるようにします。まとまりの中には、関連性の高い情報が含まれており、それを組み合わせて理解や思考を進めることができます。
- 視覚化やストーリー化
- チャンクを処理しやすい形に変換します。具体的なイメージや視覚的な表現を使って情報を視覚化し、ストーリーを作ることで、情報をより具体的かつ記憶しやすい形に整理します。これにより、複雑な情報をシンプルでイメージしやすい形に変換することができます。
- リンキング
- チャンクを連携させ、関連性を強化します。情報の中には、つながりや関係性が存在することがあります。これらの関連性を活用して、チャンク同士をリンクさせることで、情報のつながりや全体像を把握しやすくします。
ャンクサイズの目的は、情報の処理や記憶の効率化と理解の向上です。大量の情報を小さなまとまりに分割し、それぞれのまとまりを意味のある形に整理することで、情報の取捨選択や組織化を容易にし、情報処理の能力を向上させます。
チャンクサイズ(Chunking)は、NLPの手法の一つであり、情報の効果的な処理と記憶を支援するために使用されます。主な手法としては、情報の選択、意味の整理、視覚化やストーリー化、およびリンキングがあります。
- 情報の選択
- 大量の情報から重要なポイントやキーワードを選択し、情報の中から共通のテーマやパターンを見つけます。
- 意味の整理
- 選択された情報を関連するまとまりに整理し、それぞれのまとまりが一つのチャンクとなります。
- 視覚化やストーリー化
- チャンクを処理しやすい形に変換します。具体的なイメージや視覚的な表現を使って情報を視覚化し、ストーリーを作ることで、情報を具体的かつ記憶しやすい形に整理します。
- リンキング
- チャンク同士を関連付けて情報のつながりや全体像を把握しやすくします。
チャンクサイズの目的は、情報の処理や記憶の効率化と理解の向上です。情報を小さなまとまりに分割し、意味のある形に整理することで、情報の取捨選択や組織化を容易にし、情報処理の能力を向上させます。
また、チャンクサイズは学習やコミュニケーションにも役立ちます。学習においては、大量の情報を適切なサイズに分割することで、新しい知識をより効果的に吸収し、応用することができます。コミュニケーションにおいては、相手に伝える情報を適切なまとまりに整理し、理解しやすく伝えることができます。
チャンクサイズは、情報処理のスキルや認知能力を向上させるための重要な手法の一つです。効果的なチャンクサイズの実践により、より効率的に情報を処理し、理解や学習の成果を最大化することができます。
- NLP実践心理学
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- 自分・相手・傍観者の体験はポジション・チェンジ技法
- SCOREモデルは場所移動で視点と思考に刺激を与える手法
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- ミルトンモデルの曖昧な会話で相手の無意識をコントロール
- 否定的な出来事も肯定的に捉えるリフレーミング
- 言葉の一部から真実の思考を捉えるメタモデル
- リフレーミングで否定的な行動の肯定的意図を探る
- 優位表象と体感覚の優位性
- ストラテジーのガイドライン
- 五感の要素サブモダリティの利用
- ディズニー戦略手法のアプローチ
- 目標達成のプロセスはTOTEモデル
- 相手の思考を変えるスライト・オブ・マウス
- ステート・マネジメントで感情の管理
- ビジュアル・スカッシュでイメージの調和
- 目標達成のプロセスはアウトカム手法
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