過去の後悔を受け入れることで現在の生きづらさも解消でき、未解決な感情を完了させることで自分への信頼を取り戻し、未来にも希望を持てるエンプティチェアのセッション
過去の後悔・現在の不安を抱えて生きづらさを感じているクライエントが多いのが事実です。その後悔と不安から苦しみに支配され、未来を想像できずに苦悩しています。エンプティチェアのプロセスにより、クライエントは未解決の感情と向き合い、それを受け入れ、許し、手放し、そして未来に対する希望を見出すことができるような柔軟な心をもてるようになります。現在の自分と過去の自分、そして未来の自分との対話を通じて、自己認識が深まり、自己成長への道が開くことのお手伝いができるセッションです。
後悔と不安のエンプティチェアのセッションは自己承認と希望の再発見がテーマです。過去を受け入れ、現在を肯定し、未来に希望を持つことで、クライエントは自分自身に対する新たな信頼感を取り戻します。これにより、過去の重荷から解放され、未来に向けた前進が可能になります。
特に、過去の後悔や失敗に対する許しは、クライエントが次のステージに進むための重要なステップです。この許しによって、クライエントは過去に縛られず、未来に対して積極的で建設的な姿勢を取れるようになります。
このステップでは、クライエントが今の自分の感情や思考を率直に表現します。後悔や不安など、現在の感情を直視することが目的です。これにより、クライエントが抱えている問題や感情の存在を認識し、感情の根源を探る準備が整います。
考察
この段階は、自己認識を高める重要なステップです。クライエントが感じているネガティブな感情を言葉にすることで、感情が具体的になり、何に苦しんでいるかが明確化されます。
クライエントが過去の自分になりきり、現在の自分に対して応答します。過去の自分の視点から、どうしてその決断をしたのか、何を感じていたのかを表現することで、過去の出来事に対する理解を深めます。
考察
過去の自分として語ることで、クライエントは当時の状況や思考、感情を再認識できます。これにより、「なぜその時にその選択をしたのか」「どんな気持ちだったのか」といった理解が深まり、過去の自分に対してより客観的な視点を持つことができるようになります。
現在の自分として、過去の自分に対して返答します。この対話を通じて、過去の自分が抱えていた不安や後悔を現在の視点から受け止め、過去の自分を許す準備を進めます。
考察
このステップでは、現在の自分が過去の自分をどう受け止めるかが問われます。過去を批判するのではなく、理解し、共感することができれば、過去の自分を受け入れるプロセスが始まります。これは自己許しの重要な一歩です。
ここでは、過去に対する許しがテーマとなります。過去の選択や行動に対して後悔を抱えていたクライエントが、それらを許し、自己理解を深めるプロセスです。過去の過ちを許すことで、過去に縛られた状態から解放されます。
考察
許しは自己受容の重要な要素です。過去の自分を批判し続けることは自己否定に繋がりますが、このステップでは、その否定的な感情を手放し、自分を理解し、許すことが可能になります。これによって、クライエントは未来に向けた新しい視点を持つことができます。
クライエントが未来の自分と対話し、どんな未来を目指したいのか、どのように変化しているのかを探ります。未来の自分がどのような感情を持っているのか、何を成し遂げたのかを想像することで、希望や目標を明確化します。
考察
未来に焦点を当てることで、クライエントは現在の後悔や不安を一時的に手放し、前向きなビジョンを描くことができます。これにより、クライエントは「今、何をするべきか」という目標を持つことができ、積極的に未来を切り開く力が生まれます。
クライエントが未来の自分として、現在の自分に対して応答します。未来の自分が今の自分に対してどんな助言を与えるのか、どのような言葉をかけるのかを考え、自己成長や希望を具現化します。
考察
未来の自分からの応答は、クライエントにとって強力なモチベーションとなります。未来の自分が現在の自分を励ますことで、クライエントは前向きな変化を受け入れやすくなり、具体的な行動を取る準備が整います。
最後のステップでは、自己承認と希望の再発見がテーマです。過去を受け入れ、現在を肯定し、未来に希望を持つことで、クライエントは自分自身に対する新たな信頼感を取り戻します。これにより、過去の重荷から解放され、未来に向けた前進が可能になります。
考察
自己承認と希望の再発見は、エンプティチェアのセッション全体を通じての集大成です。未解決の感情に向き合い、それを乗り越えることで、クライエントは自己を肯定し、未来に対する意欲を持つことができるようになります。この段階では、過去の後悔に対する和解が成立し、自己成長と未来の可能性が広がります。
52歳の男性です。後悔と不安、自己肯定感の低さ、孤独を感じていて、今後どのように生きて行けばよいのか悩んでいます。
今振り返ると幼少の時から他人の評価が気になり、思うように会話ができなくて物静かな存在でした。小学生になると人前での緊張が強くなり、国語や英語の音読や授業の回答の際に声が震えてしまい実力を発揮できることはありませんでした。いつも、先生の声にびくびくしていて緊張がゆるまなく、先生に見られたり名前を呼ばれたりすると赤面し、赤面したことで汗が出て震えてしまい、持つペンもコントロールできなくなってしまいました。この症状の強さは高校生まで続きました。他人が自分のことをどのように思っているのだろうと気になってしまって、意識は自分から他者に移っていくのも感じていました。
社会人になると他者への緊張感は弱まりましたが、他人でも身内でも人の前では電話で話しているのを聞かれることに恥ずかしい感覚がありました。パソコンの入力や日報の作成時なども特に上司から見られると動揺しました。
他人の評価が気になって仕方ないのですが、唯一自分を表現できるのはお酒を飲んで気持ちが大きくなる時くらいでした。ただし、自分を良く見せようとして、育ちや学歴、経歴もごまかすことが癖にもなっていて、すらすらと嘘をつける自分がいました。
