ネガティブな感情に焦点を当て、欲求の対象、認知の否定的なバイアス、心理的防衛機制がどのように関与されて、生理的・心理的影響を受けているかが理解できる
感情は自己認識に対する反応でもあります。しかし、私たちが心で捉えている後悔・寂しさ・絶望感・孤独感・恐れ・不安/心配・驚愕・放心/動揺・悲嘆/悲痛・悲しみ・憎悪・嫌悪・激怒・怒り・苛立ちなどネガティブな感情は必ずしもその本質を反映しているとは限りません。なぜなら、感情は瞬間的に沸き起こるだけでなく、ネガティブな感情が交じり合い、古くからの積み重ねがさらなるネガティブ感情を生み出し、それが警鐘として現れる場合もあるからです。こうした二次感情や三次感情の背景を捉えない限り、感情に振り回されるだけになってしまいます。
感情は「喜び」「怒り」「悲しみ」「信頼」などの喜怒哀楽を示すだけではなく、認知や欲求とも密接に関連し、行動や言語への反応としても現れます。そのままにしておくと、喜びはさらなる恍惚を求める動因となり、怒りは激怒へと発展し、反応行動を引き起こします。悲しみはさらなる悲嘆・悲痛をもたらし、行動を抑制します。
そこで、意識的な経験学習を通じて欲求を充足し、ネガティブな感情を解消することでポジティブな感情を求める「意志的感情」へと変えることができます。また、無意識の中で防衛機制が発動し、認知のバイアスがネガティブな感情である怒りや悲しみを増強させる場合もあります。
基本的な感情には多くのネガティブなものが含まれており、それは人間が生存するために必要なものでもあります。私たちはネガティブな感情からのメッセージを解き明かすことが大切です。例えば、「悲しみ」は過去の後悔を繰り返さないための学習であり、「恐れ」は未来に備えるためやリスクを予測するためのものです。「怒り」は現状を良い方向に変えるための原動力であり、「嫌悪」は自分の価値観を見つめ直す機会を与えています。
このように、ネガティブな感情は排除すべきものではなく、過去・現在・未来の問題を解決するために役立つものと理解することが適切です。
このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。
感情の受けとめ方のステップ
次のステップに従って、感情を理解し、適切に対処することで、より健全な感情の管理が可能になります。
- 感情は自己認識に対する反応
感情は私たちの自己認識に反応して生じます。
- ネガティブ感情の本質
ネガティブな感情は必ずしもその本質を反映しているわけではありません。感情は瞬間的に沸き起こるだけでなく、過去の積み重ねがさらなるネガティブ感情を生むことがあります。
- 警鐘としての感情
ネガティブ感情が二次感情や三次感情として現れる背景を理解することが重要です。これを捉えないと、感情に振り回されてしまいます。
- 感情と認知・欲求の関係
感情は認知や欲求と密接に関連し、行動や言語への反応として現れます。
- 喜怒哀楽の変化
- 喜びはさらなる恍惚を求める動因となり得る
- 怒りは激怒へと発展し反応行動を引き起こす
- 悲しみはさらなる悲嘆・悲痛をもたらし行動を抑制する
- 経験学習による感情の変化
意識的な経験学習を通じて欲求を充足し、ネガティブな感情を解消することで、ポジティブな感情を求める「意志的感情」へと変えることができます。
- 防衛機制と認知バイアス
無意識の中で防衛機制が発動し、認知のバイアスがネガティブな感情である怒りや悲しみを増強させる場合があります。
- ネガティブ感情の意義
- 悲しみ:過去の後悔を繰り返さないための学習
- 恐れ:未来に備えるため、リスクを予測するため
- 怒り:現状を良い方向に変えるための原動力
- 嫌悪:自分の価値観を見つめ直す機会
ネガティブな感情は排除するべきではなく、過去・現在・未来の問題を解決するために役立つものであると理解することが大切です。
思考・欲求・感情の円環関係の考え方