他人を犠牲にしても自分が欲しいものがあると手に入れるタイプでした。気が短く、すぐに激怒し相手が引くまで怒鳴り続けることで、自分の強さを見せるための行動をしていたような気がします。特に自分のことを非難されることに対して、自分を守ろうとしているように思えました。相手を負けに追い込む威嚇戦術は幾度となく成功しているので、すぐにスイッチが入って使えるようになっていました。
会社も事あるごとに退職を繰り返して10社以上に関わりました。退職理由は、対人関係を拗らせることも多いのですが、会社で起こしてしまうミスが発覚すると他人から卑下されることを嫌い、人に頭を下げることが苦痛で逃げてしまうことが理由でした。
25歳で子供は3人いますが、離婚していて養育費を渡せないこともありましたが、3人とも社会人になっています。妻には様々な苦悩を与えてしまい、今となっては優しい言葉もかけられなかったことをとても後悔していて、片時も忘れたことがないくらい後悔しています。
現在は、今までのような性格も落ち着き一人暮らしで仕事も3年続いています。ただし、酒席になると自分が特別な人間であり、周りから一目置かれたい、認められたい気持ちが強く現れ、育ちや学歴、経歴などバレてしまう嘘でも持ち出す時があります。その後は、嘘がバレないような行動をするようになります。
この年代になり、前妻や子どもたちのことなど、あれもこれも後悔してしまうことが多くなり、もう一度人生をやり直せたらなどということばかりを考えるようになっています。
私は、今までに自分が習得した技術や資格もなく、将来の価値観や行動も見いだせないでいるのと、この年ですから健康面も考えると不安でいっぱいです。今の働いている飲食業でも経験が少なく、調理師の資格もないので助手的な業務に配置され、低賃金で食べていくだけの人生です。このように自己肯定感も低くて新たなことにチャレンジする自分が考えられません。しかし、自分では発達障害や精神的な障害はないと思っています。
今まで、妻をはじめとし多くの方に迷惑をかけた過去の後悔が強いわりに、未だに他人に対しての評価を気にしています。友達は一人もいなく、愚痴をこぼしたり相談できる相手もいません。とても生きづらさを感じています。
父や母はとても優しく育ててくれたのに、連絡も途絶えさせたうえに親孝行することもなく、噂では他界しているようです。こんな自分が存在したことで多くの人達を傷つけてきてしまった自分が許せない、情けないという後悔でいっぱいです。私は最低の人間です。
このページを含め、心理的な知識の情報発信と疑問をテーマに作成しています。メンタルルームでは、「生きづらさ」のカウンセリングや話し相手、愚痴聴きなどから精神疾患までメンタルの悩みや心理のご相談を対面にて3時間無料で行っています。
- ゲシュタルトの歴史と先駆者の理論
- ゲシュタルト療法のエンプティチェア
- ゲシュタルト療法の6つの技法
- 母親のネグレクトをエンプティチェアでセッション
- 義父からの虐待をエンプティチェアでセッション
- 夫婦間の不満をエンプティチェアでセッション
後悔と不安感情へのエンプティチェアのセッション
ゲシュタルト療法の「エンプティチェア」技法を使ったセッションでは、クライエントが自身の感情や未解決の問題と対話し、感情の整理や自己理解を深めることが目指されます。今回のケースでは、「後悔」と「不安」を抱える自分を空の椅子に座らせ、その感情と向き合うことが目指します。
セッションは、エンプティチェアを通じて未解決の感情と向き合い、クライエントが自身の感情を言語化し、整理することを促進します。
ゲシュタルト療法のエンプティチェア技法におけるセッション1「導入・椅子の準備」は、クライエントが自身の内面と対話する準備を整えるための重要なステップです。ここでは、クライエントが安心して自分の感情に向き合えるよう、セラピストが丁寧に進行することが求められます。
導入・椅子の準備
セッション1のポイント
- クライエントが安心して自己探求を始められるよう、丁寧な導入が必要です。
- 椅子のセッティングは、象徴的存在を視覚的にイメージしやすくし、感情表現を促進します。
- クライエントが椅子にどんな感情や存在を座らせるかを明確にし、その感情を共感的に受け止めることで、深い内面探求をサポートします。
これにより、クライエントは後悔や不安という感情に対して距離を取り、客観的に向き合う準備が整います。
最初にセラピストは、エンプティチェア技法の概要とその目的をクライエントに説明します。クライエントは、何を期待できるのか、どのような流れで進むのかを知ることで、安心感を持つことができます。
セラピストの例: 「今日は、今感じている後悔や不安について、もう少し深く自分の内側に向き合っていくためのエクササイズを行いたいと思います。エンプティチェアという技法を使って、あなたが今抱えている感情や未解決な問題に対話形式で向き合っていきます。最終的に、あなた自身がどんな感情を抱えているかを整理し、その感情とどのように付き合っていくかを探ることが目的です。」
次に、セラピストは部屋に2つの椅子をセッティングします。1つはクライエントが座る椅子で、もう1つは「空の椅子」として、クライエントの抱えている後悔や不安、過去の自分など、象徴的なものを座らせるために用意します。
セラピストの例: 「この空の椅子には、あなたが今特に感じている後悔や不安を象徴する存在を座らせたいと思います。具体的には、どんな感情や状況をここに座らせたいですか?」
クライエントが何を象徴させるかを自ら選ぶことが重要です。この場合、クライエントは「過去の自分」や「後悔」といった抽象的な存在を椅子に座らせることが多くなります。
椅子の準備ができたら、セラピストは改めてクライエントに対してこのエクササイズが感情を表現しやすくするためのものであることを説明し、クライエントは感情的な準備を整える手助けをします。クライエントが戸惑っている場合は、エンプティチェア技法がもつ内省の効果や感情的解放のメリットについて優しく促すことが効果的です。
セラピストの例: 「この空の椅子に座っている存在に向き合うことで、今あなたの中にある後悔や不安について、これまでとは少し違う視点で感じたり、整理することができます。自分の内側で何が起こっているのかを客観的に見つめることができる機会だと考えてみてください。」
クライエントが空の椅子に座らせる存在や象徴を選んだ後、セラピストはクライエントがどのような感情を抱えているかを確認し、その感情に対して共感的な姿勢を示します。これにより、クライエントは安心して感情を表現することができます。
セラピストの例: 「あなたがこの椅子に後悔や不安を座らせていること、そしてそれがどんなに大きな感情であるかを感じ取っています。その気持ちは今、どんな風にあなたに影響を与えていますか?少しその感情に集中してみましょう。」
最後に、セラピストはクライエントに、セッションが始まる準備ができているかを確認します。クライエントが少し戸惑うこともあるので、セラピストは焦らず、クライエントのペースに合わせることが大切です。
セラピストの例: 「それでは、少しずつ始めていきましょう。準備はできていますか?」
クライエントが「準備できている」と感じるまで、この確認を行います。
エンプティチェアのセッション2「現在のあなた自身と対話する」では、クライエントが空の椅子に座らせた象徴(この場合「後悔」や「不安」)に向かって、自分自身の感情を表現し、その象徴との対話を試みます。このプロセスは、感情や内面的な葛藤を外に出すことを目的としており、クライエントが自分の中の未解決な問題に対処するための重要なステップです。
現在のあなた自身と対話する
セッション2のポイント
- クライエントが「後悔」や「不安」と直接対話することで、感情を外に出し、整理することが目的です。
- クライエントが感情を表現しやすいように、セラピストは共感的で受容的な態度を維持します。
- セラピストは、クライエントが自分の内面を深く探求するよう、質問や対話を促進し、感情をより深く理解できるようサポートします。
このセッションを通じて、クライエントは自分の感情と向き合い、後悔や不安を受け入れる第一歩を踏み出すことができます。
セラピストはクライエントに、空の椅子に座らせた象徴(後悔や不安)を意識し、その象徴に向かって自分の感情や考えを伝えるよう促します。
セラピストの例: 「それでは、この椅子に座っている後悔や不安に向かって、今のあなたの気持ちを率直に伝えてみましょう。後悔や不安に対して、何を感じていますか?どんなことを伝えたいですか?」
クライエントは、空の椅子に座っている「後悔」や「不安」に向かって自分の気持ちを表現します。セラピストは、クライエントが自由に感情を表出できるようにサポートし、必要に応じて質問を投げかけ、対話を促進します。
クライエントの例: 「後悔…君はいつも僕の中にいる。どうして君が消えてくれないのか、わからない。ずっと昔にした決断が、今でも僕を苦しめている。あの時、違う選択をしていれば、今の僕は違った人生を送っていたかもしれない。どうして僕は、あの時にもっと良い選択をできなかったんだ?」
セラピストは、クライエントの感情に共感し、深めるためのフォローを行います。このとき、クライエントが感じている感情や思考を確認し、さらに対話を深める質問を投げかけます。
セラピストの例: 「あなたが今、後悔に向かって伝えた気持ちは、とても強く感じられました。あの時の選択が今のあなたに深く影響を与えているんですね。もし、後悔があなたに何か答えを返すとしたら、どんなことを言っていると思いますか?」
クライエントは、空の椅子に座っている「後悔」や「不安」が返事をするかのように、その象徴の視点から考え、答えるよう促されます。これはクライエントの内的対話を促進し、感情の整理を進める役割を果たします。
クライエントの例: 「後悔が僕に言うことは、『あの時はそれがベストだと思っていたんだ。確かに違う選択肢もあったかもしれないけど、その時はそれが正しいと思ったんだ』って。でも、僕はどうしても、もっと良い選択ができたんじゃないかって思ってしまうんだよ。」
セラピストは、クライエントが過去の選択や現在抱えている感情をより深く探求するよう促し、感情の背景にある思考や価値観に目を向けるように導きます。
セラピストの例: 「後悔の言葉を聞いて、あなたはどう感じましたか?過去のあなたは、その時点ではベストだと信じていたようですね。でも、今のあなたはそれに対してどんな感情を抱いていますか?もし、当時の自分に何か伝えられるとしたら、何を言いたいと思いますか?」
クライエントは、自分自身の感情や内面の葛藤をさらに探り、過去の選択に対する見方を少しずつ変えたり、理解を深めたりすることができるようになります。この対話を通して、後悔や不安と向き合う力を養っていきます。
クライエントの例: 「もし当時の自分に言えるなら、『その時は本当にベストだと思ったんだから、それでいいんだ』って伝えたい。でも、どうしてもその言葉を信じ切れない自分もいる。あの選択が僕の人生にどれだけ大きな影響を与えたかを考えると、やっぱり悔しいんだ。」
セッションの最後に、セラピストはクライエントの感情を整理し、次のステップに繋げます。クライエントが自分の中で感じた変化や新たな視点についてまとめ、次の対話に向けて準備を整えます。
セラピストの例: 「あなたは今、過去の選択に対して理解と後悔の両方を感じていますね。これはとても重要な気づきです。少しずつ、後悔や不安と向き合いながら、自分の感情を整理していくことで、新しい視点が生まれてきます。次のステップとして、この感情とどのように付き合っていくか、一緒に考えていきましょう。」