起こってしまった状況や出来事、また直面した対人(相手)の言動や考えは変えられませんが、ストレッサーの受け取り方である自己の認知・自動思考は変えることができます。しかし、私たちは無意識に起こる防衛機制や否定的な認知・スキーマに気づかず、悩んだり不適応な行動を取ってしまうことがよくあります。
個人が出来事や状況、対人関係に対し、逃避や攻撃、フリーズで否定的に対処してしまうことがあります。その否定的な対処の中でも、素直で覗きやすい感情と欲求を表出させ、バイアスと比較しながら観察することで、自己の不適応を認識することができます。
円環関係の中では、生きづらさを比較的表現しやすい「感情」の情報に注目します。感情は出来事に対して瞬時に湧く一次感情と、変化や継続的にネガティブで苦しめられる二次感情、三次感情があります。感情を引き起こす「認知」はもちろん、「欲求」も大きく関与しています。欲求が満たされないと不快感情が現れ、欲求が満たされると快感情が現れるという関係があります。
このように「認知」は無意識に潜む防衛機制やスキーマによって形成されているため、自己で探求するのはとても難しいのです。そのため、自我状態の非機能的な認識や不適応的なスキーマに感じるストレッサーの不快の対象を「感情」に注目し、「欲求」の対象、「認知」の否定的な考えを起こすバイアスの分析が問題解決への近道だと考えています。
思考・欲求・感情の考え方のステップ
次のステップに従って、思考・欲求・感情を理解し、適切に対処することで、より健全な自己管理が可能になります。
- 現実の変えられない部分を認識
起こってしまった状況や出来事、また対人(相手)の言動や考えは変えられないことを認識する。
- 認知と自動思考の変化可能性
ストレッサーの受け取り方である自己の認知や自動思考は変えることができる。
- 防衛機制とスキーマの認識
無意識に起こる防衛機制や否定的な認知・スキーマに気づかず、悩んだり不適応な行動を取ってしまうことがよくある。
- 否定的対処の認識
出来事や状況、対人関係に対して逃避、攻撃、フリーズで否定的に対処していることを観察する。
- 感情と欲求の表出
否定的な対処の中でも素直で覗きやすい感情と欲求を表出させ、バイアスと比較しながら観察する。
- 感情の表現と円環関係
感情は生きづらさを比較的表現しやすい情報であり、瞬時に湧く一次感情と、変化や継続的にネガティブで苦しめられる二次感情、三次感情がある。
- 認知と欲求の関与
感情を引き起こす認知だけでなく、欲求も大きく関与している。欲求が満たされないと不快感情が現れ、満たされると快感情が現れる。
- 防衛機制とスキーマの探求
認知は無意識に潜む防衛機制やスキーマによって形成されるため、自己で探求するのは難しい。
- 感情、欲求、認知の分析
自我状態の非機能的な認識や不適応的なスキーマに感じるストレッサーの不快の対象を感情に注目し、欲求の対象、認知の否定的な考えを起こすバイアスを分析することが、問題解決への近道である。
最弱 | 微弱 | 弱 | 基本感情 | 強 |
平穏 | 爽快 | 幸福 | 喜び | 恍惚・歓喜 |
容認・合一 | 信頼・受容 | 敬愛・感嘆・崇拝 | ||
臆病 | 懸念 | 心配・不安 | 恐れ | 恐怖 |
混乱 | 驚き | 驚愕・驚嘆 | ||
陰気 | 哀愁・憂い・落胆 | 悲しみ | 悲嘆・悲痛 | |
面倒 | うんざり | 退屈・嫌気 | 嫌悪 | 憎悪 |
当惑 | 苛立・煩さ | 怒り | 激怒 | |
構え | 予期 | 期待 | 関心・興味・願望 |
ネガティブな感情の理解
精神的な『生きづらさ』や『行動化』、『自己肯定感の低さ』に注目すると、知っておきたいネガティブな感情があります。それは、「恐れ」と恐れの弱い感情である「不安/心配」、驚きの弱い感情である「放心/動揺」と驚きの強い感情である「驚愕」、「悲しみ」と悲しみの強い感情である「悲嘆/悲痛」、「嫌悪」と嫌悪の強い感情である「憎悪」、「怒り」と怒りの弱い感情である「苛立ち」と怒りの強い感情である「激怒」についてです。その上で、後悔や寂しさ、絶望感、孤独感にも触れてみます。