エンプティチェアのセッション3「過去の自分として応答する」では、クライエントがエンプティチェアに座り「過去の自分」に成り代わることで、過去の選択や出来事に対する内なる対話を進めます。これにより、当時の自分の気持ちや視点を現在の自分が理解し、和解するためのきっかけをつかむことを目指します。
過去の自分として応答する
セッション3のポイント
- クライエントをエンプティチェアに座らせ過去の自分に成り代わることで、当時の視点や感情を再評価することが目的です。
- セラピストは、クライエントが過去の選択に対する理解を深め、現在の自分とのギャップを埋めるために、対話を促進します。
- 過去の自分を受け入れることで、クライエントは後悔や不安を減らし、内的な統合を進めることができます。
このセッションを通じて、クライエントは過去の自分との対話を通じて和解の道を見つけ、自己理解を深めることが期待されます。
セラピストはクライエントをエンプティチェアに座らせ「過去の自分」に成り代わるよう促し、その当時の気持ちや考えを表現するように導きます。このプロセスは、過去の自分に対して共感的に向き合い、当時の状況や感情を再認識することを助けます。
セラピストの例: 「次に、空の椅子に座っているとする過去の自分から『現在のあなた』に向かって、エンプティチェアに座っている過去の自分から話してみましょう。あの時のあなたはどんな気持ちで、どんな選択をしたのか、現在のあなたに伝えてみてください。」
クライエントは、空の椅子に座っているとする過去の自分から「現在の自分」に向かって、エンプティチェアに座っている過去の自分として語ります。セラピストはこの対話を促進し、クライエントが当時の視点を深く掘り下げるようにサポートします。
クライエントの例: 「今の僕に伝えたいのは、あの時は僕なりにベストを尽くしていたんだってこと。確かに、完璧ではなかったかもしれないけど、あの時はそれが唯一の道だと思っていた。怖かったし、迷っていたけど、それでも何とか前に進むために決断をしたんだ。」
セラピストは、クライエントの過去の自分が感じていた感情や思考をより詳細に掘り下げ、過去の選択や行動の背景を理解する手助けをします。
セラピストの例: 「その時のあなたは、とても不安や恐れを感じながらも、何とか前に進もうとしていたんですね。その選択が今のあなたに大きな影響を与えていると感じているようですが、過去の自分として、現在の自分に何か伝えたいことはありますか?」
クライエントは、過去の自分の視点から現在の自分に向かってメッセージを伝えます。このプロセスにより、クライエントは過去の自分を理解し、現在の自分とのギャップを埋めることができます。
クライエントの例: 「今の僕に伝えたいのは、あの時の決断を責めないでほしいってこと。あの時は本当に必死だったんだ。もっと良い方法があったかもしれないけど、僕にはそれが見えなかった。それでも、あの時の僕は精一杯やっていたんだ。」
セラピストは、クライエントが過去の自分の視点を受け入れ、現在の自分との和解に向かうよう促します。このステップでは、過去と現在の自分を統合し、内的な対立や葛藤を減らすことを目指します。
セラピストの例: 「過去の自分がそのように感じていたことを、今のあなたはどのように受け取りますか?過去の自分が精一杯努力していたことを、今のあなたはどう感じますか?」
クライエントは、過去の自分の気持ちを理解し、その選択を受け入れ始めます。これにより、過去の自分と現在の自分の対話が進み、内面的な和解が促進されます。
クライエントの例: 自分の席に戻り「そうだね、今の僕は、あの時の自分を少し理解できた気がする。確かに、あの時の決断を責めていたけど、でもあの時の僕は本当にあれがベストだと思っていたんだ。今の僕が抱えている後悔は、あの時の僕の精一杯の選択に対するものだって、少しずつ認められる気がする。」
セラピストは、クライエントが過去の自分と現在の自分をつなげて考えられるようにサポートし、感情の整理を深めるための対話を進めます。クライエントが過去と現在の自分を統合する過程を支援します。
セラピストの例: 「今のあなたが、過去の自分の気持ちや行動を少しずつ受け入れ始めていることは、とても大きな前進です。過去と現在のあなたが少しずつつながり、和解に向かっているように感じますね。この対話を通じて、過去の自分をどのように理解し、今後どう付き合っていくか、さらに考えていけると良いですね。」
エンプティチェアのセッション4「今の自分からの応答」では、クライエントが現在の自分として、過去の自分に応答します。このプロセスでは、過去の自分の感情や行動を理解し、受け入れることで、クライエントが自己和解を進めるための鍵となります。
今の自分からの応答
セッション4のポイント
- クライエントが現在の自分として、過去の自分に向き合い、感謝や理解、許しを表現します。
- セラピストはクライエントが過去の自分に対して共感的で前向きな感情を持つよう促します。
- セッションを通じて、クライエントは過去の自分と和解し、自己統合を進めることが目的です。
このセッションでは、クライエントが過去の自分に感謝や理解を示し、自己批判を緩めることで、内面的な和解が促進されます。セッションを通じてクライエントは、過去の自分と現在の自分を統合し、今後の人生における前向きな一歩を踏み出す準備が整います。
セラピストは、クライエントが過去の自分に戻った後、再度「現在の自分」として椅子に座り、過去の自分に向けて応答するように促します。クライエントは現在の視点から、過去の決断や行動を受け入れる対話を進めます。
セラピストの例: 「では、再び現在の自分に戻ってください。そして、今度は過去の自分に向けて話してみましょう。あの時の自分に何か伝えたいことはありますか?」
クライエントは、現在の自分として、過去の自分に向けて感謝や共感、あるいは受け入れるための言葉をかけます。ここでは、過去の自分の選択や感情を理解し、許すことが目標となります。
クライエントの例: 「過去の僕へ、ありがとう。あの時は確かに難しい決断だったし、不安もあったよね。でも、今振り返ると、あれが君にとっての最善の選択だったんだって思う。君は本当に頑張っていたんだね。自分を責めないでいいんだよ。