恐れと不安/心配
恐れの感情に不安と恐怖がありますが、不安は対象のない恐れであり、恐怖は特定の対象があります。不安は、私たちの身体や心が危険やストレスに対処しようとする自然な反応です。これは、進化の過程で生き残るための重要な機能であり、危険に対処するための身体的な準備を整えることが目的です。不安は、身体的な反応や心理的な変化を引き起こすことがあります。身体的な反応としては、心拍数の増加、息切れ、筋肉の緊張、または胃の不快感などが挙げられます。心理的な変化としては、集中力の低下、不安感や不安定な気分、睡眠障害などがあります。対象のない不安は突然、前振りもなく突如と発作的に生じることがあり、不安が強ければ強いほど身体症状(過呼吸や四肢のしびれやこわばりなど)に変えて現れることがあります。また、不安発作の身体症状におびえることで、将来の発作を予期する予期不安まで出現することもあります。
恐怖は、危険や脅威に対する生じる感情です。恐怖は身体的な反応や心理的な変化を引き起こし、身を守るための反応として進化的に発達した感情です。
この感情は、さまざまな状況や体験によって引き起こされます。例えば、実際の危険、ストレスフルな状況、未知のことに対する不安、トラウマなどが挙げられます。恐怖の感情は、身体的な反応としては心拍数の増加、息切れ、汗をかくこと、または逃げたり戦ったりする反応を引き起こすことがあります。
恐れと不安/心配解説と具体例を通じて、欲求の対象、生理的・心理的影響、認知の否定的なバイアス、心理的防衛機制がどのように関与しているかを理解することができます。これらの感情を理解し、適切に対処することで、精神的な生きづらさや不適応な行動を減らし、自己肯定感を高めることができます。
より弱い感情 | 基本感情 | より強い感情 |
不安・心配 | 恐れ | 恐怖 |
恐れ(Fear)
不安/心配(Anxiety/Worry)
驚愕と放心/動揺
驚愕は、突然の出来事や予期しない情報に対して感じる強い驚きやショックのことです。驚愕すると、思考や行動が一時的に停止したり、混乱したりすることがあります。
放心や動揺は、心が落ち着かずに不安や不安定な状態になる感情です。放心すると、周囲の出来事に対する理解が曖昧になったり、自分の感情がコントロールできなくなったりすることがあります。動揺すると、不安や緊張が高まり、普段よりも感情的になることがあります。
これらの感情は、突然の出来事や重要な情報に直面したときに自然に起こるものであり、その状況に適切に対処するためには、感情を受け入れつつ冷静さを保つことが大切です。
驚愕と放心/動揺の解説と具体例を通じて、欲求の対象、生理的・心理的影響、認知の否定的なバイアス、心理的防衛機制がどのように関与しているかを理解することができます。また、驚愕や放心/動揺は、私たちの身体と心にさまざまな影響を与えます。これらの感情を理解し、適切に対処することで、精神的な生きづらさや不適応な行動を減らし、自己肯定感を高めることができます。
より弱い感情 | 基本感情 | より強い感情 |
放心・動揺 | 驚き | 驚愕 |
驚愕(Astonishment)
放心/動揺(Disorientation/Agitation)
悲嘆/悲痛、悲しみ
悲しみは、喪失や失望、つらい出来事に対する反応として生じる感情です。悲しみは心の痛みや絶望感を伴うことがあり、対人関係や生活の変化によって引き起こされることがあります。悲しみは感情的な回復や自己成長の過程にも関連します。
悲しみは、喪失や心の痛みに対する感情です。この感情は、様々な形で訪れます。例えば、喪失、失望、孤独、過去の出来事の思い出、または他者の苦しみを目にしたときなど、さまざまな要因によって引き起こされます。
悲しみは個人によって異なるもので、その度合いや影響もさまざまです。時には深刻なストレスや心の負担を引き起こすこともありますが、適切に処理することが大切です。