セラピストは、クライエントが過去の自分に対して共感的に話すよう促し、その言葉に意味を持たせます。過去の自分に対して肯定的な感情を持つことができるように、サポートをします。
セラピストの例: 「今のあなたから、過去の自分への感謝や理解の気持ちが伝わっていますね。今のあなたが、過去の自分をどう感じているか、もっと深く探ってみましょう。過去の自分に対して、もう一度何か伝えたいことはありますか?」
クライエントは、さらに過去の自分に対して応答を続け、より深い理解と和解を目指します。感情の統合を促進するために、過去の痛みや後悔を手放し、前向きな視点を持つことを目指します。
クライエントの例: 「君がその時、できる限りのことをしたって今の僕は理解している。後悔する必要はないよ。たとえ結果が思ったようにならなかったとしても、あの時の君はベストを尽くしていた。それが今の僕にとって大きな意味を持っているんだ。だから、過去の自分を許して、これからの僕たちを一緒に支えていこう。」
セラピストは、クライエントが過去の自分を受け入れ、感情的な統合を進めるためにサポートします。ここでは、過去の痛みや後悔を解放し、現在の自分とのつながりを深めるプロセスを促進します。
セラピストの例: 「今のあなたが、過去の自分に向けて許しや理解の気持ちを表現できているのは、非常に重要なことです。これまで抱えていた後悔や不安が、少しずつ和らいでいるように感じますか?過去の自分との対話を通じて、どんな気づきや感情の変化がありましたか?」
クライエントは、過去の自分との対話を通じて自己理解を深め、感情を整理します。過去の自分を受け入れることで、現在の自分が今後どのように進んでいくかのヒントを得ることができます。
クライエントの例: 「今、少しだけど、過去の自分を受け入れられた気がする。長い間、自分を責め続けてきたけど、もう少し優しくなれるかもしれない。過去の僕も今の僕も、どちらも同じ自分だってことが少し理解できたよ。これからも、自分を責めるのではなく、過去の自分と協力して生きていきたい。」
セラピストは、セッションの終わりにクライエントがどのように感じているかを確認し、今後の進展をサポートします。セラピストはクライエントが自己理解を深め、さらなる自己成長に向かって進めるように導きます。
セラピストの例: 「今の自分として、過去の自分と対話し、受け入れることができたのは、とても大きな一歩です。これまで抱えてきた後悔や不安が少し和らいだように感じますね。今後もこの対話を続けながら、あなたが自分自身とどのように向き合っていくか、一緒に考えていきましょう。」
エンプティチェアのセッション5「許しと理解のステップ」では、クライエントが過去の自分を許し、理解するプロセスをさらに深めます。ここでの目標は、クライエントが自己批判や後悔を解放し、過去の自分を受け入れ、感情的な和解に向かうことです。セラピストは、クライエントが内面的に許しを達成し、未来に向けた一歩を踏み出すサポートをします。
許しと理解のステップ
セッション5のポイント
- クライエントが過去の自分を許すプロセスを促し、自己理解を深めることが目的です。
- セラピストは、クライエントが抱える葛藤や抵抗に共感しながら、許しを進めるためのサポートを行います。
- 許しは段階的に進むものであり、クライエントがその過程を徐々に受け入れることが大切です。
このステップでは、クライエントが過去の自分との和解を進め、自己批判から解放されることが目指されます。過去を許すことで、クライエントは現在の自分をより肯定的に捉え、未来に向けて前向きに進む準備を整えることができます。
セラピストは、過去の自分に対するクライエントの感情がどう変化しているか確認し、その変化を元に、許しと理解に向かう対話を促します。
セラピストの例: 「前回の対話で、過去の自分に対して感謝や理解の気持ちが出てきましたね。今日はその続きとして、過去の自分を完全に許し、理解するための一歩を踏み出してみましょう。今、過去の自分についてどんな感情を抱いていますか?」
クライエントは、これまでのセッションを通じて感じた変化や現在の感情を表現します。ここでは、依然として抱えている葛藤や、許しへの準備ができているかどうかが話題となります。
クライエントの例: 「少しずつだけど、過去の自分を理解できるようになったと思う。でも、完全に許すことはまだ難しい部分がある。自分がもっと違う選択をしていたら、今の人生は変わっていたんじゃないかって、まだ思ってしまう。」
セラピストは、クライエントが抱える残りの葛藤や抵抗に焦点を当て、許しが自然に起こるために必要なステップを共に考えます。セラピストは、許しが一度に完了するものではなく、段階的に進行することを説明します。
セラピストの例: 「完全に許すことは、必ずしもすぐにできることではありません。今感じているその葛藤も、とても自然なことです。許しのプロセスは、一歩一歩進んでいくものです。今、何が過去の自分を完全に許すことを難しくしていると感じますか?」
クライエントは、過去の決断や行動に対する未解決の感情について深く掘り下げます。どの部分が許しに抵抗しているのか、具体的に考えます。
クライエントの例: 「たぶん、過去の決断が間違っていたと認めるのが怖いんだと思う。もし、違う選択をしていたら、もっと良い結果になったかもしれない。それを考えると、許すことで今の自分を肯定することになってしまうような気がして。」
セラピストは、クライエントが過去の自分を責める代わりに、当時の状況や感情を理解する視点を提供し、過去の自分を少しずつ受け入れるプロセスをサポートします。
セラピストの例: 「その気持ちは、とても理解できます。過去の選択を悔やむことが、今の自分を否定してしまうように感じるんですね。でも、過去の自分はその時の知識や経験の中で、できる限りのことをしていたのではないでしょうか?今振り返ってみて、あの時の自分はどんな状況にあったと感じますか?」
クライエントは、過去の自分が置かれていた状況や感情に共感し、その行動を理解しようとします。ここでは、過去の自分が最善を尽くしていたことに気づくプロセスが重要です。
クライエントの例: 「あの時は、本当に追い詰められていたんだと思う。家族の問題や仕事のプレッシャーで、選択肢が限られていたんだよね。今振り返ってみると、その時の自分は精一杯やっていたのかもしれない。」
セラピストは、クライエントが過去の自分に対する理解と共感を深めたところで、許しの感情が自然に湧き出るようにサポートします。許しは、過去の自分がその時点で最善を尽くしていたと認識することから始まります。
セラピストの例: 「そうですね、あの時のあなたは、追い詰められた状況の中で最善を尽くしていたのでしょう。そのことを、今のあなたはどう感じていますか?少しでも、あの時の自分を許せるように感じますか?」
クライエントは、過去の自分に対して許しの言葉を口にし、自己受容のプロセスを進めます。この段階では、許しが完全でなくても良いことを認識し、徐々に受け入れるプロセスが重要です。
クライエントの例: 「うん、少しずつだけど、あの時の自分を許してもいいのかなって思えるようになってきたよ。完璧じゃなかったけど、精一杯やっていたことは確かだし、責めるのはもうやめてもいいのかもしれない。」
セラピストは、クライエントが自己理解と許しのステップを進めたことを認め、これが自己成長の大きな一歩であることを伝えます。また、セラピストは、クライエントがさらに自己受容を深めるための次のステップを示します。
セラピストの例: 「少しずつでも、過去の自分を許すことができているのは、素晴らしい進展です。このプロセスは一度で終わるものではありませんが、今あなたが感じている変化は、自己受容の第一歩です。これからも、過去の自分と対話を続けながら、さらに深い理解と許しに向かっていきましょう。」
エンプティチェアのセッション6「未来の自分との対話」では、クライエントがエンプティチェアに座る未来の自分をイメージして対話し、将来の可能性や希望を探り、現状を乗り越えるための指針を見つけるプロセスを行います。これにより、クライエントは過去の後悔や不安を超えて、未来に向けたビジョンや目標を明確にします。
未来の自分との対話
セッション6のポイント
- クライエントがエンプティチェアに座る未来の自分をイメージし、その視点から今の自分にメッセージを伝えるプロセスを通じて、希望や目標を見つけます。
- セラピストは、クライエントが未来の自分から得たメッセージを具体的な行動計画に落とし込む手助けを行います。
- クライエントが未来のビジョンを現実の目標に変えることで、現状からの一歩を踏み出すサポートをします。
このステップを通じて、クライエントは過去の後悔や不安を超えて、希望に満ちた未来に向けて前進する力を見出すことができます。
セラピストは、クライエントが未来の自分との対話を行う準備ができているか確認し、イメージとしてエンプティチェアに未来の自分として椅子に「座らせる」よう導きます。
セラピストの例: 「これまで、過去の自分と向き合ってきましたね。次は、未来のあなたと対話する時間です。未来のあなたが、今のあなたにどんなメッセージを伝えてくれるでしょうか。未来のあなたを、この空のエンプティチェアに座らせます。」
クライエントは、未来の自分がどうなっているか、どんな人生を歩んでいるかを想像します。セラピストは、クライエントが未来の自分を具体的に思い描けるよう質問を投げかけます。
セラピストの例: 「未来のあなたは、今のあなたとはどんな風に違うと思いますか?その未来のあなたは、どんな生活を送っているかイメージできますか?」
クライエントの例: 「未来の自分か…、たぶん、今よりも少し落ち着いているかな。後悔や不安をあまり感じずに、自分の選択に自信を持っていると思う。仕事も今よりも充実していて、自分の時間を大切にしているんじゃないかな。」
セラピストは、クライエントに未来の自分として「話す」よう促します。ここでは、未来の自分が現在のクライエントにアドバイスやメッセージを伝える形で進めます。
セラピストの例: 「それでは、未来の自分として、このエンプティチェアの椅子に座って、今のあなたに話しかけてみましょう。未来のあなたは、今のあなたにどんなメッセージを伝えたいと思いますか?」
クライエントの例(未来の自分として): 「今の自分に伝えたいのは、もっと自分を信じてほしいということだね。過去の選択に後悔する気持ちはわかるけど、それでも前に進むしかないんだ。少しずつでいいから、自分を許して、新しいことに挑戦してみてほしい。未来はもっと良くなるんだから。」
セラピストは、未来の自分が現在の自分に伝えるメッセージやアドバイスを深めるため、クライエントに具体的なアクションや感情の変化について質問します。
セラピストの例: 「そのメッセージは力強いですね。未来の自分は、今のあなたにどんな行動を取るよう促していますか?例えば、どんな小さな変化や第一歩を踏み出すように言っていると思いますか?」
クライエントの例(未来の自分として): 「まずは、今抱えている不安や恐れを手放して、前に進むことだよ。現在の飲食店から知識を得て、小さな自分の店を持つこともいいよね。今よりお客さんとゆっくり話ができるコンセプトにして運営が行えるような店だよ。そのためには、新しい挑戦にも少しずつ取り組むようにって。」
セラピストは、クライエントに再び現在の自分として未来の自分のメッセージを受け止めるよう促します。このステップでは、未来の自分のアドバイスをどのように感じたか、どんな気づきがあったかを確認します。
セラピストの例: 「それでは、今の自分に戻って、未来のあなたからのメッセージを受け取ってみましょう。そのアドバイスをどう感じましたか?」
クライエントの例: 「未来の自分が、こんなに力強いメッセージをくれるとは思っていなかった。自分を信じて、もっと前向きに生きろって言われている気がする。それを聞くと、少し希望が持てるね。小さな変化から始めてもいいんだなって。」