悲嘆/悲痛、悲しみの解説と具体例を通じて、欲求の対象、生理的・心理的影響、認知の否定的なバイアス、心理的防衛機制がどのように関与しているかを理解することができます。また、悲しみや悲嘆/悲痛は、私たちの身体と心にさまざまな影響を与えます。これらの感情を理解し、適切に対処することで、精神的な生きづらさや精神的な健康を保ち、困難な状況に立ち向かう力を得ることができます。
より弱い感情 | 基本感情 | より強い感情 |
哀愁・憂い | 悲しみ | 悲嘆・悲痛 |
悲しみ(Sadness)
悲嘆/悲痛(Grief/Sorrow)
憎悪と嫌悪
嫌悪は他者と自己を対象に抱く感情が主なものとなります。他者に抱く感情は自己との相違と類似による反応ですが、これは防衛機制の抑圧した心理の投影が働いていると予測されます。他者嫌悪は相手への嫉み、相手の傲慢さ、自己中心的な面、主張過剰さに反応しています。自己嫌悪は自分に嫌気を指し、憂鬱になっている状態です。これは自己をうとんじることや後悔、劣等感、自信喪失を感じています。背景には完全主義者で競争心が強くプライドが高いことが多く、価値観などの認知バイアスが関係しています。
嫌悪感を持つこと自体は一般的であり、個人の感情や考え方によって異なります。しかしながら、嫌悪感が日常生活に深刻な影響を与えたり、他者との関係に支障をきたしたりする場合は、その感情を扱う方法を見直すことが重要です。感情を理解し、それを受け入れること、また適切に対処することが大切です。時には、嫌悪感をもたらす要因に対して理解を深めることで、感情を軽減させたり、対処する手段を見つけることができるかもしれません。
憎悪と嫌悪の解説と具体例を通じて、欲求の対象、生理的・心理的影響、認知の否定的なバイアス、心理的防衛機制がどのように関与しているかを理解することができます。これらの感情を理解し、適切に対処することで、精神的な生きづらさや不適応な行動を減らし、自己肯定感を高めることができます。
また、これらの解説により、憎悪と嫌悪の一次感情および二次感情としての違いが明確になり、どのような状況でこれらの感情が生じるかを理解することができます。また、それぞれの感情が引き起こす生理的および心理的影響についても認識することが重要です。
より弱い感情 | 基本感情 | より強い感情 |
退屈・嫌気 | 嫌悪 | 憎悪 |
憎悪(Hatred)
嫌悪(Disgust)
嫌悪は不快や不愉快を感じる感情であり、ある対象や状況に対して強い反感や嫌悪感を抱くことを指します。この感情は、特定の物事、行動、特性、または人物に対して強い否定感を持つことが特徴です。また、個人の価値観や信念に基づいて生じることがあります。例えば、特定の行動や価値観が自分の道徳的な観点や信念に合わないと感じたとき、その行動や価値観に対して嫌悪感を抱くことがあります。このように、嫌悪は特定の状況や物事に対する不快感や恐怖感から生じることもあります。
「憎悪・嫌悪」の欲求の対象と認知のバイアス・心理的防衛の解説
欲求の対象
- 憎悪と嫌悪の背後には、特定の欲求があります。信頼や正義の追求、自分の嗜好や快適さの保護などが達成されないとき、これらの強い感情が生じます。欲求が満たされないと感じると、状況が不公平であると認識され、感情が強まります。
認知の否定的なバイアス
- 認知の否定的なバイアスは、出来事を過剰に否定的に捉え、感情反応を強化します。過剰一般化や破局化思考などのバイアスが働くことで、実際の状況以上にストレスフルで憎悪や嫌悪感が増幅されます。
心理的防衛機制
- 防衛機制は、無意識のうちにストレスや感情を扱うためのメカニズムです。投影や置き換えは、内面的な問題やストレスを外部に転嫁することで、一時的に感情の安定を図りますが、長期的には問題の解決を妨げることがあります。合理化や分裂も同様に、自己防衛のために働くものの、根本的な問題に向き合うことを避ける結果になります。
激怒・怒り・苛立ち