セラピストは、未来のビジョンやメッセージを、クライエントの日常生活にどう取り入れるかを探ります。これにより、未来のビジョンが単なる空想ではなく、現実的な目標として意識されるようになります。
セラピストの例: 「未来の自分からのメッセージはとてもポジティブで力強いですね。これを現実の生活にどう活かせそうですか?例えば、今日からできる小さな一歩は何でしょうか?」
クライエントの例: 「たぶん、今の仕事のことで悩むのではなく、将来に向かって修行をしているんだと思えということかな。まだ52歳だから、5年を目標にして資金をためていく、スポンサーから声がかかるような行動をすることなど、新しい考えに勇気を持ってみようと思う。」
セラピストは、クライエントが未来の自分のメッセージに基づいてどのように行動を変えていくかを具体的に確認し、セッションをまとめます。
セラピストの例: 「今日、未来の自分との対話を通じて、希望や新しい目標が見えてきましたね。これからも、そのメッセージを心に留めて、小さな変化を積み重ねていきましょう。まずは、自分を大切にし、バランスの取れた生活を目指すことから始めてみてください。」
クライエントの例: 「そうだね。小さな一歩を踏み出すことが、未来に繋がるんだって感じられる。少しずつでも、自分を許し、未来を信じて生きていこうと思うよ。」
セッション7「未来の自分として応答する」では、クライエントが未来の自分として再びエンプティチェアに座り、現在の自分に応答します。未来の自分が、今の自分にアドバイスをしたり、肯定的なメッセージを伝えることで、クライエントは未来に向けた明確な行動の方向性を見出します。このステップは、未来の自分の視点から現在の状況を乗り越えるための新しい視野を提供します。
未来の自分として応答する
セッション7のポイント
- クライエントが未来の自分として、現在の自分に対して励ましや具体的な行動指針を提供します。
- セラピストは、未来の視点から現状を見直すことで、クライエントが前向きな行動を起こせるようサポートします。
- 未来の自分からのメッセージを現実にどう落とし込むかを話し合い、クライエントが実際に行動に移せるように導きます。
このセッションは、未来の視点から現在を見つめることで、クライエントに希望を与え、実際の生活での行動変化を促す効果があります。
セラピストは、クライエントが再度未来の自分に戻り、現在の自分に対して応答するよう促します。クライエントは、未来の自分として今の自分に向けたメッセージを伝えるために、未来から見た現状の価値や可能性について話します。
セラピストの例: 「では、もう一度未来の自分として、そのエンプティチェアに座ってください。そして、今の自分に向けてメッセージを送ってください。未来のあなたから見て、今のあなたがどのように進むべきか、何か伝えたいことはありますか?」
クライエントは未来の自分として、今の自分に対して具体的なアドバイスや励ましの言葉を語ります。ここで重要なのは、クライエントが自身の成長や変化を実感し、前向きな視点を持つことです。
クライエントの例(未来の自分として): 「今の君に伝えたいのは、君はちゃんと成長しているってことだよ。たとえ今、不安や後悔があっても、それがすべてではない。もう少し自分に優しくして、過去の失敗を許してあげてもいいんじゃないかな。」
セラピストの例: 「それは素晴らしいメッセージですね。未来のあなたから見て、今のあなたが特にどんな面を強化していくと良いと思いますか?」
クライエントの例(未来の自分として): 「今の君には、もっと自信を持ってほしい。過去に囚われず、少しずつでいいから新しいことに挑戦してほしい。将来の自分は、その小さな努力の積み重ねでここにいるんだ。だから、焦らず、少しずつ前に進もう。」
セラピストは、クライエントが未来の自分の視点からさらに深く現状を理解し、具体的な行動指針を見つけられるよう促します。未来の自分がどのように困難を乗り越え、成功や安定を手に入れたのかを語ることで、クライエントに希望とモチベーションを提供します。
セラピストの例: 「未来のあなたは、今のあなたが直面している不安や後悔をどう乗り越えたと思いますか?」
クライエントの例(未来の自分として): 「一つ一つ、小さな一歩を踏み出すことで乗り越えたと思う。最初は恐怖があったけど、それでも毎日少しずつ行動して、失敗を恐れずに進んだ。たとえ失敗しても、それを学びに変えたことで、今の自分があるんだ。」
未来の自分として、現在の自分に対して実際にどのような行動を取るべきか、具体的なアドバイスをします。このステップでは、クライエントが未来の自分の視点から、自信を持って行動できる道筋を見つけることが目的です。
セラピストの例: 「未来のあなたは、今のあなたに対してどんな具体的な行動を提案しますか?どんな一歩を踏み出すと良いと思いますか?」
クライエントの例(未来の自分として): 「まずは、もっと自分の気持ちや感情を大切にすることだね。そして、過去にとらわれず、少しずつでも未来に向けた行動を取ってほしい。今の仕事は未来への修行だよ。未来の店の事業主になれるんだと思って、行動するんだよ。少しでも資金をためる。スポンサーがつくような仕事振りになること。今の店の経営者から声がかかるかもしれないよ。実は調理師免許と運営は関係ないよ。でも調理師免許だって取得できるよ。すべてうまくいったら、以前の家族にも恩を返せるんだよ。今の頑張りが未来の自分に繋がるんだと思う。」
セラピストは、クライエントに現在の自分に戻り、未来の自分からの応答を受け止めるよう促します。ここで、未来の自分からのメッセージや提案がどのように響いたかを確認し、感情や気づきについて話し合います。
セラピストの例: 「それでは、今の自分に戻って、未来の自分からのメッセージを振り返ってみましょう。どう感じましたか?どんな新しい視点や気づきがありましたか?」
クライエントの例: 「未来の自分が、自分をちゃんと信じてくれていることが嬉しい。過去にとらわれずに前に進んでいいんだって、少し自信が持てた。未来が明るくやれることがあるんだと感じられたよ。」
最後に、セラピストはクライエントが未来の自分から得たメッセージを現実にどう活かすかを確認し、次のステップに繋げます。クライエントが日常生活で取れる具体的な行動を整理し、目標設定をサポートします。
セラピストの例: 「未来の自分からのメッセージはとても力強く、前向きですね。これを実際の生活にどう活かせそうですか?まずは、今日から始められる小さなステップは何でしょうか?」
クライエントの例: 「まず、過去を許して、自分にもっと優しくなりたいと思う。それから、現在の飲食店の仕事を修行だと思ってやること、小さな挑戦を始めてみようと思う。」
セッション8「自己承認と希望の再発見」は、エンプティチェアワークの最終ステップであり、クライエントが自分自身を受け入れ、未来に対する希望を見出すための重要な瞬間です。このセッションでは、クライエントが過去の後悔や不安を乗り越え、自己承認を行い、ポジティブな変化の可能性に気づくことが目的です。
自己承認と希望の再発見
セッション8のポイント
- 自己承認を深め、クライエントが過去や現在の自分を受け入れる姿勢をサポートします。
- 未来に対する希望を再発見し、具体的な行動目標を明確にします。
- セラピストは、クライエントの成長を認め、その気づきが今後の人生にどのように活かせるかを振り返ります。
この最終セッションは、クライエントが過去の後悔を受け入れ、未来へのポジティブなビジョンを持ち、行動に繋げるプロセスを促す重要なステップです。
セラピストは、これまでの対話と体験を振り返り、クライエントに自己承認と未来への希望について考えさせます。ここでは、クライエントが過去や現在を許し、受け入れる姿勢が重要です。
セラピストの例: 「これまでの対話を振り返って、いろいろな感情や気づきがあったかと思います。今の時点で、自分自身に対してどんな気持ちを抱いていますか?また、未来に対してどのような希望を持っていますか?」
クライエントは、自分の過去や現在の感情を再確認し、自分自身を許し、受け入れることについて話します。自己承認のプロセスは、クライエントが自身の弱さや過去の選択を受け入れ、成長の過程として理解することです。
クライエントの例: 「これまで自分を責めてばかりだったけれど、今は少しだけ、自分がしてきたことに価値があると感じられます。完全じゃないけど、努力してきたことや、少しずつでも前に進んできたことを認めたいと思う。過去の失敗も、今の自分にとっての一部なんだなって。」
セラピストの例: 「とても大切な気づきですね。過去の自分を受け入れることで、今の自分もより軽やかに感じられるかもしれません。今、自分を少しでも認めることができたと感じていますか?」
クライエントの例: 「はい、少しずつですけど、認められそうです。完璧じゃなくても、それでもいいんだと思えるようになりました。」
セラピストは、未来に向けたポジティブなビジョンを引き出し、クライエントが今後どう進んでいくのかを考えるよう促します。このステップでは、クライエントが希望を見出し、それを現実にどのように活かしていくかについて話し合います。
セラピストの例: 「未来に対して、新しい視点や希望が見えてきたようですね。これからの自分に対して、どんなビジョンや目標がありますか?」
クライエントの例: 「未来が怖いって思ってたけど、今は少し違うかもしれません。これからは、過去のことばかりにこだわらずに、今できることを大切にしながら前に進みたいです。仕事の関わり方の考えを変えたり、自分の店舗のイメージをつくる時間を増やしたり、少しずつでも新しいことに挑戦したいです。」
セラピストの例: 「素晴らしいですね。具体的な行動が見えてきています。過去の後悔や不安がある中で、それでも未来に希望を持てるようになったのは、とても大きな変化だと思います。」
クライエントは、未来の自分に対して希望を持ったメッセージを送ることで、自己承認と前進への意志を深めます。これは、クライエントが今後の歩みをしっかりと認識し、行動に移す準備を整えるためのプロセスです。
セラピストの例: 「もし今、未来の自分に対してメッセージを送るとしたら、どんな言葉を送りたいですか?」
クライエントの例: 「未来の自分へ…。焦らなくていいし、少しずつでいいから、今の自分を大事にしながら進んでほしい。失敗を恐れず、挑戦を続けてほしい。そして、将来の飲食店の構想を考えられる自分自身の時間を設けてね。」
セラピストの例: 「素敵なメッセージですね。それを未来の自分に送りながら、今から一歩ずつ進んでいきましょう。」
セッションの最後に、セラピストはクライエントの成長や変化をまとめ、自己承認と希望の再発見について振り返ります。これにより、クライエントは自分が成し遂げた内面的な変化を実感し、今後の生活に活かす意識を強めます。
セラピストの例: 「今日のセッションを通して、自己承認や未来への希望を再発見されたことは、本当に大きな一歩ですね。これまで感じていた不安や後悔に向き合い、それを乗り越える力を見つけられたこと、とても素晴らしいです。これからも、未来に向けた希望を持ちながら、着実に歩んでいきましょう。」
クライエントの例: 「ありがとうございます。これまで自分を許せなかったけど、少しずつ自分を認めて、未来に向かって進んでいける気がします。」
セラピストの例: 「その気持ちが大切ですね。これからも焦らず、自分のペースで進んでいきましょう。今日の気づきや希望を大切にして、次のステップを踏み出していきましょう。」
今回のエンプティチェアのセッションにおけるステップは、まさに「過去の感情の受容」と「未解決の感情と向き合うこと」を通じて、過去を許し、現在を受け入れ、未来を見出すプロセスです。最後まで目を通していただきましてありがとうございます。