怒りは、不快感情の中でも最も強いエネルギーを持った感情です。アドラーは不当な扱いを受けたり、理不尽な言動に晒されたときに感じる二次感情と言っています。環境や状況に対し、直前に感じた傷つきのような一次感情「不安」「困惑」「恐れ」「寂しい」「悲しい」「恥ずかしい」「辛い」「苦しい」というようなネガティブな感情が「怒り」の裏に隠されています。ほとんどの場合「怒り」は強いエネルギーの情動で表現されるため、一次感情を自覚せず「怒り」だけが感じられているようです。
怒りは、不満や不平、不公平に対する感情であり、不快やストレスを引き起こすことがあります。自分の目標や欲求を達成できないと感じたり、他の人や状況によって妨げられたりすると、怒りを感じることがあります。この感情は、身体的な反応や心理的な変化を伴うことがあります。怒りの身体的な反応には、心拍数の増加、血圧の上昇、筋肉の緊張、あるいは過剰なエネルギーが出ることがあります。
「激怒」、「怒り」、「苛立ち」の解説と具体例を通じて、欲求の対象、生理的・心理的影響、認知の否定的なバイアス、心理的防衛機制がどのように関与しているかを理解することができます。これらの感情は、いずれも不快感や不満に基づいていますが、その強度や引き金となる出来事の重大性によって異なります。それぞれの感情がどのように生じ、どのような状況で感じられるかを理解することは、自己理解や他者との関係性の改善に役立ちます。
より弱い感情 | 基本感情 | より強い感情 |
苛立ち・煩わしさ | 怒り | 激怒 |
激怒(Rage)
- 感情の意味
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激怒は非常に強い怒りの感情であり、制御が難しくなるほどの強烈な怒りを指します。この感情は瞬時に爆発し、身体的および精神的に強い反応を引き起こします。
- 一次感情 or 二次感情
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激怒は強烈な怒りの感情であり、通常は身体的・心理的に非常に強い反応を引き起こす一次感情であり、直接的なトリガーに対する反応として生じる一次感情と考えられます。ただし、背景に長期的なストレスや抑圧された怒りがある場合は、二次感情としても現れることがあります。
- 生理的・心理的影響
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生理的影響
- 身体的な反応
- 激怒の際には、アドレナリンが大量に分泌され、心拍数が急激に上昇し、血圧も上がります。また、筋肉が緊張し、戦闘もしくは逃走の準備が整います。
- 行動的反応
- 攻撃的な行動を引き起こすことが多く、暴言や暴力に繋がることがあります。
心理的影響
- 思考の集中
- 激しい怒りによって、理性的な判断が難しくなり、冷静な思考ができなくなります。
- 後悔や罪悪感
- 怒りが収まった後、自己嫌悪や後悔の感情が生じることがあります。
- 身体的な反応
- 具体的例
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- 交通事故の現場
自分の車が他の車に追突された場合、特に相手が無謀な運転をしていたと感じた場合に、激怒することがあります。この場合、事故のショックと怒りが一気に爆発し、相手に対して非常に攻撃的な態度を取ることがあります。 - 子供が危険な目に遭った時
親が自分の子供が他人に危険な行動をされたと知ったとき、激怒することがあります。この場合、子供を守りたいという強い感情が激怒として爆発します。
- 交通事故の現場
- 欲求の対象と認知の否定的なバイアスの例
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ケース1: 上司からの不公平な扱い
- 状況: 社員が、上司から他の同僚と比べて不公平な扱いを受けていると感じています。特にプロジェクトの評価や昇進の機会が自分に対して不当に少ないと感じています。
- 欲求の対象: 公正な評価と平等な扱い
- 認知の否定的なバイアス
- 全か無か思考(All-or-Nothing Thinking): 「上司が自分を正当に評価しないなら、他の全ての努力も無駄だ」と感じる。
- 自責思考・個人化(Personalization): 「上司が評価してくれないのは、全て自分の能力が不足しているからだ」と思い込む。
ケース2: 家族の無関心
- 状況: 家族が自分の誕生日や大切なイベントを忘れてしまったとき激怒するようなこともあります。
- 欲求の対象: 愛情と認知の欲求
- 認知の否定的なバイアス
- 過剰一般化(Overgeneralization): 「家族が自分の誕生日を忘れるなんて、皆は自分を全く大事にしていないんだ」と思い込む。
- マイナス化思考(Mental Filter): 「家族の愛情は全て偽りだ」と感じ、ポジティブな思い出を無視する。
- 心理的防衛機制が関与している例
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ケース1: パートナーとの口論
- 状況: パートナーと口論になり、激怒した状態に陥ります。
- 心理的防衛機制
- 置き換え(Displacement): 本来の怒りの原因は職場でのストレスであるにもかかわらず、パートナーに対してその怒りをぶつける。
- 合理化(Rationalization): 怒りの感情を「パートナーがいつも自分を理解してくれないから」と説明し、自分の反応を正当化する。
ケース2: 子供への厳しい叱責
- 状況: 親が子供に対して激怒し、非常に厳しい叱責をする。
- 心理的防衛機制
- 投影(Projection): 親が自分の仕事の失敗やストレスを子供に投影し、子供の行動に対して過剰に怒る。
- 抑圧(Repression): 長期間にわたる自分の不満や怒りを抑圧してきた結果、些細なことで爆発的な激怒が現れる。
- ケースについて欲求・バイアス・心理的防衛の解説
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欲求の対象
- 激怒の背後には、強い欲求があります。公正な評価や愛情といった欲求が満たされないとき、その不満が激怒として表れることがあります。
認知の否定的なバイアス
- 認知の否定的なバイアスは、出来事を過剰に否定的に捉え、感情反応を強化します。全か無か思考や過剰一般化などのバイアスが働くことで、実際の状況以上に不公平や無関心を感じ、激怒が引き起こされます。
心理的防衛機制
- 防衛機制は、無意識のうちにストレスや感情を扱うためのメカニズムです。置き換えや投影は、内面的な問題やストレスを外部に転嫁することで、一時的に感情の安定を図りますが、長期的には問題の解決を妨げることになります。合理化や抑圧も同様に、自己防衛のために働くものの、根本的な問題に向き合うことを避ける結果になります。
怒り(Anger)
苛立ち(Irritation)
苛立ちは、一次感情と言われる感情の一つです。一次感情とは、直接的に感じる基本的な感情のことです。苛立ちは、不快感やストレス、不満などが原因で生じる感情であり、イライラや焦燥感などといった感情を含んでいます。この感情は、何かがうまくいかないと感じたり、障害や妨げに遭ったりしたときに生じることが多くなります。自分の目標や欲求を達成できないと感じたり、他の人や状況によって妨げられたりすると、苛立ちを感じることがあります。
苛立ちは、不満やイライラ、焦燥感などを含む感情で、通常は何かがうまくいかないと感じたり、障害や妨げに遭ったりしたときに生じることが多いです。
この感情は、目標や欲求を達成できないと感じたり、他の人や状況によって妨げられたりすると生じることがあります。また、予期しない出来事や思い通りにいかないことに対しても、苛立ちを感じることがあります。
後悔・寂しさ・絶望感・孤独感の解説は次ページをご覧ください。